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身体が動く季節なので皆さん働こうではないか 9
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人里離れた山道を登って行く。
車一台通れるギリギリのフェンスのない道。
救いなのは対向車が来ないと言う所だろうか。
ついてきた圭斗と先生、岡野一家を乗せた俺と言う二台に分かれた車でゆっくりと急な登り道をエンジンの回転数を上げながら登って行けばやがて開かれた何もない場所へとたどり着いた。
高校生ズは陸斗と一緒にお家でお留守番。勉強してるか疲れてグダグダとしている理由は午前の労働とアホほどの昼食が原因だろうと納得の午後の過ごし方だと理解するる事にしておく。
なので申し訳ないが陸斗に高校生ズのお世話をお願いして俺は先生と一緒の車で案内をするのだった。
吉野の家のある山とは別の山。どっちかと言うと国道沿いの竹林の近くの山へと長い間だいぶ人が通った事のない道を上がって行く、正直横から伸びた枝が車を傷つけるがそこは俺も圭斗も気にしない。
まあ、慣れだよなと思いつつも帰り道先生にチェーンソーを持たせて山を下りさせればいいかとお願いすれば全力で拒否られた理由は野生動物と出会っても逃げ場どころか助けも来ない場所だからだろう。
「一応私有地だから道路交通法は在ってない物だから無茶も出来る場所だ」
「無茶じゃねーよ、ここに辿り着くまで何度死んだと思ってる!!!」
初心者向けではない道路なのでその気持ちもわからないでもない。落ち葉のせいでタイヤが空回りするかもしれない恐怖はハンドルが意味をなさないと言う恐怖へと繋がり、そして縁石程度の落下防止。
田舎道あるあるとは言え初めての道の恐怖は半端ない。
絶叫して来ただろうこの道のりの先はぽつんと一軒家もないただ開けただけの場所だった。
雑草が支配をしていた事を除いて。
そうなると車から降りた場所は不自然なくらい平らな場所だった。
とりあえず俺は足踏みしながら雑草を踏みつけて、人工的にばらまいたと判る石が敷かれた場所でみんなと話をするように集める。
「綾人よ、あまり知りたくないがここは何なんだ……」
先生の問いに見渡す限り民家の見えない景色を見下ろしながら
「ジイちゃんがバアちゃんにも言えなかった山」
「ほんとに無駄に土地持ちだな」
「ああ、税金払ってる身にもなれって言うんだ」
「って言うかさ、ほんとに婆さん知らなかったのかよ?少なくとも税金とか払ってたの婆さんだろ?」
「ああ、全く知らないってわけじゃないと思う。ただどこに何がってどうなってるか知らない程度だと思うんだ」
「それってかなり重要でしょ」
呆れかえる先生に
「俺もガキん時一度二度来ただけの場所程度しか記憶してないから。
長谷川さんに雑草刈ってもらう時に思い出した程度で、ここ他に民家がないから無視しんたんだけど」
「とりあえず道にはみ出した雑草は刈ろうな。車傷つけるし動物がたむろする理由になるからな」
その説得力には大いに大賛成だ。
その合間にだが蒼さんは凛ちゃんを車の中に置いたまま一緒に車の中で遊んでいたけど窓を開けた状態で俺達の話しを聞く横で車を降りた実桜さんはふらふらと雑草の中を歩きだしたと思えば一本の木に手を添えて見上げていた。
それからまた別の木に手を添えて、それを繰り返す。
気が付けば服にも頭にも雑草の種を付けて運び屋の状態になっていたけど、やがて俺達の所に戻ってきて
「綾人さん、ココなんですか?!
なんて言う天国なんですか?!」
ああ、連れて来てはいけない人を連れて来てしまったようだった。
俺の両肩を持って揺さぶる細い腕にも抵抗できない俺ってと嘆く間に先生と圭斗が介入してくれて俺から実桜さんを離してくれた。
さすがに蒼さんも凛ちゃんをチャイルドシートから降ろして抱っこして車から出て来てくれたので改めて紹介をする。
「ここは昔ジイちゃんが買った土地の一つで……」
「ほんとお前の爺さんってお人よしだな」
呆れる先生の言葉に強く頷く。
入手した経緯も覚えているけどそれはすっ飛ばして
「昔ここで実桜さんが言ってた通り華道で使うような花を卸していた人がいたのです。だけど高齢で手放す事になったのでジイちゃんが購入したそうです。国道からも近いからって何か役に立つだろうと」
それ以降全く足も運んでない放置した山々はまだ竹が浸食されてない奇跡の土地だった。
「とりあえず雑草を刈って木の世話を強いながら枝を生花市場に納品できれば収入につながると思います。農協とか道の駅とかでも収入にはつながると思いますが、確実に稼ぐならちゃんとした生産者としてやってみてはどうだろうかと俺は提案してみるが……」
「やります!お願いします!やらせてください!!!」
綾人の手をぎゅっと握りしめて顔を覗き込む距離の近さにのけぞってしまう物の実桜さんは興奮と言う顔色を隠せずに綾人の握った手をそのまま離さずにずるずるとひきずって草むらの中に突入して行く。慌てて追いかける先生と圭斗とは別に蒼は凛を抱いているのでふみこめずにいれば
「桜だけでもここ何種類あるのですか?!
染井吉野に彼岸桜、これは豆桜?山桜もあるし、この大きな葉は大山桜かな?枝垂桜もあるし、これは八重桜?桜だけでも何本あるのですか?!」
「俺が知るわけないだろう」
どれもこれも同じに見えるけど見る人によっては違うのかとマニアックな世界はごめんだと言う様に逃げ出したいけど彼女の握力の方が上とはどういうこと?!と言う様に俺は逃がして貰えなかった。
圭ちゃん助けてと視線を投げるも俺は関りたくないと先生の背後にちゃっかり位置どる。
「他にも、何でこんな素敵な所放置しちゃったんでしょう?!」
放置したと言う様に枯れた樹もあって倒木もしている。山のどこにでも見られる景色だけど
「竹どころか熊笹にも浸食されてないし、実を付ける樹でもないから鹿ぐらいの被害しかないのかしら?」
「まあ、熊とか猪はいるだろうな」
そんな平和な山じゃないだろうと樹につけられたマーキングや掘り起こされた地面はかなり古いとみる物の居る事には居るだろうと伝えておく。
「とりあえず草刈りからですね。枝も無尽蔵に伸びてるから日当たりも悪くって花も余りつけないから。
見た目は病気になってないようだし……」
すっかり自分の世界にトリップしてしまった実桜さんから離れて蒼さんにどうすると聞けば凛ちゃんを抱いたまま彼は実桜さんの側まで足を運び
「だったら保育園を探さないとな」
止める事をせずに好きな仕事を好きなようにさせるその心意気はちゃんと考えてるだろうかと心配になる。
凛ちゃんを抱える手と反対の手で実桜さんの肩を抱き寄せて
「やりたい事をやる、すごい贅沢なチャンスを貰えたんだ。応援するから失敗しても良い。今まで頑張って来た事が活かせるなら思いっきりチャレンジしよう!」
「蒼っ!」
泣きながら抱きついていた。
感動と言うのだろうが、俺にはその前にお前ら住む所はどうするかと思うもあてはある。
ひとしきり今度こそ頑張ると言う実桜さんは涙でぐしゃぐしゃの顔だけど、あまり化粧してないからか崩れる事無く希望に満ちた笑顔の泣き顔を袖で拭いながら俺達の所に戻ってきた。
「綾人さん、私がんばらせてもらいます。農協とか道の駅から登録させてもらって生花市場に卸せるように頑張ります!」
「ああ、うん。まぁ、俺も協力するけど絶対人手が足りないから。
とりあえず園芸部をスカウトするから。卸すとなると人手が必要な規模になるから。そこはそのうち考えて行こう」
「はい!お願いします!」
「そこで、今回圭斗を巻きこむって言う話になるんだ」
渋い顔をした圭斗が
「俺に会社を立ち上げさせようってだけじゃないのかよ」
渋面を作る圭斗に俺は頷いて
「ほんとは陸斗の為に改装したかったけどあの納屋、リフォームして蒼さん達に住んでもらおう」
渋面がさらに渋くなる。
「もちろん家賃も取る。家賃収入うまー」
「その前の改造費にいくらかかると思ってる」
引きつく目元に先生は何故か距離を取り出す物の
「そこは俺が出す。勿論圭斗の借金に上乗せだ。だけどざっと試算すると五百万として家賃五万とすると約八年ぐらいだ。その内陸斗が大学で四年行って修行に何年か会社勤めと考えれば帰って来るころには採算が取れるはず。勿論五百万以下に抑えればもっと早く返済可能金額。その前に岡野さん達が別の部屋を借りたとしても園芸部に住ませると言う手もある。ありがたい事に裏側の道に玄関と駐車場を作れば傍からは別の家だと認識させる事も可能だからな」
先生の白い視線を浴びながらの提案だけど圭斗は真剣な顔をしながら
「それもありだな……」
家賃収入と言う言葉にきっと何も考える事が出来なくなっているのだろう。
まあ、それもこれも岡野夫妻が呑みこめばと言う所だが……
「だったら俺、一生懸命働きます!あの納屋直して立派な従業員になります!」
宮下並みの無防備さに言い出したとは言え俺は不安しか思い浮かばず、そしてどんどん話が進んでいく様子に
「綾人よ、これは重大責任だぞ」
「ああ、うん。さすがにここまでスムーズにいくなんて想定できなかった……」
お前ら俺を信頼し過ぎだと言う二人の様子に自分に恐怖するしかない綾人だった。
車一台通れるギリギリのフェンスのない道。
救いなのは対向車が来ないと言う所だろうか。
ついてきた圭斗と先生、岡野一家を乗せた俺と言う二台に分かれた車でゆっくりと急な登り道をエンジンの回転数を上げながら登って行けばやがて開かれた何もない場所へとたどり着いた。
高校生ズは陸斗と一緒にお家でお留守番。勉強してるか疲れてグダグダとしている理由は午前の労働とアホほどの昼食が原因だろうと納得の午後の過ごし方だと理解するる事にしておく。
なので申し訳ないが陸斗に高校生ズのお世話をお願いして俺は先生と一緒の車で案内をするのだった。
吉野の家のある山とは別の山。どっちかと言うと国道沿いの竹林の近くの山へと長い間だいぶ人が通った事のない道を上がって行く、正直横から伸びた枝が車を傷つけるがそこは俺も圭斗も気にしない。
まあ、慣れだよなと思いつつも帰り道先生にチェーンソーを持たせて山を下りさせればいいかとお願いすれば全力で拒否られた理由は野生動物と出会っても逃げ場どころか助けも来ない場所だからだろう。
「一応私有地だから道路交通法は在ってない物だから無茶も出来る場所だ」
「無茶じゃねーよ、ここに辿り着くまで何度死んだと思ってる!!!」
初心者向けではない道路なのでその気持ちもわからないでもない。落ち葉のせいでタイヤが空回りするかもしれない恐怖はハンドルが意味をなさないと言う恐怖へと繋がり、そして縁石程度の落下防止。
田舎道あるあるとは言え初めての道の恐怖は半端ない。
絶叫して来ただろうこの道のりの先はぽつんと一軒家もないただ開けただけの場所だった。
雑草が支配をしていた事を除いて。
そうなると車から降りた場所は不自然なくらい平らな場所だった。
とりあえず俺は足踏みしながら雑草を踏みつけて、人工的にばらまいたと判る石が敷かれた場所でみんなと話をするように集める。
「綾人よ、あまり知りたくないがここは何なんだ……」
先生の問いに見渡す限り民家の見えない景色を見下ろしながら
「ジイちゃんがバアちゃんにも言えなかった山」
「ほんとに無駄に土地持ちだな」
「ああ、税金払ってる身にもなれって言うんだ」
「って言うかさ、ほんとに婆さん知らなかったのかよ?少なくとも税金とか払ってたの婆さんだろ?」
「ああ、全く知らないってわけじゃないと思う。ただどこに何がってどうなってるか知らない程度だと思うんだ」
「それってかなり重要でしょ」
呆れかえる先生に
「俺もガキん時一度二度来ただけの場所程度しか記憶してないから。
長谷川さんに雑草刈ってもらう時に思い出した程度で、ここ他に民家がないから無視しんたんだけど」
「とりあえず道にはみ出した雑草は刈ろうな。車傷つけるし動物がたむろする理由になるからな」
その説得力には大いに大賛成だ。
その合間にだが蒼さんは凛ちゃんを車の中に置いたまま一緒に車の中で遊んでいたけど窓を開けた状態で俺達の話しを聞く横で車を降りた実桜さんはふらふらと雑草の中を歩きだしたと思えば一本の木に手を添えて見上げていた。
それからまた別の木に手を添えて、それを繰り返す。
気が付けば服にも頭にも雑草の種を付けて運び屋の状態になっていたけど、やがて俺達の所に戻ってきて
「綾人さん、ココなんですか?!
なんて言う天国なんですか?!」
ああ、連れて来てはいけない人を連れて来てしまったようだった。
俺の両肩を持って揺さぶる細い腕にも抵抗できない俺ってと嘆く間に先生と圭斗が介入してくれて俺から実桜さんを離してくれた。
さすがに蒼さんも凛ちゃんをチャイルドシートから降ろして抱っこして車から出て来てくれたので改めて紹介をする。
「ここは昔ジイちゃんが買った土地の一つで……」
「ほんとお前の爺さんってお人よしだな」
呆れる先生の言葉に強く頷く。
入手した経緯も覚えているけどそれはすっ飛ばして
「昔ここで実桜さんが言ってた通り華道で使うような花を卸していた人がいたのです。だけど高齢で手放す事になったのでジイちゃんが購入したそうです。国道からも近いからって何か役に立つだろうと」
それ以降全く足も運んでない放置した山々はまだ竹が浸食されてない奇跡の土地だった。
「とりあえず雑草を刈って木の世話を強いながら枝を生花市場に納品できれば収入につながると思います。農協とか道の駅とかでも収入にはつながると思いますが、確実に稼ぐならちゃんとした生産者としてやってみてはどうだろうかと俺は提案してみるが……」
「やります!お願いします!やらせてください!!!」
綾人の手をぎゅっと握りしめて顔を覗き込む距離の近さにのけぞってしまう物の実桜さんは興奮と言う顔色を隠せずに綾人の握った手をそのまま離さずにずるずるとひきずって草むらの中に突入して行く。慌てて追いかける先生と圭斗とは別に蒼は凛を抱いているのでふみこめずにいれば
「桜だけでもここ何種類あるのですか?!
染井吉野に彼岸桜、これは豆桜?山桜もあるし、この大きな葉は大山桜かな?枝垂桜もあるし、これは八重桜?桜だけでも何本あるのですか?!」
「俺が知るわけないだろう」
どれもこれも同じに見えるけど見る人によっては違うのかとマニアックな世界はごめんだと言う様に逃げ出したいけど彼女の握力の方が上とはどういうこと?!と言う様に俺は逃がして貰えなかった。
圭ちゃん助けてと視線を投げるも俺は関りたくないと先生の背後にちゃっかり位置どる。
「他にも、何でこんな素敵な所放置しちゃったんでしょう?!」
放置したと言う様に枯れた樹もあって倒木もしている。山のどこにでも見られる景色だけど
「竹どころか熊笹にも浸食されてないし、実を付ける樹でもないから鹿ぐらいの被害しかないのかしら?」
「まあ、熊とか猪はいるだろうな」
そんな平和な山じゃないだろうと樹につけられたマーキングや掘り起こされた地面はかなり古いとみる物の居る事には居るだろうと伝えておく。
「とりあえず草刈りからですね。枝も無尽蔵に伸びてるから日当たりも悪くって花も余りつけないから。
見た目は病気になってないようだし……」
すっかり自分の世界にトリップしてしまった実桜さんから離れて蒼さんにどうすると聞けば凛ちゃんを抱いたまま彼は実桜さんの側まで足を運び
「だったら保育園を探さないとな」
止める事をせずに好きな仕事を好きなようにさせるその心意気はちゃんと考えてるだろうかと心配になる。
凛ちゃんを抱える手と反対の手で実桜さんの肩を抱き寄せて
「やりたい事をやる、すごい贅沢なチャンスを貰えたんだ。応援するから失敗しても良い。今まで頑張って来た事が活かせるなら思いっきりチャレンジしよう!」
「蒼っ!」
泣きながら抱きついていた。
感動と言うのだろうが、俺にはその前にお前ら住む所はどうするかと思うもあてはある。
ひとしきり今度こそ頑張ると言う実桜さんは涙でぐしゃぐしゃの顔だけど、あまり化粧してないからか崩れる事無く希望に満ちた笑顔の泣き顔を袖で拭いながら俺達の所に戻ってきた。
「綾人さん、私がんばらせてもらいます。農協とか道の駅から登録させてもらって生花市場に卸せるように頑張ります!」
「ああ、うん。まぁ、俺も協力するけど絶対人手が足りないから。
とりあえず園芸部をスカウトするから。卸すとなると人手が必要な規模になるから。そこはそのうち考えて行こう」
「はい!お願いします!」
「そこで、今回圭斗を巻きこむって言う話になるんだ」
渋い顔をした圭斗が
「俺に会社を立ち上げさせようってだけじゃないのかよ」
渋面を作る圭斗に俺は頷いて
「ほんとは陸斗の為に改装したかったけどあの納屋、リフォームして蒼さん達に住んでもらおう」
渋面がさらに渋くなる。
「もちろん家賃も取る。家賃収入うまー」
「その前の改造費にいくらかかると思ってる」
引きつく目元に先生は何故か距離を取り出す物の
「そこは俺が出す。勿論圭斗の借金に上乗せだ。だけどざっと試算すると五百万として家賃五万とすると約八年ぐらいだ。その内陸斗が大学で四年行って修行に何年か会社勤めと考えれば帰って来るころには採算が取れるはず。勿論五百万以下に抑えればもっと早く返済可能金額。その前に岡野さん達が別の部屋を借りたとしても園芸部に住ませると言う手もある。ありがたい事に裏側の道に玄関と駐車場を作れば傍からは別の家だと認識させる事も可能だからな」
先生の白い視線を浴びながらの提案だけど圭斗は真剣な顔をしながら
「それもありだな……」
家賃収入と言う言葉にきっと何も考える事が出来なくなっているのだろう。
まあ、それもこれも岡野夫妻が呑みこめばと言う所だが……
「だったら俺、一生懸命働きます!あの納屋直して立派な従業員になります!」
宮下並みの無防備さに言い出したとは言え俺は不安しか思い浮かばず、そしてどんどん話が進んでいく様子に
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