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EX2-4:ピーちゃんと居なくなった人達
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「わが家へいらっしゃーいまっせー!」
シャーちゃんの家に通されて見る部屋は、シャーちゃんの元気な人間性からはちょっと考えられないくらい、少し古めのデザインで質素なものだった。
「さぁさぁ、遠慮なくくつろいでねー。
えーと何かおかし有ったかな。
おっ、饅頭とか羊羹とかあるけど食べる―? 餡子が無理なら、冷凍ミカンくらいしか出せないけど」
「あっ、羊羹好きだから貰う―」
うん、出す者も古臭いなと思ったけれど。私自身、餡子が好きだから貰う。美味しいものは古いも新しい者関係ないよね。餡子おいしいよね。
「おぉ、70円で中々おいしいやーつ」
「そして手ごろな大きさだからいくらでも食べれそうなやーつ。
さぁ、次に乗る体重計の数値を連想しながら頂くのだ―!」
「ちょっ、食べにくくなるじゃん、やめてよー」
ぱっと見、仲良くできているように思う。だけれど、私はここまで接してもらっておいていまだに。シャーちゃん、彼女のことが怖い。
私はこの街全体の空気感から、もう、この街の全てがおかしいものだと思っている。
この街で意識を取り戻した時から違和感を感じ、記憶のないまま過ごしてきた二年間ずっと何かが根本的におかしいとずっと胸に抱いていた。
そして突然誰も居なくなった事態でおかしいのだと確信し。そんな中で平然と現れるシャーちゃんはある意味でおかしいものだと、なおの異警戒せざるを得なかった。
……同じクラスになって2、3か月くらい経つけから、いい加減いい人なのはわかるけれど。それでも、やっぱり胸の突っかかりはとれないままだ。
「食べながら話すけどさ、急に人が居なくなったって話だけどさ。私なりに考えてみたんだよ」
疲弊した精神を羊羹おモグモグして癒していると、シャーちゃんが語り始めた。
「北の通りだと思うんだよね原因は。なんか北の通りに行くっていう人が出始めてからどんどん人が居なくなってるイメージがある。ピーちゃんはどう思う?」
「……どうだろ。でも、確かに。
北の通りって声が大きくなってから急にこうなった感じある。
…………絶対行きたくないでーす!」
「まだそこまで言ってないって」
「まだって言った! まだって! それってそのうち言うってことじゃん。
そういうなんか行きそうな流れを感じたから行きたくないって先んじて言ったんですー!」
「えー、でもここでくすぶってても何も解決しないでしょー? それに、私とピーちゃんが出会ったなんかヤバい子供だとかがまた出るかもしれないしさー」
「でも北の通りって行くって言った人みんな消えてるじゃん! 私たちが消えたら本末転倒もいいところじゃん!」
「そうだけどさー ……もしかしてピーちゃん怖がり?」
もし、私が負けず嫌いな性格ならこの時の返答で悶絶するほど後悔することになると思う。だけれど私は。
「うん、怖がりだから! 超怖がりだから! 夏の特番で怖い話特集とかあって一瞬でも見ちゃったら兄貴の部屋に乗り込むし、多分お化け屋敷とか入ったら作り物だってわかってても吐きそうになるから!」
「お、おぉ……まじですかいピーちゃん」
私は、意地を張らないのだ。特に怖いものに関しては絶対に。怖いの嫌だからね。肝試しに強制連行されそうになったら、すべてを失ってもいいという覚悟の下で電柱にしがみつく自信があると言ってもいい。
「うーん、でもなー自分で行かないとなるとどうしようもないんだよねー。親を頼るとか無理だし」
「……無理?」
しまった。デリケートな問題かもと思った頃には既に遅く。私は無神経にも疑問を口に滑らせた。
だけれど大丈夫。こう言った機会は兄貴相手に何度も体験した私は対処方法を知っている。とても簡単なことだ。
「あっ、ゴメン。言いにくいことだったら言わなくても大丈夫だよ」
直ぐに謝って、言わなくてもいいという選択肢があることを提示すること。
これは決まった。突貫的な軌道修正が完璧に出来上がったでしょ。兄貴とのなんか気まずい時間は無駄じゃなかったよ。
ふっふっふ、私にいざという時に使える技術を与えてくれたお礼としてビンタを95回から90回にしてもいいよ。
「……そっかー。違和感あるなーと思ってたけどやっぱりかー」
あっ兄貴ゴメン、ビンタの回数そのままね。何んか思ってた返答と違うから。
「えっ何がやっぱりなの?」
「これって自分で気づいたほうがいいのかなー、うーん……。
ううん、気にしないで」
無理です気になります。
でも深追いはしませんとも。私、引き際はいい女ですから。
「それで、さっきのだけど。別に言いにくいことじゃないよ。
お父さんも、お母さんも生きてるし難病も生活苦もない。仲が悪いわけでもないしむしろ良かったと思う。
でもね、やっぱ頼るのは無理なんだ。ここからじゃあちょっと遠すぎるところに置いてちゃったからねー」
……なんか違和感を感じる。
言葉の節々になんか、こう、何かが見え隠れしているようで。
……でも、やっぱりこれだけじゃあわからないから、理解は保留しておこう。
「さて、話を戻そっか。今この事態のことなんだけれど。私は北の通りに行かないとこれ以上何かを把握することは難しいと思う。
調査は足から、聞き込みをしようにも外に人は居ないみたいだしさ」
私は心底から嫌そうな顔をしたと思う。だって心底嫌な気持ちがこもった「えーーー」って声が漏れたのだから。
「そんな嫌がられてもなー。じゃあ他にどうするの?」
「いやいや、そもそもなんで状況確認やら解決に向かう流れになってるの!?」
「なんでって言われても、現状を把握しときたいじゃん? それに居なくなったダチ達も帰ってきてほしいし。そう言うピーちゃんはどうしたいのさー?」
そう尋ねられて直ぐに口にしたのは「逃げたい」と言う言葉だった。そりゃあ怖いから逃げたいだ。思い返せば私に似ているあの女も、この街から出て行けと言っていたし、逃げ出せば自分の身の安全は確保できる気がする。
──でも、あぁでも私は、記憶がいなくなった後の生まれて2年とも言える短い人生の中で、頼れる人も心から懐けた人もたった1人しか居なかった所謂ブラコンである私は、この人がいなくなっていく状況が、突然いなくなった兄貴にも関係があるような気がして。
逃げると言う選択に「でも」と付け加えて淀ませる。
ふと、クマジロウを抱きしめていることに気がついた。……恐怖は感じる。怖いよ。でも、勇気を絞り出す理由が私にはあるらしい。
「どこに逃げても知らない場所、知らない人ばかりでとても怖いと思うから。
それに私も、帰ってきて欲しい人がいるから……あぁあああ嫌だー。
嫌だなぁああ。
でも、うん、色々と考えた結果。
すっごく怖くて嫌だけれど。
シャーちゃんの考えに乗るよ」
「……北の通りに行くって事でいい? やばいと思ったら直ぐに逃げて。
その時は再度準備ってことで」
「うん、オーケー……」
頑張るしか、ないようだ。
そう言うわけで、北の通りに足を運ぶ。神主だとか巫女が消えた神社へと続く寂れた通りだ。
「……この時期に学校の冬服とか暑くない?」
「背筋が凍りそうだから丁度いいくらいよ」
もしかしたら戻れないかもしれない。そう言う不安にかられてさっさと行こうとするシャーちゃんを説得して、出来るだけ事前準備を整えた。
装甲は動きを阻害しなければあればあるだけいいと兄貴の漫画にあったのでトップスは学校の冬服を着てきた。
革のジャケットとかが丁度いいらしいけど、そんなのは家になかった。
兄貴も記憶喪失前の私も趣味じゃないらしい。
ボトムスはスカートではなく動きやすいようにズボンで行く。
「それじゃあ行こっか」
「う、うん」
何があるのだろう、何が起きるのだろう。恐怖は尽きない。
ふと、何かが居る気配を感じて背後を見る。
……また出た。私の様でなくて、私の様な、私に悪意を持って襲いかかってくる。今1番怖い存在が。
笑っている。笑みを浮かべておる。どうせ聞こえないだけで「シーーー」っと、歯の隙間から空気を吐き出す笑い声を上げているのだろう。
その背後にはハサミを持った子供達が見える。……引き返すのは無理そうだ。
「ピーちゃん?」
「シャ、シャーちゃん後ろに……」
シャーちゃんに呼ばれて視界を外れたその瞬間に、彼女達は消えていた。
何かが居るなんてことが言えなくなった私は「な、なんでもない。早く行こ」と言って、北の通り、その奥へと向かっていく。
どうか、何もかもが上手くいきますようにと、あやふやで都合のいい祈りをしながら。クマジロウを強く抱きしめては、先が見えない恐怖へと歩んでいく。
シャーちゃんの家に通されて見る部屋は、シャーちゃんの元気な人間性からはちょっと考えられないくらい、少し古めのデザインで質素なものだった。
「さぁさぁ、遠慮なくくつろいでねー。
えーと何かおかし有ったかな。
おっ、饅頭とか羊羹とかあるけど食べる―? 餡子が無理なら、冷凍ミカンくらいしか出せないけど」
「あっ、羊羹好きだから貰う―」
うん、出す者も古臭いなと思ったけれど。私自身、餡子が好きだから貰う。美味しいものは古いも新しい者関係ないよね。餡子おいしいよね。
「おぉ、70円で中々おいしいやーつ」
「そして手ごろな大きさだからいくらでも食べれそうなやーつ。
さぁ、次に乗る体重計の数値を連想しながら頂くのだ―!」
「ちょっ、食べにくくなるじゃん、やめてよー」
ぱっと見、仲良くできているように思う。だけれど、私はここまで接してもらっておいていまだに。シャーちゃん、彼女のことが怖い。
私はこの街全体の空気感から、もう、この街の全てがおかしいものだと思っている。
この街で意識を取り戻した時から違和感を感じ、記憶のないまま過ごしてきた二年間ずっと何かが根本的におかしいとずっと胸に抱いていた。
そして突然誰も居なくなった事態でおかしいのだと確信し。そんな中で平然と現れるシャーちゃんはある意味でおかしいものだと、なおの異警戒せざるを得なかった。
……同じクラスになって2、3か月くらい経つけから、いい加減いい人なのはわかるけれど。それでも、やっぱり胸の突っかかりはとれないままだ。
「食べながら話すけどさ、急に人が居なくなったって話だけどさ。私なりに考えてみたんだよ」
疲弊した精神を羊羹おモグモグして癒していると、シャーちゃんが語り始めた。
「北の通りだと思うんだよね原因は。なんか北の通りに行くっていう人が出始めてからどんどん人が居なくなってるイメージがある。ピーちゃんはどう思う?」
「……どうだろ。でも、確かに。
北の通りって声が大きくなってから急にこうなった感じある。
…………絶対行きたくないでーす!」
「まだそこまで言ってないって」
「まだって言った! まだって! それってそのうち言うってことじゃん。
そういうなんか行きそうな流れを感じたから行きたくないって先んじて言ったんですー!」
「えー、でもここでくすぶってても何も解決しないでしょー? それに、私とピーちゃんが出会ったなんかヤバい子供だとかがまた出るかもしれないしさー」
「でも北の通りって行くって言った人みんな消えてるじゃん! 私たちが消えたら本末転倒もいいところじゃん!」
「そうだけどさー ……もしかしてピーちゃん怖がり?」
もし、私が負けず嫌いな性格ならこの時の返答で悶絶するほど後悔することになると思う。だけれど私は。
「うん、怖がりだから! 超怖がりだから! 夏の特番で怖い話特集とかあって一瞬でも見ちゃったら兄貴の部屋に乗り込むし、多分お化け屋敷とか入ったら作り物だってわかってても吐きそうになるから!」
「お、おぉ……まじですかいピーちゃん」
私は、意地を張らないのだ。特に怖いものに関しては絶対に。怖いの嫌だからね。肝試しに強制連行されそうになったら、すべてを失ってもいいという覚悟の下で電柱にしがみつく自信があると言ってもいい。
「うーん、でもなー自分で行かないとなるとどうしようもないんだよねー。親を頼るとか無理だし」
「……無理?」
しまった。デリケートな問題かもと思った頃には既に遅く。私は無神経にも疑問を口に滑らせた。
だけれど大丈夫。こう言った機会は兄貴相手に何度も体験した私は対処方法を知っている。とても簡単なことだ。
「あっ、ゴメン。言いにくいことだったら言わなくても大丈夫だよ」
直ぐに謝って、言わなくてもいいという選択肢があることを提示すること。
これは決まった。突貫的な軌道修正が完璧に出来上がったでしょ。兄貴とのなんか気まずい時間は無駄じゃなかったよ。
ふっふっふ、私にいざという時に使える技術を与えてくれたお礼としてビンタを95回から90回にしてもいいよ。
「……そっかー。違和感あるなーと思ってたけどやっぱりかー」
あっ兄貴ゴメン、ビンタの回数そのままね。何んか思ってた返答と違うから。
「えっ何がやっぱりなの?」
「これって自分で気づいたほうがいいのかなー、うーん……。
ううん、気にしないで」
無理です気になります。
でも深追いはしませんとも。私、引き際はいい女ですから。
「それで、さっきのだけど。別に言いにくいことじゃないよ。
お父さんも、お母さんも生きてるし難病も生活苦もない。仲が悪いわけでもないしむしろ良かったと思う。
でもね、やっぱ頼るのは無理なんだ。ここからじゃあちょっと遠すぎるところに置いてちゃったからねー」
……なんか違和感を感じる。
言葉の節々になんか、こう、何かが見え隠れしているようで。
……でも、やっぱりこれだけじゃあわからないから、理解は保留しておこう。
「さて、話を戻そっか。今この事態のことなんだけれど。私は北の通りに行かないとこれ以上何かを把握することは難しいと思う。
調査は足から、聞き込みをしようにも外に人は居ないみたいだしさ」
私は心底から嫌そうな顔をしたと思う。だって心底嫌な気持ちがこもった「えーーー」って声が漏れたのだから。
「そんな嫌がられてもなー。じゃあ他にどうするの?」
「いやいや、そもそもなんで状況確認やら解決に向かう流れになってるの!?」
「なんでって言われても、現状を把握しときたいじゃん? それに居なくなったダチ達も帰ってきてほしいし。そう言うピーちゃんはどうしたいのさー?」
そう尋ねられて直ぐに口にしたのは「逃げたい」と言う言葉だった。そりゃあ怖いから逃げたいだ。思い返せば私に似ているあの女も、この街から出て行けと言っていたし、逃げ出せば自分の身の安全は確保できる気がする。
──でも、あぁでも私は、記憶がいなくなった後の生まれて2年とも言える短い人生の中で、頼れる人も心から懐けた人もたった1人しか居なかった所謂ブラコンである私は、この人がいなくなっていく状況が、突然いなくなった兄貴にも関係があるような気がして。
逃げると言う選択に「でも」と付け加えて淀ませる。
ふと、クマジロウを抱きしめていることに気がついた。……恐怖は感じる。怖いよ。でも、勇気を絞り出す理由が私にはあるらしい。
「どこに逃げても知らない場所、知らない人ばかりでとても怖いと思うから。
それに私も、帰ってきて欲しい人がいるから……あぁあああ嫌だー。
嫌だなぁああ。
でも、うん、色々と考えた結果。
すっごく怖くて嫌だけれど。
シャーちゃんの考えに乗るよ」
「……北の通りに行くって事でいい? やばいと思ったら直ぐに逃げて。
その時は再度準備ってことで」
「うん、オーケー……」
頑張るしか、ないようだ。
そう言うわけで、北の通りに足を運ぶ。神主だとか巫女が消えた神社へと続く寂れた通りだ。
「……この時期に学校の冬服とか暑くない?」
「背筋が凍りそうだから丁度いいくらいよ」
もしかしたら戻れないかもしれない。そう言う不安にかられてさっさと行こうとするシャーちゃんを説得して、出来るだけ事前準備を整えた。
装甲は動きを阻害しなければあればあるだけいいと兄貴の漫画にあったのでトップスは学校の冬服を着てきた。
革のジャケットとかが丁度いいらしいけど、そんなのは家になかった。
兄貴も記憶喪失前の私も趣味じゃないらしい。
ボトムスはスカートではなく動きやすいようにズボンで行く。
「それじゃあ行こっか」
「う、うん」
何があるのだろう、何が起きるのだろう。恐怖は尽きない。
ふと、何かが居る気配を感じて背後を見る。
……また出た。私の様でなくて、私の様な、私に悪意を持って襲いかかってくる。今1番怖い存在が。
笑っている。笑みを浮かべておる。どうせ聞こえないだけで「シーーー」っと、歯の隙間から空気を吐き出す笑い声を上げているのだろう。
その背後にはハサミを持った子供達が見える。……引き返すのは無理そうだ。
「ピーちゃん?」
「シャ、シャーちゃん後ろに……」
シャーちゃんに呼ばれて視界を外れたその瞬間に、彼女達は消えていた。
何かが居るなんてことが言えなくなった私は「な、なんでもない。早く行こ」と言って、北の通り、その奥へと向かっていく。
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