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EX1-6:大沢先生と変わり行く日常
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家の中の空気が重い。理由はそのままの意味で僕が彼女たちの都合に水を差したからだろうが、このままでは話を聞くに聞きにくい。それにこの空気は僕としても心の内によどみが溜まっていくような感じがして好ましくない。
これは1日であれば、放っておくのだけれど。しばらく尾を引く事に成るのだろう。……彼女たちは状況解決のために己から動くのは期待しない。だから、僕から動こう。1日でも早く、少しでも心地良い家に戻すために。
まず僕は時間を見ておやつの時間であることを確認した。ここしばらくの食生活から3人の好みにあたりを付ける。好きなものを食べているとき、気分は少なくても最悪ではないはずだ。……4人分と考えて安物しか冷蔵庫には突っ込んでいなかったんだ。……仕方がない、とっておきを出そうか。
僕は押し入れの上の戸棚、天袋から缶詰を幾つも取り出す。いざと言う時の食糧、その時はきっと気分が少なくとも落ち込んでいるだろうと踏んで、気分を持ち上げるために僕なりに吟味して抜粋した最高に美味しいと思う物を貯蔵している。
3個のパンの缶詰を開けて、取り出したパンをスライスし、イヴァンナ・マハノヴァにはミックスフルーツの缶詰の中身を、天城蜜柑には鯖のかんづめの中身を、紅茶々には肉の缶詰の中身を挟んでサンドイッチにし、電子レンジで温めたものを机の上に置いて「おやつの時間だ」と3人を呼ぶ。
「よく平然としているな……」
「何で僕が自分の家で平然としてちゃあ駄目なんだ。ほら、今日のおやつはサンドイッチだ。気分が悪いからって普段と別の席に座らないでくれよ?」
空気は悪いままだ。だが腹は減って居るのだろう。早歩きでやってきた紅茶々が席に座って普段のタケノコおやつでは無い殊に疑念を持つように顔を強張らせてから、口に付ける。
「美味しい……」
「そうだろ。僕もそのパンと肉は大好きなんだよ。肉汁が染みてふやける前に食べな」
僕は美味しいと言われてらしく無いことに、心底ホッとした。手に入りにくいし高いからなぁこの缶詰……喜んでもらえて良かったよ本当に。
「ほら2人も」
紅茶々につられて席についていたイヴァンナ・マハノヴァと天城蜜柑が己の分のサンドイッチを食べ始めた。反応からして美味しそうに食べてくれている。ここまでは良しだ。
「これは僕からのお詫びだ。君達に毒をかけたことに対するね。でもあんな所で殴り合われたら人目に尽くし、君たちを家に上げている僕としては後々面倒ごとになりかねないしで、僕が嫌なんだ。納得してくれとは言わないけど理解はしてほしい」
食事で多少なりとも気をよくさせてから、根本的な空気の緩和を試みる。……僕は悪くないのに何でお詫びをしなければいけないんだろうか、ままならないものだ。
「……あっちから仕掛けてきたこととはいえ。そうだな。ただでさえ君には迷惑をかけている。あそこは対抗ではなく何振り構わず君を抱えて逃げるべきだったかもしれないか。うむ、わかった」
「そう……ですね。はい。私も……わかりました。大沢先生への配慮が足りませんでしたね」
色々らしくない事をして、その甲斐があったか。というかそもそも子供らしく素直な3人だったからここまで気を張らなくてもよかったかもしれない。
「2人とも、どんなの食べてるの? 一口頂戴頂戴! わたしのも一口食べていいからさ!」
「えっおぉ。そうだな」
「私、知ってます食べさせ合いっこって奴ですよね」
紅茶々に至っては何もしなくてもおやつの時間が来たら自動的に機嫌が良くなっていたかもしれないな。僕は明日から貰えるのか分からなくなったタケノコを食べよう。
その日の晩の内に早乙女桃花と電話をして互いに同居人から聞きだした情報を交換する。早乙女桃子曰くウー・チーは10年近く前に此処では無い別の世界から落ちるようにしてやって存在らしく、その世界にはカジリカンと呼ばれる国があるそうだ。そしてそのカジリカンなる国の技術レベルは高く、そこに住まう民は総じて戦狂いなのだとか。
カジリカンと言う国がとりあえず最悪なのは理解したが、落ちてきたと言う部分が気になって尋ねると。ウー・チー曰く、去年頃に空に出現した穴と同じものから落ちたのだそうだ。なるほど。……去年頃開いて、ウー・チーは10年近くこっちにいるとなると穴は空に開いたアレ以外に幾つも開いて居るのだろうか
一応、尋ねてみると早乙女桃花は昔にウー・チーに尋ねた事があるらしく、答えはウー・チーにも分からない。可能性としては高いと思うとのこと。
僕の方でもウー・チーが口にしていたカジリカンと言う単語は聞こえて居たので3人組に尋ねてみると3人組はしばらく首をかしげて総じてわからないと答えた。嘘を吐いて居るのかとも疑ったが、ネット情報を駆使して獲得した即席心理学を用いても、僕的感覚から見てもその様子は見られなかったことを早乙女桃花に伝える。3人組とウー・チーの間で何か齟齬があるのか? ウー・チーが言っていたカジリカン云々は勘違いで……でも、同じ匂いがするらしいんだよな……うーん。よくわからない。だけれど双方に食い違いのような物が有るのなら、それを説明して敵対関係を解消できるかもしれない。少し時間をおいて頭が冷え切ったころ合いに引き合わせようかと早乙女桃花と計画を立ててその日は終わった。
「大沢せんせっ。今度の休みに……その、えっと。一緒に食事をしないか? 車なら私が出すからさ」
木下芳奈の発言で、僕はきっと顔をしかめただろう。迷子3人組の連れ探しを優先したいのもあるが、木下芳奈。彼女にはこと食事のとある部分において一般的な女性の常識を外れている。……いや、人間を辞めていると言ってもいいかもしれない。その原因を知っているからそれで弄るつもりは毛頭ないがどうしても顔に出る。
「木下さん。人にはお財布事情と言うものがあってね。僕もその例に漏れない事を知ってほしい」
「奢ってくれること前提なの男前って奴だね。……うん、出来れば夜景を見ながら何てシチュエーションが好ましいけど。自重はしないで風情も何にもない食い放題に行こうと思うんだ。どうかな?」
「……食い放題で出入り禁止されてない無い所って付近にあったっけ?」
「車で2時間走れば……」
「食事の為に県の外に行かないとだめなのか……」
「……駄目かな?」
これが適当な人間ならばい僕がNOと言える日本人であることを証明できただろうけれど。僕は知っている。知人である木下芳奈は繊細な人間であることを。そんな彼女に断ったらだいぶ引きずって落ち込みますと言わんばかりの上目遣いをされたら。断りがたい。
「はぁ……わかった。都合はつけて見るけどあんまり期待しないでくれよ」
「わかったよ。うん、返事を期待しないで待ってるね」
そういう彼女の眼は期待に満ちていて。きっと僕は顔を引きつっていたと思う。
僕はほとんど他人である彼女たちに合鍵を作って渡してもいいのかと言う選択を迫られる。……食事を摂りためるか。いや駄目だ。今日は諦めてもらうか? でもせっかくの休日外に出られる日を潰すのも可哀想だ。……考えに考え悩みぬいて僕は、イヴァンナ・マハノヴァに合鍵を渡すことにした。これを機に、平日でも外に出る事を許そうと思う。僕が自分の目で見て管理できないのは少し怖いけどね。
往復4時間、食事のためだけに費やされた1日の6分の1を車の中で過ごし。時折、驚く程に無駄な時間を過ごしているなと何度も思いながら、お腹一杯で上機嫌になった木下芳奈と別れて家に帰る。
あの3人組はまだ帰って居ないか。結局、1日の半分近くを芳奈に持っていかれたけれど……久しぶりの1人の家だと考えると悪くないかも知れない。
静寂、部屋が僕だけのものとして本来の姿で僕を抱擁する。
最早懐かしい土草の匂いに満ちた空間に心を休ませて、久しぶりに趣味に没頭する。お気に入りのエアガンを整備し。植物に水をやって状態を記録する。そして最後に、しばらく付けて居なかった日記にこれまでの事を書き込んでいく。
日記を書いていく中で、紅茶々の笑い声が聞こえてもう帰ってきたのかと玄関をみるがそこには誰もおらず。声を聞きすぎてまるでそこに居るのが当たり前だと錯覚してしまって幻聴が聞こえ始めたのか。全く僕はこの生活に毒されているようだ。
僕は今のような静かで穏やかな元の生活が好きだ。でも、賑やかなのが、人付き合いが嫌いなわけじゃない。上手くいかないのが気に入らないけれど。迷子3人組との生活は。いつか終わると思うと寂しくは思う。
生活が終わった時、迷子3人組が僕にとってどんな存在になるか、ウー・チーの件で分からないが、お別れの品くらいは用意してやろう。どんなのが良いだろうか。そうだ香水、花の蜜、しおり。3人の印象に合わせてこの辺りにしよう。
鍵が差し込まれる音が聞こえ、日記を閉じて天袋へ仕舞う。
「ただいまー!」
「お、おい。扉が閉じるまで声を上げるな。周りに気がつかれるだろ」
「そうです。ですから静かにただいま帰りましたと」
「いや、だから扉が閉まるまで声はなるべくだな」
今日はどんなタケノコ料理を作ろうか、そんな事を思いながら。一人暮らしをするようになって口にするとは思わなかった言葉で出迎える。「おかえり」と。
これは1日であれば、放っておくのだけれど。しばらく尾を引く事に成るのだろう。……彼女たちは状況解決のために己から動くのは期待しない。だから、僕から動こう。1日でも早く、少しでも心地良い家に戻すために。
まず僕は時間を見ておやつの時間であることを確認した。ここしばらくの食生活から3人の好みにあたりを付ける。好きなものを食べているとき、気分は少なくても最悪ではないはずだ。……4人分と考えて安物しか冷蔵庫には突っ込んでいなかったんだ。……仕方がない、とっておきを出そうか。
僕は押し入れの上の戸棚、天袋から缶詰を幾つも取り出す。いざと言う時の食糧、その時はきっと気分が少なくとも落ち込んでいるだろうと踏んで、気分を持ち上げるために僕なりに吟味して抜粋した最高に美味しいと思う物を貯蔵している。
3個のパンの缶詰を開けて、取り出したパンをスライスし、イヴァンナ・マハノヴァにはミックスフルーツの缶詰の中身を、天城蜜柑には鯖のかんづめの中身を、紅茶々には肉の缶詰の中身を挟んでサンドイッチにし、電子レンジで温めたものを机の上に置いて「おやつの時間だ」と3人を呼ぶ。
「よく平然としているな……」
「何で僕が自分の家で平然としてちゃあ駄目なんだ。ほら、今日のおやつはサンドイッチだ。気分が悪いからって普段と別の席に座らないでくれよ?」
空気は悪いままだ。だが腹は減って居るのだろう。早歩きでやってきた紅茶々が席に座って普段のタケノコおやつでは無い殊に疑念を持つように顔を強張らせてから、口に付ける。
「美味しい……」
「そうだろ。僕もそのパンと肉は大好きなんだよ。肉汁が染みてふやける前に食べな」
僕は美味しいと言われてらしく無いことに、心底ホッとした。手に入りにくいし高いからなぁこの缶詰……喜んでもらえて良かったよ本当に。
「ほら2人も」
紅茶々につられて席についていたイヴァンナ・マハノヴァと天城蜜柑が己の分のサンドイッチを食べ始めた。反応からして美味しそうに食べてくれている。ここまでは良しだ。
「これは僕からのお詫びだ。君達に毒をかけたことに対するね。でもあんな所で殴り合われたら人目に尽くし、君たちを家に上げている僕としては後々面倒ごとになりかねないしで、僕が嫌なんだ。納得してくれとは言わないけど理解はしてほしい」
食事で多少なりとも気をよくさせてから、根本的な空気の緩和を試みる。……僕は悪くないのに何でお詫びをしなければいけないんだろうか、ままならないものだ。
「……あっちから仕掛けてきたこととはいえ。そうだな。ただでさえ君には迷惑をかけている。あそこは対抗ではなく何振り構わず君を抱えて逃げるべきだったかもしれないか。うむ、わかった」
「そう……ですね。はい。私も……わかりました。大沢先生への配慮が足りませんでしたね」
色々らしくない事をして、その甲斐があったか。というかそもそも子供らしく素直な3人だったからここまで気を張らなくてもよかったかもしれない。
「2人とも、どんなの食べてるの? 一口頂戴頂戴! わたしのも一口食べていいからさ!」
「えっおぉ。そうだな」
「私、知ってます食べさせ合いっこって奴ですよね」
紅茶々に至っては何もしなくてもおやつの時間が来たら自動的に機嫌が良くなっていたかもしれないな。僕は明日から貰えるのか分からなくなったタケノコを食べよう。
その日の晩の内に早乙女桃花と電話をして互いに同居人から聞きだした情報を交換する。早乙女桃子曰くウー・チーは10年近く前に此処では無い別の世界から落ちるようにしてやって存在らしく、その世界にはカジリカンと呼ばれる国があるそうだ。そしてそのカジリカンなる国の技術レベルは高く、そこに住まう民は総じて戦狂いなのだとか。
カジリカンと言う国がとりあえず最悪なのは理解したが、落ちてきたと言う部分が気になって尋ねると。ウー・チー曰く、去年頃に空に出現した穴と同じものから落ちたのだそうだ。なるほど。……去年頃開いて、ウー・チーは10年近くこっちにいるとなると穴は空に開いたアレ以外に幾つも開いて居るのだろうか
一応、尋ねてみると早乙女桃花は昔にウー・チーに尋ねた事があるらしく、答えはウー・チーにも分からない。可能性としては高いと思うとのこと。
僕の方でもウー・チーが口にしていたカジリカンと言う単語は聞こえて居たので3人組に尋ねてみると3人組はしばらく首をかしげて総じてわからないと答えた。嘘を吐いて居るのかとも疑ったが、ネット情報を駆使して獲得した即席心理学を用いても、僕的感覚から見てもその様子は見られなかったことを早乙女桃花に伝える。3人組とウー・チーの間で何か齟齬があるのか? ウー・チーが言っていたカジリカン云々は勘違いで……でも、同じ匂いがするらしいんだよな……うーん。よくわからない。だけれど双方に食い違いのような物が有るのなら、それを説明して敵対関係を解消できるかもしれない。少し時間をおいて頭が冷え切ったころ合いに引き合わせようかと早乙女桃花と計画を立ててその日は終わった。
「大沢せんせっ。今度の休みに……その、えっと。一緒に食事をしないか? 車なら私が出すからさ」
木下芳奈の発言で、僕はきっと顔をしかめただろう。迷子3人組の連れ探しを優先したいのもあるが、木下芳奈。彼女にはこと食事のとある部分において一般的な女性の常識を外れている。……いや、人間を辞めていると言ってもいいかもしれない。その原因を知っているからそれで弄るつもりは毛頭ないがどうしても顔に出る。
「木下さん。人にはお財布事情と言うものがあってね。僕もその例に漏れない事を知ってほしい」
「奢ってくれること前提なの男前って奴だね。……うん、出来れば夜景を見ながら何てシチュエーションが好ましいけど。自重はしないで風情も何にもない食い放題に行こうと思うんだ。どうかな?」
「……食い放題で出入り禁止されてない無い所って付近にあったっけ?」
「車で2時間走れば……」
「食事の為に県の外に行かないとだめなのか……」
「……駄目かな?」
これが適当な人間ならばい僕がNOと言える日本人であることを証明できただろうけれど。僕は知っている。知人である木下芳奈は繊細な人間であることを。そんな彼女に断ったらだいぶ引きずって落ち込みますと言わんばかりの上目遣いをされたら。断りがたい。
「はぁ……わかった。都合はつけて見るけどあんまり期待しないでくれよ」
「わかったよ。うん、返事を期待しないで待ってるね」
そういう彼女の眼は期待に満ちていて。きっと僕は顔を引きつっていたと思う。
僕はほとんど他人である彼女たちに合鍵を作って渡してもいいのかと言う選択を迫られる。……食事を摂りためるか。いや駄目だ。今日は諦めてもらうか? でもせっかくの休日外に出られる日を潰すのも可哀想だ。……考えに考え悩みぬいて僕は、イヴァンナ・マハノヴァに合鍵を渡すことにした。これを機に、平日でも外に出る事を許そうと思う。僕が自分の目で見て管理できないのは少し怖いけどね。
往復4時間、食事のためだけに費やされた1日の6分の1を車の中で過ごし。時折、驚く程に無駄な時間を過ごしているなと何度も思いながら、お腹一杯で上機嫌になった木下芳奈と別れて家に帰る。
あの3人組はまだ帰って居ないか。結局、1日の半分近くを芳奈に持っていかれたけれど……久しぶりの1人の家だと考えると悪くないかも知れない。
静寂、部屋が僕だけのものとして本来の姿で僕を抱擁する。
最早懐かしい土草の匂いに満ちた空間に心を休ませて、久しぶりに趣味に没頭する。お気に入りのエアガンを整備し。植物に水をやって状態を記録する。そして最後に、しばらく付けて居なかった日記にこれまでの事を書き込んでいく。
日記を書いていく中で、紅茶々の笑い声が聞こえてもう帰ってきたのかと玄関をみるがそこには誰もおらず。声を聞きすぎてまるでそこに居るのが当たり前だと錯覚してしまって幻聴が聞こえ始めたのか。全く僕はこの生活に毒されているようだ。
僕は今のような静かで穏やかな元の生活が好きだ。でも、賑やかなのが、人付き合いが嫌いなわけじゃない。上手くいかないのが気に入らないけれど。迷子3人組との生活は。いつか終わると思うと寂しくは思う。
生活が終わった時、迷子3人組が僕にとってどんな存在になるか、ウー・チーの件で分からないが、お別れの品くらいは用意してやろう。どんなのが良いだろうか。そうだ香水、花の蜜、しおり。3人の印象に合わせてこの辺りにしよう。
鍵が差し込まれる音が聞こえ、日記を閉じて天袋へ仕舞う。
「ただいまー!」
「お、おい。扉が閉じるまで声を上げるな。周りに気がつかれるだろ」
「そうです。ですから静かにただいま帰りましたと」
「いや、だから扉が閉まるまで声はなるべくだな」
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