異世界転生して魔法使いになったが、両手持ち用の杖が意外と軽かったので沢山持つ事にしたらいつの間にか最強になってました

鬼来 菊

文字の大きさ
2 / 11

1 両手持ち用の杖は意外と軽い

しおりを挟む

「はっ!?」

 目覚めるとベットの上にいた。

「……知らない天井…………」

 この言葉を使うのは多分人生でそう無いだろうなぁー。

 あとなんかトラックに轢かれた記憶がある。

 あれ? これもしかして私トラックに轢かれて死んだ?

 めっちゃラノベとかであるあるの死に方やぁーん。

 うそやぁーん。

 ……はぁ~、嘆いていてもしょうがない。

「おいしょっと」

 そう声に出しながら上半身を起こし辺りを見回す。

 えっ、めっちゃ海外の家みたいな内装じゃん。

 めっちゃ綺麗~。

 ん? なんか窓の外おかしくない?

 部屋にある窓から外を見る。

 すると……

「何なんだよ……これはぁ……」

 そう自然に言葉がこぼれるような光景が広がっていた。

 外にはとても綺麗な城下町が広がっており、そして一番高いところには立派なお城が建っていたのだ。

「あんなお城見た事ないけど……もしかして王様とかがいる所?」

 とか言っていると空を飛ぶ何かが見える。

 よーく見てみると

「わっ!?」
 何とそれは翼が生えたトカゲの様な生き物だった。

 そして直ぐにその正体に気付いた。

「もしかして……ドラ……ゴン……?」

 するとそうだとでも言わんばかりに
『ギャオオォォォォ!!』
 と咆哮を上げた。

「うっるっさ!!」

 と耳を塞ぐ。

 すると扉の向こうから

「メルアー? 大丈夫ー?」

 と声が聞こえた。

 …………メルアって誰?

「メルアー? 入るわよぉー?」

 そう言いながら誰かが入ってくる。

「メルア、いるなら返事して頂戴」

 そこには赤い髪をした綺麗でスッとした女性がいた。

「えっ? あっ、ごめんなさい……」

 訳がわからず変な回答になる。

 この女性は本気マジで誰?

「今日から冒険者になるんでしょ?」
「えっ、そうなの?」

 思わず口に出る。

「そうなのって……貴方昨日あんなに楽しみにしてたじゃない」

 いや知らねぇーよ!!

「あっ……あぁー、そうだったわー、楽しみすぎてなんか忘れちゃってたみたい。おかしいわねーアハハー」

 我ながら全然ちゃんとした会話が出来てないな。

「うふふ、まあ仕方ないわ。じゃあ下に朝ごはんと着替えを用意してあるから、早く降りてきなさいよー」
「はっ、はぁーい」

 誰か分からない女性との会話が無事に終わってホッと胸を撫で下ろす。

 めっちゃくちゃ焦ったぁー!!

 知らない人との会話ってこんな緊張するものだっけ?

 異世界に来ちゃったからかな?

 そしてハッとする。

「そうだ私今異世界にいるんだった!!」

 ドタドタと走って鏡の前に行く。

 そしてそこには、赤髪で目がライム色の自分でも見惚れてしまう程の人がいた。

「これが……私?」

 と言いながら手をほおに当てる。
 頰に感触があるから間違いなく自分だ。

「これは……転生したわね……私……」

 もしやと思っていたが、これで確信した。

 確かにトラックに轢かれたからしているかなぁなんて思ったけど……本当に転生するとは……トラックに跳ねられると本当に異世界転生するんだなぁ……。

 そんな事を考えていると扉の向こうから

「早く降りてきなさぁーい」

 と声がする。

 声の大きさ的に下の階にいる様だ。

「分かったー、直ぐに行くわー」

 とだけ言っておく。

 多分あれはわたしの母親……だよね?

 先程の出来事を何回か頭の中でリピートし、母親だと確信する。

「よし、そろそろ行きますかぁ~」

 そうしてドアを開け、近くにあった階段を下りた。

「やぁーっと来たわぁー、待ちくたびれたわよ」
「ごめん母さん」
「さっさとご飯食べ終わっちゃって~、この後は一緒に冒険者ギルドに行きましょう」
「分かった」

 どうやらお母さんで合ってたようだ。良かった良かった。

 それに冒険者ギルドへの行き方なんて知らなかったから案内してくれるのはこっちとしてはめっちゃくちゃありがたいですわぁ~。

よし、朝ごはん食ーべよ! 朝ごはんはえぇーと……日本の朝ごはんの定番の目玉焼きと味噌汁とそして……

 ん? これは…………

「白米だ!!」

 思わず大声が出る。

「ん? どうしたの?」
「あっ、何でもないよ母さん」

 ラノベなどでは白米などの日本食は中盤辺りになると出てくる事が多いからまさかこんなに早く出るとは思わなかったなぁ~。

 いやぁ~本当に最初から白米を食べられるなんて最高ね!

 よし! 食おう!

 そしてもぐもぐと朝ごはんを食べ、あっという間に平らげる。

「ご馳走様。母さん、美味しかったわ」
「あら、嬉しいわ。そこに着替えと武器があるからさっさと着替えちゃってね」
「はぁい」

 そう返事をして用意してあった服に着替える。

 うわぁ~異世界系でよくある白がメインで黒いシマシマが所々ところどころにある服だぁ~。

 あとなんか両手持ち用の杖がある。

 あぁこれがさっき母さんが言ってた武器か。

 んじゃ、持ってみるか。

 …………あれ? 意外と軽いぞ?

 まあ、そういう杖なんだろうな。

 それと……なぁ~んかボロっちい袋があるんだけど……一応付けておくか。

 ちょうど袋をつけ終わったタイミングで母が来た。

「着替え終わったようね、じゃあ行きましょうか」

 母、ナイスタイミング!

「はぁい」

 そうして母親からと共に冒険者ギルドへと向かった。




 母さんについて行きながら歩いていると色んなものが視界に入ってくる。

 例えば種族。獣人やエルフ、他にも様々な種族がいた。

 そして店で売られている物は日本で売っている様な物は殆どなく、まさにThe・異世界という感じのばかりだった。

 異世界すっげぇー、本当に異世界に来たんだなぁー。

 そんな調子で母親について行った。

 そして……

「ここが冒険者ギルドよ」
「おぉー」

 結構大きい。そして冒険者ギルドと書かれた看板が結構目立つ。

 だけどラノベとかだとこういうのは普通にありそう。

「じゃあ、後は頑張りなさいね」

 えっ!? 行っちゃうの!?

「えっ、あっ、ありがとう」

 おい何を言っているんだ私は!

「じゃあねー」

 と、何故か手を振られながら人混みの中に紛れて行くのを見ている事しか出来なかった。

 あぁ~……よし!! くよくよしてても仕方ない!

「始めますか、私の異世界生活」

 そう言って冒険者ギルドに入るのであった。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

狼になっちゃった!

家具屋ふふみに
ファンタジー
登山中に足を滑らせて滑落した私。気が付けば何処かの洞窟に倒れていた。……しかも狼の姿となって。うん、なんで? 色々と試していたらなんか魔法みたいな力も使えたし、此処ってもしや異世界!? ……なら、なんで私の目の前を通る人間の手にはスマホがあるんでしょう? これはなんやかんやあって狼になってしまった私が、気まぐれに人間を助けたりして勝手にワッショイされるお話である。

異世界にアバターで転移?させられましたが私は異世界を満喫します

そう
ファンタジー
ナノハは気がつくとファーナシスタというゲームのアバターで森の中にいた。 そこからナノハの自由気ままな冒険が始まる。

望んでいないのに転生してしまいました。

ナギサ コウガ
ファンタジー
長年病院に入院していた僕が気づいたら転生していました。 折角寝たきりから健康な体を貰ったんだから新しい人生を楽しみたい。 ・・と、思っていたんだけど。 そう上手くはいかないもんだね。

男子高校生だった俺は異世界で幼児になり 訳あり筋肉ムキムキ集団に保護されました。

カヨワイさつき
ファンタジー
高校3年生の神野千明(かみの ちあき)。 今年のメインイベントは受験、 あとはたのしみにしている北海道への修学旅行。 だがそんな彼は飛行機が苦手だった。 電車バスはもちろん、ひどい乗り物酔いをするのだった。今回も飛行機で乗り物酔いをおこしトイレにこもっていたら、いつのまにか気を失った?そして、ちがう場所にいた?! あれ?身の危険?!でも、夢の中だよな? 急死に一生?と思ったら、筋肉ムキムキのワイルドなイケメンに拾われたチアキ。 さらに、何かがおかしいと思ったら3歳児になっていた?! 変なレアスキルや神具、 八百万(やおよろず)の神の加護。 レアチート盛りだくさん?! 半ばあたりシリアス 後半ざまぁ。 訳あり幼児と訳あり集団たちとの物語。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 北海道、アイヌ語、かっこ良さげな名前 お腹がすいた時に食べたい食べ物など 思いついた名前とかをもじり、 なんとか、名前決めてます。     *** お名前使用してもいいよ💕っていう 心優しい方、教えて下さい🥺 悪役には使わないようにします、たぶん。 ちょっとオネェだったり、 アレ…だったりする程度です😁 すでに、使用オッケーしてくださった心優しい 皆様ありがとうございます😘 読んでくださる方や応援してくださる全てに めっちゃ感謝を込めて💕 ありがとうございます💞

ダンジョンでオーブを拾って『』を手に入れた。代償は体で払います

とみっしぇる
ファンタジー
スキルなし、魔力なし、1000人に1人の劣等人。 食っていくのがギリギリの冒険者ユリナは同じ境遇の友達3人と、先輩冒険者ジュリアから率のいい仕事に誘われる。それが罠と気づいたときには、絶対絶命のピンチに陥っていた。 もうあとがない。そのとき起死回生のスキルオーブを手に入れたはずなのにオーブは無反応。『』の中には何が入るのだ。 ギリギリの状況でユリアは瀕死の仲間のために叫ぶ。 ユリナはスキルを手に入れ、ささやかな幸せを手に入れられるのだろうか。

ハイエルフの幼女に転生しました。

レイ♪♪
ファンタジー
ネグレクトで、死んでしまったレイカは 神様に転生させてもらって新しい世界で たくさんの人や植物や精霊や獣に愛されていく 死んで、ハイエルフに転生した幼女の話し。 ゆっくり書いて行きます。 感想も待っています。 はげみになります。

つまらなかった乙女ゲームに転生しちゃったので、サクッと終わらすことにしました

蒼羽咲
ファンタジー
つまらなかった乙女ゲームに転生⁈ 絵に惚れ込み、一目惚れキャラのためにハードまで買ったが内容が超つまらなかった残念な乙女ゲームに転生してしまった。 絵は超好みだ。内容はご都合主義の聖女なお花畑主人公。攻略イケメンも顔は良いがちょろい対象ばかり。てこたぁ逆にめちゃくちゃ住み心地のいい場所になるのでは⁈と気づき、テンションが一気に上がる!! 聖女など面倒な事はする気はない!サクッと攻略終わらせてぐーたら生活をGETするぞ! ご都合主義ならチョロい!と、野望を胸に動き出す!! +++++ ・重複投稿・土曜配信 (たま~に水曜…不定期更新)

転生したみたいなので異世界生活を楽しみます

さっちさん
ファンタジー
又々、題名変更しました。 内容がどんどんかけ離れていくので… 沢山のコメントありがとうございます。対応出来なくてすいません。 誤字脱字申し訳ございません。気がついたら直していきます。 感傷的表現は無しでお願いしたいと思います😢 ↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓ ありきたりな転生ものの予定です。 主人公は30代後半で病死した、天涯孤独の女性が幼女になって冒険する。 一応、転生特典でスキルは貰ったけど、大丈夫か。私。 まっ、なんとかなるっしょ。

処理中です...