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これもまた山暮しのお約束 1
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賑やかな飯田親子が去った朝は太陽が黄色かった。二日酔いならぬパソコンのモニターでトドメを刺された俺は結局一睡もできずにゴミ箱を抱えてゲロっていた。
はい。普通に呑みすぎました。
二人が水を飲むように呑むから気付かないうちにペースを乱されて結構な量を呑んでいたのだろう。
朝のふさわしい爽やかな笑みを浮かべる飯田親子をぼーっと眺めてしまう。なんであれだけ呑んで元気なんだと味噌汁を啜る朝食光景はもう我が家ではなく飯田家だと錯覚してしまっていた。
「綾人さんおはよう。ご飯食べられる?ほうれん草とお揚げさんのお味噌汁と薫が烏骨鶏の卵を取ってきてくれたから主人が出汁巻きを作ってくれたの。薫ったら父さん酷いって朝から泣いててね。面白かったわあ」
「母さんいちいち言わなくていいです」
むすっとする飯田さんからは昨夜あれだけ呑んだ気配はかけらもない。
朝食を食べ終わったのか茗荷の味噌漬けを見つけたお父様はそれをお茶請けにお茶を啜っていた。飯田さん、うちの冷蔵庫事情説明し過ぎです。別にいいけど。
そんな朝の光景を見ながら
「すみません。朝食はお昼に頂きます」
謝れば土間を開けた扉から烏骨鶏が覗きこんでいて
「烏骨鶏ありがとうございます」
お椀から口を離した飯田さんが
「水門も開けておきました。そろそろしめてもいいかも」
時計を見れば普段からはありえない時間で、一睡もできなかったと思っていたけどどうやらしっかりと寝ていたようだった。
「アルコール抜くのに少し散歩してきます」
の前に二日酔いの薬を飲む。吐き気はまだ微妙だが頭痛は頭が働かないから何もする気も起きない。お客様が来たのに、そのお客様に潰されたんだけど流石にみっともないと少し体を動かす事にする。
俺が出てきた事で烏骨鶏がたかりに来たのを見て人生の絶望の中にいると錯覚するくらいの体調の悪さの中にいる俺はそんな烏骨鶏達に愛されている。なんて可愛いんだろうと烏骨鶏ハウスからミルワームを盛大にばら撒くのだった。
あ、ばら撒き過ぎた。
だけど乾燥してるから成長しないしいいかと迫り来る烏骨鶏達から逃げるようにして水門に向かい水門を下ろす。
ヒヤリとした空気と朝露に濡れて澄んだ緑の濃い山の空気を吸い込みながら近くの岩に座って溜息を吐く。
二日酔いしんどい。
こればかりは何度味わっても慣れないし、もう二度と同じことは繰り返さないと決めていたのに
「学習能力ないな俺」
再度溜息を吐けば
「大丈夫ですか?」
飯田さんが様子を見に来てくれた。
「今の所早く薬が効いてくれって願っている所」
情けなくって笑ってしまえば
「二日酔いにさせてしまったのに帰るなんて申し訳なくて」
謝りに来てくれたのだろう。
しゅんと垂れたイヌミミとイヌシッポが想像できる大型犬ってヤバカワだろうと本物の犬なら撫でてやるところを俺より高い身長にぐっと我慢をする。
「京都まで車なんでしょ?平日はトラック多いから気をつけてよ?」
「はい。少し休憩して東京に帰る予定なのでゆっくり行きますよ」
「相変わらずすごい体力だな」
「楽しい事には全力でをモットーにしてますので」
と言いながらも情けない顔をして俺が座る岩の別の場所にもたれかかって
「俺、父が鶏を捌けるのを知りませんでした」
?
料理人なら捌けるのではと思っていれば
「烏骨鶏捌くのを見て、すごくて慣れてました」
「あー、鳥の首捻るの、慣れてたな……」
気づかれる事なく躊躇わず、顔を見ずに一瞬で。
俺だって一瞬躊躇うし、締めると決めた日は烏骨鶏が近寄ってこない程度に警戒される空気をこぼしている。
「昔鶏を飼っていて、そこから料理が始まったって言ってました。今でこそ肉の流通が安定したから養鶏はやめてしまったと言ってましたが……
昔の話過ぎて話した事なかったなってご飯を食べながら言うんですよ?
フランス行ってジビエ学んだ俺ってなんだよって……かっこ悪すぎだろ。
しかも出刃一本で仕事しやがって。久しぶりだとか言ったくせに俺より綺麗に捌きやがって……」
はあ、とこちらも溜息をこぼす。
そして
「まだまだ精進ですね」
力ない笑みの反省と
「超えてやる……」
ぽそりとこぼれ落ちた本音が飯田薫の内に秘めた原動力。
越えるべき壁が目の前にあって、越えるべき目標が確かにあって、だけど目標とするべき壁は果てしない強敵。
「応援してますよ」
まだ模索中の俺は頑張れと飯田さんの背を叩いて喝を入れる。
「当然!俺には別宅のキッチンがありますからね」
ふんと気合を入れて見に行って良いか確認をとって一緒に見に行く事になった。
まだ湿っぽい土の匂いと冷蔵庫のモーター音。新しい襖と障子の貼られた建具に新しい床と真っ白な漆喰の壁。書院作りの床の間に磨き上げられた大黒柱。
「なんかここを住居にしたくなるなあ」
住み慣れた家もいいが新しい家もまた良い。何よりまだ二階は工事中だが室内の窓から土間を見る光景は主屋にはない景色でお気に入りだ。
「将来的にここに住み着いてもいいかも」
何やらキッチンを確認して回る飯田さんを上から眺めていればお父さんがやってきた。
「ここに居たか。そろそろ失礼しよう。綾人君はどこに?」
「ここに居ます。直ぐにおりますので」
記憶よりも緩やかになって昇り降りしやすくなった階段は抜けそうな不安はもうない。板の間を横切って土間へと向かえばお母様までやって来ていた。
「薫は目を離すとすぐここに入り浸るのだから」
呆れた顔はどこか少しだけ羨ましそうでキョロキョロと視線を走らせて
「やっぱり素敵ね。
母屋の二階にあった花器で花を生けたり、山水画の掛け軸を掛けるのも素敵だわ。渋い香炉もあったからお香を焚くのも良いわ。伽羅と丁子のお気に入りの香りがあるの。是非試してみて」
「お香はちょっと……
お線香ぐらいしかわからなくて……」
しかもスーパーでも売ってるCMでお馴染みの奴。
「だったら是非お婆さまに贈らせて?
京都にはそう言ったお店がいっぱいあるからお線香から入れば難しくはないわ。
好きな香り苦手な香りはそれぞれですもの。せっかくなら楽しまなくちゃ」
ウキウキと話を進めるお母様を飯田さん父子は止める気はないらしい。と言うか止められないのですね。
この二日間でしっかりと学びました。
止めれないと。
その間に二人は荷物を車に詰めて、お母様は庭の木の椿や山茶花を一枝飾るだけでぐっと雰囲気が良くなるからと俺に侘び寂びの世界を教えてくれる。俺の知らない世界を止まる事なく説明するお母様はまるで教師のようで。
「今度勉強してみます。それよりも薫さん達が待ってますよ」
「あらやだ。私ったら夢中になり過ぎ」
少女のように笑って最後に三人揃って並んで
「今回は突然の訪問にも関わらず本当に世話になった。昔を思い出させてくれて随分と……懐かしかった。まだこう言う時間が止まったままの家に触れることができて感謝する」
そう言いながらも家に向かって頭を下げるあたりジイちゃんとバアちゃんに頭を下げているようで、本当に守ってきたのは俺ではなくてわかってるじゃんと誇らしげになってしまう。
「良かったらまた遊びに来てください。不便でなにも無い所ですけど」
言えば父さんは遠慮して下さいと言う飯田さんに笑ってしまうも
「お披露目のお祝いの席に呼んでもらえれば十分。私も薫にはくれてやらんお気に入りの場所があるからな」
店の事だろう。人生の大半を過ごした調理場はまだまだ譲る気のない城なのだろう。
「それよりも今度は綾人が遊びに来なさい。薫と一緒にこれば緊張することもないだろう」
「青山さんの店でも緊張するのに?」
「何、綾人にはこれが相手をするから気楽に来るといい」
「それ、一番油断できない言葉」
言えば飯田さんが吹き出して笑っていた。
「それよりもこんなにたくさんお土産もらっていいのかしら?」
トランクにはとれたての野菜達が詰まっている。その量を見て本当に良いのかと不安げなお母さんに
「飯田さんならいつももっとたくさん持って帰ってるので大丈夫ですよ。素人が作った野菜なので不恰好ですが、良かったらご自宅で試してみて下さい」
「薫、車の中で少しお話ししましょうね」
にっこりとした眩しい笑顔に大型犬がこれ以上とないくらい小さくなる姿を見た気がして、どれだけ大きくなろうともお母さんには敵わないと言う姿を見て俺も笑うのだった。
「では来週楽しみにしてます」
「飯田さんも気をつけて」
いつもと同じ挨拶を交わして下界に向かって走っていく車を見送るのだった。
はい。普通に呑みすぎました。
二人が水を飲むように呑むから気付かないうちにペースを乱されて結構な量を呑んでいたのだろう。
朝のふさわしい爽やかな笑みを浮かべる飯田親子をぼーっと眺めてしまう。なんであれだけ呑んで元気なんだと味噌汁を啜る朝食光景はもう我が家ではなく飯田家だと錯覚してしまっていた。
「綾人さんおはよう。ご飯食べられる?ほうれん草とお揚げさんのお味噌汁と薫が烏骨鶏の卵を取ってきてくれたから主人が出汁巻きを作ってくれたの。薫ったら父さん酷いって朝から泣いててね。面白かったわあ」
「母さんいちいち言わなくていいです」
むすっとする飯田さんからは昨夜あれだけ呑んだ気配はかけらもない。
朝食を食べ終わったのか茗荷の味噌漬けを見つけたお父様はそれをお茶請けにお茶を啜っていた。飯田さん、うちの冷蔵庫事情説明し過ぎです。別にいいけど。
そんな朝の光景を見ながら
「すみません。朝食はお昼に頂きます」
謝れば土間を開けた扉から烏骨鶏が覗きこんでいて
「烏骨鶏ありがとうございます」
お椀から口を離した飯田さんが
「水門も開けておきました。そろそろしめてもいいかも」
時計を見れば普段からはありえない時間で、一睡もできなかったと思っていたけどどうやらしっかりと寝ていたようだった。
「アルコール抜くのに少し散歩してきます」
の前に二日酔いの薬を飲む。吐き気はまだ微妙だが頭痛は頭が働かないから何もする気も起きない。お客様が来たのに、そのお客様に潰されたんだけど流石にみっともないと少し体を動かす事にする。
俺が出てきた事で烏骨鶏がたかりに来たのを見て人生の絶望の中にいると錯覚するくらいの体調の悪さの中にいる俺はそんな烏骨鶏達に愛されている。なんて可愛いんだろうと烏骨鶏ハウスからミルワームを盛大にばら撒くのだった。
あ、ばら撒き過ぎた。
だけど乾燥してるから成長しないしいいかと迫り来る烏骨鶏達から逃げるようにして水門に向かい水門を下ろす。
ヒヤリとした空気と朝露に濡れて澄んだ緑の濃い山の空気を吸い込みながら近くの岩に座って溜息を吐く。
二日酔いしんどい。
こればかりは何度味わっても慣れないし、もう二度と同じことは繰り返さないと決めていたのに
「学習能力ないな俺」
再度溜息を吐けば
「大丈夫ですか?」
飯田さんが様子を見に来てくれた。
「今の所早く薬が効いてくれって願っている所」
情けなくって笑ってしまえば
「二日酔いにさせてしまったのに帰るなんて申し訳なくて」
謝りに来てくれたのだろう。
しゅんと垂れたイヌミミとイヌシッポが想像できる大型犬ってヤバカワだろうと本物の犬なら撫でてやるところを俺より高い身長にぐっと我慢をする。
「京都まで車なんでしょ?平日はトラック多いから気をつけてよ?」
「はい。少し休憩して東京に帰る予定なのでゆっくり行きますよ」
「相変わらずすごい体力だな」
「楽しい事には全力でをモットーにしてますので」
と言いながらも情けない顔をして俺が座る岩の別の場所にもたれかかって
「俺、父が鶏を捌けるのを知りませんでした」
?
料理人なら捌けるのではと思っていれば
「烏骨鶏捌くのを見て、すごくて慣れてました」
「あー、鳥の首捻るの、慣れてたな……」
気づかれる事なく躊躇わず、顔を見ずに一瞬で。
俺だって一瞬躊躇うし、締めると決めた日は烏骨鶏が近寄ってこない程度に警戒される空気をこぼしている。
「昔鶏を飼っていて、そこから料理が始まったって言ってました。今でこそ肉の流通が安定したから養鶏はやめてしまったと言ってましたが……
昔の話過ぎて話した事なかったなってご飯を食べながら言うんですよ?
フランス行ってジビエ学んだ俺ってなんだよって……かっこ悪すぎだろ。
しかも出刃一本で仕事しやがって。久しぶりだとか言ったくせに俺より綺麗に捌きやがって……」
はあ、とこちらも溜息をこぼす。
そして
「まだまだ精進ですね」
力ない笑みの反省と
「超えてやる……」
ぽそりとこぼれ落ちた本音が飯田薫の内に秘めた原動力。
越えるべき壁が目の前にあって、越えるべき目標が確かにあって、だけど目標とするべき壁は果てしない強敵。
「応援してますよ」
まだ模索中の俺は頑張れと飯田さんの背を叩いて喝を入れる。
「当然!俺には別宅のキッチンがありますからね」
ふんと気合を入れて見に行って良いか確認をとって一緒に見に行く事になった。
まだ湿っぽい土の匂いと冷蔵庫のモーター音。新しい襖と障子の貼られた建具に新しい床と真っ白な漆喰の壁。書院作りの床の間に磨き上げられた大黒柱。
「なんかここを住居にしたくなるなあ」
住み慣れた家もいいが新しい家もまた良い。何よりまだ二階は工事中だが室内の窓から土間を見る光景は主屋にはない景色でお気に入りだ。
「将来的にここに住み着いてもいいかも」
何やらキッチンを確認して回る飯田さんを上から眺めていればお父さんがやってきた。
「ここに居たか。そろそろ失礼しよう。綾人君はどこに?」
「ここに居ます。直ぐにおりますので」
記憶よりも緩やかになって昇り降りしやすくなった階段は抜けそうな不安はもうない。板の間を横切って土間へと向かえばお母様までやって来ていた。
「薫は目を離すとすぐここに入り浸るのだから」
呆れた顔はどこか少しだけ羨ましそうでキョロキョロと視線を走らせて
「やっぱり素敵ね。
母屋の二階にあった花器で花を生けたり、山水画の掛け軸を掛けるのも素敵だわ。渋い香炉もあったからお香を焚くのも良いわ。伽羅と丁子のお気に入りの香りがあるの。是非試してみて」
「お香はちょっと……
お線香ぐらいしかわからなくて……」
しかもスーパーでも売ってるCMでお馴染みの奴。
「だったら是非お婆さまに贈らせて?
京都にはそう言ったお店がいっぱいあるからお線香から入れば難しくはないわ。
好きな香り苦手な香りはそれぞれですもの。せっかくなら楽しまなくちゃ」
ウキウキと話を進めるお母様を飯田さん父子は止める気はないらしい。と言うか止められないのですね。
この二日間でしっかりと学びました。
止めれないと。
その間に二人は荷物を車に詰めて、お母様は庭の木の椿や山茶花を一枝飾るだけでぐっと雰囲気が良くなるからと俺に侘び寂びの世界を教えてくれる。俺の知らない世界を止まる事なく説明するお母様はまるで教師のようで。
「今度勉強してみます。それよりも薫さん達が待ってますよ」
「あらやだ。私ったら夢中になり過ぎ」
少女のように笑って最後に三人揃って並んで
「今回は突然の訪問にも関わらず本当に世話になった。昔を思い出させてくれて随分と……懐かしかった。まだこう言う時間が止まったままの家に触れることができて感謝する」
そう言いながらも家に向かって頭を下げるあたりジイちゃんとバアちゃんに頭を下げているようで、本当に守ってきたのは俺ではなくてわかってるじゃんと誇らしげになってしまう。
「良かったらまた遊びに来てください。不便でなにも無い所ですけど」
言えば父さんは遠慮して下さいと言う飯田さんに笑ってしまうも
「お披露目のお祝いの席に呼んでもらえれば十分。私も薫にはくれてやらんお気に入りの場所があるからな」
店の事だろう。人生の大半を過ごした調理場はまだまだ譲る気のない城なのだろう。
「それよりも今度は綾人が遊びに来なさい。薫と一緒にこれば緊張することもないだろう」
「青山さんの店でも緊張するのに?」
「何、綾人にはこれが相手をするから気楽に来るといい」
「それ、一番油断できない言葉」
言えば飯田さんが吹き出して笑っていた。
「それよりもこんなにたくさんお土産もらっていいのかしら?」
トランクにはとれたての野菜達が詰まっている。その量を見て本当に良いのかと不安げなお母さんに
「飯田さんならいつももっとたくさん持って帰ってるので大丈夫ですよ。素人が作った野菜なので不恰好ですが、良かったらご自宅で試してみて下さい」
「薫、車の中で少しお話ししましょうね」
にっこりとした眩しい笑顔に大型犬がこれ以上とないくらい小さくなる姿を見た気がして、どれだけ大きくなろうともお母さんには敵わないと言う姿を見て俺も笑うのだった。
「では来週楽しみにしてます」
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