幽霊祓い

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第3章 約束編

第173話 氷鳩①

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「俺と士郎は血の繋がっていない兄弟だったんだ・・・

・・・今から十数年前

「氷河、今日からお前の兄弟となる鳩山  士郎だ。仲良くしてやるんだぞ?」

俺は実の親の顔を知らない。道に捨てられていた俺を拾って育ててくれたのは、五十嵐  蒼雲いがらし  そううんという人物だった。ある日、家に蒼雲師匠が士郎を連れてきた。小汚い服を着た士郎こいつが俺の兄弟?俺は信じることができなかった。でも、一緒に生活を送っていくなかで、俺は士郎を自分の兄弟だと認めるようになっていた。蒼雲師匠は双術者だった。俺には氷術、士郎には鳩術をそれぞれ伝授してくれた。

「ひょうじゅつ・ひょうかいっ!!」

「氷河、もっと術に対しての思いを込めるんだ。そうすれば、威力も自然と高まる。ほら、士郎もやってみなさい」

「はい、鳩術・回式鳩はとじゅつ  かいしきばと

「おぉ、凄いじゃないか、士郎」

士郎は術を扱うのが非常に上手だった。でも、そのことに対して、俺は嫉妬することはなかった。むしろ、憧れを持つほどだった。ある時、俺らは蒼雲師匠に連れられて、GEA本部に行った。以前から話では聞いていたが、実際に行くのはこの時が初めてだった。

「俺はGEAの一帝なんだ。俺もGEAの規則で弟子をとらないといけなかったんだ。お前らには十分な愛情を注いで育てたつもりだ。始めっから弟子にしようなんて理由で育てていたのではない。そこは信じてくれ。だから、お前たちがGEAに入るかは自由に選択しろ。今まで黙っていて悪かったな」

蒼雲師匠はその日、初めて、俺らに頭を下げた。

「氷河、お前はGEAに入るのか?」

「あぁ、もちろん入るつもりだ」

「そうか、なら、俺も入る」

「蒼雲師匠、これからもお願いします」

2人声を合わせて、蒼雲師匠にそう伝えた。こうして俺らはGEAに入った。俺らは蒼雲師匠がバックについていたのもあって、入会試験を受けなくても入れた。でも、GEAに入ったことで俺らの運命は別れていった・・・。
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