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第百四話『新人研修2』〇
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ふと目を開けると、俺はベッドの上にいた。腕は頭の上にあって動かせず、引っ張ると縄が軋む音が聞こえた。そこで意識を失う前の状況を思い出した。
ルルニアはすぐ横におり、何故かプレステスを縛っていた。サキュバス独自の緊縛方法なのか、胸や股を強調するように縄が複雑に張り巡らされている。
「だ、旦那様、助けて下さいぃぃ」
プレステスから半泣きで助けを求められた。縄の締めつけで着衣にはシワが寄っており、身体の輪郭が強調されている。スカートは股の位置まで持ち上がっていた。
「……よし、こんなものですかね」
ルルニアは最後の仕上げとばかりに、プレステスの口に布を巻いた。
もごもごと嘆き床に寝かされる姿を見つつ、この状況の説明を求めた。
「昨日の夜、プレステスを縄で縛って淫紋を刻みましたよね」
「刻んだな」
「あれを見て、グレイゼルを縄で縛ってエッチしたくなったんです」
「あー、なるほど」
キメ顔でよく分からないことを言われてしまった。ならばプレステスを縛る意味はないのではと、二階にいた時に粗相をしたのかと聞いてみた。
「プレステスは良い子ですよ。言ったことは守ろうとしますし、人間であるグレイゼルを目上の者と認識できる頭があります。ただ……」
「ただ?」
「この子、自分がSかMか分からないそうで」
エスとエム、この国の言語に似た発音の単語はあるが、意味合いが違く聞こえた。サキュバス独自の淫語か聞いてみると、ルルニアは縄の縛めつけを強めながら答えた。
「Sは他者をいじめて性的な興奮を得られる者のことを差します。Mはその逆で苦痛や羞恥を受けて性的な興奮を得られる者のことを差します」
「ふ……ぅん!? もご……みゅ! お……んんっ!?」
「性行為の受け攻めみたいな話か? それなら分かる」
「ふご、ぐっ! んひゅっ!? んむ! んむぅ!!?」
「私は両対応可能でグレイゼルはどちらかと言うとS寄りですね。これを事前に知っておくことで、エッチの前に相手との相性を知れるわけです」
ルルニアはプレステスを放置し、ベッドに乗って俺の股間をまさぐった。
「会話でどちら側か探ろうとしたんですが、無理でした。長くクレアの母乳を吸わされていた影響で、エッチへの期待が虚無の彼方に消えてしまったようで」
「サキュバスが性行為を断たれたらそうもなるか……」
「だから身動きが取れず滅茶苦茶にされるグレイゼルと、縄で縛られてお預けを喰らう自分。興奮の比重が高い方がどっちか確かめて、SとMを見極めます」
言いながらズボンをずり下げ、陰茎を露出させた。プレステスは目をガン開きにし、口を覆う布からフゥフゥと息を漏らした。縄で縛っていなければ飛びついてきそうな興奮具合だ。
(…………エムにしか見えないが、意外にエスだったりするのか?)
そんなことを思っていると、顔が正面に固定された。ルルニアはねっとり甘いキスをし、一度口を離して唾液をトロトロと垂らした。俺が喉を鳴らすと下唇を舐めて「始めますね」と言った。
「分かっているとは思いますが、その縄は闘気の力を使えば簡単に千切れます。私の身体に異常があったりした時は遠慮なく外しちゃって下さい」
「分かった」
「このまま挿入するだけだとSの要素が薄いので、尋問しましょうか。実はここ最近のことで一つ、グレイゼルに聞きたかった内容があるんです」
そんなものがあるのかと思った。浮気はしておらず、借金もない。
質問されれば答えるつもりでいると、予想外の一言が発せられた。
「────私の不調の原因、実は心当たりがあるのではないですか?」
妊娠という単語が脳裏に浮かぶが、答えられなかった。人間と魔物の間に子が生まれる前例はなく、勘違いだったなら期待と失望の落差で心を傷つけてしまいかねない。
(……バーレスクの件がある今、それは危険すぎる)
気まずく口をつぐむ俺を観察し、ルルニアは「へぇ」と言った。口角を弓なりに上げ、俺の陰茎に素足を乗せ、グリグリと痛く気持ち良く攻めてきた。
「自分で言うのも何ですが、私は寛容です。グレイゼル個人の秘密を問いただしたりはしません。けれど秘密が私に関わることなら、話は別です」
「……言えない。もう少し経てば、分かるから……」
「私は今知りたいんです。人間の病に似た症例があるのではないですか? それは命に関わる病気だったりするのではないですか? 違いますか?」
「……ぐっ、病気じゃない。悪い事ではない、んだ」
「なのに隠す必要があるんですね。グレイゼルが判断を違えるとは思いませんし、きっと正しいんでしょう。で・す・が、それで納得はできません」
イき狂わせてでも吐かせると、冷たい眼差しで告げた。服を脱いで角と翼と尻尾を生やし、翡翠の瞳を輝かせた。拘束術ではなく性欲を高めるためのもので、射精感が一気に膨れ上がった。
腰を逃がそうとするが、ルルニアの足は陰茎を的確に捉えてきた。腕を使って抵抗することはできず、シーツに足を押しつけて耐えた。だがこれは尋問、答えが出るまで終わりはなかった。
「────さぁ、あなたはどこまで我慢できますかね?」
グリュと強めに裏筋を踏まれた瞬間、最初の射精が起きた。
ルルニアはすぐ横におり、何故かプレステスを縛っていた。サキュバス独自の緊縛方法なのか、胸や股を強調するように縄が複雑に張り巡らされている。
「だ、旦那様、助けて下さいぃぃ」
プレステスから半泣きで助けを求められた。縄の締めつけで着衣にはシワが寄っており、身体の輪郭が強調されている。スカートは股の位置まで持ち上がっていた。
「……よし、こんなものですかね」
ルルニアは最後の仕上げとばかりに、プレステスの口に布を巻いた。
もごもごと嘆き床に寝かされる姿を見つつ、この状況の説明を求めた。
「昨日の夜、プレステスを縄で縛って淫紋を刻みましたよね」
「刻んだな」
「あれを見て、グレイゼルを縄で縛ってエッチしたくなったんです」
「あー、なるほど」
キメ顔でよく分からないことを言われてしまった。ならばプレステスを縛る意味はないのではと、二階にいた時に粗相をしたのかと聞いてみた。
「プレステスは良い子ですよ。言ったことは守ろうとしますし、人間であるグレイゼルを目上の者と認識できる頭があります。ただ……」
「ただ?」
「この子、自分がSかMか分からないそうで」
エスとエム、この国の言語に似た発音の単語はあるが、意味合いが違く聞こえた。サキュバス独自の淫語か聞いてみると、ルルニアは縄の縛めつけを強めながら答えた。
「Sは他者をいじめて性的な興奮を得られる者のことを差します。Mはその逆で苦痛や羞恥を受けて性的な興奮を得られる者のことを差します」
「ふ……ぅん!? もご……みゅ! お……んんっ!?」
「性行為の受け攻めみたいな話か? それなら分かる」
「ふご、ぐっ! んひゅっ!? んむ! んむぅ!!?」
「私は両対応可能でグレイゼルはどちらかと言うとS寄りですね。これを事前に知っておくことで、エッチの前に相手との相性を知れるわけです」
ルルニアはプレステスを放置し、ベッドに乗って俺の股間をまさぐった。
「会話でどちら側か探ろうとしたんですが、無理でした。長くクレアの母乳を吸わされていた影響で、エッチへの期待が虚無の彼方に消えてしまったようで」
「サキュバスが性行為を断たれたらそうもなるか……」
「だから身動きが取れず滅茶苦茶にされるグレイゼルと、縄で縛られてお預けを喰らう自分。興奮の比重が高い方がどっちか確かめて、SとMを見極めます」
言いながらズボンをずり下げ、陰茎を露出させた。プレステスは目をガン開きにし、口を覆う布からフゥフゥと息を漏らした。縄で縛っていなければ飛びついてきそうな興奮具合だ。
(…………エムにしか見えないが、意外にエスだったりするのか?)
そんなことを思っていると、顔が正面に固定された。ルルニアはねっとり甘いキスをし、一度口を離して唾液をトロトロと垂らした。俺が喉を鳴らすと下唇を舐めて「始めますね」と言った。
「分かっているとは思いますが、その縄は闘気の力を使えば簡単に千切れます。私の身体に異常があったりした時は遠慮なく外しちゃって下さい」
「分かった」
「このまま挿入するだけだとSの要素が薄いので、尋問しましょうか。実はここ最近のことで一つ、グレイゼルに聞きたかった内容があるんです」
そんなものがあるのかと思った。浮気はしておらず、借金もない。
質問されれば答えるつもりでいると、予想外の一言が発せられた。
「────私の不調の原因、実は心当たりがあるのではないですか?」
妊娠という単語が脳裏に浮かぶが、答えられなかった。人間と魔物の間に子が生まれる前例はなく、勘違いだったなら期待と失望の落差で心を傷つけてしまいかねない。
(……バーレスクの件がある今、それは危険すぎる)
気まずく口をつぐむ俺を観察し、ルルニアは「へぇ」と言った。口角を弓なりに上げ、俺の陰茎に素足を乗せ、グリグリと痛く気持ち良く攻めてきた。
「自分で言うのも何ですが、私は寛容です。グレイゼル個人の秘密を問いただしたりはしません。けれど秘密が私に関わることなら、話は別です」
「……言えない。もう少し経てば、分かるから……」
「私は今知りたいんです。人間の病に似た症例があるのではないですか? それは命に関わる病気だったりするのではないですか? 違いますか?」
「……ぐっ、病気じゃない。悪い事ではない、んだ」
「なのに隠す必要があるんですね。グレイゼルが判断を違えるとは思いませんし、きっと正しいんでしょう。で・す・が、それで納得はできません」
イき狂わせてでも吐かせると、冷たい眼差しで告げた。服を脱いで角と翼と尻尾を生やし、翡翠の瞳を輝かせた。拘束術ではなく性欲を高めるためのもので、射精感が一気に膨れ上がった。
腰を逃がそうとするが、ルルニアの足は陰茎を的確に捉えてきた。腕を使って抵抗することはできず、シーツに足を押しつけて耐えた。だがこれは尋問、答えが出るまで終わりはなかった。
「────さぁ、あなたはどこまで我慢できますかね?」
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