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第二十六話『魔物と人間3』〇
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木の幹を支えにして立ち上がり、髪をかき上げて水気を払った。一度男性に声を掛けて意識が無いのを確認し、びしょ濡れなズボンを脱ぎ捨てて答えた。
「………………よし、やるか」
拒否するとでも思っていたのか「本気ですか?」と言われた。
怪我人の前で致すなど常軌を逸しているが、今は状況が状況だ。
「お願いしたのは俺だからな。やるのは構わない。でもこんな山奥で裸になると虫に嚙まれたり毒を持った草に触れるのが怖くはある」
「毒草はどうにもなりませんけれど、虫の方は私が何とかできますよ。じゃあ夜伽の場所はあそこにある平たい岩の上にしましょうか」
そう言い、ルルニアは翼で空に浮かび上がった。
俺は目印としてズボンを枝に結び、靴だけを履いて歩いた。
全裸で大自然の中にいるのは変な感じだが、思ったより恥ずかしく無かった。
ルルニアが指定した場所には月明かりが差しており、キラキラと雨のしずくが反射している。煌びやかな舞台の中心にルルニアが立ち、翼を水平に払った。
「────去れ」
羽ばたき一つで突風が巻き起こった。目を腕で覆うのも束の間、一帯から生き物の鳴き声が消え去った。
「……何をしたんだ?」
「グレイゼルが嫌と言うので近くにいる生き物を眠らせました。私たちが楽しんでいる間は起きないので、噛まれる心配はありません」
「こんなこともできるのか」
「サキュバスですので。ちなみに弱い人間も今の羽ばたきで眠くなっちゃいます。グレイゼルが立っていられるのは濃密な精気のおかげです」
早く食事を始めようと言われ、平たい岩の上に乗った。一度男性の方を見るが、顎を手で掴まれて首の位置を前に矯正された。
「今は私だけを見て下さい。よそ見は許しません」
「……不躾だったな」
「本当ですよ。次やったら連れて帰りますからね」
俺たちはどちらともなくキスを交わした。
ルルニアは岩の上で横たわり、胸を見せつけてきた。導かれるまま表皮を指でなぞり、薄さの中にある柔らかさを感じた。乳首を摘まむとルルニアは胸回りの肉を寄せて上げた。
「お吸いになってもいいんですよ?」
演技か素か、赤らんだ顔で俺を魅了してくる。
「ひゃっ!? あうっ! グレイゼル、そこっ、激しっ!」
気づけば乳首を口で吸っていた。先端を舌で転がすように動かし、母乳を求めるように甘噛みする。たっぷり時間を掛けて口を離すと右の乳首が赤く腫れていた。
「はぁ……は、激しくて……良かったです。左も忘れず……お願いします」
「痛くなるかもだぞ」
「全部受け止めます。つまらない理性何て捨て去っちゃって下さい」
求められるがまま左の乳首に吸いついた。今までは俺が一方的に気持ち良いばかりだったが、今回はルルニアも喘ぎ声と共に身をよじっていた。もっとよがり狂った声が聞きたくなった。
「グレイ、ひゃう! それダメ、あぁう!?」
「…………」
「あ、あん、あぁん! もっと、もっと強く!」
サキュバスの性欲は底なしだ。胸をイジっているだけなのに陰茎が破裂しそうなほど勃起する。手でしごいて高まった性欲を解消しようとすると、ルルニアが足を大股に開いた。
涙目で微笑を浮かべたかと思うと、両腕を股関節の位置へ移動させた。
続けてワレメの両端を指で引っ張り、子宮に繋がる膣口を見せつけてきた。
「挿れるのはまだ怖いですが、出すのは構いません」
「どういうことだ?」
「挿入しないなら口に出すのと大差ありません。ですので……」
外から膣口に射精しろと、暗にそう言われた。魔物相手だから妊娠するはずが無いのに、意中の女性の中に射精するという行為そのものに興奮した。
俺は膣口に亀頭を持って行き、裏筋を押し当てた。中で精子を出したらどれだけ気持ちが良いのだろうと、陰茎を上下に擦りながら考えた。
「ふふっ、やっぱりグレイゼルは誠実ですね」
「……っ、くっ。苦しめたいわけじゃ……ない、からな」
「立派なあなたが私の手の中にある。こんなに気分が良いことはありません。絶対に誰にも渡さず、私が精気を食べ尽くしてあげます」
快楽の奔流に脳が侵され、目の前が真っ白になった。
陰茎を握る手に力を込めると、一気に精子が噴出した。
「────あぁ、素敵」
ルルニアはワレメに添えた指をさらに開き、膣口を大きく広げた。精子が中に垂れて行くのを見て、俺はたまらず二射目を膣口に放った。
「ご苦労様です。頑張りましたね、グレイゼル」
「疲れて……頭が痛い。もう一歩も……動けない」
岩の上で膝立ちしていたので膝が擦り剥けている。座り込むとルルニアが上体を起こし、俺の傷口の血を丹念に舐め取った。そこでまた勃起した。
二回戦を始めても良かったが、服を着てないので冷えが酷かった。口元を抑えてくしゃみをすると、ルルニアが翼を広げて俺の身体を包み込んだ。
「初めて外で過ごす夜です。裸のまま寝ませんか」
「これで俺を温めてくれるのか?」
「えぇ、濡れた服を着るより断然温かいですよ」
翼の表面には柔らかい毛が生えていて肌触りが良かった。
「あなたは約束を守りました。なら私も約束を守ります。あの方は私が朝まで見張っておきますので、このままごゆるりとお休みください」
治療の疲れもあり、眠気はすぐに湧いた。まどろみに負けて目を閉じると、消え入る意識の中でルルニアの子守歌が遠く遠く耳に響いた。
「………………よし、やるか」
拒否するとでも思っていたのか「本気ですか?」と言われた。
怪我人の前で致すなど常軌を逸しているが、今は状況が状況だ。
「お願いしたのは俺だからな。やるのは構わない。でもこんな山奥で裸になると虫に嚙まれたり毒を持った草に触れるのが怖くはある」
「毒草はどうにもなりませんけれど、虫の方は私が何とかできますよ。じゃあ夜伽の場所はあそこにある平たい岩の上にしましょうか」
そう言い、ルルニアは翼で空に浮かび上がった。
俺は目印としてズボンを枝に結び、靴だけを履いて歩いた。
全裸で大自然の中にいるのは変な感じだが、思ったより恥ずかしく無かった。
ルルニアが指定した場所には月明かりが差しており、キラキラと雨のしずくが反射している。煌びやかな舞台の中心にルルニアが立ち、翼を水平に払った。
「────去れ」
羽ばたき一つで突風が巻き起こった。目を腕で覆うのも束の間、一帯から生き物の鳴き声が消え去った。
「……何をしたんだ?」
「グレイゼルが嫌と言うので近くにいる生き物を眠らせました。私たちが楽しんでいる間は起きないので、噛まれる心配はありません」
「こんなこともできるのか」
「サキュバスですので。ちなみに弱い人間も今の羽ばたきで眠くなっちゃいます。グレイゼルが立っていられるのは濃密な精気のおかげです」
早く食事を始めようと言われ、平たい岩の上に乗った。一度男性の方を見るが、顎を手で掴まれて首の位置を前に矯正された。
「今は私だけを見て下さい。よそ見は許しません」
「……不躾だったな」
「本当ですよ。次やったら連れて帰りますからね」
俺たちはどちらともなくキスを交わした。
ルルニアは岩の上で横たわり、胸を見せつけてきた。導かれるまま表皮を指でなぞり、薄さの中にある柔らかさを感じた。乳首を摘まむとルルニアは胸回りの肉を寄せて上げた。
「お吸いになってもいいんですよ?」
演技か素か、赤らんだ顔で俺を魅了してくる。
「ひゃっ!? あうっ! グレイゼル、そこっ、激しっ!」
気づけば乳首を口で吸っていた。先端を舌で転がすように動かし、母乳を求めるように甘噛みする。たっぷり時間を掛けて口を離すと右の乳首が赤く腫れていた。
「はぁ……は、激しくて……良かったです。左も忘れず……お願いします」
「痛くなるかもだぞ」
「全部受け止めます。つまらない理性何て捨て去っちゃって下さい」
求められるがまま左の乳首に吸いついた。今までは俺が一方的に気持ち良いばかりだったが、今回はルルニアも喘ぎ声と共に身をよじっていた。もっとよがり狂った声が聞きたくなった。
「グレイ、ひゃう! それダメ、あぁう!?」
「…………」
「あ、あん、あぁん! もっと、もっと強く!」
サキュバスの性欲は底なしだ。胸をイジっているだけなのに陰茎が破裂しそうなほど勃起する。手でしごいて高まった性欲を解消しようとすると、ルルニアが足を大股に開いた。
涙目で微笑を浮かべたかと思うと、両腕を股関節の位置へ移動させた。
続けてワレメの両端を指で引っ張り、子宮に繋がる膣口を見せつけてきた。
「挿れるのはまだ怖いですが、出すのは構いません」
「どういうことだ?」
「挿入しないなら口に出すのと大差ありません。ですので……」
外から膣口に射精しろと、暗にそう言われた。魔物相手だから妊娠するはずが無いのに、意中の女性の中に射精するという行為そのものに興奮した。
俺は膣口に亀頭を持って行き、裏筋を押し当てた。中で精子を出したらどれだけ気持ちが良いのだろうと、陰茎を上下に擦りながら考えた。
「ふふっ、やっぱりグレイゼルは誠実ですね」
「……っ、くっ。苦しめたいわけじゃ……ない、からな」
「立派なあなたが私の手の中にある。こんなに気分が良いことはありません。絶対に誰にも渡さず、私が精気を食べ尽くしてあげます」
快楽の奔流に脳が侵され、目の前が真っ白になった。
陰茎を握る手に力を込めると、一気に精子が噴出した。
「────あぁ、素敵」
ルルニアはワレメに添えた指をさらに開き、膣口を大きく広げた。精子が中に垂れて行くのを見て、俺はたまらず二射目を膣口に放った。
「ご苦労様です。頑張りましたね、グレイゼル」
「疲れて……頭が痛い。もう一歩も……動けない」
岩の上で膝立ちしていたので膝が擦り剥けている。座り込むとルルニアが上体を起こし、俺の傷口の血を丹念に舐め取った。そこでまた勃起した。
二回戦を始めても良かったが、服を着てないので冷えが酷かった。口元を抑えてくしゃみをすると、ルルニアが翼を広げて俺の身体を包み込んだ。
「初めて外で過ごす夜です。裸のまま寝ませんか」
「これで俺を温めてくれるのか?」
「えぇ、濡れた服を着るより断然温かいですよ」
翼の表面には柔らかい毛が生えていて肌触りが良かった。
「あなたは約束を守りました。なら私も約束を守ります。あの方は私が朝まで見張っておきますので、このままごゆるりとお休みください」
治療の疲れもあり、眠気はすぐに湧いた。まどろみに負けて目を閉じると、消え入る意識の中でルルニアの子守歌が遠く遠く耳に響いた。
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