自己犠牲者と混ざる世界

二職三名人

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EX2-6:ピーちゃんと居なくなった人たち

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 叫び声を聞いた。触手をハサミで切り刻んでは触手に貫かれて消滅する子供達。
 混沌、まさしく理解が難しい混沌とした状況であった。

「逃げなよ。どうせ何も出来ないんだから。私もとっとと、ここから離れたいんだけど?」

 私の様なあの女はギロリと私を睨んで凄む。
 やめなよ。
 身に覚えのない嫌悪とか私が泣くよ。しまいには吐くぞ。
 だからほんと、勘弁してください。
 
「あ、ありがとう? ぴ、ピーちゃん。
 行くよ」
 
 腰の抜けた私の手を引いて、シャーちゃんがその場から逃亡を図る。
 触手の怪物はそれを妨害しようとするけれど、ハサミを持った子供たちがそれを大いに邪魔をする。
 そのおかげで、私たちは無事に逃げ出す事が出来た。
 
「どういう状況だったのアレ!? ピーちゃんっぽい人と昨日のヤバイ子供たちが出てきたんだけど! なんか助けてくれた感じなんだけど!」
「私もわかんない。
 本当に訳わかんないから」
 
 危機的状況は打破され、語る余裕ができるものの、状況を理解するための材料が少なすぎて何も進まない。
 
 ……化け物がいるなんて聞いてないし。
 私たちに何ができるんだって話だし、状況理解は困難を極めるし、此処で下す決断は1つしかないだろう。
 
「でもわかる事が1つだけあるよ。
 それは……私たちにこれ以上は無理! 帰ろう! てか帰りたいです。
 シャーちゃんマジ帰ろうよ お願いします」
「心が見事に折れてらっしゃる……でもまぁ確かにねー。
 みんながいなくなった原因もわかっちゃった感じだし……何とかしたいなって思うけど、これ以上何をするって話にもなるしね。
 帰ろっか」
 
 私はシャーちゃんの言葉を聞いて、折れていた心の中で盛大に腕を天に掲げた。帰れる! やった! こんな所に居なくていいんだ! 勝った! ……何に勝ったんだろう? ……まぁ気分的にはそんな感じなので別にいいかな。
 さて、自分で水を刺しといて何だけど改めて……よっしゃああああ! 帰れるんだぁあああ!
 
「ピーちゃん青ざめてた顔が一気に晴れやかになったというか。
 血色が良くなったんだけど」
「き、気のせいだよ。うん、気のせい気のせい」

 ちょっとごまかしはあったけれど、そういうわけで街にまで変えることになった。



 帰ることになったはずだ。
 だけれどあれから、どれだけの時間がったったのだろう。
 何日もたっていて、永遠と同じ場所を歩いているような気がする。
 いい加減、シャーちゃんに「そのカバンの中にどれだけのオムスビと、乳酸飲料を詰めてきたの!?」と突っ込まれても何にも言えなくなってくる。

「また此処……」
 
 幾度も歩き続けていい加減状況が理解できて来た私たちは、シャーちゃんのこぼしたその言葉で、ようやく納得して、逃げるのを諦めた。
 
「……もう、帰れない」
 
 折れた。また折れた。心が、折れた。もう無理だ。
 逃げられない。捕まって、きっと辛い目にあうんだ。
 安全地帯はない、安心できる場所はない、落ち着ける時はない。そう思うと怖い、怖いよ。
 
「ピーちゃん……」
 
 シャーちゃんが、恐怖に震えペタンと座り込む私を心配そうに見つめている。
 ごめん、ごめんね。鬱陶しいよね。でも、怖いものは怖い、体が竦《すく》んで動けないとか邪魔でしょうがないよね。
 
「まだ……まだ方法があるよ。
 此処から出る方法はきっと……あるか……らッヒ!?」
 
 私を気遣っていた声が、勇気付けようとした声が恐怖に染まる。
 何事かと顔を上げると、真正面に……身体中欠損した。血を流さないまま傷ついた私が居た。
 恐怖に心が折れた私にとって、それは追い打ちで、トドメになる。
 折れて、折れて、全部折れて支えが無くなった心が、真っ暗な底に沈んでいく。
 
 
 
『コホ……何で、何で何もしたがらないお前なんかが……嫌いだ。本当にお前が嫌いだ。何でもやれるのにやろうとしないお前が嫌いだ』
『ご、ごめん雛……。私たち体が逆だったら良かったのにね
 
 夢を見た。夢の中には細身の、涙黒子のついた私が、敷布団の上に横たわって、そこにいるもう1人の私に心底悔しそうにしているそんな夢を、見た。
 ……あぁ、思い出した。というにはちょっと感覚が違うけれど理解できた。
 これは私の記憶だ。
 ずっと拾い上げる事が出来なかった私のカケラ。
 2年の間、浮き上がる気配さえなかったのに何で今になってと、思うことはあるけれど。
 とりあえず私はほんの少しだけ、私を取り戻したらしい。
 
 意識が浮上する。
 気を失っている間に襲われることはなかったみたいで、どうせ死ぬのなら、せめて意識がないときにしろよと、都合のいいようにならなかった現状に不満を漏らしそうになる。
 だけど、目を覚まして漏れたのは文句ではなく、涙と嗚咽だった。
 
「おはよう小鳥」
「あ、あぁ、あに、き」
 
 居た。兄貴が、目を覚ました私を今まで膝に寝かせる形で、待っていた人が、探していた人が、そこに居た。
 手を伸ばして、触れようとすると消えていった。
 
「あ、れ? ……兄貴?」
 
 意識がはっきりとしてくると、私はどうやらクマジロウを枕にしていたようだ。
 ……クマジロウの深くから、安心するような、人肌くらいの暖かさを感じる。
 
「あっ空慈さん消えた」
 
 ……私は、シャーちゃんの言葉で慌てて身体を起こす。
 
「追い詰められすぎて見えた幻覚じゃないの今の!?」
「超元気一杯に起きちゃったよ。
 え、えっと大丈夫?」
 
「ちょっと大丈夫じゃないけど大丈夫! そんなことより何で兄貴の名前知ってるの!? 今の幻覚じゃないの!?」
 
 ちょっと引き気味なシャーちゃんは「私にもちょっとわかんないけど……彼女に聞いたほうがいいよ。
 絶対彼女の方が知ってるから」と手を向けた方を見ると、痩せて、涙黒子のある私のようなあの女の人が居た。
 私は、彼女に嫌われている。だから怖いけれど、話しかけたくないけれど。
 
「ね、ねえ雛ちゃん」
「……私のこと、思い出したんだねおま……はぁ、小鳥お姉ちゃん」
 
 私は彼女の名前を呼んだ。……私、お姉ちゃんなんだ。つまり彼女は……如月雛《キサラギヒナ》って事になる。姉妹にしても似てるね? 双子かな? いや、2つくらい下かなって感じに幼く見えるから違うかな。
 
「あ、あの……さっきの兄貴は一体……あと、襲ってくるのやめてほしい……です。はい」
「ふん、襲ったのは1回だけじゃない。お兄ちゃんに怒られたし。
 ……で、さっきのお兄ちゃんのことだけど……言ったら、この空間の最奥に行くやる気でる? 出なかったら斬り殺すけど」
 
「さいおく? えっ」

 私はあらゆる意味で恐怖しながら、今あるそこの恐怖、雛の脅しに屈してとりあえず頷くのだった。
「一人かくれんぼって知ってる?」
「……知らない」
 
 飽きられたように深くため息を吐かれる
 
「その人形にはお兄ちゃんの体と魂の一部が入ってる。
 もし、万が一におま……小鳥お姉ちゃんの身に何か起きたら助けられるようにね」
 
「兄貴……。ごめん、ちょっと意味わかんない。
 えっとクマジロウの中に兄貴が? えっどう言うこと? さっきの兄貴に何の関係が」
 
「言葉や常識とかは覚えてんのに何でその辺り忘れてるのかな……面倒臭いなぁ。
 えっとね。そのクマジロウには兄貴の血を染み込ませた米が詰め込まれてんの。
 米は日本人の魂が馴染みやすいから、血が、と言うか自分の一部が入ってるのは自分の体の一部が入ってるとさらに馴染みやすくなるから。
 気持ち悪い? 手放したい?」
 
「う、い、言わないよ」
「ッチ。もらおうと思ったのに」
 
 ちょっと気持ち悪いけど。
 うん、何だか暖かいし安心できるから手放したくない。
 シャーちゃんが一歩下がるくらいにドン引き案件なのはわかってるけどさ。
 
「これは日本にある霊的な儀式でね。
 米と体の一部を入れることで自分の魂の一部、生霊が入るの。
 生霊は生まれた理由のままに働く。
 
 だからおま……お前を助けるようにと作られた生霊が入ったクマジロウはそう動く。
 それで無知なお前に細くするけど一人かくれんぼって言うオカルトな遊びがあるんだけど。
 みんな怖いことが起きるのを期待して人形を作ってるから、自分の生霊に怖がらされるって言う面白現象のことね。
 シャレにならないことになって供養のためにビデオカメラが持ち込まれた。
 写真や動画専用の神社を管理してる。
 自業自得で苦しむ人が大好きな神主が、専用のサイトで動画を転がしてるから見るのオススメ」
 
 私の妹性根腐りすぎな気がする……あとどこかの神主も。
 
「さてここまでが大前提」
 
 一人かくれんぼの部分、大前提として必要ないよね?
 
「そして私はあの触手の化け物から意思のない魂のカケラが取れたから。その人形にある兄貴の魂に私が持って多分も併せて入れたの。
 魂のかけらは空っぽだから、兄貴の魂の一部に変な淀みを作らないで純粋な強化材料にできた。
 人形にある兄貴の魂が強化されて、ほんの少しだけ具現化できるぐらいになったの
 もういい? 理解できてる?」

「う、うん」と理解を示そうとするけど、その前にシャーちゃんが「ちょっと待って」と割り込んだ。
 
「意思がない魂ってどう言う事? 咲坂達はどんな状態?」
「……まず大前提の話。
 魂や命は霊力、妖力、、奇跡……後は……普通に電力とかそんな色々な力を大量に変換できる万能な物よ。
 どこかの邪教が生贄を用意して魔法陣を起動するとか本とか映画にあるけど。
 要は呼び出すための大量の力が必要だから理には叶ってるの。
 どんなに才能があって霊力やら魔力やらをたくさん自然に生み出せて保持できる人間でも、1年分の命を変換した方が。
 保持者の数百倍に、魂なら1割で数千倍に匹敵するからね、尚更。
 それでもみんなで命をちょっとずつ分け合えよと思わなくないけどもさておいて。
 本題ね。
 要は魂があの怪物の中でほとんど力として変換されてて。
 意思が無くなってるの。
 意思がないから自己保持できなくて消滅することはあるけど、成仏して天国やら地獄やら霊界やら根の国やらとかにあの世に行くことはなく、輪廻に乗って転生することもない。
 だから犠牲者の魂のカケラを強化に使った事は怒らないでね。
 もうどうしようもないんだから」
 
 申し訳なさそうな顔で雛が言うと、シャーちゃんは「そん、な」と泣きそうになった。
 消滅。命の終わりどころか、存在そのものの終わりを迎えさせられた。
 そう考えると……確かに、酷い。存在を消しておいて、あの職種の怪物は、生きていた時の最後の声を餌として真似るのだ。
 
「さてそれで最奥に行く? 行くよね。そこにお兄ちゃんが言うには事の元凶が居るみたいだけど」
 
 事の元凶……私にどうにかできる存在な気がしない。帰りたいです。
 そう思っていると咲坂のバットを握ったシャーちゃんが「私は行くよ。
 どうしたらいい?」と言った。
 何でそんなことが言えるんだろう。
 その勇気はどこから湧くんだろうと思っていると。
 雛が「貴女じゃあ無理。
 ここで唯一生きてる如月家のコイツじゃないと触れもしないから」とその心意義を無下にする。
 ……ちょっと待って、唯一生きてるコイツってどう言うこと?
 
「……その顔からしてやーっぱり気がついてない。
 ここは霊界。
 現実世界に表面に重なるようにあって、天国やらそう言う世界につながる道中にして、心残りあるもの達がここで成し得たり、現実に何とか干渉しようととどまる場所。
 つまり、この世界に居るのはお前以外はお前が大っ嫌いなお化けばっかりなわーけ。おわかり?」
 
 ……なんだ。
 通りで、何処と無く怖く思うわけだ。
 納得した。
 
「……じゃ、じゃあ何で私はここに居るの? わ、わたしは、生きてる、んだよね?」
「業腹だけどその通り。
 でもその辺りはお兄ちゃんが知ってることで私は想像はつくけど知らない。
 お兄ちゃんに聞くか、思い出して。
 それで、いい加減決断してほしいんだけど? お兄ちゃんが様子見に行って私を逃すような奥に行って事態を解決するか。
 今ここで私に切り刻まれるか」
 
 ……死に方選べるだけですよねそれ。
 ふとシャーちゃんを見る。
 その目には私にお願いするような感情を感じる。事態を解決したいらしい。
 私自身は……あぁあああ嫌だなあああ、でも、先に行く理由が沢山あるみたいだ。
 
「……なに、したらいい?」
 
 無理やし押し出された答えな気がするけれど。私は、先に進むことにした。
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