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EX2-7:ピーちゃんと居なくなった人たち
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ここは、戻る事は難しく、先に煤のであれば容易な空間。
そして私にやって欲しいのは、最奥にいる元凶をなんとかする事。
なんでも、霊体では元凶の持つ吸引機の様なもので吸い込まれてしまう為に唯一、魂が肉体に結びついている私でなければ前に進めないのだとか。
……ふと、雛に聞いてみる。なんとかできなかったらどうなるのかを。
すると「殺されて魂が吸われて何かしらの力に変換される。下手したら拘束されて生命力も力の変換に回される。
魂の変換は眠くなる感じらしいけど、生命力を力に変換は全身が焼け落ちるかの様な苦しみを伴うらしいよ。
でも安心していいよ、捕まったら即座に殺しに行ってやるからその辺の苦しみはないよ。やったね。
あ、それと負けたら霊界が大変な事になるって容易に想像できるから。
具体的には輪廻に魂が乗れず転生できないから、未来で生命体が増えず、その結果間接的に未来の生命が滅んだり。
天国やら地獄やらの仕事がなくなって暴動、もしくは暇になった神様やら天使やら悪魔やら鬼やらの傍迷惑な暇つぶしが起きたりするかもだから、そこんところよろしく」と返された。確実に私が嫌がるとわかっていて、果たしなく優しくない言い方で返された。
責任が重すぎる。私、ただの女の子なんですけど。
兄貴が持ってる漫画に出る様な主人公じゃないんですけど。
その責任って私が背負わなきゃダメですか? えっ、私以外に背負わせられる生きている人がこの世界にいない? あぁ、そうですか。
……嫌だなぁ。
あの触手の怪物は無視していい。敵を倒して先に進むって言うゲームの様なものではないから。
でも雛は言う。アレは沢山の魂を取り込んで、沢山の力を消費せずに蓄えているみたいだから、兄貴の強化素材として倒したいと。
「倒せる見込みある?」
「ない。触手からチマチマ魂を回収できるかなって感じ」
私はそんな見返りが薄そうなのに、ミスがそのまま死に直結する様な事はしたくないので、進む道を選んだ。
「シャーちゃんって……死んじゃってたんだ。ビックリした」
「そうだよー。
私的にはピーちゃんが生きてる事にびっくりしたけどね。
最初は、自分が死んだ事に気がついていない系の子かなって思ってたし」
「だよねー。聞いた感じだとこっちは幽霊の世界みたいだし。私がこっちにいるのがおかしいんだよね」
この世界は霊界。
死者の世界。
だからシャーちゃんが幽霊なのは自然のことで、生きている私がここにいることが不自然な事を再確認する。
だけれど不思議だ。
私がどことなくこの世界の何もかもが怖いと思うのは、幽霊だと言われて仕舞えば、確かに幽霊に抱く恐怖に似ているけれど。
彼女達は容姿、雰囲気がどう考えても生きている様な印象しか抱かない。
触れようとしたら問題なく触れ合える。触れれば人肌の様な暖かさがある。幽霊らしさはどこにもない。
語り合い、隣を歩くシャーちゃんの横顔を見ると尚更だ。
(こんなに、そこに居るって事が実感できるのに幽霊なんだ)
他の人にも思うけれど、どうしてシャーちゃんは霊界に留まっているのだろう。
雛の説明で、その大体が生きていた頃のやりたかった事や心残りがあるからと知識はあるものの、こんなにも明るいシャーちゃんがやりたかったこと、後悔があると考えると、ちょっと失礼だけれども意外に思ってしまう。
……訪ねていい事なのだろうか? いや、踏み込み過ぎだろうからやめとこう。
ドラマとかでみる人間関係ドロドロしたやつだったら気分が悪くなるしね。
「うえぇ……雰囲気変わってきたなって思ったら雲に血管みたいなの浮いてて脈動してるじゃん。
気持ち悪いし怖いんだけど」
「今更気がついたの? それじゃあこれも気がついてないね? 小鳥、建物や道を侵食する草木を見つめてみなさい。
そうすると、あれ? シミュラクラ現象かな? って思ったら本当に顔で、蠢いてるから」
「あ、あの雛ちゃん。本当に勘弁してあげて。
ピーちゃん、今ので倒れそうだから」
着々と緑がかる世界を進めば進むほどに、恐怖で足が凍りついて重くなるのを感じる。
「それは私的にはバッチコイだけど、困る。
そろそろ遭遇すると思うから意識を強く持ってよ」
……嫌な事を聞いた。
遭遇するってどういう事? 何と遭遇するの? 怖い感じのやつ? 怖いんだろうなぁ。
(と、とりあえず何と遭遇するのか聞いてみよう。
事前情報大事だからね、どんなのかを想像しておくだけでも。本番の時、精神的ショックは和らぐかもしれないしね)
そう思って声をかけようとした矢先───「2人とも、ちゃんと来てくれたか」と、兄貴の声が聞こえた。
「えっ………」なんて間抜けな声をあげて、思わず兄貴の声が聞こえた方向を見る。
「あ、兄貴……」
すると、声に期待した通りの人が、そこにちゃんといた。
触手が発するようなものではなく、兄貴が確かにそこにいて私たちに声をかけたのだ。
「小鳥は怖がりなのに、よく頑張ったな。
ここからは俺も同行して、雛を守るよ」
駆け寄りそうになる。
だけれど、そんな私を雛が「何でまんまと行こうとしているのよ腐れブラコン」と言って、服の襟首のところを引っ張って止めた。
私は服の襟首の部分が引っ張られたことによって首が閉まってせき込み、(貴女も多分腐れブラコンだろ)なんて、ちょっとカチンときたので思いながら、雛に「なんで?」と問う。
「あのお兄ちゃんはさっきの職種の化け物が使った声と同じ類で、餌なんだよ。
私たちの記憶を読んで、私たちが一番釣れそうな存在を記憶から抽出し、再現された虚像の餌。
行けば命を奪われるよ」
そう言われて私は足が止まる。兄貴に駆け寄る気が失せる。
すると兄貴から漂って居た空気感が変わる。
……何かが集まっている様な気がする。
「お兄ちゃんは、お母さんだと思って近づいて、ここで負傷したからね。
帰り際、色々溜まった鬱憤を晴らすついでに色々調べたわよ。
もし、その矮小な脳みそが理解するのを拒むなら鼻をつまみなさい。
そうしたら正体が見えてくるから」
言われるままに鼻をつまむ。
すると徐々に兄貴の姿が薄らいでいく。
代わりに浮かんできたのは、全体がチワワくらいの大きさで、6枚の仄かに光る薄く青い花びらが中心の大きな穴を囲い、根っこはイモ貝の中身の様な形状をして居て、なにやら細い管を伸ばしながら地上を這っている動物の様で植物なよくわからないけれど。
とりあえず、隣の「わっ、可愛い」って言って居るシャーちゃんに、「正気で言ってるのそれ」と思わず言ったくらい気持ち悪いのが居た。
「甘辛い匂いの蜜を嗅ぐことで幻覚を見せてくるそいつは。
あの管っぽいのから毒のある針を発射する。
前回の触手の化け物と同じく魂を捉えては力に変換するけれど、触手の化け物とは違って、巨大な個体ではなく、群れである事。
毒針を撃ってくるから近づきにくいだろうけれど」
ギリっと歯に悪い音を立てて怒りを露わにする雛は、背後に5人ほど、ハサミを持った子供達を出没させる。
結局この子供達は何なのだろう
「私にはカモでしか無い。
お兄ちゃんの一部が強くなる糧にしてあげる。
しばらくとどまって狩るからお前は背後でその子に守られながらガタガタ震えとけ」
今は使い物にならない私は惨めであれと暗に言ってくる雛。
本当、なぜここまで嫌われているのか、敵のようで味方の様で最終的には敵として襲いかかってきそうな彼女の指示は力がないから従わざるを得ないのが恐怖でしか無い。
「私は……全部上手くいって終わっても、なんかやたら嫌われてる自分の家族に殺されるかも」
「あ、あはは。
その時は一緒に説得してあげるから元気出して」
シャーちゃんは優しくそう言ってくれた。
心底、良い人だなぁと思う。
そして私にやって欲しいのは、最奥にいる元凶をなんとかする事。
なんでも、霊体では元凶の持つ吸引機の様なもので吸い込まれてしまう為に唯一、魂が肉体に結びついている私でなければ前に進めないのだとか。
……ふと、雛に聞いてみる。なんとかできなかったらどうなるのかを。
すると「殺されて魂が吸われて何かしらの力に変換される。下手したら拘束されて生命力も力の変換に回される。
魂の変換は眠くなる感じらしいけど、生命力を力に変換は全身が焼け落ちるかの様な苦しみを伴うらしいよ。
でも安心していいよ、捕まったら即座に殺しに行ってやるからその辺の苦しみはないよ。やったね。
あ、それと負けたら霊界が大変な事になるって容易に想像できるから。
具体的には輪廻に魂が乗れず転生できないから、未来で生命体が増えず、その結果間接的に未来の生命が滅んだり。
天国やら地獄やらの仕事がなくなって暴動、もしくは暇になった神様やら天使やら悪魔やら鬼やらの傍迷惑な暇つぶしが起きたりするかもだから、そこんところよろしく」と返された。確実に私が嫌がるとわかっていて、果たしなく優しくない言い方で返された。
責任が重すぎる。私、ただの女の子なんですけど。
兄貴が持ってる漫画に出る様な主人公じゃないんですけど。
その責任って私が背負わなきゃダメですか? えっ、私以外に背負わせられる生きている人がこの世界にいない? あぁ、そうですか。
……嫌だなぁ。
あの触手の怪物は無視していい。敵を倒して先に進むって言うゲームの様なものではないから。
でも雛は言う。アレは沢山の魂を取り込んで、沢山の力を消費せずに蓄えているみたいだから、兄貴の強化素材として倒したいと。
「倒せる見込みある?」
「ない。触手からチマチマ魂を回収できるかなって感じ」
私はそんな見返りが薄そうなのに、ミスがそのまま死に直結する様な事はしたくないので、進む道を選んだ。
「シャーちゃんって……死んじゃってたんだ。ビックリした」
「そうだよー。
私的にはピーちゃんが生きてる事にびっくりしたけどね。
最初は、自分が死んだ事に気がついていない系の子かなって思ってたし」
「だよねー。聞いた感じだとこっちは幽霊の世界みたいだし。私がこっちにいるのがおかしいんだよね」
この世界は霊界。
死者の世界。
だからシャーちゃんが幽霊なのは自然のことで、生きている私がここにいることが不自然な事を再確認する。
だけれど不思議だ。
私がどことなくこの世界の何もかもが怖いと思うのは、幽霊だと言われて仕舞えば、確かに幽霊に抱く恐怖に似ているけれど。
彼女達は容姿、雰囲気がどう考えても生きている様な印象しか抱かない。
触れようとしたら問題なく触れ合える。触れれば人肌の様な暖かさがある。幽霊らしさはどこにもない。
語り合い、隣を歩くシャーちゃんの横顔を見ると尚更だ。
(こんなに、そこに居るって事が実感できるのに幽霊なんだ)
他の人にも思うけれど、どうしてシャーちゃんは霊界に留まっているのだろう。
雛の説明で、その大体が生きていた頃のやりたかった事や心残りがあるからと知識はあるものの、こんなにも明るいシャーちゃんがやりたかったこと、後悔があると考えると、ちょっと失礼だけれども意外に思ってしまう。
……訪ねていい事なのだろうか? いや、踏み込み過ぎだろうからやめとこう。
ドラマとかでみる人間関係ドロドロしたやつだったら気分が悪くなるしね。
「うえぇ……雰囲気変わってきたなって思ったら雲に血管みたいなの浮いてて脈動してるじゃん。
気持ち悪いし怖いんだけど」
「今更気がついたの? それじゃあこれも気がついてないね? 小鳥、建物や道を侵食する草木を見つめてみなさい。
そうすると、あれ? シミュラクラ現象かな? って思ったら本当に顔で、蠢いてるから」
「あ、あの雛ちゃん。本当に勘弁してあげて。
ピーちゃん、今ので倒れそうだから」
着々と緑がかる世界を進めば進むほどに、恐怖で足が凍りついて重くなるのを感じる。
「それは私的にはバッチコイだけど、困る。
そろそろ遭遇すると思うから意識を強く持ってよ」
……嫌な事を聞いた。
遭遇するってどういう事? 何と遭遇するの? 怖い感じのやつ? 怖いんだろうなぁ。
(と、とりあえず何と遭遇するのか聞いてみよう。
事前情報大事だからね、どんなのかを想像しておくだけでも。本番の時、精神的ショックは和らぐかもしれないしね)
そう思って声をかけようとした矢先───「2人とも、ちゃんと来てくれたか」と、兄貴の声が聞こえた。
「えっ………」なんて間抜けな声をあげて、思わず兄貴の声が聞こえた方向を見る。
「あ、兄貴……」
すると、声に期待した通りの人が、そこにちゃんといた。
触手が発するようなものではなく、兄貴が確かにそこにいて私たちに声をかけたのだ。
「小鳥は怖がりなのに、よく頑張ったな。
ここからは俺も同行して、雛を守るよ」
駆け寄りそうになる。
だけれど、そんな私を雛が「何でまんまと行こうとしているのよ腐れブラコン」と言って、服の襟首のところを引っ張って止めた。
私は服の襟首の部分が引っ張られたことによって首が閉まってせき込み、(貴女も多分腐れブラコンだろ)なんて、ちょっとカチンときたので思いながら、雛に「なんで?」と問う。
「あのお兄ちゃんはさっきの職種の化け物が使った声と同じ類で、餌なんだよ。
私たちの記憶を読んで、私たちが一番釣れそうな存在を記憶から抽出し、再現された虚像の餌。
行けば命を奪われるよ」
そう言われて私は足が止まる。兄貴に駆け寄る気が失せる。
すると兄貴から漂って居た空気感が変わる。
……何かが集まっている様な気がする。
「お兄ちゃんは、お母さんだと思って近づいて、ここで負傷したからね。
帰り際、色々溜まった鬱憤を晴らすついでに色々調べたわよ。
もし、その矮小な脳みそが理解するのを拒むなら鼻をつまみなさい。
そうしたら正体が見えてくるから」
言われるままに鼻をつまむ。
すると徐々に兄貴の姿が薄らいでいく。
代わりに浮かんできたのは、全体がチワワくらいの大きさで、6枚の仄かに光る薄く青い花びらが中心の大きな穴を囲い、根っこはイモ貝の中身の様な形状をして居て、なにやら細い管を伸ばしながら地上を這っている動物の様で植物なよくわからないけれど。
とりあえず、隣の「わっ、可愛い」って言って居るシャーちゃんに、「正気で言ってるのそれ」と思わず言ったくらい気持ち悪いのが居た。
「甘辛い匂いの蜜を嗅ぐことで幻覚を見せてくるそいつは。
あの管っぽいのから毒のある針を発射する。
前回の触手の化け物と同じく魂を捉えては力に変換するけれど、触手の化け物とは違って、巨大な個体ではなく、群れである事。
毒針を撃ってくるから近づきにくいだろうけれど」
ギリっと歯に悪い音を立てて怒りを露わにする雛は、背後に5人ほど、ハサミを持った子供達を出没させる。
結局この子供達は何なのだろう
「私にはカモでしか無い。
お兄ちゃんの一部が強くなる糧にしてあげる。
しばらくとどまって狩るからお前は背後でその子に守られながらガタガタ震えとけ」
今は使い物にならない私は惨めであれと暗に言ってくる雛。
本当、なぜここまで嫌われているのか、敵のようで味方の様で最終的には敵として襲いかかってきそうな彼女の指示は力がないから従わざるを得ないのが恐怖でしか無い。
「私は……全部上手くいって終わっても、なんかやたら嫌われてる自分の家族に殺されるかも」
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