82 / 170
第八十二話『二人のルルニア2』〇
しおりを挟む
その後も二人による攻めは続いた。何度か隙を見て逃げようとしたが、どう頑張ってもベッドの上に引き戻される。次第に俺は気力を失い、思考停止して肉欲に溺れた。
「ん……ふぁっ、きゃふっ、あん!?」
「あうっ、ん……ひゃめ、いぅん!?」
俺の顔には幼女のサキュバスの股が乗っている。ワレメからはとめどなく愛液が漏れ出し、飲めば飲むほど酒に酔ったような高揚感に身体が包まれていく。
大人のサキュバスは俺の腰に跨り、陰茎を膣口に入れて腰を動かしている。パチュパチュ響く水音も温かく絡みつく膣壁も、童貞の俺には刺激が強すぎた。
「……ぐぅっ!? ダメ……だ、イグっ!!?」
三度目の絶頂だと言うのに、射精の勢いは衰えなかった。
視界と思考が真っ白になるが、夢から覚める様子はない。
「…………俺は、いつまでここで……こんな」
そう呟きながら身体を起こすと、二人が仰向けとうつ伏せの身体を重ねて抱き合っていた。ワレメとワレメを密着させ、その中心に陰茎を差し込めと暗に告げてきている。
俺は生唾を飲み込み、亀頭をそこに挿れた。すでに愛液のヌメリは潤沢であり、少し力を入れただけで陰茎が奥へと進んで行く。三度四度と抽挿を行い、また射精した。
「ふふっ、いっぱい出たね。おにぃちゃん」
「さぁ、次はどちらに挿れますか? グレイゼル?」
「ずっとここにいて、永遠にルルとエッチしよ?」
「外に何て行かなくていいんです。私が守りますから」
二人は俺だけを求めていた。魔物なのに命を奪わず、何の見返りも求めない。ここにいれば死の恐怖を感じることもなく、ぬるま湯のような気持ち良さに浸っていられる。
しかしそれは俺が望む未来と違う気がした。だから最後の気力を振り絞ってベッドから飛び出し、二人の声を背に自室を出て階段を下りた。
「外に、外にさえ出れば!」
玄関口の扉を開けようとするが、押しても引いても開かなかった。
後ろから二人の足音が聞こえ、俺を捕まえようと手を伸ばしてくる。
「────俺はまだ、あいつとの結婚式すら終わらせてないんだ!!」
そう叫んだ瞬間、一帯の景色が歪み始めた。あらゆる物の輪郭が薄くなり、霞のように消えた。二人のサキュバスも消え、俺は暗闇に取り残された。それが最後の思考だった。
次に目を覚ますと、俺は自室のベッドの上にいた。
まだ夢の続きかと思うが、意識に淀みはなかった。
「…………ここは現実、だよな」
身体中に滲んだ脂汗が気持ち悪かった。ロウソクの火を見ながら心臓の動悸を静めていると、頭がそっと撫でられた。気づけば俺はルルニアに膝枕されていた。
「……すいません。あなたを苦しませる気はなかったんですが」
開口一番に謝られ、何が起きていたのか聞いてみた。
「あなたに夢を、淫夢を見せていたんです」
「……それってサキュバスの」
「基本の術の一つですが、私は苦手でした。愛し合って強くなれたことで不足なく使えるようになったので、帰宅してきたあなたに試したんです」
俺の夢を操り、大人と幼女のルルニアの同時出しを実現させた。二対一で性行為をしたら喜んでくれるだろうと、発端は純粋な好意だった。だが、
「あなたの記憶が出会いの頃まで戻ったのは想定外でした。怖がられても気持ち良くさせればいいと思って攻め続けて、余計に怖がらせてしまいました」
夢の中とはいえ俺に拒絶されたのが相当堪えたようだ。
せっかくの好意を無下にしたと謝るが、首が横に振られた。
「驕りがあったんです。これほどの力があればあなたを好きにできると、そう思ってしまった」
「……ルルニア」
「夫婦は支え合うものだと言うのに、事前に話を通すこともしなかった。これでは妻失格です」
心からの反省が伝わってきた。ふと部屋の隅を見ると、ニーチャが椅子に座って俺たちを見ていた。その表情には心配や不安がありありと浮かんでいた。
「大丈夫だよ、ニーチャ」
俺はルルニアの手を握り、身体を起こした。膝枕されていたから気づかなかったが、今にも泣きそうな顔をしている。だから力いっぱい抱きしめてやった。
「ルルニアは自分の失敗で人が傷つくのを過度に畏れすぎだな」
「……ですが、これは」
「すれ違いがあったら話し合って、嬉しいことがあったら共有して、どんな日々を彩っていくのかを話し合う。それを続けて夫婦になるって、初めてを遂げた朝に言っただろ?」
ルルニアは反省していて俺はそれを許した。それでこの話は終わりだ。
「今回のことより、次をどうするか考えよう。例えばそうだな、今の姿のルルニアを夢の中に三人出現させることって可能なのか?」
「えと、できるとは思います……」
「体型違い三人のハーレムもいいかもな。夢だとルルニアが気持ち良くなれないから、回数は抑えよう。月に三回ぐらいでどうだ?」
この程度の失敗は気にするなと、改善案を告げることで示した。それでも納得しきれていない雰囲気があったため、自責を続けようとする口をキスで塞いでやった。
「の、のうこう、二人ともさすが……」
夫婦の仲直り方法を学ぶニーチャを視界の隅に入れ、唾液まみれの口を離した。額と額を重ねて笑ってやると、ルルニアは悲しみを振り切った微笑みで涙の雫を落とした。
「あなたは酷い人です。私を何度惚れさせる気ですか」
「限度何てあるか、何度だって惚れさせてやる」
「まぁ、それは頼もしいですね。ふふふっ」
ルルニアは朗らかに笑い、「あっ」と言った。
「そういえば一つ、夢を見せて良いことがありました」
「良いこと?」
「夢の中であなたが、私の名前を呼んでくれたことです」
「ん……ふぁっ、きゃふっ、あん!?」
「あうっ、ん……ひゃめ、いぅん!?」
俺の顔には幼女のサキュバスの股が乗っている。ワレメからはとめどなく愛液が漏れ出し、飲めば飲むほど酒に酔ったような高揚感に身体が包まれていく。
大人のサキュバスは俺の腰に跨り、陰茎を膣口に入れて腰を動かしている。パチュパチュ響く水音も温かく絡みつく膣壁も、童貞の俺には刺激が強すぎた。
「……ぐぅっ!? ダメ……だ、イグっ!!?」
三度目の絶頂だと言うのに、射精の勢いは衰えなかった。
視界と思考が真っ白になるが、夢から覚める様子はない。
「…………俺は、いつまでここで……こんな」
そう呟きながら身体を起こすと、二人が仰向けとうつ伏せの身体を重ねて抱き合っていた。ワレメとワレメを密着させ、その中心に陰茎を差し込めと暗に告げてきている。
俺は生唾を飲み込み、亀頭をそこに挿れた。すでに愛液のヌメリは潤沢であり、少し力を入れただけで陰茎が奥へと進んで行く。三度四度と抽挿を行い、また射精した。
「ふふっ、いっぱい出たね。おにぃちゃん」
「さぁ、次はどちらに挿れますか? グレイゼル?」
「ずっとここにいて、永遠にルルとエッチしよ?」
「外に何て行かなくていいんです。私が守りますから」
二人は俺だけを求めていた。魔物なのに命を奪わず、何の見返りも求めない。ここにいれば死の恐怖を感じることもなく、ぬるま湯のような気持ち良さに浸っていられる。
しかしそれは俺が望む未来と違う気がした。だから最後の気力を振り絞ってベッドから飛び出し、二人の声を背に自室を出て階段を下りた。
「外に、外にさえ出れば!」
玄関口の扉を開けようとするが、押しても引いても開かなかった。
後ろから二人の足音が聞こえ、俺を捕まえようと手を伸ばしてくる。
「────俺はまだ、あいつとの結婚式すら終わらせてないんだ!!」
そう叫んだ瞬間、一帯の景色が歪み始めた。あらゆる物の輪郭が薄くなり、霞のように消えた。二人のサキュバスも消え、俺は暗闇に取り残された。それが最後の思考だった。
次に目を覚ますと、俺は自室のベッドの上にいた。
まだ夢の続きかと思うが、意識に淀みはなかった。
「…………ここは現実、だよな」
身体中に滲んだ脂汗が気持ち悪かった。ロウソクの火を見ながら心臓の動悸を静めていると、頭がそっと撫でられた。気づけば俺はルルニアに膝枕されていた。
「……すいません。あなたを苦しませる気はなかったんですが」
開口一番に謝られ、何が起きていたのか聞いてみた。
「あなたに夢を、淫夢を見せていたんです」
「……それってサキュバスの」
「基本の術の一つですが、私は苦手でした。愛し合って強くなれたことで不足なく使えるようになったので、帰宅してきたあなたに試したんです」
俺の夢を操り、大人と幼女のルルニアの同時出しを実現させた。二対一で性行為をしたら喜んでくれるだろうと、発端は純粋な好意だった。だが、
「あなたの記憶が出会いの頃まで戻ったのは想定外でした。怖がられても気持ち良くさせればいいと思って攻め続けて、余計に怖がらせてしまいました」
夢の中とはいえ俺に拒絶されたのが相当堪えたようだ。
せっかくの好意を無下にしたと謝るが、首が横に振られた。
「驕りがあったんです。これほどの力があればあなたを好きにできると、そう思ってしまった」
「……ルルニア」
「夫婦は支え合うものだと言うのに、事前に話を通すこともしなかった。これでは妻失格です」
心からの反省が伝わってきた。ふと部屋の隅を見ると、ニーチャが椅子に座って俺たちを見ていた。その表情には心配や不安がありありと浮かんでいた。
「大丈夫だよ、ニーチャ」
俺はルルニアの手を握り、身体を起こした。膝枕されていたから気づかなかったが、今にも泣きそうな顔をしている。だから力いっぱい抱きしめてやった。
「ルルニアは自分の失敗で人が傷つくのを過度に畏れすぎだな」
「……ですが、これは」
「すれ違いがあったら話し合って、嬉しいことがあったら共有して、どんな日々を彩っていくのかを話し合う。それを続けて夫婦になるって、初めてを遂げた朝に言っただろ?」
ルルニアは反省していて俺はそれを許した。それでこの話は終わりだ。
「今回のことより、次をどうするか考えよう。例えばそうだな、今の姿のルルニアを夢の中に三人出現させることって可能なのか?」
「えと、できるとは思います……」
「体型違い三人のハーレムもいいかもな。夢だとルルニアが気持ち良くなれないから、回数は抑えよう。月に三回ぐらいでどうだ?」
この程度の失敗は気にするなと、改善案を告げることで示した。それでも納得しきれていない雰囲気があったため、自責を続けようとする口をキスで塞いでやった。
「の、のうこう、二人ともさすが……」
夫婦の仲直り方法を学ぶニーチャを視界の隅に入れ、唾液まみれの口を離した。額と額を重ねて笑ってやると、ルルニアは悲しみを振り切った微笑みで涙の雫を落とした。
「あなたは酷い人です。私を何度惚れさせる気ですか」
「限度何てあるか、何度だって惚れさせてやる」
「まぁ、それは頼もしいですね。ふふふっ」
ルルニアは朗らかに笑い、「あっ」と言った。
「そういえば一つ、夢を見せて良いことがありました」
「良いこと?」
「夢の中であなたが、私の名前を呼んでくれたことです」
0
あなたにおすすめの小説
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではGemini PRO、Pixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
【完結】異世界に転移しましたら、四人の夫に溺愛されることになりました(笑)
かのん
恋愛
気が付けば、喧騒など全く聞こえない、鳥のさえずりが穏やかに聞こえる森にいました。
わぁ、こんな静かなところ初めて~なんて、のんびりしていたら、目の前に麗しの美形達が現れて・・・
これは、女性が少ない世界に転移した二十九歳独身女性が、あれよあれよという間に精霊の愛し子として囲われ、いつのまにか四人の男性と結婚し、あれよあれよという間に溺愛される物語。
あっさりめのお話です。それでもよろしければどうぞ!
本日だけ、二話更新。毎日朝10時に更新します。
完結しておりますので、安心してお読みください。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる