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心は広く持ちたいと言う事を願っております 8
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埒の明かない人材問題に頭を悩ませているうちに眠ってしまい、そして朝を迎えた。食堂から近いからベーコンの焼ける匂いにふらふらと自然に足が向かえば既に圭斗と陸斗、そしてオリヴィエが席についていて朝ごはんを食べていた。
「宮下おはよう。良く寝たな」
既に食べ終えようとしていた圭斗が最後の一口のスープを飲んで食器を洗い場まで持っていく。
空いた席に座ればすぐに朝食を用意してくれたので慌てて手伝っていれば鍋でボイルされているソーセージは何だか大きくて一本あれば十分というサイズに驚き、既に取り皿に取り分けられているスクランブルエッグにはカリカリのベーコンが添えられていた。匂いの正体はこれかと納得をしながら小さくカットされた野菜の入ったスープを貰い、後はテーブルに置かれたパンは食べたいだけ食べると言う様になっているらしい。
「オリヴィエから聞いたんだけど、このパンをスープに浸してチーズをかけてレンジでチンすると美味しいんだ」
なるほど?だからスープにパンが立っているのかと、とろとろになってしまったパンとスープを至福そうに食べる二人に俺も真似させてもらう。
そんな朝食の場にはすぐに岡野親子もやってきて、その腕の中には目が覚めてご機嫌の小さな凛ちゃんは俺達の顔を見たとたんに母親の胸にぺたりとしがみ付いた。
「おはようございます。遅くなってすみません」
「おはようございます」
二人が現れればすぐにオリオールが離乳食を用意してくれてまずは子供にと食べさせるのを俺達も眺めていた。
机に手をついて椅子に座る母親の足の上でつかまり立ちをし、口を開けて催促する様子は軒先に巣をつくるツバメの子供のようだった。
「すごい食欲だな」
俺でなくても感心してしまう食欲に
「小さくってもご飯の美味しいとかは判るみたいなの。
一応ベビーフードのレトルトとか持って来たけど凛ったらオリオールさんのご飯食べだしたらすっごい食い付きがよくってね」
口の端から涎と共に離乳食も溢れていて大変な事になっている顔を綺麗に拭いながらも幸せそうにご飯を食べる子供をにこにこと見守る父親は離乳食でべとべとになった手で顔を触られてもにこにことしていて、父強い。確かにこれは早々真似できないと感心するしかなかった。
賑やかで子供が満足して食べ終えるまで母親は満足に食事が出来ないけど岡野家では父親は子供が食べ終えるのを待って奥さんと一緒に食べるスタイルのようで、やがて満足した子供は口に食べ物を運んでもベーと言う様に舌で押し出した所で食事は終わった。ちなみに最初オリオールが用意した量では足りなくておかわりと言う食いっぷり。
オリオールはこの時ばかりはシェフの顔がどこかに行ったように一人の祖父と言う様ににこにこと「んーま」と喃語でご機嫌に語りかける凛ちゃんをオリオールはひょいと抱っこをして細長いビスケットみたいなものを持たせていた。
「オリオールが面倒を見ているので今のうちにご飯を食べてください」
飯田さんがささっと給仕を始めればおはようとリヴェットとオラスもやってきた。
二人はオリオールが子供を抱っこしているのを見て一緒に子供をあやし始めてしまった。飯田さんが何やら三人を怒っていたけど全く知らないと言う様に凛ちゃんを連れて散歩にまで出かけてしまう始末。
「ああ、もう!
少し散歩してくるのでゆっくりご飯食べてくださいって、一応俺も追いかけるので済みませんがよろしくお願いします!」
何がよろしくお願いしますかと思えば暫くもしないうちにマイヤーさんがやって来た。
有名な人らしいけどクラッシックなんて学校の授業以外で聞く以外運動会的な音楽しか知らない俺としてはどなたですかと聞きたかったが、生憎言葉が分らないので恥をかかずに済んだ。まあ、十分恥なのだが、言葉の壁はそれを上回るほど高く、マイヤーの姿を見たらオリヴィエが給仕を始めるのでそれを陸斗が手伝い始めたのを見てこれが飯田さんが言ったよろしくなのだろうと納得した。
「なんか当然のようにご飯が用意してあるけど毎日来てるのかな?」
「さあ?だけど綾人じゃご飯を食べに来るなら食べさせてあげろって言うだろうな」
これは綾人ではなく祖母の弥生さんの教え。その教えに俺は随分と助けられて、その教育によって陸斗も助けられた。
こっちに戻って来た時は骨と皮だけのような姿はあばらも浮いていて、俺が三年ほど離れただけでこんな姿になってと泣いて後悔した夜は両手では数えられない。それが綾人に会わせて一年。こんなにも肌にハリがあり、肉付きも血色も、そして綾人の家を手伝わせてついた筋肉、先生が繋いでくれた交流で友達も出来て感情のない顔はいつの間にか笑顔が良く似合う様になっていて
「まぁ、昼飯を用意してくれって言うくらいだからな。食費半端ないだろうな」
「だけどそれ以上に働かせようとするから。ただで食べさせるってわけじゃないからしっかり食べてもらえばいいんじゃない?」
多分俺よりも、そして飯田さんよりも綾人を理解する宮下の言葉は妙に納得できてしまう物。だけどだ。
知らない土地で、会話もままならない場所に幼い子供の面倒を見ながら仕事をして生活をする。新婚旅行だと言うのに二人きりの時間も何もなく仕事をする日常と変わらない生活だと言うのに、少し子供を預けて食事をとる二人は凄く楽しそうに、そして美味しそうに朝食を食べていた。
「ちょ!マジ美味しいんだけど!
絶対私太るw寧ろ太らない選択ないwww こんな美味しいの綾さんの所で食べた時以来!!!」
「判る!たぶん俺これ以上美味い料理見つけられないかも!
飛行機に乗せてくれたのにフランス料理まで食べさせてくれて綾さんマジ神だな!綾さんについて来てマジ良かった!」
判る!判るその心境!
俺も初めて綾人の所で飯田さんの料理を食べさせてもらった時同じ心境だった!
バーベキューだったけど下処理一つでこんなにもおいしく食べれるのか何て感心したり、簡単に作ったアヒージョも香りだけで俺が知るアヒージョとは別物だと判ったし、それから食べさせてもらう料理は、綾人が俺達には見えない相手と話し合うほど狂わせる危険な物だとも理解が出来た。未だにあの光景はなれないが、バアちゃんになるくらいなら全然ましな事に気付いたら最近になってようやく宮下のように微笑ましく見ていられるようになった。
美味しい!を連呼する食事を終える頃、陸斗が緑茶を俺達同様振舞えばオリオール一行が凛ちゃんを抱えて戻ってきた。
なんだか疲れたような飯田さんが居たが、やはり親の顔を見ればちゃんと認識できるように手を伸ばして落ちるんじゃないかと言う様に体を乗り出せば真っ直ぐ母親の腕の中に納まる様子にお父さんはとっても寂しそうだったのがやけに笑えた。
「お帰り」
「ただいま戻りました」
食べ終えた食器は宮下が片づけた後で、綺麗になったキッチンを見てオリオールは満足げに頷き、俺の知らない言葉を語り出せば、オリヴィエが無邪気にもよろこんだ。
「なんだ?」
側に居る飯田さんに聞けば
「今日のお昼はサンドイッチと若鳥ときのこのシチューのパイ包みだそうです。
デザートはパイの残りでエッグタルトを作ろうって決めたようです」
「それはおいしそうだな。だけど熱くないか?」
真夏のメニューじゃないだろうと思うも
「すぐに涼しくなります。この竈オーブンと同規模のオーブンをクラブハウスの方にも作るので一度に何個作れるとかどれぐらいの時間で作れるのか、試さなくてはいけないので」
「はあ……」
それが季節外れの料理を作る理由かと思うも
「オープンしたらすぐにハロウィンがあり、ヌーボーがあってクリスマスとなります。
ハロウィンメニューではありませんが、それぐらいの季節を前提として準備を進めないと食器も足りなくなりますしね」
それなりの準備が必要だという言葉に
「人所か物資も足りないのか」
「物資は綾人さんが走り回って探してくれてますのでとりあえず待ちましょう」
ここに居ない理由はこの城作りだけではないようだ。
「なんだかいい人と知り合えたみたいなので甘えさせてもらってます」
言いながらもジャガイモのを洗って蒸かそうとしたりしながら既に昼食作りは始まっているようだ。
「さて圭斗君。そろそろ準備をするには良い時間になりそうです。
本日も一日がんばりましょう」
時計を見れば後三十分ほどで皆さん集まり出す時間。
「急がないと、陸、宮下!準備するぞ!」
おいしそうに朝食を食べだしたマイヤーと隣に座るオリヴィエにまた後でと手を振って、今日も一日暑いんだろうなと、クラブハウスがどう変貌するかワクワクする様に笑みを浮かべるのだった。
「宮下おはよう。良く寝たな」
既に食べ終えようとしていた圭斗が最後の一口のスープを飲んで食器を洗い場まで持っていく。
空いた席に座ればすぐに朝食を用意してくれたので慌てて手伝っていれば鍋でボイルされているソーセージは何だか大きくて一本あれば十分というサイズに驚き、既に取り皿に取り分けられているスクランブルエッグにはカリカリのベーコンが添えられていた。匂いの正体はこれかと納得をしながら小さくカットされた野菜の入ったスープを貰い、後はテーブルに置かれたパンは食べたいだけ食べると言う様になっているらしい。
「オリヴィエから聞いたんだけど、このパンをスープに浸してチーズをかけてレンジでチンすると美味しいんだ」
なるほど?だからスープにパンが立っているのかと、とろとろになってしまったパンとスープを至福そうに食べる二人に俺も真似させてもらう。
そんな朝食の場にはすぐに岡野親子もやってきて、その腕の中には目が覚めてご機嫌の小さな凛ちゃんは俺達の顔を見たとたんに母親の胸にぺたりとしがみ付いた。
「おはようございます。遅くなってすみません」
「おはようございます」
二人が現れればすぐにオリオールが離乳食を用意してくれてまずは子供にと食べさせるのを俺達も眺めていた。
机に手をついて椅子に座る母親の足の上でつかまり立ちをし、口を開けて催促する様子は軒先に巣をつくるツバメの子供のようだった。
「すごい食欲だな」
俺でなくても感心してしまう食欲に
「小さくってもご飯の美味しいとかは判るみたいなの。
一応ベビーフードのレトルトとか持って来たけど凛ったらオリオールさんのご飯食べだしたらすっごい食い付きがよくってね」
口の端から涎と共に離乳食も溢れていて大変な事になっている顔を綺麗に拭いながらも幸せそうにご飯を食べる子供をにこにこと見守る父親は離乳食でべとべとになった手で顔を触られてもにこにことしていて、父強い。確かにこれは早々真似できないと感心するしかなかった。
賑やかで子供が満足して食べ終えるまで母親は満足に食事が出来ないけど岡野家では父親は子供が食べ終えるのを待って奥さんと一緒に食べるスタイルのようで、やがて満足した子供は口に食べ物を運んでもベーと言う様に舌で押し出した所で食事は終わった。ちなみに最初オリオールが用意した量では足りなくておかわりと言う食いっぷり。
オリオールはこの時ばかりはシェフの顔がどこかに行ったように一人の祖父と言う様ににこにこと「んーま」と喃語でご機嫌に語りかける凛ちゃんをオリオールはひょいと抱っこをして細長いビスケットみたいなものを持たせていた。
「オリオールが面倒を見ているので今のうちにご飯を食べてください」
飯田さんがささっと給仕を始めればおはようとリヴェットとオラスもやってきた。
二人はオリオールが子供を抱っこしているのを見て一緒に子供をあやし始めてしまった。飯田さんが何やら三人を怒っていたけど全く知らないと言う様に凛ちゃんを連れて散歩にまで出かけてしまう始末。
「ああ、もう!
少し散歩してくるのでゆっくりご飯食べてくださいって、一応俺も追いかけるので済みませんがよろしくお願いします!」
何がよろしくお願いしますかと思えば暫くもしないうちにマイヤーさんがやって来た。
有名な人らしいけどクラッシックなんて学校の授業以外で聞く以外運動会的な音楽しか知らない俺としてはどなたですかと聞きたかったが、生憎言葉が分らないので恥をかかずに済んだ。まあ、十分恥なのだが、言葉の壁はそれを上回るほど高く、マイヤーの姿を見たらオリヴィエが給仕を始めるのでそれを陸斗が手伝い始めたのを見てこれが飯田さんが言ったよろしくなのだろうと納得した。
「なんか当然のようにご飯が用意してあるけど毎日来てるのかな?」
「さあ?だけど綾人じゃご飯を食べに来るなら食べさせてあげろって言うだろうな」
これは綾人ではなく祖母の弥生さんの教え。その教えに俺は随分と助けられて、その教育によって陸斗も助けられた。
こっちに戻って来た時は骨と皮だけのような姿はあばらも浮いていて、俺が三年ほど離れただけでこんな姿になってと泣いて後悔した夜は両手では数えられない。それが綾人に会わせて一年。こんなにも肌にハリがあり、肉付きも血色も、そして綾人の家を手伝わせてついた筋肉、先生が繋いでくれた交流で友達も出来て感情のない顔はいつの間にか笑顔が良く似合う様になっていて
「まぁ、昼飯を用意してくれって言うくらいだからな。食費半端ないだろうな」
「だけどそれ以上に働かせようとするから。ただで食べさせるってわけじゃないからしっかり食べてもらえばいいんじゃない?」
多分俺よりも、そして飯田さんよりも綾人を理解する宮下の言葉は妙に納得できてしまう物。だけどだ。
知らない土地で、会話もままならない場所に幼い子供の面倒を見ながら仕事をして生活をする。新婚旅行だと言うのに二人きりの時間も何もなく仕事をする日常と変わらない生活だと言うのに、少し子供を預けて食事をとる二人は凄く楽しそうに、そして美味しそうに朝食を食べていた。
「ちょ!マジ美味しいんだけど!
絶対私太るw寧ろ太らない選択ないwww こんな美味しいの綾さんの所で食べた時以来!!!」
「判る!たぶん俺これ以上美味い料理見つけられないかも!
飛行機に乗せてくれたのにフランス料理まで食べさせてくれて綾さんマジ神だな!綾さんについて来てマジ良かった!」
判る!判るその心境!
俺も初めて綾人の所で飯田さんの料理を食べさせてもらった時同じ心境だった!
バーベキューだったけど下処理一つでこんなにもおいしく食べれるのか何て感心したり、簡単に作ったアヒージョも香りだけで俺が知るアヒージョとは別物だと判ったし、それから食べさせてもらう料理は、綾人が俺達には見えない相手と話し合うほど狂わせる危険な物だとも理解が出来た。未だにあの光景はなれないが、バアちゃんになるくらいなら全然ましな事に気付いたら最近になってようやく宮下のように微笑ましく見ていられるようになった。
美味しい!を連呼する食事を終える頃、陸斗が緑茶を俺達同様振舞えばオリオール一行が凛ちゃんを抱えて戻ってきた。
なんだか疲れたような飯田さんが居たが、やはり親の顔を見ればちゃんと認識できるように手を伸ばして落ちるんじゃないかと言う様に体を乗り出せば真っ直ぐ母親の腕の中に納まる様子にお父さんはとっても寂しそうだったのがやけに笑えた。
「お帰り」
「ただいま戻りました」
食べ終えた食器は宮下が片づけた後で、綺麗になったキッチンを見てオリオールは満足げに頷き、俺の知らない言葉を語り出せば、オリヴィエが無邪気にもよろこんだ。
「なんだ?」
側に居る飯田さんに聞けば
「今日のお昼はサンドイッチと若鳥ときのこのシチューのパイ包みだそうです。
デザートはパイの残りでエッグタルトを作ろうって決めたようです」
「それはおいしそうだな。だけど熱くないか?」
真夏のメニューじゃないだろうと思うも
「すぐに涼しくなります。この竈オーブンと同規模のオーブンをクラブハウスの方にも作るので一度に何個作れるとかどれぐらいの時間で作れるのか、試さなくてはいけないので」
「はあ……」
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それなりの準備が必要だという言葉に
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「物資は綾人さんが走り回って探してくれてますのでとりあえず待ちましょう」
ここに居ない理由はこの城作りだけではないようだ。
「なんだかいい人と知り合えたみたいなので甘えさせてもらってます」
言いながらもジャガイモのを洗って蒸かそうとしたりしながら既に昼食作りは始まっているようだ。
「さて圭斗君。そろそろ準備をするには良い時間になりそうです。
本日も一日がんばりましょう」
時計を見れば後三十分ほどで皆さん集まり出す時間。
「急がないと、陸、宮下!準備するぞ!」
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