自己犠牲者と混ざる世界

二職三名人

文字の大きさ
81 / 92

8.5:来訪者/EX2-1:ピーちゃんと居なくなった人達

しおりを挟む
 問題が収束していくのを感じる。
 兵器擬人が起こした問題が解決して数日、各国各地で飛行機が飛んだ。
 飛行機から大量の白く透明感のある粉が撒き散らされた。
 それが約1週間続き、誰もが粉を体に浴び、吸い込んだ頃。
 与神の血族やそれに類似する組織に所属する者、またなんらかの抵抗力がある者や、特別に見逃された者など、例外を除いて多くの人々の記憶が、異界関連ではなく常識的な世界で起きたものとして辻褄の合った記憶へと改変されていく。
 この大掛かりな各国へと攻撃はテロであると。
 ちょうど常識に囚われたと言える世界では、宗教的な、大凡の日本人から見れば意味不明でしかない理由で誕生し、活動していたテロ組織が居たので、兵器擬人が残した爪痕は全てそのテロ組織になすり付けられた。
 私の子供達があのテロ組織に殺された。
 いつか報いを与えてやると復讐を誓われたり。
 世論からは一刻も早く滅ぼすべきではという声が大きくなったり。
 覚えのないこの世のありとあらゆる暴力と罵詈雑言を浴びることになるだろうけれど、恨む相手を間違えてしまう犠牲者には申し訳ないけれど、記憶改変後の傷跡のなすり付け先として便利なので、テロ組織にはしぶとく生きて欲しい。
 
 
 
 天月博人がニコと中田文兵に頼んで救出した子供達は、事情聴取と保護を兼ねて、カガミナイトの第2拠点に預けられる。
 仕方がない事ではあるが子供達、特に、フィオナと言う片目に今を映し出せない少女を守るようにして、前に出ているコリンの目は警戒心に満ち溢れている。英語ができるニック・コールや、数人の英語を話せる仲間たちに地道にほぐしてもらうしかないだろう。
 
 
 白雉島へと帰還、時間があればまたゴーグル型携帯端末を作ってくれるように伊藤改ことジェイクに土下座してでも頼み込むかと、思いながら帰宅。
 
「……思い出しました。お帰りなさいませ博人様。
 帰ってすぐに申し訳ないのですが、博人様にお客人がおられます」
「えっ」
 
 通信授業と溜まっているであろう書類の処理、どちらを先にやろうか迷ってコイントスを行い、裏が出たので勉強をしようと意気込んでいた天月博人が帰って早々、従野圭に天月博人に用がある客がいると聞いた。
 友影可威だろうか、二海稀理だろうか、それとも携帯端末が壊れたことを察してやってきた伊藤改だろうかと可能性を考えながら、その客が居ると言う客間へと従野圭に案内されて足を運ぶと。
 
「いっただっきまー……えっ」
  
 そこは天月博人のダッフルロングコートを着た鳥と人間の少女が混ざったような何かが居た。
 ……匂いから考えて、チョコレートミルクを片手に、カリカリに焼いたパンに玉ねぎ、卵、塩で味付けしたベーコンにトマトを挟んだサンドイッチを食べようとしているところの様で、彼女と目が合う。
 ノックするの忘れてたなぁと見当違いな後悔をしている天月博人は、この光景を見て思わず一歩下がって、部屋の扉を閉じる。
 あの色々と大丈夫なのかと言いたくなる領域に、何故足を踏み込まないといけないのかと従野圭を見て視線で訴えるが、従野圭は「ずっと誰かを、おそらく博人様を待っていたようですのでどうかその気持ちに応えてあげてくださいませ」と言われる。
 そっか、待っててくれたのかとであれば会ってあげたいと思ってしまい息を飲む。
 なんだか面倒臭いことになりそうだと思いつつも決心して扉を開く。
 
「……うん、全部思い出したわ。
 久しぶり、貴方。……確か、ヒロト……でいいよね?」
  
 扉を開くと少女から女性になって居た彼女は、そそくさと歩み寄り、口に食べカスを付けながらそう言った。
 どうやら食事を中断するよりも即座に食べきることを選んだらしい。
 
「お、おう。博人で善いけれどもリン……何でここに居るの?」
「何でここに居るのって? ワタシ自身流れでやってきたようなものだからあんまり覚えて居ないけれど。
 同胞、ハト、サル、ネズミ、ウミネコにカモメ。
 なんかやたらと皆んなにこっちいけ、あっちいけって言われたり、引っ張られるもんだから何事かと思っているうちに、ここにたどり着いたのよ……全部理解したわ、ワタシは良い友達を得たようね」
 
 彼女ことリンは微妙に答えられて居ないようで、成る程、様々な動物たちに導かれたのかと理解できる形で答えられた。

「な、成る程なー……そ、それで何用ですかね……」
 
 リンはニヘラと笑って「夫婦に……あー人間がワタシ達、雀でこう言う関係を指す時、つがいって言うんだっけ? まぁ、つまりはそう言うこと、つがいになりに来たのよ。ヒロト」と嬉しそうに答える。
 この笑顔を曇らせるのか? と一瞬脳裏によぎったが、振り払い決心する。
 
「ジブンはもう好きな子が居るから、他の誰かをを好きになるのは難しい……だからすごく申し訳ないけれど輝めて欲しい」
 
 返答する。
 しっかりと、回答する。
 すると鈴は悲しそうに俯いて「そう」と言って深呼吸する。
 きっと慰める資格はない。
 そう思って天月博人は触れようとしない。ポツリポツリと涙が俯いた彼女から落ちるのが見える。
 心が痛い。
 
 しばらくして、リンは瞼をこすって天月博人を腫れた目で見据え、肩を掴んで「わかったわ。でも、他の相手を探すとか無理。
 ヒロトを想って人間になって、どれだけ時間たっても、忘れても思い出すたびに好きで、振られた今もヒロトが好きなままだから。
 ワタシ、絶対に諦めないわよ」と宣言した。
 
 
 
 更に数日、伊藤改がグチグチ言いながら天月博人用のゴーグル型携帯端末を持って白雉島へとやって来る。
 
「あのー……誰なんですか其奴……」
「誰と聞かれたからには答えてあげるわ。
 ワタシは押しかけ雀女房。
 博人の嫁になる気満々の鳥元トリモトリンよ。
 貴方は博人が言ってたジェイクって人でしょ? ニヒヒ、これからよろしくねー」
『げっ、なんかヒロが苦手そうなのが居るんだよ……』
 
「げっとは何よげっとは。これでも割とここに受け入れられてるのよ?
 ……ちょっと待って、どこから聞こえたの今の声……」
 
 すると伊藤改は、天月博人に人として過ごすなら名前が必要だと天月口也に頼んで名前を手に入れ、従野圭の仕事を手伝ったり、図書館の幼児向けの教材から天月博人の勉学の結晶である通信教育の教材などを熟読して勉強する人間になれる雀が住み着いていることを知ることになる。
 その時の天月博人はしっかりと振ったのに何でこうなってしまったんだと言いたげな瞳のまま、現実から逃げるように、黙々と書類を処理して居たのだった。
 



『ねぇ、ヒーロー。ニコが帰ってきたわけだけどー、これからどうするのー? ニコは何かできる?』
「暫くは勉強しつつ書類処理。その合間合間にちょっと諦められないからギリシアの進化の果実をと、あと何故かジブンを知っているっぽいフルネームが面倒なくらい長い人、アーサー・ユウキだったかな。
 その人の情報収集をするつもりだな」
 
『なるなるなーるほど。
 りょうかーい』
「そこから動かないのに忙しそうねぇ。
 あーむ」
「色々と同時進行しているからね。
 本当は職人気質ってのが好きだから物事を1つに絞って進めたいけれどね。
 ……ところでそのサンドイッチ好きだね。
 鳥的に卵とか、玉ねぎとか……飲んでるチョコミルクとかいいの? こう、拒否反応とかない?」
 
「んー? ゴクン……大丈夫よ。
 多分。
 調べてみた感じ、ワタシって雀の状態で人間と同じ知能と筋力を扱えるたり、人の動物界から見ても決して低くはない持続力で行動できるように変化しているのよね。
 人間の状態でも雀としての視力とか雀の優れた部分が使えるように変化してるし。
 だから人間にしか食べられない食べ物とか普通に食べられると思うわよ?
 雀の状態でアボガドとか食べても何にもなかったし多分、間違いないわ」
「確証もないのに食べたのか……思いきりがいいな」
 
「感覚的だけれど大丈夫って確信があったからね。
 躊躇はなかったわ。
 と言うか、雀と人間の中間形態で自重で骨が折れなければ、その重さで問題なく羽ばたけている時点で相当な変化を及ぼしているって察せられるわよ。
 察したのはこっちで勉強してからだけど」
「そんなもんかー」
 
『……むぅ』
 
 天月博人が鳥元鈴から異能力に着いて聴きながら、ここしばらくの行動を決める。
 当分、天月博人は表に出ることはないだろう。
 
 
 
 
 
 
 
 場面は移り変わり、日本列島のとある中学校にて。
 ある女子中学生徒が噂に花開く。
 
 日本に世界中を旅する殺人旅団が来ただとか。死後の世界だとか、北の通りと呼ばれる場所では神隠しが起きるだとか、魔の通りには時折死んだ人の幽霊が出るだとか。
 北の通りの先には一昨年まで多くの付喪神を祀る神社があったけどイタコでもある巫女が死んだから潰れて激怒しているだとか。
 とある学校で出会った子供に、学校を出ても家に帰るまで街中を追いかけ回されるだとか、そんな話が姦しく聞こえてくる。
 女三人寄ればかしましい何て言葉があるが。
 最近、何故かどう使われても百合百合しい的なニュアンスを感じるけれど。
 要は3人で会話してるあの女グループはうっせぇと言うことなのだ。
 
 
 
「ねー、皆んな行くんだってさー、だからピーちゃん! 肝試しいこーよー。
 北の通りを通って神社跡に行ってぐるっと戻って来る感じでさー」
「えー、私はパス。
 北の通りってあの人がいない寂れた商店街でしょ? 昼間でもあそこは私、苦手なんだって。
 だから嫌だよ」
 
「えー怖いのー? もう、ピーちゃんったらあざとーす かわぁいいなぁもう!」
 
「とーすって何、その言いかッキャ、ちょっとやめ、あは、あははシャーちゃんワシャワシャすんのやーめーて。
 くすぐったいよー」
 
 同級生に絡まれて私は笑う、笑うけれど、笑うだけ。
 感情を表面にだけ貼り付けて私は思う。何が面白いのだろうと。私は、こんな子とどうやって仲良くなったのだろう。
 このシャーちゃんなる人物と仲良くなった時の私は一体、どんな人だったのだろうと。
 わからないと言うよりは知らない。
私は何も知らない。だって、何も覚えて居ないから。
 
「しょうがないなー。じゃあ私もいーかーない! 皆んな~! ゴメンねー! 私、ピーちゃんだけはぶる感じになるの嫌だから抜けるねー!」
 
 シャーちゃんを抜いた3人グループがえーと言う。ごめんね、気分になれなくて。ごめんね、空気が読めなくて。
 でも、私、兄貴に知らない人について行くなって言われたから、学校以外では貴女達に付き合えないんだ。
 
 チャイムが鳴った。授業が全部終わったと言うことだ。部活に行くかとっとと帰れの合図だ。
 私は帰りの準備をして、クラスメイトに別れを告げて、帰路に着く。
 

「ただ今ー……」
 
 家に帰って癖になっている言葉を口にする。
 だれも返してくれないその言葉に虚しさを覚える。
 それでも、口にするのは。この前までいた。何もかもを忘れていた私の面倒を見ていた兄貴が、フラッと帰って来ているかもと想ってしまうから。
 
「兄貴ー? 帰ってないのー?」
 
 兄貴がいないことを、静寂が答えてくれた。
 

「ピーちゃんおーはーっよ! 雨降る今日も朝からキラキラお目目で可愛いよ! 生気に満ち溢れてるね! ……あれ? ピーちゃん? 聴いてる?」
「あっゴメン。雨が降る音を聴いてた」
 
「雨の音、好きなんだっけ?」
「うん、なんだか……安心するから好きなんだ」
 
 人は変わっているというかもしれないけれど、降り注ぐ音がやかましいはずなのに静けさ感じる雨音が、私は好きだ。雨の匂いは別にそうでも無いけれど、雨が作り出す光景は悲しく見えるから好きではねいけれど。心が落ち着いて、なんだか頭がはっきりする。
 感じるものから、雨の日に何かがあったように思うけれど、どれだけ頭がはっきりしても何も思い出せない。……どうしようもないのだろう。
 
「おーい、まーたボーっとして。危ないよピーちゃん! ほらほら、次の道で曲がるよ!」
「えっ、あ……うん、ごめん行こっか」
 
 ……この道は本当はまっすぐ言った方が学校に近い。だけれど皆んながここを通りたがらない。私はこれに気がついていながら、そういうものだと自然と納得して友人のクラスメイトの遠回りに付き合う事にする。
 
「ところでピーちゃんさ。昨日、北の通りに行った?」

 昨日は行かないと言ったはずなのにシャーちゃんはそんな事を訪ねる。
 
「言ってないよー。何でそう思うの?」
「いやー、昨日夜遅くにさー。猫ちゃんがSNSでピーちゃんを見たっていうからさ。あれー? やっぱ行きたくなったのかなー? でもだったら私も誘ってよーいけずーなんって思ってたからさー。まー違うならいっか」
 
 そんな雑談をしながら学校に到着する。
 因みに猫ちゃんと言うのは、ミナと言う昨日、北の通りに行くと言っていた同級生の1人であり、ミナちゃんからミーちゃんへ、ミーちゃんからニャーちゃんへ、ニャーちゃんから猫ちゃんへとあだ名がトントンと進化して行った人物である。
 
「やっほー! おっはよー! ……なんか、空気が重いね」
「……連絡きてないのかよ。昨日、北の通りに行った奴ら……今朝からずっと家に帰ってないんだよ」
 
「えっ」
「……神隠しにあったんだ。もう、こっちに帰ってこれない……」
 
 その猫ちゃんなる同級生は、姿を消したのだ。
 その日1日は何処と無く世界そのものが暗く感じた。どんよりと空気が重く感じる。
 
 授業が終わって、早く帰るようにと、北の通りには行かないようにと先生から言われて、まっすぐに帰る。
 
「……こんな所にお地蔵様が居たんだ」
 
 まっすぐ、遠回りせず帰っていると。お地蔵様を雨の中で見つけた。普段通らないから、もう、日本の栄えた場所、この大いなる田舎でも例外では無く撤去されたと思っていたけれど、こんなに身近にあったんだとそう思った。
 思っただけ、特にお地蔵様に何かするわけではなく、横切る際にちょっと会釈をして、横切って家へと帰った。
 
 
「ただいまー」と言うけれど、やっぱり返事はない。雨の音だけが静かに聞こえる。
 
「あの、ここの人ですか?」
 
 帰ってきた私を待っていたのか、背後から男の声で尋ねられる。
 振り返るとなんと眠たげな目をした。痩せ細った頼り無さげな男が居た。男は小さなダンボールを抱えている。
 
「え、えっと……はいそうですけど」
「よ、よかった。頼まれてお荷物、持ってきました。サインをお願いします」
 
 男はそう言ってダンボールとレシートというかなんと言うか、ネットショップを利用したら受取人確認のためか書かなければいけないあの紙を差し出す。
 えっ何でと思いながらダンボールを、紙を見ると差出人が『如月キサラギ#空慈__#クウジ__#】である事が分かって、私はそれだけで、紙に私自身の名前を刻む。【如月キサラギ小鳥コトリ】と。
 男から荷物を受け取り、家の中でダンボールを開ける。中には可愛らしいクマのぬいぐるみが入っていて、触れると中には綿ではなく何か硬い粒が入っているようだ。
 また、ダンボールの中には手紙が同封されていてそこには『何かがあれば、その人形を持っている事。きっと守ってくれる。どうしようもなくなったらお願いする事。きっと手伝ってくれる。無くしてしまったら、お地蔵さんのところ行けば、また会える。壊されちゃったら……ごめんな。お兄ちゃんは味方だからな』と書いてあった。私はクマの人形を抱えた。
 
「兄貴……ここどこなの? わかんない。みんなわかんないよ。……怖いよ兄貴」
 
 その日、私はずっとクマの人形、クマジロウと名付けたその人形を抱えて過ごした。
 如何してか、何処と無く、どうしようもなく今を過ごしている日常が、恐ろしくて堪らない私は、人形を抱えているとほんの少し、落ち着くような気がして、久しぶりに、落ち着いて眠ることができた。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。

MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。

やり直すなら、貴方とは結婚しません

わらびもち
恋愛
「君となんて結婚しなければよかったよ」 「は…………?」  夫からの辛辣な言葉に、私は一瞬息をするのも忘れてしまった。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】20年後の真実

ゴールデンフィッシュメダル
恋愛
公爵令息のマリウスがが婚約者タチアナに婚約破棄を言い渡した。 マリウスは子爵令嬢のゾフィーとの恋に溺れ、婚約者を蔑ろにしていた。 それから20年。 マリウスはゾフィーと結婚し、タチアナは伯爵夫人となっていた。 そして、娘の恋愛を機にマリウスは婚約破棄騒動の真実を知る。 おじさんが昔を思い出しながらもだもだするだけのお話です。 全4話書き上げ済み。

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました

いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。 子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。 「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」 冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。 しかし、マリエールには秘密があった。 ――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。 未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。 「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。 物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立! 数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。 さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。 一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて―― 「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」 これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、 ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー! ※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。

処理中です...