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EX1-8:大沢先生と変わり行く日常
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時間と心に余裕が出て来たので休日の日課である早朝の散歩と野生のハトの餌撒きを再開すると木下芳奈と出会う。
「大沢せんせっ、今年の夏は暇かな?」
「どうだろうね……今年は難しいかも知れないね」
「そっか……それは、最近付き合いが悪い原因が関わって居るのかな?」
「何でそう思うんだ?」
「女の勘って奴かな」
「何と曖昧な」
「うーそ。根拠はあるよ。それもたくさん。休みの日は今日みたいに朝の散歩をするのに突然それを止めた事とかね。後は……」
彼女は僕の肩に鼻を近づけてスンスンと動かす。犬か君は。
「土臭さと植物の青臭さ……あとなんかタケノコの匂いの中に……桃のような、ココナッツのような……濃い女の匂いがするんだ。それも3種類」
やっぱり君は犬だろ。しかしまいった。彼女のその様子からとうの前に迷子3人組の存在は感づかれていたようだ。彼女には関係ないというのに。
「……おいて行かないでよ。本当に、絶対に置いて行かないでよ」
「わかってるって」
「なら良いけれど……こんな時間なのに子供は元気なんだね……ねぇ大沢先生」
「僕はいらないぞ。家族は作るつもりはない。小さくても社会は社会、僕は人間社会が嫌いだからね。子孫繁栄は従兄弟や兄弟に任せようと思ってる。それは君もそうだろう? 君の場合は蛙の子は蛙、何て事態が怖いから」
「そう、だね。うん。……あぁ、もっと太い繋がりがほしいのに。方法はあるのに。怖いからそれを実行できない歯がゆさと、悔しさがこんなに苦しいなんて。私は後何回、生まれた事を後悔しないといけないのかな」
「何回後悔するのか、それは生きている限りは無限にじゃないかな。それなのに、生きててよかったなんて思えることが時折あるから、質が悪い」
彼女は「本当にね」と言って、何処か泣きそうな表情で笑っって。僕は何を持ってくるのだろうなぁと少し怖くなって顔を引きつった。
「ウー・チーが話し合いの場を設けたがっている?」
「はい、そうなんです。ですから大沢先生の家で場を設けてほしいなと思いまして……」
早乙女桃花がタケノコを渡すついでにそんな提案をした。
「えっと……その心は?」
「大沢先生のおお家、広いですし……それに広いですから。6人で食事会がしたいんです。食事中であれば争いはしにくいかと思いますので」
……人を家に上げるのは僕的に好ましくないのだが。なるほど、一考しないでもない案だ。流石に6人となれば狭いし。ウー・チーも面倒を見てくれている彼女を巻き込みかねないと考えれば義理あって迂闊に襲い掛かる事は無いだろう。
だがそれをする価値はあるだろうか。……あるか、ウー・チーと迷子3人組は仲間をかぎ分けることが出来るらしい。ならば匂いが濃いらしいウー・チーを話し合いの末に協力をしてくれるのなら、周囲に居るかもしれない迷子3人組の連れに存在を主張できる。……捜索が行き詰っているんだ。半歩でも進めたい。
「大沢先生?」
「すいません、少し考え事を……良い考えだと思います。やりましょう」
彼女は手を合わせ「では、美味しいタケノコとお酒をいっぱい持って行きますね」と言った。お酒はともかくタケノコ毎日食べて居るのだから勘弁してほしい。
「あの、食事会くらいタケノコ以外にも食材を持って来てもらえると……嬉しいんですが」
彼女は意外そうな顔をしたがすぐに「なるほど確かに」と言って善意たっぷりに笑った。
「誰か、皿を運んでくれ」
「はーい」
僕や天城蜜柑に手伝うという言葉も言わせぬ間に。紅茶々が4人分の食器を持って、走って運び込もうとする。
そんなに忙しないと輪部ないぞと何て言う暇もなく。案の定、紅茶々は厨房と部屋を区切る段差につまずく。皿、割れるかな。割れるんだろうなぁ。……怒るのめんどくさいなぁ。と刹那の間にそんなことを考えていると。紅茶々は肘から炎を噴き出して無理やり体勢を立て直した。あぁ、君そんな能力有ったね。うん、考えない様にしていたから忘れてたよ。
「おっとと……へへ、危ない危ない」
紅茶々が転ばなかったことに安堵していると。天城蜜柑が僕に尋ねた「ヴァーニャさんがおっしゃっていましたが、本当に驚かれないのですね? どうしてでしょうか?」と。
僕的には、深く突っ込んだら何かに巻き込まれる可能性が上がるから見なかったことにしたいだけなのだが、それだけだとやはり平然として居るのは無理があるだろうか。
「そうだね……。僕は君達のような普通の人にはない物を持つ事例を他に知っているからかな。だから僕にとって君達みたいな存在は。地元で1度見た白人位に珍しいってだけなんだよ」
「私達以外の事例を知っているから……ですか」
「そう。あんまり詮索しない方が良いと思うよ。僕がその事例と出会った話は。同じ事例である君達とは言え話すべきではないし。何より……とても、繊細で気分が悪いからね」
「なる……ほど」
そう、本当に気分が悪い。人から違うと恐れられ、己にない物を持っているからと妬まれ。何時しか普通の人々を恐れるようになって、それでいて普通を持っている人々を羨んでいた、そんなただの人の話なのだから。
「よいしょっと。皆! 今日は先日にルーを買っていたから解り切っているとは思うがタケノコカレーだぞ。これならばタケノコの味に食傷を通り越してトラウマになりつつある私でも食べられるはずだ。ささ、席に着き存分に頂くがよい」
「わーい! チーズ持ってくるねチーズ! とろけさせるんだーへへへ」
「躊躇なく人の冷蔵庫を開けるようになったね君……まぁいいけどさ。僕には納豆を持って来てくれ」
「私には一味唐辛子をお願いいたします」
「納豆は……カレーに合わせる物なのか?」
「僕は好きだ」
「そうなのか。蜜柑の一味唐辛子は……カレーはただでさえ辛いのにこれ以上辛くしてどうするのだ?」
「辛いはそれすなわち美味しゅう物でございますので」
「そ、そうか……私はネバネバも辛いのも点で駄目でな。意外に思ったのだ。ところで茶々、私には卵を1つくれ。カレーの辛さをマイルドにしたい」
「えっ、早く言ってよもー。ちょっと待ってね」
だから僕は、この記憶を誰にも話さず。日記にも書かず。未来に持って行くつもりは毛頭ない。僕ともう1人、たった2人の中で消えてもらおうと思う。
そんなことより辛いのが苦手なのに。他の3人の好みに合わせてわざわざ中辛を作るイヴァンナ・マハノヴァは律儀すぎないだろうか。甘口でも一味唐辛子や七味唐辛子が有るのだからあまり気にしなくてもいいだろうに。
「はーい。皆、全部持って来たよー」
手を勢いよく合わせて紅茶々の「頂きまーす」に続き頂きますと言って食事を始める。……また何か工夫を凝らしたか、カレーが美味い。料理の師匠である僕をそろそろ超えるかもしれない。
「ヴァーニャ! 美味しいよこれ!」
「そうだろうそうだろう。このカレー、実は中に____」
イヴァンナ・マハノヴァの話が始まる。またかと思いつつもこれを聞きながら食事をするのが日課になりつつあるなぁと。思っていると。ふと紅茶々のスプーンと皿をぶつけて鳴らす音が止まる。
「ヴァーニャ。すっごく美味しいよこれ」
「む? さっきも聞いたぞそれは。まぁ、褒められて悪い気はしないがな」
「うん……何かね。全部終わったら、ヴァーニャのご飯食べられなくなるのかなって思って」
……あれ? 何で急に空気が重くなるの? なんて口にしたかったが紅茶々が言葉を続けていくので黙って耳を傾ける。
「蜜柑とも遊ばなくなるのかな。大沢先生に教えてもらった絵をかけなくなるのかな……皆でテレビゲームできなくなるのかな」
カレーに向けていた顔が我慢できず何時の間にか紅茶々の方を向いていた。紅茶々は目に涙を浮かべてて声を震わせていた。イヴァンナ・マハノヴァはそれを真摯に聞き入り、天城蜜柑はうつむいて居る。
「大沢先生……わたし。この世界の人と…………うぅ」
「茶々、言いたければ言えばいい。私も決めかねていたところだ。君に合わせる」
それは、イヴァンナ・マハノヴァなりの後押しだったんだろう。紅茶々はいまにも溢れそうに涙をまぶたに貯めて「戦いたくない。皆離れ離れになって、大沢先生と戦いたくないよ」と口にした。……戦いたくないという言葉にひどく嫌な予感を覚えるけれど、それはそれとして紅茶々は僕にどういう反応を求めているのだろう。僕はただ。君たちが僕の人生に明確に登場した以上は気持ちよく明日を迎えるために見捨てないだけなんだ。自分本位の人間なんだよ。
「大沢先生?」
「そういう話は、いま考えても仕方がないことだよ。それに僕は君たちの背景を知らないからほとんど何も言えない。だからしばらくモヤモヤするだろうけれど。今は美味しいカレーを食べよう。冷める前にね」
「……うん」
「そうだな、目を拭って、私が作った渾身のカレーを食べて元気を出すが良い」
結局、僕は何も言えないまま、慣れ始めた日常を再開した。僕は元の生活が好きだから別に戻っても良いと思って居るけれど。紅茶々は元の生活よりも今の生活を好ましく思って居るのだろうか。……思って居るからの発言か。イヴァンナ ・マハノヴァも手放し難く思う程には思ってくれては居るようで、どうやら同じ鍋のタケノコをつつく日々は、思った以上に僕たちをつなげていたらしい。
……後日、連れが見つかるまでは絶対に家に置いてやるくらいは言っておこうか。
「大沢せんせっ、今年の夏は暇かな?」
「どうだろうね……今年は難しいかも知れないね」
「そっか……それは、最近付き合いが悪い原因が関わって居るのかな?」
「何でそう思うんだ?」
「女の勘って奴かな」
「何と曖昧な」
「うーそ。根拠はあるよ。それもたくさん。休みの日は今日みたいに朝の散歩をするのに突然それを止めた事とかね。後は……」
彼女は僕の肩に鼻を近づけてスンスンと動かす。犬か君は。
「土臭さと植物の青臭さ……あとなんかタケノコの匂いの中に……桃のような、ココナッツのような……濃い女の匂いがするんだ。それも3種類」
やっぱり君は犬だろ。しかしまいった。彼女のその様子からとうの前に迷子3人組の存在は感づかれていたようだ。彼女には関係ないというのに。
「……おいて行かないでよ。本当に、絶対に置いて行かないでよ」
「わかってるって」
「なら良いけれど……こんな時間なのに子供は元気なんだね……ねぇ大沢先生」
「僕はいらないぞ。家族は作るつもりはない。小さくても社会は社会、僕は人間社会が嫌いだからね。子孫繁栄は従兄弟や兄弟に任せようと思ってる。それは君もそうだろう? 君の場合は蛙の子は蛙、何て事態が怖いから」
「そう、だね。うん。……あぁ、もっと太い繋がりがほしいのに。方法はあるのに。怖いからそれを実行できない歯がゆさと、悔しさがこんなに苦しいなんて。私は後何回、生まれた事を後悔しないといけないのかな」
「何回後悔するのか、それは生きている限りは無限にじゃないかな。それなのに、生きててよかったなんて思えることが時折あるから、質が悪い」
彼女は「本当にね」と言って、何処か泣きそうな表情で笑っって。僕は何を持ってくるのだろうなぁと少し怖くなって顔を引きつった。
「ウー・チーが話し合いの場を設けたがっている?」
「はい、そうなんです。ですから大沢先生の家で場を設けてほしいなと思いまして……」
早乙女桃花がタケノコを渡すついでにそんな提案をした。
「えっと……その心は?」
「大沢先生のおお家、広いですし……それに広いですから。6人で食事会がしたいんです。食事中であれば争いはしにくいかと思いますので」
……人を家に上げるのは僕的に好ましくないのだが。なるほど、一考しないでもない案だ。流石に6人となれば狭いし。ウー・チーも面倒を見てくれている彼女を巻き込みかねないと考えれば義理あって迂闊に襲い掛かる事は無いだろう。
だがそれをする価値はあるだろうか。……あるか、ウー・チーと迷子3人組は仲間をかぎ分けることが出来るらしい。ならば匂いが濃いらしいウー・チーを話し合いの末に協力をしてくれるのなら、周囲に居るかもしれない迷子3人組の連れに存在を主張できる。……捜索が行き詰っているんだ。半歩でも進めたい。
「大沢先生?」
「すいません、少し考え事を……良い考えだと思います。やりましょう」
彼女は手を合わせ「では、美味しいタケノコとお酒をいっぱい持って行きますね」と言った。お酒はともかくタケノコ毎日食べて居るのだから勘弁してほしい。
「あの、食事会くらいタケノコ以外にも食材を持って来てもらえると……嬉しいんですが」
彼女は意外そうな顔をしたがすぐに「なるほど確かに」と言って善意たっぷりに笑った。
「誰か、皿を運んでくれ」
「はーい」
僕や天城蜜柑に手伝うという言葉も言わせぬ間に。紅茶々が4人分の食器を持って、走って運び込もうとする。
そんなに忙しないと輪部ないぞと何て言う暇もなく。案の定、紅茶々は厨房と部屋を区切る段差につまずく。皿、割れるかな。割れるんだろうなぁ。……怒るのめんどくさいなぁ。と刹那の間にそんなことを考えていると。紅茶々は肘から炎を噴き出して無理やり体勢を立て直した。あぁ、君そんな能力有ったね。うん、考えない様にしていたから忘れてたよ。
「おっとと……へへ、危ない危ない」
紅茶々が転ばなかったことに安堵していると。天城蜜柑が僕に尋ねた「ヴァーニャさんがおっしゃっていましたが、本当に驚かれないのですね? どうしてでしょうか?」と。
僕的には、深く突っ込んだら何かに巻き込まれる可能性が上がるから見なかったことにしたいだけなのだが、それだけだとやはり平然として居るのは無理があるだろうか。
「そうだね……。僕は君達のような普通の人にはない物を持つ事例を他に知っているからかな。だから僕にとって君達みたいな存在は。地元で1度見た白人位に珍しいってだけなんだよ」
「私達以外の事例を知っているから……ですか」
「そう。あんまり詮索しない方が良いと思うよ。僕がその事例と出会った話は。同じ事例である君達とは言え話すべきではないし。何より……とても、繊細で気分が悪いからね」
「なる……ほど」
そう、本当に気分が悪い。人から違うと恐れられ、己にない物を持っているからと妬まれ。何時しか普通の人々を恐れるようになって、それでいて普通を持っている人々を羨んでいた、そんなただの人の話なのだから。
「よいしょっと。皆! 今日は先日にルーを買っていたから解り切っているとは思うがタケノコカレーだぞ。これならばタケノコの味に食傷を通り越してトラウマになりつつある私でも食べられるはずだ。ささ、席に着き存分に頂くがよい」
「わーい! チーズ持ってくるねチーズ! とろけさせるんだーへへへ」
「躊躇なく人の冷蔵庫を開けるようになったね君……まぁいいけどさ。僕には納豆を持って来てくれ」
「私には一味唐辛子をお願いいたします」
「納豆は……カレーに合わせる物なのか?」
「僕は好きだ」
「そうなのか。蜜柑の一味唐辛子は……カレーはただでさえ辛いのにこれ以上辛くしてどうするのだ?」
「辛いはそれすなわち美味しゅう物でございますので」
「そ、そうか……私はネバネバも辛いのも点で駄目でな。意外に思ったのだ。ところで茶々、私には卵を1つくれ。カレーの辛さをマイルドにしたい」
「えっ、早く言ってよもー。ちょっと待ってね」
だから僕は、この記憶を誰にも話さず。日記にも書かず。未来に持って行くつもりは毛頭ない。僕ともう1人、たった2人の中で消えてもらおうと思う。
そんなことより辛いのが苦手なのに。他の3人の好みに合わせてわざわざ中辛を作るイヴァンナ・マハノヴァは律儀すぎないだろうか。甘口でも一味唐辛子や七味唐辛子が有るのだからあまり気にしなくてもいいだろうに。
「はーい。皆、全部持って来たよー」
手を勢いよく合わせて紅茶々の「頂きまーす」に続き頂きますと言って食事を始める。……また何か工夫を凝らしたか、カレーが美味い。料理の師匠である僕をそろそろ超えるかもしれない。
「ヴァーニャ! 美味しいよこれ!」
「そうだろうそうだろう。このカレー、実は中に____」
イヴァンナ・マハノヴァの話が始まる。またかと思いつつもこれを聞きながら食事をするのが日課になりつつあるなぁと。思っていると。ふと紅茶々のスプーンと皿をぶつけて鳴らす音が止まる。
「ヴァーニャ。すっごく美味しいよこれ」
「む? さっきも聞いたぞそれは。まぁ、褒められて悪い気はしないがな」
「うん……何かね。全部終わったら、ヴァーニャのご飯食べられなくなるのかなって思って」
……あれ? 何で急に空気が重くなるの? なんて口にしたかったが紅茶々が言葉を続けていくので黙って耳を傾ける。
「蜜柑とも遊ばなくなるのかな。大沢先生に教えてもらった絵をかけなくなるのかな……皆でテレビゲームできなくなるのかな」
カレーに向けていた顔が我慢できず何時の間にか紅茶々の方を向いていた。紅茶々は目に涙を浮かべてて声を震わせていた。イヴァンナ・マハノヴァはそれを真摯に聞き入り、天城蜜柑はうつむいて居る。
「大沢先生……わたし。この世界の人と…………うぅ」
「茶々、言いたければ言えばいい。私も決めかねていたところだ。君に合わせる」
それは、イヴァンナ・マハノヴァなりの後押しだったんだろう。紅茶々はいまにも溢れそうに涙をまぶたに貯めて「戦いたくない。皆離れ離れになって、大沢先生と戦いたくないよ」と口にした。……戦いたくないという言葉にひどく嫌な予感を覚えるけれど、それはそれとして紅茶々は僕にどういう反応を求めているのだろう。僕はただ。君たちが僕の人生に明確に登場した以上は気持ちよく明日を迎えるために見捨てないだけなんだ。自分本位の人間なんだよ。
「大沢先生?」
「そういう話は、いま考えても仕方がないことだよ。それに僕は君たちの背景を知らないからほとんど何も言えない。だからしばらくモヤモヤするだろうけれど。今は美味しいカレーを食べよう。冷める前にね」
「……うん」
「そうだな、目を拭って、私が作った渾身のカレーを食べて元気を出すが良い」
結局、僕は何も言えないまま、慣れ始めた日常を再開した。僕は元の生活が好きだから別に戻っても良いと思って居るけれど。紅茶々は元の生活よりも今の生活を好ましく思って居るのだろうか。……思って居るからの発言か。イヴァンナ ・マハノヴァも手放し難く思う程には思ってくれては居るようで、どうやら同じ鍋のタケノコをつつく日々は、思った以上に僕たちをつなげていたらしい。
……後日、連れが見つかるまでは絶対に家に置いてやるくらいは言っておこうか。
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