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第七話『ルルニアとの生活4』〇
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微かに残った理性で抗っていると、ルルニアが膝をゆっくり上げた。「強情ですねぇ」と言って俺の肩に両手を回し、キスが出来そうな距離感で言った。
「さっき言った通り私からは触れません。でもグレイゼルが押し付けるのは構いません」
「な……に?」
「人前で情けなくしごかなくていいんです。グレイゼルが一番気持ち良いと感じる動きで私の足を物みたいに扱って、思うままに欲望を吐き捨てて下さい」
ルルニアの声が脳裏で反響する。我慢の限界で視界が揺らぎ、言葉を発するのも億劫になる。俺は要求されるままズボンの中の陰部をルルニアの膝に押し付けた。
「ぐ、くそっ、何で……こんなっ」
「いい、いいですよ。もっとヘコヘコ腰を動かして下さい。太ももで擦るのも気持ちいいですよ。ほらそうやって、良い子良い子」
「これ、気持ち、い……うぅ」
「もっと情けない顔を見せて下さい。獣みたいに荒々しく貪って下さい。日々感じている悩みや疲れを全部私にぶちまけて下さい」
紡がれる声で脳が溶ける。小難しいことを考えられなくなってきた。
窮屈さに耐え切れずズボンを脱ぐと、圧迫されていた陰茎が暴れ跳ねた。
「ふふっ、やっぱり大きくて太くて……素敵」
唇の下の八重歯をチラつかせ、翼を生やし広げた。黒く細い尻尾を俺の陰茎に巻き付け、全体を強めに縛る。出したくて出したくてたまらなかったが寸止めを繰り返された。
「ここまでやってあげたんです。後は分かりますよね?」
「……わか、る?」
「シコシコして、びゅーってすればいいんです。あ・な・た」
その声で堰が切れ、誘わるまま陰茎を掴んだ。一緒にルルニアの尻尾も握るが、まんざらでもない顔をされた。余裕を崩さぬ表情に苛立ち、俺は理性を振り払って陰茎を乱暴にしごいた。
尻尾の凹凸が快楽を増幅させ、意識せずとも自分が一番気持ちいいと思う位置に指が移動する。ルルニアは俺の表情を観察し、最大級の絶頂に至らせようと尻尾の強弱を変えてきた。
「そろそろ出ますか? では、こちらへどうぞ」
鈴口の先にルルニアの手が来る。俺は気の抜けた声を発し、ために溜めた快楽を放出した。広げた手の平を越えて体液が飛び、シーツの隙間にあるルルニアの薄い胸が白く濡れた。
「よく頑張りましたね。えらいえらい」
快楽の余韻と重い倦怠感で脱力していると、頭を優しく撫でられた。抵抗して壁に背を預けて座ると、ルルニアが体液まみれになった方の手を裏と表に返して眺めた。
「……ん、濃密で良い香り」
うっとりした表情で鼻を鳴らし、舌で指先の液体を舐め取った。一口目と二口目は美味しそうだったが、三口目に入ったところで苦痛そうに眉を潜めた。
「…………うぅ、甘ぃ。喉がイガイガします……」
自分の身体から出た物を嫌そうに食べられると罪悪感が湧く。
手を洗ってくるように言うが、食べねば死ぬだけと断られた。
「手に出したそれでいくら持つんだ?」
「あなたの精気は特別上質なので一日分の食事になります。普通の人間だと薄味過ぎておやつにもなりません。適当にイカせて殺す方が早いです」
精子から摂れる精気は極めて微量と知った。
「サキュバスの食事はえーと、閉じた水門を開ける感覚なんです」
「水門を開ける?」
「片方の水門が人間、もう片方の水門がサキュバスです。性行為を交えて門を緩ませ、心の油断を突いて開門させます。後は精子を伝って相手側に乗り込み、精気という名の財産を略奪するわけです」
精子にも精気は含まれているが、基本は道を繋ぐ以上の価値は無いらしい。今回のように一度外に出すと橋渡しの役目を果たせないため、口内か膣内射精の二択なのだそうだ。
「でも昨日は挿入まで行かなかったよな?」
「先走りが漏れていたので、そこに私の陰部を擦って道を繋げました。直接挿れるよりは吸収効率が落ちてしまいますが、あの時は色々と余裕がなかったので」
「知れば知るほど恐ろしい生き物だな……」
もしルルニアが吸えるサキュバスだったら、俺に特別上質な精気とやらがなかったらどうなったか。ベッドで死体となったまま発見される自分を想像し、急速に火照りが冷めた。
「今の説明的に俺を殺さなくても生活できるんじゃないか?」
「出来るか出来ないかの話ならできます。定期的な摂取を行うだけで餓死の心配は無いですからね。でもそれは私が味に慣れるまでの話です」
「やっぱり人を喰い殺さなきゃ気が済まないのか」
はい、と即答してルルニアは食事に戻った。せっせと精子をかき集め、手の平を合わせて皿のようにし、中心に吐き気止めの薬を置くように言った。
「……なぁ、やっぱりこれ考え直さないか?」
「何を今さら、私を診るって言ったのはあなたですよ」
「……分かった。喉に詰まらせても恨むなよ」
ため息と共に丸薬を落とすと、ルルニアは手を傾けて粘っこい精子を飲んだ。簡単に飲み込めないからか時間が掛かり、最後に「ンクッ」と喉を大きく鳴らした。
「ごちそうさまです。これで明日まで生きられます」
感謝されるのもそれはそれで複雑だ。
気づけば高かった日がだいぶ落ちていた。あと二時間もすれば日暮れとなる。俺は家に戻ろうとし、納屋の入口から出たところで振り返り、ある異常に気がついた。
「お前、頭のそれは何だ?」
こめかみの辺りを指で差すと、ルルニアが自分の頭に触れた。
桃色の髪の隙間には、親指ほどの太さの黒い角が生えていた。
「さっき言った通り私からは触れません。でもグレイゼルが押し付けるのは構いません」
「な……に?」
「人前で情けなくしごかなくていいんです。グレイゼルが一番気持ち良いと感じる動きで私の足を物みたいに扱って、思うままに欲望を吐き捨てて下さい」
ルルニアの声が脳裏で反響する。我慢の限界で視界が揺らぎ、言葉を発するのも億劫になる。俺は要求されるままズボンの中の陰部をルルニアの膝に押し付けた。
「ぐ、くそっ、何で……こんなっ」
「いい、いいですよ。もっとヘコヘコ腰を動かして下さい。太ももで擦るのも気持ちいいですよ。ほらそうやって、良い子良い子」
「これ、気持ち、い……うぅ」
「もっと情けない顔を見せて下さい。獣みたいに荒々しく貪って下さい。日々感じている悩みや疲れを全部私にぶちまけて下さい」
紡がれる声で脳が溶ける。小難しいことを考えられなくなってきた。
窮屈さに耐え切れずズボンを脱ぐと、圧迫されていた陰茎が暴れ跳ねた。
「ふふっ、やっぱり大きくて太くて……素敵」
唇の下の八重歯をチラつかせ、翼を生やし広げた。黒く細い尻尾を俺の陰茎に巻き付け、全体を強めに縛る。出したくて出したくてたまらなかったが寸止めを繰り返された。
「ここまでやってあげたんです。後は分かりますよね?」
「……わか、る?」
「シコシコして、びゅーってすればいいんです。あ・な・た」
その声で堰が切れ、誘わるまま陰茎を掴んだ。一緒にルルニアの尻尾も握るが、まんざらでもない顔をされた。余裕を崩さぬ表情に苛立ち、俺は理性を振り払って陰茎を乱暴にしごいた。
尻尾の凹凸が快楽を増幅させ、意識せずとも自分が一番気持ちいいと思う位置に指が移動する。ルルニアは俺の表情を観察し、最大級の絶頂に至らせようと尻尾の強弱を変えてきた。
「そろそろ出ますか? では、こちらへどうぞ」
鈴口の先にルルニアの手が来る。俺は気の抜けた声を発し、ために溜めた快楽を放出した。広げた手の平を越えて体液が飛び、シーツの隙間にあるルルニアの薄い胸が白く濡れた。
「よく頑張りましたね。えらいえらい」
快楽の余韻と重い倦怠感で脱力していると、頭を優しく撫でられた。抵抗して壁に背を預けて座ると、ルルニアが体液まみれになった方の手を裏と表に返して眺めた。
「……ん、濃密で良い香り」
うっとりした表情で鼻を鳴らし、舌で指先の液体を舐め取った。一口目と二口目は美味しそうだったが、三口目に入ったところで苦痛そうに眉を潜めた。
「…………うぅ、甘ぃ。喉がイガイガします……」
自分の身体から出た物を嫌そうに食べられると罪悪感が湧く。
手を洗ってくるように言うが、食べねば死ぬだけと断られた。
「手に出したそれでいくら持つんだ?」
「あなたの精気は特別上質なので一日分の食事になります。普通の人間だと薄味過ぎておやつにもなりません。適当にイカせて殺す方が早いです」
精子から摂れる精気は極めて微量と知った。
「サキュバスの食事はえーと、閉じた水門を開ける感覚なんです」
「水門を開ける?」
「片方の水門が人間、もう片方の水門がサキュバスです。性行為を交えて門を緩ませ、心の油断を突いて開門させます。後は精子を伝って相手側に乗り込み、精気という名の財産を略奪するわけです」
精子にも精気は含まれているが、基本は道を繋ぐ以上の価値は無いらしい。今回のように一度外に出すと橋渡しの役目を果たせないため、口内か膣内射精の二択なのだそうだ。
「でも昨日は挿入まで行かなかったよな?」
「先走りが漏れていたので、そこに私の陰部を擦って道を繋げました。直接挿れるよりは吸収効率が落ちてしまいますが、あの時は色々と余裕がなかったので」
「知れば知るほど恐ろしい生き物だな……」
もしルルニアが吸えるサキュバスだったら、俺に特別上質な精気とやらがなかったらどうなったか。ベッドで死体となったまま発見される自分を想像し、急速に火照りが冷めた。
「今の説明的に俺を殺さなくても生活できるんじゃないか?」
「出来るか出来ないかの話ならできます。定期的な摂取を行うだけで餓死の心配は無いですからね。でもそれは私が味に慣れるまでの話です」
「やっぱり人を喰い殺さなきゃ気が済まないのか」
はい、と即答してルルニアは食事に戻った。せっせと精子をかき集め、手の平を合わせて皿のようにし、中心に吐き気止めの薬を置くように言った。
「……なぁ、やっぱりこれ考え直さないか?」
「何を今さら、私を診るって言ったのはあなたですよ」
「……分かった。喉に詰まらせても恨むなよ」
ため息と共に丸薬を落とすと、ルルニアは手を傾けて粘っこい精子を飲んだ。簡単に飲み込めないからか時間が掛かり、最後に「ンクッ」と喉を大きく鳴らした。
「ごちそうさまです。これで明日まで生きられます」
感謝されるのもそれはそれで複雑だ。
気づけば高かった日がだいぶ落ちていた。あと二時間もすれば日暮れとなる。俺は家に戻ろうとし、納屋の入口から出たところで振り返り、ある異常に気がついた。
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こめかみの辺りを指で差すと、ルルニアが自分の頭に触れた。
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