エッチな精気が吸いたいサキュバスちゃんは皆の癒しの女神

のっぺ

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第九十九話『プレステス3』〇

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 自由の身になれると思ってプレステスは表情を明るくするが、ルルニアは否を突きつけた。淫紋は上書きするだけだと、別の行動制限を課すと言った。

「先に言っておきますが、私の淫紋を刻まれたサキュバスは人間を喰い殺せなくなります。吸精に歯止めが掛かり、命を奪う瞬間の最高の味を堪能できなくなります」
「あれ、それだと、あれ??」
「せっかく手に入れた自由を、また失うということです。悪逆非道と罵ってくれて構いません。私にとっては同族より、自分で築いた居場所の方が大事なんです」

 アストロアスに害を成す可能性のある相手を野放しにはしない。進んでも地獄で戻っても地獄、クレアの元から逃げ出したプレステスの前に新たな壁が立ちはだかった。

「もしここに残るなら人間と共存してもらいます。別に命を賭けて守れとは言いません。精気という食事をもらう代わり、愛を持って接するのが掟となります」
「……えと」
「無理なら無理と言って構いませんよ。淫紋を刻むのは絶対ですが、ちゃんと帰して差し上げます。私から言うべきことはそれだけ、後はあなたの選択次第です」
 
 プレステスは少し逡巡し、ルルニアに問いかけた。

「そ、その、吸精に歯止めがかかると言いましたが、エッチするのはいいんですよね? 一回食べたらしばらく絶食、とかもないってことですよね?」
「節度を守れば何も言う気はありません」
「あ、あと、淫紋を刻むってことは配下に加えてくれるってことでいいんでしょうか? わたし戦うの苦手でして、長いものに巻かれたいと言いますか」
「いいですよ。ここには優秀な守護者がいますし」
「他にあの、あすとろ……あす? って場所の中なら自由に行動していいんですよね? 勝手にうろついて頬を思いっきり叩かれるとかもないんですよね?」

 常識の範囲内でならと、ルルニアは言った。プレステスは魔力的な意味ではなく瞳を輝かせ、縛られた腕をテーブルにダンと置いて「ぜひ!」と言った。

「ま、前と比べたら天国みたいな環境です! 人間さんと愛し合うってのはよく分からないですけど、それは過ごして行けば分かりますよね! そうですよね!」

 元いた場所が酷かった反動だろうか、嫌がる素振りもなく条件を呑んだ。早速淫紋を刻む流れとなるが、縄は結んだままで二階へと移動した。

 入室したのは俺たちの部屋ではなく、ニーチャの部屋だ。中にはベッドに棚に机と、一通りの家具がある。棚の中段には木彫りの像が並んでいた。

「これ、ガーブランドが彫った奴だったか?」
「うん、おじさんが作った。お弁当のお礼だって」

 そんな話をしつつ視線を戻すと、プレステスはルルニアの指示でベッドに寝そべっていた。シーツの柔らかさに息をつくのも束の間、腕を頭の上に持っていく形で縄が固定された。

「あの、淫紋を刻むだけですよね? な、何でここまでするんですか?」
「……念のためです。あなたは寝ているだけでいいですよ」
「え、笑みが怖いんですけど大丈夫ですかこれ?」

 その疑問に対する返事はない。ニーチャも無言で微笑んでいた。
 ルルニアは服を脱いで身体を禍々しく変貌させ、指に光を灯した。

「────さぁ、始めますよ」

 また体調を崩すのでは、と心配するが杞憂だった。ルルニアはプレステスの太ももの上にまたがり、下腹部に指を当てた。すると線一本で「ひぃぃう!?」と悲鳴が上がった。

「ふぃ、ふぅぅく、あぅぅぅぅ!? くひっ、んんっ!? お〝お〝っ!!?」
「…………」
「あ、あひ、〝く〝ひ〝ぃ〝ん!!?? 〝い〝ぅ、〝やっ!!? ごれ〝タ〝メ!? お腹がおかじくなっでま……ずぅ!? ぅぅぅ〝あ〝うぅぅ!!?」

 線が足されていく度に腰をくねらせている。淫紋の快楽から逃れようと縄で縛られた腕を何度も引き、地団駄を踏むように足を上げ下げして暴れている。

 見ているだけなのも悪いため、ニーチャと協力してプレステスを抑えることにした。俺が両腕で足を掴むと、ニーチャは顔を覗き込んで瞳を光らせた。

「ルルニア困るから、動いちゃダメ」
「だっでぇ! 指が触れた場所……熱いんでずぅ!? 気持ち良いがいっぱいで、お腹おかしくなりまずぅぅぅ!? もう無理でずよぉぉ!!?」
「でもこれやらないと、愛し合えないよ」
「〝あ〝ぅ〝う!!?  無……理でず。もう漏れちゃい……まず。お腹に力が入んなぐ……で、もう我慢の限界で……ず!!? ……あっ」

 その一言に合わせ、プレステスの百面相が凪いだ。
 一度放心した顔になり、次いで頬を赤くした。目から羞恥の涙をこぼし、口をへの字に結んだ。身体を小刻みに震わせたかと思うと、静寂に包まれた室内にチョロチョロと水音が響いた。

「あ……あぁ、とまっ止まってぇ……。見ないで欲しいですぅ…………」

 最初はズボンの股周りにだけ染みが浮かぶが、徐々に太ももの位置まで濡れていった。ホカホカと湯気が立ち昇り始めるのを見て、プレステスはさらに羞恥を深めた。

「大丈夫、ニーチャも初めてはおもらしした」
「……うぅ、恥ずかしいです。穴があったら入りたいでずぅ……」
「全然恥ずかしくない。いっぱい出せて偉い」

 泣きじゃくるプレステスの頭をニーチャがよしよしと撫でている。二人の仲睦まじさを見て上手くやっていけそうだと思っていると、ふいにルルニアがよろけた。
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