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動き出した影と光
深夜
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夜です夜でーす深夜でーす。
夜なので静かにしましょう。シーーー…
夜ってさ、なんかテンション上がるよね、なんでだろ。深夜テンション?
まあいいや。
ということで現在私、アヴァイルにおりまーす。且つ現在、宰相サマのお部屋におります。いびきが聞こえます。うるさいです。今認識阻害やらなんやらいっぱい魔法かけてまーす。
あ、いびき聞いてたら俺も眠くなってきた。
手っ取り早く終わらせよ。
アヴァイルの中心人物でもあるこの宰相サマの所に来たのは訳があった。昼間、レヴィスと話した時、『気がついたら宰相サマといた』と言った。ならこいつがアヴォルとの取引に深く関わりがあるとみてもいい。
俺はそっ、と男の足元に立つ。そして気配を消していた魔法の効果を弱め、軽く存在感を放つ。
「…………………?」
感覚的になにか感じた宰相サマは眠そうにベッドから起き上がる。
そして俺を見つけた。
「………!?!?!?な、な、何も…」
俺は口に手を当て、静かにするように促す。
そして宰相サマは静かになる。
もちろん自分の意思と反して。
特に魔法を使った訳でもない。ただ殺気を送っただけだ。そしてその殺気に身体が動かなくなり舌が硬直、言葉を発することが困難となった。
「どうも、初めまして。アヴァイルの宰相サマ」
俺は黙ったままただ驚きと恐怖に身を固める宰相サマ相手に話を続ける。
「俺の名前は伏せておきましょう。さて、アヴォルについて、ですが…………彼のことを知ってますね?」
明らかに表情が変わった…………当たりだ。
「彼と………あぁ、あとレヴィスという男もいましたね。彼らについて、少し話をして頂きましょう」
少し殺気を柔らかげると身体の硬直が少し良くなった宰相サマが大声を出そうとする。
そこで睨みをきかせれば一瞬にして黙る。
状況判断が遅い………。
そう。俺はいつでもお前を殺すことが出来る。自分の行動に気をつけろ、と言葉を発さずに相手に理解させる。
「……………………………アヴォル………彼は気がついたら私たちの前に現れました…」
嘘はついてない。ここはレヴィスの話と一致する。
「私たちがフラリートを快く思っていない事を知っていた彼は1つの交換条件を出してきました」
「交換条件?」
「まず私たちがフラリートを手に入れるもしくは地図から消す手助けをすること、それを彼が提案しました」
無言で話の先を促す。
「そして私たちは彼に1つの鉱山を差し出すこと、これが条件です」
「鉱山?」
「え、えぇ………今の私たちの技術ではそこから鉱石を発掘することは不可能なので承諾しました」
「なぜやつがその鉱山を欲しがったのか理由は知ってるのですか?」
「それは…ただ一言探し物がある、とだけ…」
やはりな
「そして協力関係を結んだ、という訳ですね…」
「……………」
「そしてフラリートに手を出した、と」
「…………………………」
「いいですか?宰相サマ。アヴォルはもうこの世に存在しません。そしてレヴィスはフラリートに捕獲されてます」
「ーーーーッ、」
「そしてこの件をフラリート上層部は知りません」
「…………え、」
「いいですか?二度とフラリートに、我が国に手出しすることは許しません」
一呼吸置いて我慢してた感情を少し表に出す。
「私はこの件に関してだいぶ………………怒ってます」
「ーーーーーーーーー!!!」
死体かと思うほど顔が青くなった宰相サマに続けて口を開く。
「次このようなことがあれば………」
「俺がお前たちを潰す」
「………………」
再び口が開けなくなった宰相サマに分かったな、と言うと壊れたおもちゃのように首を無心に縦に振る。
「…では、夜分に失礼しました」
そして俺はその場から消えた。
「…………………………私たちは……………パンドラの箱を開けかけてしまっていたのか………………」
そんなつぶやきは闇夜に消え去った。
夜なので静かにしましょう。シーーー…
夜ってさ、なんかテンション上がるよね、なんでだろ。深夜テンション?
まあいいや。
ということで現在私、アヴァイルにおりまーす。且つ現在、宰相サマのお部屋におります。いびきが聞こえます。うるさいです。今認識阻害やらなんやらいっぱい魔法かけてまーす。
あ、いびき聞いてたら俺も眠くなってきた。
手っ取り早く終わらせよ。
アヴァイルの中心人物でもあるこの宰相サマの所に来たのは訳があった。昼間、レヴィスと話した時、『気がついたら宰相サマといた』と言った。ならこいつがアヴォルとの取引に深く関わりがあるとみてもいい。
俺はそっ、と男の足元に立つ。そして気配を消していた魔法の効果を弱め、軽く存在感を放つ。
「…………………?」
感覚的になにか感じた宰相サマは眠そうにベッドから起き上がる。
そして俺を見つけた。
「………!?!?!?な、な、何も…」
俺は口に手を当て、静かにするように促す。
そして宰相サマは静かになる。
もちろん自分の意思と反して。
特に魔法を使った訳でもない。ただ殺気を送っただけだ。そしてその殺気に身体が動かなくなり舌が硬直、言葉を発することが困難となった。
「どうも、初めまして。アヴァイルの宰相サマ」
俺は黙ったままただ驚きと恐怖に身を固める宰相サマ相手に話を続ける。
「俺の名前は伏せておきましょう。さて、アヴォルについて、ですが…………彼のことを知ってますね?」
明らかに表情が変わった…………当たりだ。
「彼と………あぁ、あとレヴィスという男もいましたね。彼らについて、少し話をして頂きましょう」
少し殺気を柔らかげると身体の硬直が少し良くなった宰相サマが大声を出そうとする。
そこで睨みをきかせれば一瞬にして黙る。
状況判断が遅い………。
そう。俺はいつでもお前を殺すことが出来る。自分の行動に気をつけろ、と言葉を発さずに相手に理解させる。
「……………………………アヴォル………彼は気がついたら私たちの前に現れました…」
嘘はついてない。ここはレヴィスの話と一致する。
「私たちがフラリートを快く思っていない事を知っていた彼は1つの交換条件を出してきました」
「交換条件?」
「まず私たちがフラリートを手に入れるもしくは地図から消す手助けをすること、それを彼が提案しました」
無言で話の先を促す。
「そして私たちは彼に1つの鉱山を差し出すこと、これが条件です」
「鉱山?」
「え、えぇ………今の私たちの技術ではそこから鉱石を発掘することは不可能なので承諾しました」
「なぜやつがその鉱山を欲しがったのか理由は知ってるのですか?」
「それは…ただ一言探し物がある、とだけ…」
やはりな
「そして協力関係を結んだ、という訳ですね…」
「……………」
「そしてフラリートに手を出した、と」
「…………………………」
「いいですか?宰相サマ。アヴォルはもうこの世に存在しません。そしてレヴィスはフラリートに捕獲されてます」
「ーーーーッ、」
「そしてこの件をフラリート上層部は知りません」
「…………え、」
「いいですか?二度とフラリートに、我が国に手出しすることは許しません」
一呼吸置いて我慢してた感情を少し表に出す。
「私はこの件に関してだいぶ………………怒ってます」
「ーーーーーーーーー!!!」
死体かと思うほど顔が青くなった宰相サマに続けて口を開く。
「次このようなことがあれば………」
「俺がお前たちを潰す」
「………………」
再び口が開けなくなった宰相サマに分かったな、と言うと壊れたおもちゃのように首を無心に縦に振る。
「…では、夜分に失礼しました」
そして俺はその場から消えた。
「…………………………私たちは……………パンドラの箱を開けかけてしまっていたのか………………」
そんなつぶやきは闇夜に消え去った。
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