2回目チート人生、まじですか

ゆめ

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過去

魔王戦1

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 甘く見ていた。甘く見すぎていた。

 それが初めての魔王戦で勇者達オレらが身を以て体験した感想だ。

 封印石とやらをもらった翌日、俺達は魔王の所へと出発した。そして、数時間後、魔王戦が始まった。
 全員、最初は意気込んで張り切っていた。
 そしてスグに絶望の淵へと落とされた。



「うそ、だろ!?今の攻撃がきいてない!?」

 クラスの中でもトップクラスの魔法の使い手である男子が叫ぶ。
 そいつが魔王に向け、使用した魔法はこの世界でも使えるものが片手で数えられるほどの古代魔法だった。
 倒せるまでにいかずともそれなりにダメージは与えられる筈だった。

 それが…かすり傷程度。

 俺は内心盛大な舌打ちをした。

 理由は簡単。
 今の魔法が効いてないと分かった時、クラス全員に大きな隙が出来たからだ。

 俺は瞬時に詠唱をする。

「『幅かれ風』『越せ果てない過去』」

 次の瞬間、魔王から莫大な魔力を感知、魔法となって放射された。

 直で受ければ一瞬で消し飛ぶだろう。

 直でうけさえすれば・・・・・・・・・

「なに…これ…」

 当たらなければ意味は無い。
 俺たちの周りには俺が展開した風による防御魔法がありクラス全体に致命的なダメージは無かった。しかし完全に防ぐことも出来ず、強い衝撃が俺たちを襲った。

「うわっっ!!!」
「ぐっ……ぁ……」

 何人かは耐えられず足が地面から離れる。

将生まさき!てめえの魔法か!」

 ありえない規模と強度の防御魔法にクラスの中の奴らは俺が展開したと気づく。

「そうだ!油断するな!」

 そう叫ぶがクラスの奴らは有難がるどころか叫び返す。

「お前の魔法ならやれる!お前が前線に立て!俺達は後衛でやる!」

 思わずはぁ?と溜息をつきたくなった。1人おれだけが最前線、ほかの奴らが全員後衛?

 殺す気か!こいつらは!

 だが実際俺の魔法ぐらいだ。致命的なダメージを与えられるとすれば。
 クラスの奴らはもう下がり始めてる。
 完璧に俺にやらせるつもりだ。

 やばい。クラスメイトこいつらに殺される。

 

 
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