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第三十五話『私だけの居場所1』〇
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翌日の早朝、俺は馬に乗って山道を駆けていた。昨日は一晩中警戒が敷かれて外に出られず、屋敷で一泊することとなった。早くルルニアの無事を確認したくて村長から馬を借りた次第だ。
庭に着いても出迎えはなく、馬を庭の一角に繋いで中に入った。
真っ先に二階に登って自室を見るが、ベッドには誰もいなかった。
「ルルニア、どこだ!」
声を張り上げても返事がなかった。焦りのまま一階に降りて食堂の扉を開け、テーブルに突っ伏して眠るルルニアを発見した。駆け寄って声を掛けるとむず痒そうに起きた。
「……ん、グレイゼルですか?」
「遅れてすまない。やっと帰れた」
「お帰りなさい。無事で何より……です」
喋りの途中にあくびし、眠気の残る顔で立ち上がった。昨夜の夕食を温め直してくれるが、所々の仕草が不安定だった。俺はルルニアの方が空腹なのではと聞いた。
「俺は後でいい。戦ったルルニアほど疲れてもいないしな」
「昨日は色々ありましたからね。少しお腹が空いてるかもです」
そう言い、ルルニアは調理場の台に寄り掛かった。
「実はあの後、同族のサキュバスと会ったんです。話が通じる相手ではなかったため、多少暴力に訴えて帰っていただきました」
「暴力に訴える? でもルルニアは……」
「最弱のサキュバス、そのはずでした。あなたから精気をいただいているおかげか、こんな身体でもそれなりに戦えたんですよね」
俺と会う前なら空を飛ぶのも難しかったそうだ。ゴブリンの群れを翻弄した動きなど到底不可能、同族を倒すなど夢物語に等しかったのだという。
「強くなったのは嬉しいですが、出るとこは出て欲しいものです。昨夜みたいに舐められますし、いちいち変化しなければあなた好みの身体になれません」
「俺はどんな姿のルルニアでも好きだぞ」
「そう、ですか。お世辞が上手いですね」
飾らぬ本心を伝えたが軽く流された。さすがに節操無しだったかと後悔していると、何故か顔を合わせてくれないルルニアを目撃した。
「耳の裏が赤くなってるぞ」
「……空腹だからですね」
空腹で耳が赤くなるとは知らなかった。
「出来れば昨日の続きをしたいですが、日が昇ってしまいましたね」
「体調に関わるからな。口で済ませるか?」
「それしかないですけど、ただ咥えるだけじゃ面白くないですよね」
ムムムと悩み、ルルニアはポンと手を打った。
「────では互いの食事を同時に摂るというのはいかがでしょう」
いまいち場面の想像がつかなかった。ルルニアの身体で酒を飲んだばかりのため、あれと近しいことをするのかと考えた。だがテーブルの上には具材の乗った皿が用意されていった。
とりあえず椅子に座り、食前の祈りを捧げた。スプーンで潰された芋をすくうと、ルルニアがテーブルの下に潜った。ゴミか何かあったのかと思うと、股ぐらから顔がニュッと生えた。
「これでばっちりです。では始めましょうか」
「……まさかそこで俺の股間を舐めるつもりか?」
「えぇ、これなら片方が待つ必要もありません。あなたが食べて私が舐める。これ以上の効率はないです。最高の時短術ですね」
返答も待たず俺のズボンがずり下げられた。急な展開について行けず陰茎は萎縮するが、亀頭にキスをされただけで跳ね上がった。自分の雑魚さに呆れた。
「ふふふ、あなたは素直で可愛いですねぇ」
撫でられてビンビンに勃起する自分の一部を恥じ、無心でスープを食べた。咀嚼に意識を割けばどうとでも受け流せると、ルルニアには負けないと気張った。
「……んーはぁぷ、あむ……はむはむあむ、ちゅぷ」
「んんっ!? ルルニア、このスープ……美味しい……ながっ!?」
「んー? ひひょはんねかせたから……でふかね?」
「咥えたまま喋らないで、くれ。こっちは一口食べるのも……うっ」
一向に減らない俺の朝食と対象的に、ルルニアの攻めは勢いを増した。竿を舐めて口に含み、ひと呼吸で喉奥へと押し込む。喉の端から端までが俺の陰茎で埋まる形となった。
「ぐもっ、んもっ、あごっんぼ……んーん、あふあむ」
だんだん膣口に挿入している錯覚を覚え、精子が鈴口から飛び出そうと暴れる。一度止めてもらおうと下を見ると、ルルニアは表情をほころばせて容赦のない抽送を始めた。
「ま、待つんだルルニア! 出る! そのままだと全部中に出る!」
「ん? んー……はむ。いいれひゅよ……ぐぽいれちゅ」
「名前を呼ぶ……なぁ……! 俺はお前を苦しめたく……はぁぐっ!」
我慢のし過ぎで頭の血管が切れそうになる。ルルニアの角を掴んで離そうとするが、ルルニアの方がしがみついて離してくれない。結局溢れた精子は胃へと流し込まれた。
「う……む、げほっ、ごほっ! あぅ……えぇぇう」
咳き込みの唾に混じって精子が床に散る。かなりの量を飲み切ったらしく、青白い顔で口元を抑えている。背をさすって吐かせようとするが、口元を抑えて溢れ掛けの逆流物を飲んだ。
「えへへ、あなたの精気……全部飲んじゃいました」
「また具合が悪くなったらどうするんだ」
「でも捨てたくなかったんです。これは私だけのモノですから」
よほど息苦しかったのか、頬を涙の雫が伝った。俺はそれを指ですくい、溢れる思いのままルルニアを抱きしめた。するとルルニアも抱き返してくれた。
「────ルルニア、大事な話があるんだ」
昨夜ミーレと交わした今後の進退を、ここで語ると決めた。
庭に着いても出迎えはなく、馬を庭の一角に繋いで中に入った。
真っ先に二階に登って自室を見るが、ベッドには誰もいなかった。
「ルルニア、どこだ!」
声を張り上げても返事がなかった。焦りのまま一階に降りて食堂の扉を開け、テーブルに突っ伏して眠るルルニアを発見した。駆け寄って声を掛けるとむず痒そうに起きた。
「……ん、グレイゼルですか?」
「遅れてすまない。やっと帰れた」
「お帰りなさい。無事で何より……です」
喋りの途中にあくびし、眠気の残る顔で立ち上がった。昨夜の夕食を温め直してくれるが、所々の仕草が不安定だった。俺はルルニアの方が空腹なのではと聞いた。
「俺は後でいい。戦ったルルニアほど疲れてもいないしな」
「昨日は色々ありましたからね。少しお腹が空いてるかもです」
そう言い、ルルニアは調理場の台に寄り掛かった。
「実はあの後、同族のサキュバスと会ったんです。話が通じる相手ではなかったため、多少暴力に訴えて帰っていただきました」
「暴力に訴える? でもルルニアは……」
「最弱のサキュバス、そのはずでした。あなたから精気をいただいているおかげか、こんな身体でもそれなりに戦えたんですよね」
俺と会う前なら空を飛ぶのも難しかったそうだ。ゴブリンの群れを翻弄した動きなど到底不可能、同族を倒すなど夢物語に等しかったのだという。
「強くなったのは嬉しいですが、出るとこは出て欲しいものです。昨夜みたいに舐められますし、いちいち変化しなければあなた好みの身体になれません」
「俺はどんな姿のルルニアでも好きだぞ」
「そう、ですか。お世辞が上手いですね」
飾らぬ本心を伝えたが軽く流された。さすがに節操無しだったかと後悔していると、何故か顔を合わせてくれないルルニアを目撃した。
「耳の裏が赤くなってるぞ」
「……空腹だからですね」
空腹で耳が赤くなるとは知らなかった。
「出来れば昨日の続きをしたいですが、日が昇ってしまいましたね」
「体調に関わるからな。口で済ませるか?」
「それしかないですけど、ただ咥えるだけじゃ面白くないですよね」
ムムムと悩み、ルルニアはポンと手を打った。
「────では互いの食事を同時に摂るというのはいかがでしょう」
いまいち場面の想像がつかなかった。ルルニアの身体で酒を飲んだばかりのため、あれと近しいことをするのかと考えた。だがテーブルの上には具材の乗った皿が用意されていった。
とりあえず椅子に座り、食前の祈りを捧げた。スプーンで潰された芋をすくうと、ルルニアがテーブルの下に潜った。ゴミか何かあったのかと思うと、股ぐらから顔がニュッと生えた。
「これでばっちりです。では始めましょうか」
「……まさかそこで俺の股間を舐めるつもりか?」
「えぇ、これなら片方が待つ必要もありません。あなたが食べて私が舐める。これ以上の効率はないです。最高の時短術ですね」
返答も待たず俺のズボンがずり下げられた。急な展開について行けず陰茎は萎縮するが、亀頭にキスをされただけで跳ね上がった。自分の雑魚さに呆れた。
「ふふふ、あなたは素直で可愛いですねぇ」
撫でられてビンビンに勃起する自分の一部を恥じ、無心でスープを食べた。咀嚼に意識を割けばどうとでも受け流せると、ルルニアには負けないと気張った。
「……んーはぁぷ、あむ……はむはむあむ、ちゅぷ」
「んんっ!? ルルニア、このスープ……美味しい……ながっ!?」
「んー? ひひょはんねかせたから……でふかね?」
「咥えたまま喋らないで、くれ。こっちは一口食べるのも……うっ」
一向に減らない俺の朝食と対象的に、ルルニアの攻めは勢いを増した。竿を舐めて口に含み、ひと呼吸で喉奥へと押し込む。喉の端から端までが俺の陰茎で埋まる形となった。
「ぐもっ、んもっ、あごっんぼ……んーん、あふあむ」
だんだん膣口に挿入している錯覚を覚え、精子が鈴口から飛び出そうと暴れる。一度止めてもらおうと下を見ると、ルルニアは表情をほころばせて容赦のない抽送を始めた。
「ま、待つんだルルニア! 出る! そのままだと全部中に出る!」
「ん? んー……はむ。いいれひゅよ……ぐぽいれちゅ」
「名前を呼ぶ……なぁ……! 俺はお前を苦しめたく……はぁぐっ!」
我慢のし過ぎで頭の血管が切れそうになる。ルルニアの角を掴んで離そうとするが、ルルニアの方がしがみついて離してくれない。結局溢れた精子は胃へと流し込まれた。
「う……む、げほっ、ごほっ! あぅ……えぇぇう」
咳き込みの唾に混じって精子が床に散る。かなりの量を飲み切ったらしく、青白い顔で口元を抑えている。背をさすって吐かせようとするが、口元を抑えて溢れ掛けの逆流物を飲んだ。
「えへへ、あなたの精気……全部飲んじゃいました」
「また具合が悪くなったらどうするんだ」
「でも捨てたくなかったんです。これは私だけのモノですから」
よほど息苦しかったのか、頬を涙の雫が伝った。俺はそれを指ですくい、溢れる思いのままルルニアを抱きしめた。するとルルニアも抱き返してくれた。
「────ルルニア、大事な話があるんだ」
昨夜ミーレと交わした今後の進退を、ここで語ると決めた。
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