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EX2-8:ピーちゃんと居なくなった人たち
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シャキンシャキンと草を刈り取る様に躊躇なく、動物に見える植物を切り刻む光景は、普通に恐怖を感じた。
どれだけ毒針が刺さろうと、倒れて消滅するまで突き進む子供達の狂気も去ることながら。
切り刻めば切り刻むほどに、青みがかった半透明な液体を傷から撒き散らすのが、現状の異質さをさらに彩る。
「……力を蓄えてたやつ、前に狩り過ぎたかな。
絞り滓みたいなのしか出てこない」
倒されても再度、子供たちが出現するのに対し。なんかよくわからない植物性動物はぐったりとして小さな、米粒ほどの光の玉を吐き出す。
その光は、雛が触れると指先から染み込むように雛の中へと入りこんでいるけrど、どうやらああやって集めているようだ。
ある程度この場を片付けると、クマジロウに触れて光を流し込む。
「……やっぱり足りない」
だけれど、クマジロウに何らかの変化はなく。雛はその事実に機嫌を悪くする。
「ここで狩ってても得られるのは雀の涙程度っぽいから。もう先に進もう」
自分でとどまるって言っておいてと少し悪態をつきたくなる態度ではあるけれど。別に得しなさそうなので黙っておく。
「ね、ねえ2人とも。
行く前に聞いて欲しいんだけど」
さぁ、さっさと行こうなんて空気を出す雛を遮る様に、動揺の色を乗せたシャーちゃんの声が聞こえる。
「か、体が軽いんですけど……。すっごい絶好調な感じなんですけど。
だ、大丈夫これ? 私、今から成仏する感じ?」
シャーちゃんの方を見ると、シャーちゃんは不安げにそんな事を言いながら、雛が狩をやめた事で余裕で取りこぼしている植物を、軽やかにバットでかっ飛ばして居た。
私、女の子が最初可愛いって言っていたなんか変なのをバットでかっ飛ばしちゃあ色んな意味でダメだと思うの。
「……あー、力が弱過ぎて、現段階で空の魂に触って吸収しちゃったら、成長が早いんだ。
おめでとう、貴女はこれから普通に戦力として数えられるくらい私の中で株が上がったよ」
おう、勝手に1人で納得しないで。
私は状況をいまいち理解していないんだから。
「狩を続行しようね。
貴女を質のいい、肉盾にまで強化してあげる」
……教えてくれないから自力でどういうことか導き出したよ。
つまり、シャーちゃんは魂を取り込んだら、少しの量でも成長するんだね?
それで、そんなシャーちゃんをニクタテ? 多分漢字は肉盾かな? ……よくわかんないけれど、脳内漢字変換候補から考えて碌でもないものに仕立て上げようとしている気がする。
そんな私の予感は……多分、これは……当たったんだと思う。
へこんでいた筈のバッドは修復され、振るわれるたびに重い風邪を切る音を響かせる。
一度バッドを振るえば、植物の化け物は砕け散りながらもホームランされるか、背後にいる他の植物達に向かって、ショットガンの如くぶち当たることになる。
足音響くほどに踏み込み、力強くバットを振るうその姿は、アマゾネスやらゴリラやらを飛び越えて、まるで兄貴が持っていた漫画に出てくる棍棒を持った巨人を感じさせる。
シャーちゃん、それでいいの? シャーちゃんの女の子としての在り方を卒業するどころか終わらせる勢いなんだけれど。
「そろそろ成長が遅くなってきたね。
切り上げ時かな」
そう言われてシャーちゃんは名残惜しそうに「お、終わり?」と尋ねる。
バトルジャンキーにはならないで……お願いだから。
「成長の方向性は精神よりも身体方面に大きく傾いてるかな。
幽霊だから身体なんて無くて、なんかちょっと違う気がするけど」
「へ、へぇ……何となく強くなった実感はあるけど。
私ってどれくらい強くなったの?」
とりあえず。
か弱い乙女とは言えないくらい強くなってるよ。
「うーん、格闘技のチャンピョン3人に囲まれたらやっと危なくなるかなってくらい」
つっよ。えっ? 本当に言ってる? まだ1時間も経ってないのに強くなりすぎでしょ。
「生まれ持っての素質、成長による力の割り振りと一度の成長による……多分早熟型だから今だけ得られるかなりの成長量が貴女をそこまでにしたんだよ」
「へぇーすっごいねこれー! ピーちゃん見てよ! 結構な高さまでジャンプできるよこれ」
そう言ってシャーちゃんはジャンプする。
本当に自分の身長の2倍くらいの高さまでジャンプした。
そんなどこか楽し気なシャーちゃんを見ている横で、小さな声で「……妬ましくなるくらい羨ましいね。私も少しでも身体能力の方に行ってくれたなら……」と雛が言って居るのが聞こえた。
理由は想像できるけど。きっと私が彼女を慰めるのは逆効果で、……勘だけど私には彼女を慰める資格はないのだと思う。
「と、ところで私もここで力を付けれられたり・……」
「は? やらないよ。
お前を強化するなんて虫唾が走るし、無駄でしかない。
それじゃあ此処は毛様が無いからさっさと次に行くよ」
「そんな意地悪言わないで。ピーちゃんも強くしてあげようよ」
「ちょっと力を付けたからって私に意見しないで。 やれることはやったんだから行くよ」
……本当に嫌われてるなぁ、私。
進めば進むほどに狂っていく空間。もはや蠢いてないものなんてない。
怖い怖いと当初喚いていたけれど、いい加減疲れたし多少慣れて来たので何とか脚は動き続ける。
人工物は既に植物に飲まれて見る影もなくなっていくのだろうかと考えていたところで、駅が見えてきた。
駅の隣には古ぼけた井戸があった。
「覗き込む? きっと面白い物が見えるよ?」
雛が悪戯っぽい笑みを浮かべて井戸を指さす。
あぁ、絶対嫌な物が有るんだろうなぁと思って首を振って拒否する。
そんな私の代わりにシャーちゃんが言度を覗き込むと、シャーちゃんは顔をしかめて口を手でふさいだ。
「……何も面白くないよ。
何なの彼……手も足も折れてるみたいで……体が切り刻まれてて……め、目が合ったんだけど」
「あれ? 生きてたんだ。 それとも霊体化したのかな。 追い打ち気味に聖水放り込んだのに」
雛はそう言って、鋏を持った少年を出現させた。
少年は「あははは!」と笑って言度の中へと飛び込んでいく。
……鋏で肉を切り刻むような嫌な音が聞こえる。嫌な叫び声が聞こえる。
そんな嫌な物を耳にしながら、私とシャーちゃんは一体どう言う事か説明を求める。
「彼は生きて居乍らこっちに来た人。
自分を家の王女だとでも思っているかのような傲慢な母親を持ったがために、父親には逃げられ、生活が出来なくなったと怒りの矛先を向けられた可哀想な人。全身を椅子で殴られて、全身の骨が折れたから、井戸に捨てられてしまった子供。
彼はそこまでされても母親と同じく割と頑丈な体だったから死ねず。
井戸から出ようにも力が出ないしそもそも骨が折れてる、無暗に人差し指の皮がむけるだけ。
彼にできたのは、井戸の中、わずかに残っていた水に体を冷やしながら死ぬまで、己を残して逃げた父となにもかものげんいんであるははを憎んで恨んで呪う事くらい。
そんな彼を、事の元凶は死ぬ前に拾い上げて利用した。この異常な空間を作り支える予備の核にするためにね」
……ほんの少しだけ、気分が悪くなった。
怖いというよりもかわいそうと言うか、悲惨と言うか。そんなものを感じて気分が悪くなったんだ。
「さて、ここからはお前の仕事。 この駅の中は進めば進むほどに私たち幽霊は身体が重く感じて動けなくなっていく。
頑張って私たちを最奥まで引っ張って連れて行きなよ。最奥に行けば一夫報いるくらいはしてやるから」
あー、此処からなのかぁあああ、いやだなぁあああ。
「……ところでどうやって生きてるのは大丈夫だって解ったの?」
「中に居るゴキブリがなんでか生きてて尚且つ超元気だから。
顔面に直接突撃してくるから……うん……うん。
絶対に許さない」
……ゴキブリ居るの? 嫌な要素が増えたなぁ、行きたくないなぁあ。
「無視居るのかぁ……ピーちゃんじゃないけど、行きたくないなぁあああ」
此処に居る3人は全員虫嫌い……と言うかゴキブリ嫌いのようだ。
何であの生物本能的に無理なんだろうね。この2年見かけた覚えないけど、たぶん見かけたら即日アシダカグモかゲジゲジを買いに行ってると思う。
……よくよく考えればアシダカグモやゲジゲジって見た目きもくて怖いのに、想像してもゴキブリと違って寒気がしないな……記憶をなくす前の私ってもしかしてお世話になってたり?
「まぁ、行きたくないなんて言ってもしょうがないよ。さて、行こうか」
どれだけ毒針が刺さろうと、倒れて消滅するまで突き進む子供達の狂気も去ることながら。
切り刻めば切り刻むほどに、青みがかった半透明な液体を傷から撒き散らすのが、現状の異質さをさらに彩る。
「……力を蓄えてたやつ、前に狩り過ぎたかな。
絞り滓みたいなのしか出てこない」
倒されても再度、子供たちが出現するのに対し。なんかよくわからない植物性動物はぐったりとして小さな、米粒ほどの光の玉を吐き出す。
その光は、雛が触れると指先から染み込むように雛の中へと入りこんでいるけrど、どうやらああやって集めているようだ。
ある程度この場を片付けると、クマジロウに触れて光を流し込む。
「……やっぱり足りない」
だけれど、クマジロウに何らかの変化はなく。雛はその事実に機嫌を悪くする。
「ここで狩ってても得られるのは雀の涙程度っぽいから。もう先に進もう」
自分でとどまるって言っておいてと少し悪態をつきたくなる態度ではあるけれど。別に得しなさそうなので黙っておく。
「ね、ねえ2人とも。
行く前に聞いて欲しいんだけど」
さぁ、さっさと行こうなんて空気を出す雛を遮る様に、動揺の色を乗せたシャーちゃんの声が聞こえる。
「か、体が軽いんですけど……。すっごい絶好調な感じなんですけど。
だ、大丈夫これ? 私、今から成仏する感じ?」
シャーちゃんの方を見ると、シャーちゃんは不安げにそんな事を言いながら、雛が狩をやめた事で余裕で取りこぼしている植物を、軽やかにバットでかっ飛ばして居た。
私、女の子が最初可愛いって言っていたなんか変なのをバットでかっ飛ばしちゃあ色んな意味でダメだと思うの。
「……あー、力が弱過ぎて、現段階で空の魂に触って吸収しちゃったら、成長が早いんだ。
おめでとう、貴女はこれから普通に戦力として数えられるくらい私の中で株が上がったよ」
おう、勝手に1人で納得しないで。
私は状況をいまいち理解していないんだから。
「狩を続行しようね。
貴女を質のいい、肉盾にまで強化してあげる」
……教えてくれないから自力でどういうことか導き出したよ。
つまり、シャーちゃんは魂を取り込んだら、少しの量でも成長するんだね?
それで、そんなシャーちゃんをニクタテ? 多分漢字は肉盾かな? ……よくわかんないけれど、脳内漢字変換候補から考えて碌でもないものに仕立て上げようとしている気がする。
そんな私の予感は……多分、これは……当たったんだと思う。
へこんでいた筈のバッドは修復され、振るわれるたびに重い風邪を切る音を響かせる。
一度バッドを振るえば、植物の化け物は砕け散りながらもホームランされるか、背後にいる他の植物達に向かって、ショットガンの如くぶち当たることになる。
足音響くほどに踏み込み、力強くバットを振るうその姿は、アマゾネスやらゴリラやらを飛び越えて、まるで兄貴が持っていた漫画に出てくる棍棒を持った巨人を感じさせる。
シャーちゃん、それでいいの? シャーちゃんの女の子としての在り方を卒業するどころか終わらせる勢いなんだけれど。
「そろそろ成長が遅くなってきたね。
切り上げ時かな」
そう言われてシャーちゃんは名残惜しそうに「お、終わり?」と尋ねる。
バトルジャンキーにはならないで……お願いだから。
「成長の方向性は精神よりも身体方面に大きく傾いてるかな。
幽霊だから身体なんて無くて、なんかちょっと違う気がするけど」
「へ、へぇ……何となく強くなった実感はあるけど。
私ってどれくらい強くなったの?」
とりあえず。
か弱い乙女とは言えないくらい強くなってるよ。
「うーん、格闘技のチャンピョン3人に囲まれたらやっと危なくなるかなってくらい」
つっよ。えっ? 本当に言ってる? まだ1時間も経ってないのに強くなりすぎでしょ。
「生まれ持っての素質、成長による力の割り振りと一度の成長による……多分早熟型だから今だけ得られるかなりの成長量が貴女をそこまでにしたんだよ」
「へぇーすっごいねこれー! ピーちゃん見てよ! 結構な高さまでジャンプできるよこれ」
そう言ってシャーちゃんはジャンプする。
本当に自分の身長の2倍くらいの高さまでジャンプした。
そんなどこか楽し気なシャーちゃんを見ている横で、小さな声で「……妬ましくなるくらい羨ましいね。私も少しでも身体能力の方に行ってくれたなら……」と雛が言って居るのが聞こえた。
理由は想像できるけど。きっと私が彼女を慰めるのは逆効果で、……勘だけど私には彼女を慰める資格はないのだと思う。
「と、ところで私もここで力を付けれられたり・……」
「は? やらないよ。
お前を強化するなんて虫唾が走るし、無駄でしかない。
それじゃあ此処は毛様が無いからさっさと次に行くよ」
「そんな意地悪言わないで。ピーちゃんも強くしてあげようよ」
「ちょっと力を付けたからって私に意見しないで。 やれることはやったんだから行くよ」
……本当に嫌われてるなぁ、私。
進めば進むほどに狂っていく空間。もはや蠢いてないものなんてない。
怖い怖いと当初喚いていたけれど、いい加減疲れたし多少慣れて来たので何とか脚は動き続ける。
人工物は既に植物に飲まれて見る影もなくなっていくのだろうかと考えていたところで、駅が見えてきた。
駅の隣には古ぼけた井戸があった。
「覗き込む? きっと面白い物が見えるよ?」
雛が悪戯っぽい笑みを浮かべて井戸を指さす。
あぁ、絶対嫌な物が有るんだろうなぁと思って首を振って拒否する。
そんな私の代わりにシャーちゃんが言度を覗き込むと、シャーちゃんは顔をしかめて口を手でふさいだ。
「……何も面白くないよ。
何なの彼……手も足も折れてるみたいで……体が切り刻まれてて……め、目が合ったんだけど」
「あれ? 生きてたんだ。 それとも霊体化したのかな。 追い打ち気味に聖水放り込んだのに」
雛はそう言って、鋏を持った少年を出現させた。
少年は「あははは!」と笑って言度の中へと飛び込んでいく。
……鋏で肉を切り刻むような嫌な音が聞こえる。嫌な叫び声が聞こえる。
そんな嫌な物を耳にしながら、私とシャーちゃんは一体どう言う事か説明を求める。
「彼は生きて居乍らこっちに来た人。
自分を家の王女だとでも思っているかのような傲慢な母親を持ったがために、父親には逃げられ、生活が出来なくなったと怒りの矛先を向けられた可哀想な人。全身を椅子で殴られて、全身の骨が折れたから、井戸に捨てられてしまった子供。
彼はそこまでされても母親と同じく割と頑丈な体だったから死ねず。
井戸から出ようにも力が出ないしそもそも骨が折れてる、無暗に人差し指の皮がむけるだけ。
彼にできたのは、井戸の中、わずかに残っていた水に体を冷やしながら死ぬまで、己を残して逃げた父となにもかものげんいんであるははを憎んで恨んで呪う事くらい。
そんな彼を、事の元凶は死ぬ前に拾い上げて利用した。この異常な空間を作り支える予備の核にするためにね」
……ほんの少しだけ、気分が悪くなった。
怖いというよりもかわいそうと言うか、悲惨と言うか。そんなものを感じて気分が悪くなったんだ。
「さて、ここからはお前の仕事。 この駅の中は進めば進むほどに私たち幽霊は身体が重く感じて動けなくなっていく。
頑張って私たちを最奥まで引っ張って連れて行きなよ。最奥に行けば一夫報いるくらいはしてやるから」
あー、此処からなのかぁあああ、いやだなぁあああ。
「……ところでどうやって生きてるのは大丈夫だって解ったの?」
「中に居るゴキブリがなんでか生きてて尚且つ超元気だから。
顔面に直接突撃してくるから……うん……うん。
絶対に許さない」
……ゴキブリ居るの? 嫌な要素が増えたなぁ、行きたくないなぁあ。
「無視居るのかぁ……ピーちゃんじゃないけど、行きたくないなぁあああ」
此処に居る3人は全員虫嫌い……と言うかゴキブリ嫌いのようだ。
何であの生物本能的に無理なんだろうね。この2年見かけた覚えないけど、たぶん見かけたら即日アシダカグモかゲジゲジを買いに行ってると思う。
……よくよく考えればアシダカグモやゲジゲジって見た目きもくて怖いのに、想像してもゴキブリと違って寒気がしないな……記憶をなくす前の私ってもしかしてお世話になってたり?
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