自己犠牲者と混ざる世界

二職三名人

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7-1:治すための旅へ

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 カジリカン人の指揮官とやらの出現、そして討伐された事によって世界に混乱と混沌が生じた。
 指揮官が各国に送り込み、物資や情報の収集をさせていた擬人の配下が指揮官を失った事によって一部が暴走、指揮官の意志を継ぐのだと争いを始めたのだ。
 
「他の血族も悲鳴をあげながら走り回ってるから協力を要請できないし。表の世界に異能力者の事が完全にバレたし……指揮官とやらは本当にやってくれたな。
 父上曰くタイムリミットは1ヶ月、1ヶ月以内なら世界規模で記憶を消去して帳尻合わせの記憶を植えつけられるなにがしを使える。それまでに解決しないと」
 
 与え神の血族乃至ないしは世界各国の類似した存在に属する人間達は表の社会にいる、世界の状態を知る者達と協力して事の解決に励む。
 
「はぁ……世界各国にいるとかロロ=イアかよ……他に居ないだろうなそんな組織。勘弁してよ」
 
 そして現在、頭を抱えている天月博人も他の血族にならって事の解決に尽力すべきなのだが、耳を傾ければ聞こえてくる病をわずらい老いた男のうめき声がそれを自重させる。
 
「わかってる……わかってる父上を治す方法も探さないとなぁ。
 あと傷だらけの世界の治し方も……どうしたものか」

 ほかの血族に比べて天月博人の動かせる人材は少ない。中田文兵は現在世界各国に飛び回って兵器擬人の駆除に当たっている。
 最近仲間に加わった木下芳奈、天城蜜柑、河村亜美、ウー・チーの4人は日本列島、本土で中田文兵と同じく暴走した兵器擬人の駆除に当たっている。
 ロロ=イア蔓延るあの島の仲間たちは自衛、またロロ=イアとの陣地取りで手一杯。

「うーむ、駆除させながら世界と父上の治療方法探してもらうか……世界の治療はともかく父上のまで入れるのはさすがのナカタニさんでもそれは任せすぎかなぁ……仕方がない、あと使えるのはジブンの身位だしジブン自身が出動しますか」
『行くの?』

「ういうい、書類はデータで来るから、どこでも処理できるしな。頼りになるニコもジブンの状態をメールで知らせられるしな……よしそうしよう。まずはどこから行こうか。ニコ、今現在戦いが泥沼化している場所を教えてくれ」
『はーい……えっとねー。ドイツかな? なんか戦闘機の擬人が魔王軍って呼ばれてるくらいに強いって話なんだよ。
 時点でアメリカ、二回光に包まれたから大きく消耗してるのが正しいけどね。
 さらに時点でフィンランド含むロシアかな、吹雪を起こすスナイパー集団が死神扱いされてるくらい脅威なんだよ』

「ジブン、空を飛ぶ相手にほとんど無力に等しいからな……平等を目指したはずの国に行くか」
『その言い方怒られそうだからやめたほうがいいんだよ。
 ささ、寒いところに行くならちゃんと着込むんだよ?』

「ウイウイっと。ロシア語辞典ってネットに転がってる?」
『辞典そのものはないけれど個々としてならあるんだよ、一括ダウンロードして、辞典になるように整理しながら、日本人にも分かりやすくカッコ内にカタカナの発音付きに開園しておくんだよ』

「うい、助かる。
 さて、ナカタニさん呼び出してジブンをロシアに落っことしてもらうか。それ位ならさほど手間でもないだろうしいいだろ」
『その前に口成と圭、あと照らしの6人衆の皆にも出かける挨拶をするんだよ』

「えー、メールで……」

 ニコはにこやかに『ダーメ』と言って『「大事なことを言う時、最も適しているコミュニケーション方法は直接その口で語らう時。なぜならば人が最も心を通わせる時と言うのは語り合っている時だと私は思うんだよね。大事なことを言うのなら心を通わせないと……えっと、私間違ったこと言ってる??」って言葉もあるんだよ』と言葉をつづけた。

「ピンキーの言葉じゃないか。最後のちょっと不安になってるところも再現してやるな……はぁ、それじゃあ行ってきますって言ってくるよ……どれくらい説得することになるかなぁ……」

 天月博人は憂鬱な気持ちになりながらその部屋を後にした。




「そんじゃあ、帰るときはまた連絡くれ。そんじゃあ仕事の続きに行ってくる」

 そう言って天月博人をロシアに連れてきた中田文兵はその姿を消失する。

「おーう。また後で―……さっむ。ナカタニさんあれで常温の感覚らしいからすごいよなぁー……」
『辛いのを感じなくなったからカレーが美味くないとかそう言う細かい所で嘆いてるけどねナカタニさん。ささ、ニコがナビゲートするからよく聞くんだよ』
 
「うい。宜しく頼む」

 天月博人はニコの指示に従って戦地に近いという街へと向かう。持ち込んだお小遣いを身振り手振りニコの手助け込々で両替し、数日はロシアにとどまれるだけのお金を得る。
 ひと段落し、缶のコンソメスープを飲みながら町を見渡すと、一見、大きな都市の一角と言うのがわかるが、嫌な方向にも目が肥えてしまっている天月博人には、貧富の差が色濃く見えた。
 現在暖かくなってきている日本とは打って変わって、真っ白な雪に飾られた街並みを観察する。
 その白は富ある者からすると観光客から料金を得られる一要素となりえる白い光であり。
 もとより住んでいる一般人からすると日常的にみる光景でしかない白と言う無であり。
 貧しいものからしたらそれは自信を死に至らしめかねない白い闇である。

 貧富の差、これはどこのどんな国にでもあってしまうものなのだろう。それがたとえ、始まりは平等を目指していたはずの国であっても。理想郷は誰かが求めた。求めたということはどこにもなかったとう逆算ができる。つまりは、平等にあって幸福でいられるような場所など無いのだ。これは、人が人である限り最早どうしようもないことなのだと思う。

「さて……頑張るか」

 情報を集めよう。すぐに戦線に参加してもいいが。この街での拠点を探すついでに探していれば、世界の治療、天月口成の治療方法が、ネットの底にさえない、表に留めたままの情報から足掛かりとしてでも得られるかもしれない。そんな期待をかすかながらに胸に秘めて天月博人は戦場と旅行が混ざり合ったような状況を作り出していく。
 
「……素晴らしく風通しがいいのに、よくこんなにも安いなんて破格の宿を見つけたよなジブン」
『風通しがいいから安いんだと思うんだよ!? 何で!? 良いところ探したのに、安くて荷物を預かってくれる比較的マシなところって条件を押し通すのかな!?』

 何の情報も得られないままに、あっさりと拠点となる宿を発見する。
 
「ジブン、生まれの環境の所為かそれとも縁という糸で紡がれた鏡のような人たち……やっぱりこの名前長いよピンキー、ともかくレジスタンスの環境の所為か貧乏性だからね。
 それよりお金も組織の貴重な物資、節約してなんぼでしょ」
『で、でもレジスタンスのリーダーが凍死する可能性がある場所で寝る何て……うがあぁあああ、そうだよねヒロって生き返るもんね、自分の事なんてどうでも良いもんね……はぁ亜里沙とか口也に告げ口してやるもんねーだ』
 
「は、はは。勘弁してくれ。しかしまぁ、なんだ」
 
 天月博人はベッドに座り、建てつけの悪そうな窓から外を見る。
 そこには通行人に「クッキーはいかがですか?」と声をかけては、どう見ても粗悪なものを見せて、実質的にはお金を恵んでもらおうとお願いしているように見える少女が見える。
 
「嫌なの、見つけたなぁ」
 
 現代でマッチ売りの少女のような場面を見かけるとは思わなんだ。買うものはいない、少女が商売をしておると言う通報もしばらくはなさそうだ。
 
『本当にね、今まで目についたチルドレンと違って寄り添う仲間も居ない、挫けそうで泣きそうになりながらも救いに飢えた声をあげる。多分、あの子があんな事になったのは最近だと思うんだよ……あんな子もいつか他のチルドレンみたいに諦観しきった目になるのかなって思うとないんだよ』
「……目について、助けたいって思ったなら手を差し伸べれば良い……か」
 
『止まろうかヒロ』
「ピンキーが言っていた善良そうで救いを求める人には善い救いで返す鏡のような人であれと」

『ピンキーの映し返す人であれのやつって要は心に都合のいい鏡を持てってことなんだよ!? あぁ、もう! どうするつもりなの?』
「まずは───」

 天月博人は荷物の一部を宿に預けて、天月博人は少女に「クッキーを売っているんだって? 小腹がすいているんだ5個位頂けるかい?」声をかける。
 少女は、ロシア語が片言な東洋人に声をかけられたのもあってかひときわ驚いた様子を見せて、慌てふためきながらほつれたバスケットからやはり粗悪な……クッキーというよりも小麦粉の塊のようなものを取り出す。
 いくらか尋ねると「一個、20ルーブルです」と少し震えた様子ながらも答えてくれたので50ルーブル貨幣を2枚で支払った。
 日本円にして約100円と考えればまぁ、別にいいかと受け入れられる。
 でわでわ早速、口の中へと頬張ると、あぁやはり小麦粉の塊だ。パサパサと崩れていき、そしてとても粉っぽい。口内の水分を奪い去っていく。総合的な感想としてはただひたすらに美味しくない。

「もうちょっと食べやすくするために水を足したほうがいいかもね」

 暗に美味ししくない、食べにくいと正直に答えながらコンソメスープを飲んだで異に流し込む。

「……ごめんなさい」

 少女は申し訳なさそうに謝罪する。天月博人が小麦粉の塊を食して顔をしかめたことで何かを感じたのかそれとも天月博人の言葉の意図をがわかってかはわからないが、謝罪する少女の姿はどことなく怯えていたように見えた。

「怒ってないよ。次は良くなるように作るといい……ふぅ、食べきった。ご馳走様。中々お腹に溜まるね。こりゃあいいや」

 小麦粉の塊を食べきって、コンソメスープを飲み干す。そして一息ついてから観察する。少女が着ている服はどこか古びているように見える。通気性が高く辛そうだ。……今得られる情報はこれだけだろう。

「また明日、この通りに来ると良い。新しく作ったクッキーなら買ってあげるからね。それじゃあね」

 天月博人はそれだけ言って、戦場へと向かった。
 数日は居座るのだその間に提供者と顧客の関係から信頼関係を築いていく。信頼関係が築けたのならばその後は彼女自身の情報を彼女自身から聞き出すことによってその深さを確認、聞き出せた情報を参考にいくつか救いの手となる選択肢を投げかける。これが天月博人が思い至った少女を救うためのプロセスである。

『……可愛かったね?』
「ん? あーそうだな」

『もしかしてだけどー……可愛い女の子だから助けようと思ったり?』
『なんだよジブンの判断基準がそんなに俗物的だと思うのか? あ、いや。あー……可愛いというか華奢そうな女の子だから救いたいと思った節はあるかもしれないな。助けたいと思えやすい人と大丈夫だからいいやって思われやすい人。例えば、偏見で申し訳ないけれど太っていた人がお金がないって言ってても肉体的に余裕がありそうだって思ってしまいそうだ。駄目だなこの思考は、ちょっと改めないと。気づかせてくれてありがとうなニコ」

 「う、うんどういたしましてなんだよ」と言ったニコは、なんだか墓穴を掘っちゃったかなーと思っていそうな表情に天月博人は見えた。
 

 戦場は吹雪いていた。その場に居合わせた協力者曰く、擬人兵が出現して以降は常に吹雪いているそうだ。。中田文兵の携帯端末を介して上空都市で引き抜いた情報から、狙撃銃の擬人の中に吹雪を起こす能力を会得した者がいるという。
 そして吹雪に身を隠した擬人兵たちは、その狙撃銃を持ってこちらの命を刈り取ろうとしてくる。通常であれば脅威でしかない

「ニコ、姿勢の修正を頼む」
『はーい』

 だが、吹雪によって目が見えないのなら、音が聞こえないのなら。他のもので探知したらいい。

『うーん。多分だけど、雪でも食べて体内の温度を外の温度と差が出ないように調整しているんだよ。ほのかに暖かいところが見えるけれどすぐに吹雪に隠されちゃう』
「この環境で雪を食うとか正気かよ……だが間違いなく倒せそうだな。吹雪の狭間に防衛線を敷くぞ。#兵糧__ひょうろう_#攻めと行こうか」
 
 少女に約束を忘れさせないために死ぬ可能性は下げたい。また、数日は調べ物をする時間が欲しいので、時間を要する事になる。故に兵糧攻めを選択した。
 
「突っ込めばジブンもナカタニさん見たいに即日で片付けられるだろうけれど、血族への言い訳として使わせてもらうよ」
 
 天月口也、五条瑠衣子、文月見世の例外を除く血族は、天月博人が甦る力を得た事を知らないからこそ、血族達も安全策を取ったかと判断し、それほど強く叱咤しったすることは無い。

『異能力に覚醒したら、国に報告しなくちゃあいけない義務が有るからその内、折を見て報告しないと何だよ。あんまり知られると怖い能力では有るから、人体実験のために拘束とか明らかな酷使とかそんな感じになりそうで怖いのはわかるけど。
 ヒロに何かあったらニコ経由でナカタニさんが報復に出動するから安心するんだよ』
「ジブンが大切に思われてるようで嬉しい限りだよ……まぁ、とりあえず時間に余裕ができたらその内行くさ」
 
 天月博人はニコの発言に顔を引きつらせながら、血族が不運に見舞われないようにどうやって報告するべきか、思いを巡らせるのだった。
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