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瞬く星は近く暖かく 1
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あれから一週間、綾人は傷を癒すようにひたすら寝ては起きて食べてうつらうつらと時間を過ごしていた。
内田親子も何も言わずに見守り、圭斗も弁当を持って来て俺に食べさせてくれた。
部屋の中だと気分が沈むからと縁側に布団を敷いて昼間はその上で日がな一日ゴロゴロとしている。
何か言いたげな内田さんだったが、烏骨鶏が縁側に上がり込んで俺の布団の上で一緒に寝たり、うつ伏せで寝ていた俺の背の上で寝たり、俺の隣で卵を産んだり。勘弁してくれと思うも、文句を言えない俺に内田さんはため息をこぼし、先生は貴重な烏骨鶏の卵を俺の目の前で卵かけご飯にして食すのだった。
ちゃんと洗ってから食べろよ。サルモネラ菌ついてるだろうから注意しろよ。
そんな忠告の言葉も今は出せずにただ意味もなく生産性のない時間を過ごすのだった。
そしてその頃、綾人と同じような状況になっている子供がもう一人いた。
「吉野、この点はないだろう」
頑張って勉強して、塾にもいかせてもらって憧れの高校に入学し、成績は平均だけどバスケ部も楽しいし毎日が輝いていた。はずだったのに……
「夏休み明けてからどうした?
どうすればテストを全部無記入0点なんてできる……」
担任も他の先生方も心配してる、何があったと本当に心配してくれていたところに
「部活も来なくなってどうした」
バスケ部の顧問と監督まで担任との話し合いに混ざってきた。
そりゃそうだろう。この学校初めてのテスト放棄だなんて、進学校としてはあり得ないと言いたいのだから。
だけど俺が俯いたまま何も言わずにただ時間を過ごすだけの経過にため息を吐かれた所で
「俺、学校辞めたいです」
小さな叫びに先生達は職員室から校長室へと場所を変え、担任と教頭、校長の三人で椅子に座ってまた時間ばかりすぎる話し合いが始まるのだった。
「つまり、再婚して父親になったと思ってた人は戸籍上も今も赤の他人で、母親が不倫して、元いた父親の家族を追い出してその場所を吉野親子が乗っ取り、元いた母子の母親は一生病院から出れなくて、息子は今も亡くなった祖母の家にいる。育児放棄した挙句に、今の父親だった人とは同居始める前からずっとクリスマスや誕生日を共に過ごしていて……
すごいクズだな?!」
「すごく、いい父親だとおもってたんです」
「その裏の犠牲が凄すぎて何処にもいい父親なんていないな」
「俺は、聞かされるまで全く知らなかったんです」
知らなくて、無邪気に理想の父親に甘えて、その裏で大人になってもあんなに泣き叫ばなくては行けない悲劇があった事なんて想像もしてなくて
「俺の部屋、息子さんの部屋だったそうです。とうさ……あの人が昔使っていたものでよければと用意してくれて。
だけど息子さんが言うには引っ越しするにあたり荷物もろくに持たせてくれなかったって言ってて、取りに行くって言われたけど、そんな荷物なんて見た事も無くって……」
ぼろぼろと涙の溢れる俺に校長は優しく肩を叩いてくれながら
「吉野君、君も十分被害者だ。
当時は小学生だったか?
小学生の子供に一体何ができる。何を知って何を理解できる」
「だけど、俺が受けた優しさは本当ならあの人が受けるべきもので、どうすれば許してもらえるかなんてわからなくて!
それなのに息子さんの言う事なんて忘れればいいだなんて!あんな人達と一緒に暮らすなんてもう嫌だっ!!!」
そんな子供の悲鳴に教師達は顔を見合わせる。
ろくに寝れてないのか目の下はくまが濃く出ており、いつもは短く切り揃えられた髪もやや伸び気味で。制服のズボンも新学期始まったばかりだと言うのにしわくちゃで。
ちゃんと食事が取れてないのか夏休み前の印象から一回り小さくなった気もした悠司の姿を見て
「だったら学校の寮に住みませんか?」
校長は提案する。
部活の合宿の為にある部屋に緊急避難しなさいと。
生みの父親の所在は判らず、母親の実家では連れ戻されるだろう。
こういったプライドだけ高い人間なら絶対卒のない行動を取るだろうし、父親の支配下に置かれた母親は自分の子供とは言え言う事を聞かない子供はもう必要ないと言うのだろう。
「だけど俺金なんてないから……」
その言葉に先生も頭を傾ける。
「あの人が言ってたんです。
息子さんですね。名前、覚えれなくて。
その人が言うにはマンションを担保に借金してるって。既に限度額まで借りて返済不可能な金額だって言ってて。
夜あいつと母さん怒鳴りあってたんです。母さんが俺の為に貯めた大学の資金とか老後の貯蓄だとかあいつが全部返済に使ってたんです。なので高校の授業料もないって言ってて……」
「それはもう犯罪だろ!」
教頭先生ですら悲鳴のような声を上げていた。
「だとすると、先生達はあまりお役に立てないかもしれません」
校長先生は両手で顔を覆ってどうしてこんなことにと少し泣き声をこぼし
「お母さんのご実家と連絡は取れますか?」
その言葉に促されてスマホを取り出して電話番号を教え、校長室から電話をかけるのだった。
「悠司!」
既に外は真っ暗となり、学校もこの校長室以外どこも電気はついていない。
そんな中よほど急いで来てくれたのだろう。お出かけ用のお気に入りの鞄ではなく普段よく使っていたような鞄と靴だった。新幹線でいくつも駅を過ぎた先の港町なのに化粧っ気のない姿で駆けつけてくれたお婆ちゃんといつも仕事の後はお酒を飲んで赤ら顔になってる陽気なお爺ちゃんは血の気の引いた顔をして二人して俺を抱きしめてくれて、お婆ちゃんとお爺ちゃんの顔を見て安心した俺は二人を抱きしめてただ声を上げて泣きじゃくるのだった。
「娘は確かにお付き合いしてる人がいると、結婚もいつかはしたいと話してましたが……
まさかそんな男だったとは……」
俺の代わりに校長先生が話をしてくれれば二人とも驚きに顔を真っ青にしていた。
「学校としてはすぐに親から離した方がいいと思いましたが……」
「私立の学校だなんて……」
とっくに子育てを終えた老夫婦にそこまで余裕はない。悠司だってそこは理解している。入学願書一式の中に入ってあった授業料の金額に目を見張ったぐらいだ。
東京の綺麗なオートロックのマンションに暮らすのでさえ、その前に住んでいた築四十年の公営団地に比べたら夢のような快適さに目眩を覚えながら憧れの私学に行けるってどれだけ幸運なんだよと興奮した時もあったのに。
銀行員とは言えただのサラリーマンだ。課長になったと言っていたがそこまで給料はあるわけはない。
見栄とプライドの男の皮を剥いだらただのガキがそのまま大人になっただけのクズだなんて誰が見抜けると言うのだ。
こんな時間になっても、着の身着のままで駆けつけてくれたお婆ちゃんお爺ちゃんの為にも俺はここで決意しなくては行けない。
「お願い。俺お爺ちゃんの家に行きたい。学校辞めて、できたら高校の卒業の資格はだけ欲しい。お母さんともう一緒に居たくないんだ!
だから一緒に俺を連れてってよ!」
憧れた学校と誇らしげに纏う制服。
夢なんてもう見ないと言うように縋りついてお爺ちゃんに懇願してしまう。
「ああ、もちろん連れて帰るぞ。
学校は地元の学校に行けばいい。私立と違って今なら授業料はタダらしいから。それぐらいの蓄えはちゃーんとある……安心して勉強すると良い」
「おじいちゃん、ありがとう……」
肩に顔を押し付けて涙の止まらない孫の頭を何度も撫でる祖父母の二人は今も親の顔で
「先生方、悪いが転校させて下さい。
悠司を娘の側に置いておくことができないので連れて行きます」
「行政の問題が起きるかもしれませんよ?」
「大丈夫でしょう!
そこまで借金こさえてればこっちの事なんて手が回らないでしょう」
かかかと笑う陽気な、でも湿っぽい笑い声にまるでこうなる事がわかっていたと言うように準備されていた書類を一式説明を受けてから封筒に入れてもらったものを受け取り
「後必要な物があればこちらの番号に電話を下さい。
すぐに郵送します」
「何から何までありがとうございます」
深く頭を下げるお爺ちゃんとお婆ちゃんを見習うように俺も体が二つ折りになるくらいあたまをさげる。
「クラスの連中には先生の方から、そうだな……
両親が二人とも転勤になって一人で置いておくのは不安だから祖父母の家に行く事になったと説明しておくから。
LIMEで連絡が来ても本当の事は言うな。何がきっかけで揶揄われるかなんて理不尽だからな」
「お願いします」
「悠司」
今度はバスケ部の顧問が俺の頭に手を置いて
「バスケ絶対やめるなよ。ひょっとしたら全国大会で会えるかも知れないからな」
「だったらこの弱小校を強くして下さい」
「それを言うか!」
ぐすりと鼻を啜る先生に
「いつかまた会いたいです」
「だったら教師になって俺と一緒にバスケ部をやろう!
学校には来れなくなっても教師になってまたこの学校に来い!」
「先生!」
先生に強く抱きしめられて
「絶対腐るんじゃないぞ!」
「はいっ!」
そんな約束を最後に迎えに来たタクシーの到着とともに着の身着のまま俺は新幹線に乗ってお爺ちゃんとお婆ちゃんの家に行き、何も知らない老いた番犬のイチゴから容赦ない大歓迎を受けるのだった。
内田親子も何も言わずに見守り、圭斗も弁当を持って来て俺に食べさせてくれた。
部屋の中だと気分が沈むからと縁側に布団を敷いて昼間はその上で日がな一日ゴロゴロとしている。
何か言いたげな内田さんだったが、烏骨鶏が縁側に上がり込んで俺の布団の上で一緒に寝たり、うつ伏せで寝ていた俺の背の上で寝たり、俺の隣で卵を産んだり。勘弁してくれと思うも、文句を言えない俺に内田さんはため息をこぼし、先生は貴重な烏骨鶏の卵を俺の目の前で卵かけご飯にして食すのだった。
ちゃんと洗ってから食べろよ。サルモネラ菌ついてるだろうから注意しろよ。
そんな忠告の言葉も今は出せずにただ意味もなく生産性のない時間を過ごすのだった。
そしてその頃、綾人と同じような状況になっている子供がもう一人いた。
「吉野、この点はないだろう」
頑張って勉強して、塾にもいかせてもらって憧れの高校に入学し、成績は平均だけどバスケ部も楽しいし毎日が輝いていた。はずだったのに……
「夏休み明けてからどうした?
どうすればテストを全部無記入0点なんてできる……」
担任も他の先生方も心配してる、何があったと本当に心配してくれていたところに
「部活も来なくなってどうした」
バスケ部の顧問と監督まで担任との話し合いに混ざってきた。
そりゃそうだろう。この学校初めてのテスト放棄だなんて、進学校としてはあり得ないと言いたいのだから。
だけど俺が俯いたまま何も言わずにただ時間を過ごすだけの経過にため息を吐かれた所で
「俺、学校辞めたいです」
小さな叫びに先生達は職員室から校長室へと場所を変え、担任と教頭、校長の三人で椅子に座ってまた時間ばかりすぎる話し合いが始まるのだった。
「つまり、再婚して父親になったと思ってた人は戸籍上も今も赤の他人で、母親が不倫して、元いた父親の家族を追い出してその場所を吉野親子が乗っ取り、元いた母子の母親は一生病院から出れなくて、息子は今も亡くなった祖母の家にいる。育児放棄した挙句に、今の父親だった人とは同居始める前からずっとクリスマスや誕生日を共に過ごしていて……
すごいクズだな?!」
「すごく、いい父親だとおもってたんです」
「その裏の犠牲が凄すぎて何処にもいい父親なんていないな」
「俺は、聞かされるまで全く知らなかったんです」
知らなくて、無邪気に理想の父親に甘えて、その裏で大人になってもあんなに泣き叫ばなくては行けない悲劇があった事なんて想像もしてなくて
「俺の部屋、息子さんの部屋だったそうです。とうさ……あの人が昔使っていたものでよければと用意してくれて。
だけど息子さんが言うには引っ越しするにあたり荷物もろくに持たせてくれなかったって言ってて、取りに行くって言われたけど、そんな荷物なんて見た事も無くって……」
ぼろぼろと涙の溢れる俺に校長は優しく肩を叩いてくれながら
「吉野君、君も十分被害者だ。
当時は小学生だったか?
小学生の子供に一体何ができる。何を知って何を理解できる」
「だけど、俺が受けた優しさは本当ならあの人が受けるべきもので、どうすれば許してもらえるかなんてわからなくて!
それなのに息子さんの言う事なんて忘れればいいだなんて!あんな人達と一緒に暮らすなんてもう嫌だっ!!!」
そんな子供の悲鳴に教師達は顔を見合わせる。
ろくに寝れてないのか目の下はくまが濃く出ており、いつもは短く切り揃えられた髪もやや伸び気味で。制服のズボンも新学期始まったばかりだと言うのにしわくちゃで。
ちゃんと食事が取れてないのか夏休み前の印象から一回り小さくなった気もした悠司の姿を見て
「だったら学校の寮に住みませんか?」
校長は提案する。
部活の合宿の為にある部屋に緊急避難しなさいと。
生みの父親の所在は判らず、母親の実家では連れ戻されるだろう。
こういったプライドだけ高い人間なら絶対卒のない行動を取るだろうし、父親の支配下に置かれた母親は自分の子供とは言え言う事を聞かない子供はもう必要ないと言うのだろう。
「だけど俺金なんてないから……」
その言葉に先生も頭を傾ける。
「あの人が言ってたんです。
息子さんですね。名前、覚えれなくて。
その人が言うにはマンションを担保に借金してるって。既に限度額まで借りて返済不可能な金額だって言ってて。
夜あいつと母さん怒鳴りあってたんです。母さんが俺の為に貯めた大学の資金とか老後の貯蓄だとかあいつが全部返済に使ってたんです。なので高校の授業料もないって言ってて……」
「それはもう犯罪だろ!」
教頭先生ですら悲鳴のような声を上げていた。
「だとすると、先生達はあまりお役に立てないかもしれません」
校長先生は両手で顔を覆ってどうしてこんなことにと少し泣き声をこぼし
「お母さんのご実家と連絡は取れますか?」
その言葉に促されてスマホを取り出して電話番号を教え、校長室から電話をかけるのだった。
「悠司!」
既に外は真っ暗となり、学校もこの校長室以外どこも電気はついていない。
そんな中よほど急いで来てくれたのだろう。お出かけ用のお気に入りの鞄ではなく普段よく使っていたような鞄と靴だった。新幹線でいくつも駅を過ぎた先の港町なのに化粧っ気のない姿で駆けつけてくれたお婆ちゃんといつも仕事の後はお酒を飲んで赤ら顔になってる陽気なお爺ちゃんは血の気の引いた顔をして二人して俺を抱きしめてくれて、お婆ちゃんとお爺ちゃんの顔を見て安心した俺は二人を抱きしめてただ声を上げて泣きじゃくるのだった。
「娘は確かにお付き合いしてる人がいると、結婚もいつかはしたいと話してましたが……
まさかそんな男だったとは……」
俺の代わりに校長先生が話をしてくれれば二人とも驚きに顔を真っ青にしていた。
「学校としてはすぐに親から離した方がいいと思いましたが……」
「私立の学校だなんて……」
とっくに子育てを終えた老夫婦にそこまで余裕はない。悠司だってそこは理解している。入学願書一式の中に入ってあった授業料の金額に目を見張ったぐらいだ。
東京の綺麗なオートロックのマンションに暮らすのでさえ、その前に住んでいた築四十年の公営団地に比べたら夢のような快適さに目眩を覚えながら憧れの私学に行けるってどれだけ幸運なんだよと興奮した時もあったのに。
銀行員とは言えただのサラリーマンだ。課長になったと言っていたがそこまで給料はあるわけはない。
見栄とプライドの男の皮を剥いだらただのガキがそのまま大人になっただけのクズだなんて誰が見抜けると言うのだ。
こんな時間になっても、着の身着のままで駆けつけてくれたお婆ちゃんお爺ちゃんの為にも俺はここで決意しなくては行けない。
「お願い。俺お爺ちゃんの家に行きたい。学校辞めて、できたら高校の卒業の資格はだけ欲しい。お母さんともう一緒に居たくないんだ!
だから一緒に俺を連れてってよ!」
憧れた学校と誇らしげに纏う制服。
夢なんてもう見ないと言うように縋りついてお爺ちゃんに懇願してしまう。
「ああ、もちろん連れて帰るぞ。
学校は地元の学校に行けばいい。私立と違って今なら授業料はタダらしいから。それぐらいの蓄えはちゃーんとある……安心して勉強すると良い」
「おじいちゃん、ありがとう……」
肩に顔を押し付けて涙の止まらない孫の頭を何度も撫でる祖父母の二人は今も親の顔で
「先生方、悪いが転校させて下さい。
悠司を娘の側に置いておくことができないので連れて行きます」
「行政の問題が起きるかもしれませんよ?」
「大丈夫でしょう!
そこまで借金こさえてればこっちの事なんて手が回らないでしょう」
かかかと笑う陽気な、でも湿っぽい笑い声にまるでこうなる事がわかっていたと言うように準備されていた書類を一式説明を受けてから封筒に入れてもらったものを受け取り
「後必要な物があればこちらの番号に電話を下さい。
すぐに郵送します」
「何から何までありがとうございます」
深く頭を下げるお爺ちゃんとお婆ちゃんを見習うように俺も体が二つ折りになるくらいあたまをさげる。
「クラスの連中には先生の方から、そうだな……
両親が二人とも転勤になって一人で置いておくのは不安だから祖父母の家に行く事になったと説明しておくから。
LIMEで連絡が来ても本当の事は言うな。何がきっかけで揶揄われるかなんて理不尽だからな」
「お願いします」
「悠司」
今度はバスケ部の顧問が俺の頭に手を置いて
「バスケ絶対やめるなよ。ひょっとしたら全国大会で会えるかも知れないからな」
「だったらこの弱小校を強くして下さい」
「それを言うか!」
ぐすりと鼻を啜る先生に
「いつかまた会いたいです」
「だったら教師になって俺と一緒にバスケ部をやろう!
学校には来れなくなっても教師になってまたこの学校に来い!」
「先生!」
先生に強く抱きしめられて
「絶対腐るんじゃないぞ!」
「はいっ!」
そんな約束を最後に迎えに来たタクシーの到着とともに着の身着のまま俺は新幹線に乗ってお爺ちゃんとお婆ちゃんの家に行き、何も知らない老いた番犬のイチゴから容赦ない大歓迎を受けるのだった。
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