エッチな精気が吸いたいサキュバスちゃんは皆の癒しの女神

のっぺ

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第八十二話『二人のルルニア2』〇

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 その後も二人による攻めは続いた。何度か隙を見て逃げようとしたが、どう頑張ってもベッドの上に引き戻される。次第に俺は気力を失い、思考停止して肉欲に溺れた。

「ん……ふぁっ、きゃふっ、あん!?」
「あうっ、ん……ひゃめ、いぅん!?」

 俺の顔には幼女のサキュバスの股が乗っている。ワレメからはとめどなく愛液が漏れ出し、飲めば飲むほど酒に酔ったような高揚感に身体が包まれていく。

 大人のサキュバスは俺の腰に跨り、陰茎を膣口に入れて腰を動かしている。パチュパチュ響く水音も温かく絡みつく膣壁も、童貞の俺には刺激が強すぎた。

「……ぐぅっ!? ダメ……だ、イグっ!!?」

 三度目の絶頂だと言うのに、射精の勢いは衰えなかった。
 視界と思考が真っ白になるが、夢から覚める様子はない。

「…………俺は、いつまでここで……こんな」

 そう呟きながら身体を起こすと、二人が仰向けとうつ伏せの身体を重ねて抱き合っていた。ワレメとワレメを密着させ、その中心に陰茎を差し込めと暗に告げてきている。

 俺は生唾を飲み込み、亀頭をそこに挿れた。すでに愛液のヌメリは潤沢であり、少し力を入れただけで陰茎が奥へと進んで行く。三度四度と抽挿を行い、また射精した。

「ふふっ、いっぱい出たね。おにぃちゃん」
「さぁ、次はどちらに挿れますか? グレイゼル?」
「ずっとここにいて、永遠にルルとエッチしよ?」
「外に何て行かなくていいんです。私が守りますから」

 二人は俺だけを求めていた。魔物なのに命を奪わず、何の見返りも求めない。ここにいれば死の恐怖を感じることもなく、ぬるま湯のような気持ち良さに浸っていられる。

 しかしそれは俺が望む未来と違う気がした。だから最後の気力を振り絞ってベッドから飛び出し、二人の声を背に自室を出て階段を下りた。

「外に、外にさえ出れば!」

 玄関口の扉を開けようとするが、押しても引いても開かなかった。
 後ろから二人の足音が聞こえ、俺を捕まえようと手を伸ばしてくる。

「────俺はまだ、あいつとの結婚式すら終わらせてないんだ!!」

 そう叫んだ瞬間、一帯の景色が歪み始めた。あらゆる物の輪郭が薄くなり、霞のように消えた。二人のサキュバスも消え、俺は暗闇に取り残された。それが最後の思考だった。


 次に目を覚ますと、俺は自室のベッドの上にいた。
 まだ夢の続きかと思うが、意識に淀みはなかった。

「…………ここは現実、だよな」

 身体中に滲んだ脂汗が気持ち悪かった。ロウソクの火を見ながら心臓の動悸を静めていると、頭がそっと撫でられた。気づけば俺はルルニアに膝枕されていた。

「……すいません。あなたを苦しませる気はなかったんですが」
 開口一番に謝られ、何が起きていたのか聞いてみた。

「あなたに夢を、淫夢を見せていたんです」
「……それってサキュバスの」
「基本の術の一つですが、私は苦手でした。愛し合って強くなれたことで不足なく使えるようになったので、帰宅してきたあなたに試したんです」

 俺の夢を操り、大人と幼女のルルニアの同時出しを実現させた。二対一で性行為をしたら喜んでくれるだろうと、発端は純粋な好意だった。だが、

「あなたの記憶が出会いの頃まで戻ったのは想定外でした。怖がられても気持ち良くさせればいいと思って攻め続けて、余計に怖がらせてしまいました」

 夢の中とはいえ俺に拒絶されたのが相当堪えたようだ。
 せっかくの好意を無下にしたと謝るが、首が横に振られた。

「驕りがあったんです。これほどの力があればあなたを好きにできると、そう思ってしまった」
「……ルルニア」
「夫婦は支え合うものだと言うのに、事前に話を通すこともしなかった。これでは妻失格です」

 心からの反省が伝わってきた。ふと部屋の隅を見ると、ニーチャが椅子に座って俺たちを見ていた。その表情には心配や不安がありありと浮かんでいた。

「大丈夫だよ、ニーチャ」

 俺はルルニアの手を握り、身体を起こした。膝枕されていたから気づかなかったが、今にも泣きそうな顔をしている。だから力いっぱい抱きしめてやった。

「ルルニアは自分の失敗で人が傷つくのを過度に畏れすぎだな」
「……ですが、これは」
「すれ違いがあったら話し合って、嬉しいことがあったら共有して、どんな日々を彩っていくのかを話し合う。それを続けて夫婦になるって、初めてを遂げた朝に言っただろ?」

 ルルニアは反省していて俺はそれを許した。それでこの話は終わりだ。

「今回のことより、次をどうするか考えよう。例えばそうだな、今の姿のルルニアを夢の中に三人出現させることって可能なのか?」
「えと、できるとは思います……」
「体型違い三人のハーレムもいいかもな。夢だとルルニアが気持ち良くなれないから、回数は抑えよう。月に三回ぐらいでどうだ?」

 この程度の失敗は気にするなと、改善案を告げることで示した。それでも納得しきれていない雰囲気があったため、自責を続けようとする口をキスで塞いでやった。

「の、のうこう、二人ともさすが……」

 夫婦の仲直り方法を学ぶニーチャを視界の隅に入れ、唾液まみれの口を離した。額と額を重ねて笑ってやると、ルルニアは悲しみを振り切った微笑みで涙の雫を落とした。

「あなたは酷い人です。私を何度惚れさせる気ですか」
「限度何てあるか、何度だって惚れさせてやる」
「まぁ、それは頼もしいですね。ふふふっ」
 
 ルルニアは朗らかに笑い、「あっ」と言った。

「そういえば一つ、夢を見せて良いことがありました」
「良いこと?」
「夢の中であなたが、私の名前を呼んでくれたことです」
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