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焦って急いでも着地地点は結局同じ、と思ったら大間違いだ 11
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「こっちに帰って来てから一緒に動画を取り始めて綾人に動画編集のやり方教えてもらって。仕事で流れ作業で教えてもらうんじゃなくって、綾人に勉強教えてもらってた時みたいに学ぶ事が楽しいって久しぶりに思ったんだ。
夢中になれたし、コメントで褒められたりしてやりがいを見つけて、綾人と打ち合わせして一緒に何か作り上げる。こんな楽しい事って初めてだったんだ」
今にも泣きそうな顔で必死に訴える様子をじっと見つめ
「だからずっと一緒にやって行くんだって思ってた」
ただゲームする様に遊んでいたつもりだったのにまさかそこまで宮下の中の大部分を占めていたなんて気づきもせず気まずい思いをして視線を反らして考える……までもない。
「だったらいつもみたいにデータ送るから編集してくれるのか?」
「撮影の手伝いできないけどいい?」
まるで幼い子供の仲直りのようなやり取りに失笑。
くつくつと肩を震わして笑う俺に宮下がむっとした顔をするのをみて
「こちらこそお願いします」
丁寧に頭を下げればむっとした顔が慌ててベットから立ち上がるくらい動揺してあたふたするのを見て再度笑えば両の頬を引っ張られて
「あーやーと―……」
涙目で睨まれてしまう。そして痛いと思うも幸せな気分になってしまう。俺の予想通りの行動をとる宮下を可愛いなぁと背中に手を回して子供をあやすようによしよしとポンポンとたたきながら
「頼りにしてるぞ」
「……!」
何か返そうとする言葉が出てこないのか力なく俺の肩に顔を押し付ければ夏の薄い服が水分を含んでいく。
「俺がデータを送る。宮下が編集する。俺がチェックを入れる。お前がアップして、コメントの管理は今までと同じく二人でしよう。
今までと変わらないルーティンだ」
「うん」
環境が酷く変化する事に不安を覚える宮下の恐怖が少しでも減りますようにとゆっくりと肩を推して顔を上げさせる。泣き腫らした不細工な顔にまた笑ってしまえばつられるように笑うこいつを単純だと思いながらもその素直さに救われてきたのは俺の方。今度こそ宮下の成長を応援してやりたいと泣き止むのを待って台所に向えばご飯の準備は終わり、夜食の準備に取りかかると言う気の早い様子には呆れるしかない。
「食べれるか?」
「いつでも食べれますよ」
上島の返答に俺達は席に着く。だけどその前に時間を貰って
「ご飯の前に皆に報告だ。今までお前らの世話の手伝いをして来てくれた宮下が就職する事になって今週末には引っ越しする事になった」
驚きの悲鳴は主に二年生と三年生から。お前ら知ってるくせにわざとらしいだろと思うもよく見ればどこかニヤニヤとしている二年生の様子に何か企んでいるなと理解は出来たから黙って見て置く事にしながら
「だから今回がお前達のお世話が最後になる。
とは言え盆暮れ正月には帰ってくるからその時は宮下商店を訪ねてほしい。
じゃあ宮下から挨拶を」
振られて大げさまでに戸惑うも少し照れた顔を向けて
「高校卒業して就職一年で帰って来て二年ちょっと魚を捌いてきたけど、縁があって急きょ就職する事になりました。
憧れるような大会社ではなく長沢さんの紹介で建具の職人さんの所に弟子入りする形になります。
雇用状態はバイト先の方が良いけど、長沢さんみたいに一生の仕事を手に入れようと思います。そして夢の話しだけど何時か圭斗と一緒に家を作ったりして働ければと思ってます。
綾人の生活が心配だけど、良かったら俺の代わりにたまに見てもらえると嬉しいです」
照れながらも最後までオカン属性は俺の心配をしてくれる優しさに俺まで照れてしまえば
「じゃあ、代表で俺から」
何故か植田が立った。不安しかないと思えば
「先日聞いた急な話なのでこれと言ったお祝いは出来ませんが……」
一つのリボンのついたUSBを渡すのだった。
「ここに居る俺達と、先輩達にも連絡してメッセージを送ってもらいました。宮っちみたいに上手に編集は出来ないけど、俺達からのお祝いと応援メッセージです」
どうぞと掲げて宮下に渡せば今度こそ泣き出してしまい、この夜の晩飯は少しばかりしょっぱいような何とも言えない忘れがたい一時となるのだった。
「じゃあ行って来るね」
宮下商店の前で車に乗ってエンジンを回して窓を開けての出立の挨拶。
「まぁ、気を付けて行って来い」
高校の時とは違う幼馴染の旅立ちに目を赤くする圭斗と、すっかり懐いた陸斗はぼろぼろと涙を零している。うちで宮下のすぐ後ろをひな鳥のように歩く陸斗は短い間でも見慣れた光景で、陸斗は宮下をしっかりと家族のように、そして兄のように慕っているのは聞かないでも判る光景。
「翔太、向こうに着いたら挨拶したいから電話してよ。
あと落ち着いたら一度ご挨拶に伺いたいから連絡するのよ」
「判ったから」
「忘れ物ない?ちゃんとお財布ある?免許は持った?」
「綾人に確認してもらったから大丈夫だって!」
「綾人君なら安心だな」
宮下兄が頷くも高山先生がちゃんとつっこんでくれる。
「お前はいつまで綾人だのみだ……」
呆れる先生だが
「まあ、これで当分お世話する事ないから最後ぐらい大目に見ろよ」
「おんや?それは宮下の飼育係卒業宣言?」
え?と言うように振り向く宮下が一番の反応する。何故にお前がと思いながら
「向こうで可愛い嫁さん見つけてくるかもしれんだろ」
そんな可能性を示すも
「綾人より世話のしがいのある人なんていないのに!」
「それは喜ぶべきか屈辱と言うべきが複雑だな」
先生より世話がかかると言うことかと考えれば嘆きたくもあるが、宮下がこっちに帰ってきてから週の大半は顔を合わせる生活だ。
食べれればいいと言う俺の食生活を改善してくれたのも家は屋根があって壁があって床があれば良い。あと暖もあればなおいい程度にしか身の回りに関心がなかった俺の生活を快適にしてくれたのも宮下だ。
面倒を見ているつもりで面倒を見てもらってたのは俺の方だったなと、バアちゃんが亡くなって俺を支えてくれた宮下の事を思い返していればギョッとした宮下の顔。それは圭斗も先生も。何故かぎゅっと陸斗が背中から抱きついてきて何だと思えば先生が俺の頭をクシャリと撫でる。
「今生の別れじゃないんだから、正月にはまた会える。そんな顔するな」
どんな顔だと思うも開きかけた口をぎゅっと閉ざして、先生の肩に顔を押し付けて……初めて泣いてる事に気がついた。
別に二度と会えないわけじゃない。その気になれば日帰りで会いに行けるのに何をと思うもぼろぼろにやつれて帰ってきた時に見せた安心し切ったあの笑顔。
二度とあんな顔をしません様に、そしてこの選択がそうさせません様にと願いながら
「行ってきます」
その言葉を合図に蕎麦の白い花が咲き乱れる畑の合間を縫う様に去っていく姿を見えなくなるまで見送るのだった。
「行ったな」
先生がもう一度頭を撫でてくれればそのまま背中を押して先生の車に押し詰められる。
「じゃあ宮下さん俺達も帰ります」
「わざわざ翔太の為にありがとうございます」
「教え子がやっと卒業したのですから、見送らせていただいてありがとうございます」
ペコリと頭を下げれば
「俺達も帰ります。また買い物の来ますね」
「圭君も陸君も今日はありがとう」
少し目を赤くした宮下のお袋さんは俺達を少し待たせて
「これ、翔太に持たせた蕎麦の残りだけどよかったらお昼に食べて。翔太の引っ越し先のご挨拶と就職お祝い蕎麦なの」
「ご馳走になります」
珍しい名目のそばを持ってこれから宮下が長い事遊びに来る事の無くなった我が家へと帰れば暫くして内田さんがやってきた。
「今宮下君とすれ違ってね、これから向かう所だって挨拶してくれたんだ」
あの子はいつも丁寧だねと浩太さんが呟きながら一呼吸置いて
「うちの親父、使い古したノミを選別に渡しててさ」
空を仰ぎ見て
「持ち手の所は吉野の親方に作ってもらったいいものだから、一人前になったらあつらえ直せばいつまでも使えるって渡してよ」
それからじっと遠くの山々を睨みつけて
「あれ本当は俺が欲しかったのにっ!!!」
すぐそばにいるために大声では言わないものの悔しそうに吐き出した胸の心の内に寂しさとか溢れ出す思い出とか、そんな綺麗なもので溢れている心が一瞬で凪いでしまう瞬間があると一つ経験を積んだと思うのだった。
夢中になれたし、コメントで褒められたりしてやりがいを見つけて、綾人と打ち合わせして一緒に何か作り上げる。こんな楽しい事って初めてだったんだ」
今にも泣きそうな顔で必死に訴える様子をじっと見つめ
「だからずっと一緒にやって行くんだって思ってた」
ただゲームする様に遊んでいたつもりだったのにまさかそこまで宮下の中の大部分を占めていたなんて気づきもせず気まずい思いをして視線を反らして考える……までもない。
「だったらいつもみたいにデータ送るから編集してくれるのか?」
「撮影の手伝いできないけどいい?」
まるで幼い子供の仲直りのようなやり取りに失笑。
くつくつと肩を震わして笑う俺に宮下がむっとした顔をするのをみて
「こちらこそお願いします」
丁寧に頭を下げればむっとした顔が慌ててベットから立ち上がるくらい動揺してあたふたするのを見て再度笑えば両の頬を引っ張られて
「あーやーと―……」
涙目で睨まれてしまう。そして痛いと思うも幸せな気分になってしまう。俺の予想通りの行動をとる宮下を可愛いなぁと背中に手を回して子供をあやすようによしよしとポンポンとたたきながら
「頼りにしてるぞ」
「……!」
何か返そうとする言葉が出てこないのか力なく俺の肩に顔を押し付ければ夏の薄い服が水分を含んでいく。
「俺がデータを送る。宮下が編集する。俺がチェックを入れる。お前がアップして、コメントの管理は今までと同じく二人でしよう。
今までと変わらないルーティンだ」
「うん」
環境が酷く変化する事に不安を覚える宮下の恐怖が少しでも減りますようにとゆっくりと肩を推して顔を上げさせる。泣き腫らした不細工な顔にまた笑ってしまえばつられるように笑うこいつを単純だと思いながらもその素直さに救われてきたのは俺の方。今度こそ宮下の成長を応援してやりたいと泣き止むのを待って台所に向えばご飯の準備は終わり、夜食の準備に取りかかると言う気の早い様子には呆れるしかない。
「食べれるか?」
「いつでも食べれますよ」
上島の返答に俺達は席に着く。だけどその前に時間を貰って
「ご飯の前に皆に報告だ。今までお前らの世話の手伝いをして来てくれた宮下が就職する事になって今週末には引っ越しする事になった」
驚きの悲鳴は主に二年生と三年生から。お前ら知ってるくせにわざとらしいだろと思うもよく見ればどこかニヤニヤとしている二年生の様子に何か企んでいるなと理解は出来たから黙って見て置く事にしながら
「だから今回がお前達のお世話が最後になる。
とは言え盆暮れ正月には帰ってくるからその時は宮下商店を訪ねてほしい。
じゃあ宮下から挨拶を」
振られて大げさまでに戸惑うも少し照れた顔を向けて
「高校卒業して就職一年で帰って来て二年ちょっと魚を捌いてきたけど、縁があって急きょ就職する事になりました。
憧れるような大会社ではなく長沢さんの紹介で建具の職人さんの所に弟子入りする形になります。
雇用状態はバイト先の方が良いけど、長沢さんみたいに一生の仕事を手に入れようと思います。そして夢の話しだけど何時か圭斗と一緒に家を作ったりして働ければと思ってます。
綾人の生活が心配だけど、良かったら俺の代わりにたまに見てもらえると嬉しいです」
照れながらも最後までオカン属性は俺の心配をしてくれる優しさに俺まで照れてしまえば
「じゃあ、代表で俺から」
何故か植田が立った。不安しかないと思えば
「先日聞いた急な話なのでこれと言ったお祝いは出来ませんが……」
一つのリボンのついたUSBを渡すのだった。
「ここに居る俺達と、先輩達にも連絡してメッセージを送ってもらいました。宮っちみたいに上手に編集は出来ないけど、俺達からのお祝いと応援メッセージです」
どうぞと掲げて宮下に渡せば今度こそ泣き出してしまい、この夜の晩飯は少しばかりしょっぱいような何とも言えない忘れがたい一時となるのだった。
「じゃあ行って来るね」
宮下商店の前で車に乗ってエンジンを回して窓を開けての出立の挨拶。
「まぁ、気を付けて行って来い」
高校の時とは違う幼馴染の旅立ちに目を赤くする圭斗と、すっかり懐いた陸斗はぼろぼろと涙を零している。うちで宮下のすぐ後ろをひな鳥のように歩く陸斗は短い間でも見慣れた光景で、陸斗は宮下をしっかりと家族のように、そして兄のように慕っているのは聞かないでも判る光景。
「翔太、向こうに着いたら挨拶したいから電話してよ。
あと落ち着いたら一度ご挨拶に伺いたいから連絡するのよ」
「判ったから」
「忘れ物ない?ちゃんとお財布ある?免許は持った?」
「綾人に確認してもらったから大丈夫だって!」
「綾人君なら安心だな」
宮下兄が頷くも高山先生がちゃんとつっこんでくれる。
「お前はいつまで綾人だのみだ……」
呆れる先生だが
「まあ、これで当分お世話する事ないから最後ぐらい大目に見ろよ」
「おんや?それは宮下の飼育係卒業宣言?」
え?と言うように振り向く宮下が一番の反応する。何故にお前がと思いながら
「向こうで可愛い嫁さん見つけてくるかもしれんだろ」
そんな可能性を示すも
「綾人より世話のしがいのある人なんていないのに!」
「それは喜ぶべきか屈辱と言うべきが複雑だな」
先生より世話がかかると言うことかと考えれば嘆きたくもあるが、宮下がこっちに帰ってきてから週の大半は顔を合わせる生活だ。
食べれればいいと言う俺の食生活を改善してくれたのも家は屋根があって壁があって床があれば良い。あと暖もあればなおいい程度にしか身の回りに関心がなかった俺の生活を快適にしてくれたのも宮下だ。
面倒を見ているつもりで面倒を見てもらってたのは俺の方だったなと、バアちゃんが亡くなって俺を支えてくれた宮下の事を思い返していればギョッとした宮下の顔。それは圭斗も先生も。何故かぎゅっと陸斗が背中から抱きついてきて何だと思えば先生が俺の頭をクシャリと撫でる。
「今生の別れじゃないんだから、正月にはまた会える。そんな顔するな」
どんな顔だと思うも開きかけた口をぎゅっと閉ざして、先生の肩に顔を押し付けて……初めて泣いてる事に気がついた。
別に二度と会えないわけじゃない。その気になれば日帰りで会いに行けるのに何をと思うもぼろぼろにやつれて帰ってきた時に見せた安心し切ったあの笑顔。
二度とあんな顔をしません様に、そしてこの選択がそうさせません様にと願いながら
「行ってきます」
その言葉を合図に蕎麦の白い花が咲き乱れる畑の合間を縫う様に去っていく姿を見えなくなるまで見送るのだった。
「行ったな」
先生がもう一度頭を撫でてくれればそのまま背中を押して先生の車に押し詰められる。
「じゃあ宮下さん俺達も帰ります」
「わざわざ翔太の為にありがとうございます」
「教え子がやっと卒業したのですから、見送らせていただいてありがとうございます」
ペコリと頭を下げれば
「俺達も帰ります。また買い物の来ますね」
「圭君も陸君も今日はありがとう」
少し目を赤くした宮下のお袋さんは俺達を少し待たせて
「これ、翔太に持たせた蕎麦の残りだけどよかったらお昼に食べて。翔太の引っ越し先のご挨拶と就職お祝い蕎麦なの」
「ご馳走になります」
珍しい名目のそばを持ってこれから宮下が長い事遊びに来る事の無くなった我が家へと帰れば暫くして内田さんがやってきた。
「今宮下君とすれ違ってね、これから向かう所だって挨拶してくれたんだ」
あの子はいつも丁寧だねと浩太さんが呟きながら一呼吸置いて
「うちの親父、使い古したノミを選別に渡しててさ」
空を仰ぎ見て
「持ち手の所は吉野の親方に作ってもらったいいものだから、一人前になったらあつらえ直せばいつまでも使えるって渡してよ」
それからじっと遠くの山々を睨みつけて
「あれ本当は俺が欲しかったのにっ!!!」
すぐそばにいるために大声では言わないものの悔しそうに吐き出した胸の心の内に寂しさとか溢れ出す思い出とか、そんな綺麗なもので溢れている心が一瞬で凪いでしまう瞬間があると一つ経験を積んだと思うのだった。
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