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動き出した影と光
平和な日常
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「杞憂…………だったな」
数日後、仕事中にふと窓から外を眺めると楽しそうに他の団員と訓練をしているソラが目に入る。
訓練は大変そうだが楽しそうに笑ってる姿をみると安心する。
ソラを拾った翌日、他の団員達に説明&紹介をした。最初はなんという反応が帰ってくるか不安だったが差別などよりも他の種族に対する興味の方が凄まじく一斉にソラの元へよってきて質問の嵐だった。そして動物好きが割と多く耳やしっぽを触りたいという輩が多く出た。もちろん耳やしっぽは俺のものだ、とそいつらを蹴散らした。
それから第1騎士団見習として日々訓練に励んでいる。流石は獣人。身体能力は極めて高く、少しの訓練でも目に見えて動きが良くなっていた。
「…………ずるい………………」
俺がソラと入れるのは朝と夜しか無くなった。ずるい。
けれど俺がここを抜け出してソラの所へ行くとアナラス辺りにまた雷を落とされかねないので我慢する。
夜まであと何時間だ……………?…………うげぇぇぇ………まだ8時間もある無理無理疲れた死んじゃう。
集中がぷっつり切れてしまったので仕方ないから昼食を取りに食堂へと向かう。
「今日は…………んー………ランチセットB大盛り野菜少なめ味濃いめで!」
「団長さん、たまには野菜食ったらどうだい?」
「えーー…俺野菜嫌いなんだよなぁ」
「好き嫌いは感心しないなぁ、よし、新鮮な野菜たっぷりおまけしといてやろう!」
「え、ちょ!?まっ…」
「さ、出来上がったら呼ぶから少し待っててくんな」
「えぇぇ…………」
俺野菜嫌いなのに…
仕方なく席で待ってると何人かの団員達が食堂へと入ってくる。
その中にはソラもいた。
あぁ、第1騎士団の昼休憩か。
などと考えてると俺を直ぐに見つけたソラが走りよってくる。
「ソウイ!!!」
「よぉ!午前の訓練お疲れ様、どうだった?」
「疲れた!けど楽しかった!俺どんどん強くなってんだよ!」
「おぉ!さすがだな!」
膝に乗せて褒めれば嬉しそうに頬をゆるめる。
「団~長、ソラに甘すぎませんか?」
「馬鹿言え!頑張ったやつを褒めてるだけだ!」
「あ、じゃあ俺も褒めてくださいよ!今日頑張りました!ご褒美は昼飯で!」
「あ、俺も俺も!」
「俺も俺もー!!」
「仮にも上司から飯をタカんじゃねぇ!!」
しかし俺も俺も、コールは止まらない。なんなんだこやつら。
「ソウイ、俺肉食べたい!」
「よし、買ってこい」
「ありがとー!」
金を握らせるとすぐさま走っていく。
「団長、俺も肉食べたいです」
「俺魚」
「俺甘いもん食いたいっす!」
「お前らはしっかり給料やってんだろ!!!」
ちぇー、といいつつ自分の財布を取り出しそれぞれ注文しに行く団員達にため息をこぼす。
いや、怯えられたり嫌われたり陰口たたかれたりしないから全然良いんだけどさ、なんか俺を上司だと思ってない奴らが多いんだよな…ここ…。なんでだろ?なんかね、面白いおもちゃ的な…?
いやいや、やめよやめよ。変なこと考えんの。
「俺強くなってソウイを守ってやるんだ!」
「おっ!そりゃいい!団長は変なところで抜けてるからな、しっかり守ってやれよ!」
「うん!」
「おいゴラお前何言ってやがる」
「え、事実じゃないすか?」
「事実じゃねぇ!」
「だってアナラスさんいつも言ってますよ」
「…………………あいつかぁ…………………………」
「副団長も言ってますしね」
「あいつは俺と同じような人種だぞ!何勝手にそっちのグループに入ってやがる!」
「団長とは違うんじゃないすかねぇ」
「ソウイとは違う!」
「え、ソラまで!?嘘だろ!?」
え、やだここ。味方居ない。
数日後、仕事中にふと窓から外を眺めると楽しそうに他の団員と訓練をしているソラが目に入る。
訓練は大変そうだが楽しそうに笑ってる姿をみると安心する。
ソラを拾った翌日、他の団員達に説明&紹介をした。最初はなんという反応が帰ってくるか不安だったが差別などよりも他の種族に対する興味の方が凄まじく一斉にソラの元へよってきて質問の嵐だった。そして動物好きが割と多く耳やしっぽを触りたいという輩が多く出た。もちろん耳やしっぽは俺のものだ、とそいつらを蹴散らした。
それから第1騎士団見習として日々訓練に励んでいる。流石は獣人。身体能力は極めて高く、少しの訓練でも目に見えて動きが良くなっていた。
「…………ずるい………………」
俺がソラと入れるのは朝と夜しか無くなった。ずるい。
けれど俺がここを抜け出してソラの所へ行くとアナラス辺りにまた雷を落とされかねないので我慢する。
夜まであと何時間だ……………?…………うげぇぇぇ………まだ8時間もある無理無理疲れた死んじゃう。
集中がぷっつり切れてしまったので仕方ないから昼食を取りに食堂へと向かう。
「今日は…………んー………ランチセットB大盛り野菜少なめ味濃いめで!」
「団長さん、たまには野菜食ったらどうだい?」
「えーー…俺野菜嫌いなんだよなぁ」
「好き嫌いは感心しないなぁ、よし、新鮮な野菜たっぷりおまけしといてやろう!」
「え、ちょ!?まっ…」
「さ、出来上がったら呼ぶから少し待っててくんな」
「えぇぇ…………」
俺野菜嫌いなのに…
仕方なく席で待ってると何人かの団員達が食堂へと入ってくる。
その中にはソラもいた。
あぁ、第1騎士団の昼休憩か。
などと考えてると俺を直ぐに見つけたソラが走りよってくる。
「ソウイ!!!」
「よぉ!午前の訓練お疲れ様、どうだった?」
「疲れた!けど楽しかった!俺どんどん強くなってんだよ!」
「おぉ!さすがだな!」
膝に乗せて褒めれば嬉しそうに頬をゆるめる。
「団~長、ソラに甘すぎませんか?」
「馬鹿言え!頑張ったやつを褒めてるだけだ!」
「あ、じゃあ俺も褒めてくださいよ!今日頑張りました!ご褒美は昼飯で!」
「あ、俺も俺も!」
「俺も俺もー!!」
「仮にも上司から飯をタカんじゃねぇ!!」
しかし俺も俺も、コールは止まらない。なんなんだこやつら。
「ソウイ、俺肉食べたい!」
「よし、買ってこい」
「ありがとー!」
金を握らせるとすぐさま走っていく。
「団長、俺も肉食べたいです」
「俺魚」
「俺甘いもん食いたいっす!」
「お前らはしっかり給料やってんだろ!!!」
ちぇー、といいつつ自分の財布を取り出しそれぞれ注文しに行く団員達にため息をこぼす。
いや、怯えられたり嫌われたり陰口たたかれたりしないから全然良いんだけどさ、なんか俺を上司だと思ってない奴らが多いんだよな…ここ…。なんでだろ?なんかね、面白いおもちゃ的な…?
いやいや、やめよやめよ。変なこと考えんの。
「俺強くなってソウイを守ってやるんだ!」
「おっ!そりゃいい!団長は変なところで抜けてるからな、しっかり守ってやれよ!」
「うん!」
「おいゴラお前何言ってやがる」
「え、事実じゃないすか?」
「事実じゃねぇ!」
「だってアナラスさんいつも言ってますよ」
「…………………あいつかぁ…………………………」
「副団長も言ってますしね」
「あいつは俺と同じような人種だぞ!何勝手にそっちのグループに入ってやがる!」
「団長とは違うんじゃないすかねぇ」
「ソウイとは違う!」
「え、ソラまで!?嘘だろ!?」
え、やだここ。味方居ない。
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