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《裏技》マスター、教会と戦う
必殺! ストロー下さい!
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「なるほど……逸脱者が……」
拠点の会議室に戻って集めた情報をギリッダに話すと、ギリッダは少し唸った後にそう言った。
「ああ、新しく出たようだ」
「なるほど、だからか……」
「何かあったのか?」
「いや、最近教会の動きが妙に活発になったと思ってたんだ」
「あぁなるほど」
ギリッダとリコが話し合っている間に、俺はこの会議室の中を見ていた。
上から細い糸で吊るされているランプ。
そのランプから発せられる光に引き寄せられて他の所へ行けなくなった虫。
少しボロそうな木で出来た壁。
うん、The・拠点って感じする。
「よし、それじゃあ新人らの歓迎会でもするか!」
「「え?」」
歓迎会? マジで?
「ちょっとギリッダ、どういう事だよ?」
「どうもこうもねぇよ。新人が来た、歓迎会をしよう。これだけだ」
「言っとくけど私、コイツの事信用してないから!」
あのー、小声で言ってるけど全部筒抜けですよー?
「だとしても、歓迎会はやろうじゃないか。そこで見極めても、良いんじゃないか?」
最後らへんの部分はギリッダは小声で言っていたが、まあ先程と同じく全部筒抜けである。
「それじゃ、歓迎会はこの隣の部屋でやろう。じゃあ18時頃にまた来てくれ」
「分かりました」
「チッ」
チッてなんだよチッて。
傷付いちゃうぞ?
「ほら行くぞ?」
「どこへ向かうのですか?」
「どっかへ」
袖を掴まれて引っ張られる。
ルリカ達も俺に付いて来てくれた。
あと、先程からルリカ達が黙っているのは、余計な情報を出さない為だ。
まあ言うなれば、俺の事をめちゃくちゃ信頼してくれているって事だ。
そしてリコに引っ張られ移動し続ける事約5分。
「ここは?」
「どこでも良いだろ」
どうやら何かのお店らしく、彼女は中に入って行ってしまった。
「俺らも行くぞ」
扉が閉まり切る前に何とか手を入れて中に入る。
「おや、お連れさんがいるのかい?」
入った正面で座っているお爺さんがそう言った。
「ああ、望んでないけどな」
「はっはっは、まあ良いさ。ほれ、今日はどうする?」
どうやらここは酒場の様だ。
だが、一切客はいない。
どうやって経営してるんだ。
「お連れさんは何にする?」
「では、ジンジャエールを」
「ぷっ」
リコが俺を見て笑う。
「おいおい、ジンジャエールだって? 酒を飲め酒を!」
何だそのおじさん臭いセリフは。
「申し訳ありません。法律的に飲む事が出来ません?」
「……ん? お前今いくつだ?」
「お耳を」
俺はリコの耳元で自分の年齢を告げる。
「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? お前っ! そんなに若いのか!?」
なんかもう酔ってるみたいな喋り方をしてるな。
「ええ、まあ」
あっ、よく見たらもう酒飲んでたわ。
いつの間に……。
「ほい、ジンジャエール」
「ありがとうございます」
「他の方々は何にします?」
ルリカ達が耳打ちしてくる。
「では、牛乳を3つ」
「牛乳? 本当に?」
「ええ」
「分かった……。ほれ、牛乳3つ」
さてと、どうやって飲もう。
お面を外す事は出来ない。
うーん……。
「……」
リコが俺の事をじっと見ている。
俺の素顔が気になるのだろう。
なので俺は……必殺技をやった。
「すみません」
「何だい?」
「ストローを4本頂けないでしょうか?」
そう、必殺ストロー下さいだ。
「ほい、ストロー4本」
「ありがとうございます」
そして俺らは、お面の隙間にストローを差し込み、飲み物を飲んだ。
「ここで18時まで時間潰すぞ」
「分かりました」
その後、無言の状態が十分ほど続いたが、リコが突然話し出した。
「あのさ」
「はい?」
「あんた、さっき言った年齢ってほんと?」
「あそこで嘘を言ってもなんのメリットも無いでしょう」
「まあ、そうだよな」
「何故今それを?」
「いや、そんな年齢でアルカニット教会反対派に入ってるんだなって思っただけさ」
「珍しいのですか?」
「ああ、珍しいよ。その年齢で何かに対して反対する行動を取れるのは凄ぇ」
「お褒めに預かり光栄です」
「なんかむず痒いなー」
ストローでジンジャエールを飲み、空になったコップからカラッと氷が上から下に落ちる音がした。
拠点の会議室に戻って集めた情報をギリッダに話すと、ギリッダは少し唸った後にそう言った。
「ああ、新しく出たようだ」
「なるほど、だからか……」
「何かあったのか?」
「いや、最近教会の動きが妙に活発になったと思ってたんだ」
「あぁなるほど」
ギリッダとリコが話し合っている間に、俺はこの会議室の中を見ていた。
上から細い糸で吊るされているランプ。
そのランプから発せられる光に引き寄せられて他の所へ行けなくなった虫。
少しボロそうな木で出来た壁。
うん、The・拠点って感じする。
「よし、それじゃあ新人らの歓迎会でもするか!」
「「え?」」
歓迎会? マジで?
「ちょっとギリッダ、どういう事だよ?」
「どうもこうもねぇよ。新人が来た、歓迎会をしよう。これだけだ」
「言っとくけど私、コイツの事信用してないから!」
あのー、小声で言ってるけど全部筒抜けですよー?
「だとしても、歓迎会はやろうじゃないか。そこで見極めても、良いんじゃないか?」
最後らへんの部分はギリッダは小声で言っていたが、まあ先程と同じく全部筒抜けである。
「それじゃ、歓迎会はこの隣の部屋でやろう。じゃあ18時頃にまた来てくれ」
「分かりました」
「チッ」
チッてなんだよチッて。
傷付いちゃうぞ?
「ほら行くぞ?」
「どこへ向かうのですか?」
「どっかへ」
袖を掴まれて引っ張られる。
ルリカ達も俺に付いて来てくれた。
あと、先程からルリカ達が黙っているのは、余計な情報を出さない為だ。
まあ言うなれば、俺の事をめちゃくちゃ信頼してくれているって事だ。
そしてリコに引っ張られ移動し続ける事約5分。
「ここは?」
「どこでも良いだろ」
どうやら何かのお店らしく、彼女は中に入って行ってしまった。
「俺らも行くぞ」
扉が閉まり切る前に何とか手を入れて中に入る。
「おや、お連れさんがいるのかい?」
入った正面で座っているお爺さんがそう言った。
「ああ、望んでないけどな」
「はっはっは、まあ良いさ。ほれ、今日はどうする?」
どうやらここは酒場の様だ。
だが、一切客はいない。
どうやって経営してるんだ。
「お連れさんは何にする?」
「では、ジンジャエールを」
「ぷっ」
リコが俺を見て笑う。
「おいおい、ジンジャエールだって? 酒を飲め酒を!」
何だそのおじさん臭いセリフは。
「申し訳ありません。法律的に飲む事が出来ません?」
「……ん? お前今いくつだ?」
「お耳を」
俺はリコの耳元で自分の年齢を告げる。
「…………はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!? お前っ! そんなに若いのか!?」
なんかもう酔ってるみたいな喋り方をしてるな。
「ええ、まあ」
あっ、よく見たらもう酒飲んでたわ。
いつの間に……。
「ほい、ジンジャエール」
「ありがとうございます」
「他の方々は何にします?」
ルリカ達が耳打ちしてくる。
「では、牛乳を3つ」
「牛乳? 本当に?」
「ええ」
「分かった……。ほれ、牛乳3つ」
さてと、どうやって飲もう。
お面を外す事は出来ない。
うーん……。
「……」
リコが俺の事をじっと見ている。
俺の素顔が気になるのだろう。
なので俺は……必殺技をやった。
「すみません」
「何だい?」
「ストローを4本頂けないでしょうか?」
そう、必殺ストロー下さいだ。
「ほい、ストロー4本」
「ありがとうございます」
そして俺らは、お面の隙間にストローを差し込み、飲み物を飲んだ。
「ここで18時まで時間潰すぞ」
「分かりました」
その後、無言の状態が十分ほど続いたが、リコが突然話し出した。
「あのさ」
「はい?」
「あんた、さっき言った年齢ってほんと?」
「あそこで嘘を言ってもなんのメリットも無いでしょう」
「まあ、そうだよな」
「何故今それを?」
「いや、そんな年齢でアルカニット教会反対派に入ってるんだなって思っただけさ」
「珍しいのですか?」
「ああ、珍しいよ。その年齢で何かに対して反対する行動を取れるのは凄ぇ」
「お褒めに預かり光栄です」
「なんかむず痒いなー」
ストローでジンジャエールを飲み、空になったコップからカラッと氷が上から下に落ちる音がした。
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