エッチな精気が吸いたいサキュバスちゃんは皆の癒しの女神

のっぺ

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第百五十二話『港町トロンコルト4』〇

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 騎士団一行は王国軍関係の施設で寝泊まりすることとなった。建物は広く庭には鍛錬所があり、外周には丈夫な塀が備わっている。グレイゼルとルルニアの帰還に合わせて門が閉じられ、ほどなく明かりが落ちた。

「……ようやく警備が手薄になりましたか」

 その声で身を起こしたのはフェイだ。サキュバスの力を使って隣のミーレが寝ているのを確認し、物音を立てずにベッドから抜け出した。そして翼を使って屋根に飛び移った。

「……急がないと終わっちゃいます。……宿の時と同じにしてくれるだけでいいのに、人間は余計なことしかしません。……最悪です」
 降り立ったのは離れにある建物だ。そこにグレイゼルとルルニアが泊まっており、今まさに淫夢を介した性行為で盛り上がっていた。

「グレイゼルくん。私のここ、気持ち良いですか?」
「……あ、うっ、ルニアおねえ……さん、やめ……て」
「出してもいいですよ。もっと奥を突いて下さい♡」
「……こし……とろけて……おもら……し、ぁぅ!?」

 ルルニアは眠っているグレイゼルの上に覆い被さり、膣に陰茎を挿入していた。耳元で優しくささやきながら腰を動かし、愛液にまみれた陰茎を引き抜き、また挿れ直した。

 紡がれる二人の喘ぎ声と控えめ水音を聞き、フェイは喉を鳴らした。指を唾液で濡らして使用人服のスカートをたくし上げ、下着の表面に指先を当てて股のワレメを擦った。

「……はぅ……ん、グレイゼル様、ルルニア様……」

 熱に熟れた声を漏らし、クリトリスも攻めていく。
 湿り気を帯びたところで布をズラし、膣口に指を挿れた。
 片手だけでは物足りず、もう片方の手で乳首を強くつねった。

「……もっともっと、お二人の物語を見せて下さい……!」

 その言葉を言い切ると同時に絶頂が起きた。口を手で抑えて喘ぎ声を殺し、身体中を包む快感の波が去るのを待った。だが余韻は長く残った。

 落ち着いたところで手を離し、目の前にあるため池を見た。水面に映るのは心地よさそうな顔をした自分自身であり、白く息をついて呟いた。

「……あなた方と出会えたから、わたしは……」
 閉じた目に浮かぶのは一ヵ月前の自分だった。

『…………わたしは何のために生きてるんだろう』

 物心ついた時からフェイは達観していた。何を頑張っても最期は土に還るのだと、生きる意味を見出せずに日々を過ごしていた。そんな矢先にクレアと出会った。

『へぇ、変わった子ね。じゃああたしと一緒にこない?』
『……どういう意味ですか?』
『サキュバスの群れを作ろうと思ってるの。何人か目星はつけたんだけど、一人じゃさすがに難しくてね。することがないって言うなら協力してくれない?』

 フェイはどうせ暇だからと、そんな適当さで隷属を受け入れた。二人でサキュバスを捕まえていき、淫紋を刻んで群れを作った。忠実に命令を実行する姿を見て、一部の者からは忠犬と陰口を叩かれた。

『……別にそんなつもりじゃないんだけど』

 転機が訪れたのはあの夜の襲撃だった。グレイゼルを狙って住居に侵入し、無様に倒される仲間の姿を目にした。

『……何で角を折られたのにそんな気持ち良さそうなの……?』

 圧倒的な暴力でねじ伏せられる仲間を見て、心臓が跳ねた。
 バクバクとした胸の高鳴りに翻弄され、足が動かなくなった。
 自分もあんな風に乱れることができるのかと、期待を胸に抱いた。

『まさかとは思うが、仲間の角が削られたのを見て興奮したのか?』
『……思って……ない、です。だってこんな……酷い……のに』
『酷いと思ってるなら、何でさっきから股間を指で擦ってるんだ?』

 グレイゼルに指摘され、フェイは気づいた。性欲にすら無頓着だったのに、指は股のワレメを擦っていた。気持ち良すぎて動きを止められなかった。

 力強く角を握られ、子宮がキュウッとなった。表面を爪で掻かれ、脳みそが溶けそうになった。何もかもを無茶苦茶にして欲しくなり、乞い願った。

『……人間なんかには負けませんので、激しめでお願いします……♡』
 棒やすりが角に触れた瞬間、全身に電流が走った。ひと削りごとに自分の殻が砕かれていき、次に目を覚ました時はすべてが変わっていた。

『ふぅん、フェイは残るんだ。やりたいこと見つかった?』
『……分かりません。……でも探す気にはなりました』
『良かったじゃん。それじゃあ、ルルニアのこと頼んだよ』

 クレアとした最後の会話はあっさりしたものだった。互いの利害が一致していたから協力していただけの関係であり、別れを見送ることもなかった。

 その後はニーチャとプレステスから人間社会の勉強をさせられた。
 使用人見習いとしてミーレの家に行き、本が織りなす世界を知った。

『……これは凄い発明です。……この作者は百年も前に死んでいるのに、文字として遺って今も人々に感動を届けているんですね』

 自分も本を書いてみたいと思った。生まれて初めてやりたいことが見つかった。題材は何か探す中で、ミーレの口からアストロアスで起きた輝かしい建国譚を知った。

「……お二人のご活躍をわたしが記録します。……喜びも幸せも悩みも悲しみも、エッチなことも全部見せて下さい。……どうかお願いします」

 思いの昂ぶりに合わせて性欲が高まり、また自慰をした。角削りの時のような乱暴さで膣口をイジめ、時間の許す限りフェイは絶頂を繰り返した。
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