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本と嵐と 8
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「すみません。予定金額に届かず二百五十万ポンドしか集められませんでした」
綾人は三百万集めて見せると言ったのに全然足りない金額にしょげてしまった。あの三日目の失態さえばれなければ、強制ベットへGOの刑が発動されなければ集められたのにと後悔していれば
「気にしてはいけない。ケリーから聞いたよ。
体調を崩してまで頑張ってくれたと聞いた。私が至らないばかりに破たんするだけの所を本来私が身を粉にして血を吐きながら頑張らねばならないはずなのに、なんと言って感謝を表せばいいのか……」
目を真っ赤にして両手を握られて感謝を述べるケリーの親父さんはどうもオーバーリアクション気味で頼むから血は吐かないでくれ、ゲロで留めておいてくれとこの手の人は苦手だなと思いつつも感謝の部分だけはありがたく受け取っておく。
「僅かな資本金なのにここまで増やして貰い、いましがた契約した弁護士とも話しをしたがこれだけ返済出来れば後は何年かかけての返済目途が付いて猶予が産まれた。作業場も…… 悔しいが買い取り先が決まったから良い値段で売れて充てにできそうだし、保険とかも見直して満額とはいかなかったが、ジェームスが結婚する頃にはすべて片付け終わって嫁さんを迎え入れたいと思ってる」
「因みにお相手は?」
「絶賛大募集中です」
別れたばかりですのでときりっといい顔をして俺に言われてもどうしろって言うのか困惑してしまうが
「とりあえず転職したばかりの環境の内は彼女なんて足かせにしかならないから仕事と当面付き合うといいんじゃね?」
そんなアドバイス。仕事を恋人にしえしまえと言えば
「もちろん。借金があるうちは結婚所か彼女を作る暇もないだろうから。
アヤト、結婚する時の婚約指輪はぜひ俺に作らせてくれ」
「結婚するつもりもないからお願いする予定はないね」
さらりと断る中エマーソン一家は俺を暖かな目で見て
「だったら是非ともお礼をしたい。
これは我々のけじめだと思って欲しいし、できる事も限られているから大した事も出来ないけど。それでも何か形でお礼をしたいと思っている。物が嫌なら食事でもいいし、それこそアヤトに似合う時計も考えている」
「あ、俺体内時計はばっちりだから時計必要ない人間なので」
日の出日没時間と太陽の角度で大体の時間は計算できるから正直今まであまり時計に頼らない生活をしてきていた。もっとも時計なんて必要のない生活だったがそこはかっこよくいたいお年頃なので黙っておけばすごいと言うようにケリーの視線がキラキラと尊敬モードに入っていた。と言うか今時時計は持たなくてもスマホを肌身離さず持ち歩く時代なので要らないだろうと言う事は時計屋に面と向かって言えないチキンだがそこはばれないように顎をツンと上げながら
「良ければリビングに置いてあった哲学の本を譲ってもらいたい」
交渉を始める。
はっきり言って奥さんの親から譲ってもらった物らしく、今はケリーの大学に入った御祝いなので難しいかと思うも
「え?そんなんでよければ欲しいだけ持って行って」
哲学に興味の欠片もないケリーのあっさりと言った言葉にお母さんは苦笑いが止まらない様子。そーっとそちらからの視線を反らしていれば
「結構マニア垂涎の古書だと思うぞ?」
「だけどうちに在っても誰も読まないし。アヤトなら全部隅から隅まで読んでくれるだろ?そっちの方が本も幸せだし、うちに在っても埃被るだけだから……」
今の持ち主が母親を見上げれば
「好きにしていいわよ。私だってこの年になってもその本を一冊も読んだ事ないんだから。表紙をめくった事ないから読んでくれる人の手にある方が幸せと言う物よ」
亡き父親の遺品の行方はそこまでこだわる事もなくあっさりと言うか本当にそんなものでいいのと言う視線の方が逆に申し訳なさを感じるが……
「だったら今日中にアパートに帰りたいから車に本を詰めてもらえると助かるな」
「ああ、このリビング中の本を詰め込む事になるが全員でやればすぐだ」
なぜか親父さんが張り切り出した。きっと奥さんの亡き父親に見張られているとでも言う位の重圧を感じていたんだろうなと思いながらも本はありがたく運ばせてもらう。
ケリーは授業の予定から明日は授業がないので綾人だけが本を抱えて一足先に帰る事になり、本を詰めた時点でサヨナラをさせてもらうのだった。
ロンドンのケリーの実家からオックスフォードを抜けてコッツウォルズへと向かう。夜なので高速もすいてたし観光客もうろうろしていない時間。
綾人は連絡していたとはいえ辿り着いた城の前に車を止めれば顔見知りとなったベルマンが迎えに来てくれて搬入用の駐車場まで案内してもらうのだった。
そこで待ち構えていたのはロードと受付の人。俺は荷物を降ろしやすい様に車を止めて
「すみません。いきなりお邪魔して」
「いや、アヤトが急に来たいと言うから何があったか心配したぞ」
「心配って、ちゃんと説明したじゃないですか」
「ああ、済まないな。ちょうどアビーからケーキを貰って食べていた所だからよく聞いてなかったな」
そう言って笑うロードからはレモンの甘い香りが漂っていた。
「所で本当によろしいのでしょうか?蔵書の寄贈とは」
持って来たコロ車に段ボールに詰めた本の背表紙を見てそれだけで高価だとわかる本に
「俺が泊まりに来た時にゆっくりと贅沢な時間の中で読ませてほしいので」
「また貴重な本を。どこで見つけてきたんだ?」
背表紙の文字をそっとなぞる当たり心当たりがあるのだろう。
「それを踏まえて少しお時間も欲しいのですか?」
この城に相応しくスーツとネクタイ、そしてスーツに合わせた革靴をここに来る前に着替えて髪型もセットし直した姿でお願いすれば
「お茶を用意しよう。そうだな、こんな時間はアールグレーが良い」
言えばロビーの人は頭を下げて去って行ってしまった。
その後ロードは鍵の束を取り出して
「図書館の方に向かう前に私の書斎へと向おう」
ひょこひょこと進む足取りを追いかける様にずっしりと重くなったコロ車を押しながら追いかける。だいぶ熟知したとはいえバックヤードに作られた搬入用のエレベータに乗って二階にあるロードの書斎へとたどり着いた。
大きな暖炉には薪の爆ぜる音と容赦なく温めて行く熱があまりにも心地よくてほっとしてしまう。
手間がかかるが慣れた温かさに懐かしさがこみ上げるが、ここで眠気に負けてはいけない。この部屋にに使わないダンボールから本を出しながら持ってきてもらった紅茶を飲みながら本のタイトルを眺め溜息を落す。
うっとりとした視線でそのタイトルに指を滑らせるロード。
「これは一度だけ見た事があるが、懐かしい」
「ざっと読ませてもらいましたがゆっくり読みたい本ですね」
「ああ、私がまだ若い頃友人の家で見た本だ。その時は読む事が出来なかったな……
そいつは娘が結婚して二人目の孫がかつて私と出会った大学に進む事が決まった所で旅立った。いつか暖炉の前で一緒にこの本を読んでくれる子供に譲りたいと言っていたが家の処分と共に本も処分すると言うから譲ってもらったが、本当に価値ある本だけは手元に残していた。何年か前にそいつの娘に譲っていたが、私は独り身を貫いてきたが世代の交代は早い物だな」
「ロードもまだまだ若々しいですよ」
「それはこの年になって教え子を持ったからだ。手のかかる教え子は私の寝る時間なんてお構いなしにやってくる」
ふんと花を生らしてソファにふんぞり返るも
「これからドラマを見る時間なのは知ってますよ」
夜更かしさんなのは知ってますよと言えばロードは楽しそうな声を上げて笑い
「さて、どういった経緯か聞いてもいいかな?」
少しだけ白濁した青色の瞳が俺を睨みつけたが、俺はロードに隠し事はしたくなかったのでケリーの家の事、そして体調不良になった事、報酬として譲ってもらった事を包み隠さず話し終えるまでに紅茶を二度おかわりするのだった。
ロードは長いともいえない俺の説明に「そうか」と一つ頷いただけでそれ以上は聞かずただ頷いて
「あいつの店を守ってくれてありがとう」
ただ静かに頭を下げる姿に死別してもなお続く友情を見た。
それが羨ましくて、眩しくて。
俺は立ち上がり
「明日から授業があるので失礼します」
経験値の足りない俺はそこから逃げる様にこの日は失礼させてもらうのだった。
綾人は三百万集めて見せると言ったのに全然足りない金額にしょげてしまった。あの三日目の失態さえばれなければ、強制ベットへGOの刑が発動されなければ集められたのにと後悔していれば
「気にしてはいけない。ケリーから聞いたよ。
体調を崩してまで頑張ってくれたと聞いた。私が至らないばかりに破たんするだけの所を本来私が身を粉にして血を吐きながら頑張らねばならないはずなのに、なんと言って感謝を表せばいいのか……」
目を真っ赤にして両手を握られて感謝を述べるケリーの親父さんはどうもオーバーリアクション気味で頼むから血は吐かないでくれ、ゲロで留めておいてくれとこの手の人は苦手だなと思いつつも感謝の部分だけはありがたく受け取っておく。
「僅かな資本金なのにここまで増やして貰い、いましがた契約した弁護士とも話しをしたがこれだけ返済出来れば後は何年かかけての返済目途が付いて猶予が産まれた。作業場も…… 悔しいが買い取り先が決まったから良い値段で売れて充てにできそうだし、保険とかも見直して満額とはいかなかったが、ジェームスが結婚する頃にはすべて片付け終わって嫁さんを迎え入れたいと思ってる」
「因みにお相手は?」
「絶賛大募集中です」
別れたばかりですのでときりっといい顔をして俺に言われてもどうしろって言うのか困惑してしまうが
「とりあえず転職したばかりの環境の内は彼女なんて足かせにしかならないから仕事と当面付き合うといいんじゃね?」
そんなアドバイス。仕事を恋人にしえしまえと言えば
「もちろん。借金があるうちは結婚所か彼女を作る暇もないだろうから。
アヤト、結婚する時の婚約指輪はぜひ俺に作らせてくれ」
「結婚するつもりもないからお願いする予定はないね」
さらりと断る中エマーソン一家は俺を暖かな目で見て
「だったら是非ともお礼をしたい。
これは我々のけじめだと思って欲しいし、できる事も限られているから大した事も出来ないけど。それでも何か形でお礼をしたいと思っている。物が嫌なら食事でもいいし、それこそアヤトに似合う時計も考えている」
「あ、俺体内時計はばっちりだから時計必要ない人間なので」
日の出日没時間と太陽の角度で大体の時間は計算できるから正直今まであまり時計に頼らない生活をしてきていた。もっとも時計なんて必要のない生活だったがそこはかっこよくいたいお年頃なので黙っておけばすごいと言うようにケリーの視線がキラキラと尊敬モードに入っていた。と言うか今時時計は持たなくてもスマホを肌身離さず持ち歩く時代なので要らないだろうと言う事は時計屋に面と向かって言えないチキンだがそこはばれないように顎をツンと上げながら
「良ければリビングに置いてあった哲学の本を譲ってもらいたい」
交渉を始める。
はっきり言って奥さんの親から譲ってもらった物らしく、今はケリーの大学に入った御祝いなので難しいかと思うも
「え?そんなんでよければ欲しいだけ持って行って」
哲学に興味の欠片もないケリーのあっさりと言った言葉にお母さんは苦笑いが止まらない様子。そーっとそちらからの視線を反らしていれば
「結構マニア垂涎の古書だと思うぞ?」
「だけどうちに在っても誰も読まないし。アヤトなら全部隅から隅まで読んでくれるだろ?そっちの方が本も幸せだし、うちに在っても埃被るだけだから……」
今の持ち主が母親を見上げれば
「好きにしていいわよ。私だってこの年になってもその本を一冊も読んだ事ないんだから。表紙をめくった事ないから読んでくれる人の手にある方が幸せと言う物よ」
亡き父親の遺品の行方はそこまでこだわる事もなくあっさりと言うか本当にそんなものでいいのと言う視線の方が逆に申し訳なさを感じるが……
「だったら今日中にアパートに帰りたいから車に本を詰めてもらえると助かるな」
「ああ、このリビング中の本を詰め込む事になるが全員でやればすぐだ」
なぜか親父さんが張り切り出した。きっと奥さんの亡き父親に見張られているとでも言う位の重圧を感じていたんだろうなと思いながらも本はありがたく運ばせてもらう。
ケリーは授業の予定から明日は授業がないので綾人だけが本を抱えて一足先に帰る事になり、本を詰めた時点でサヨナラをさせてもらうのだった。
ロンドンのケリーの実家からオックスフォードを抜けてコッツウォルズへと向かう。夜なので高速もすいてたし観光客もうろうろしていない時間。
綾人は連絡していたとはいえ辿り着いた城の前に車を止めれば顔見知りとなったベルマンが迎えに来てくれて搬入用の駐車場まで案内してもらうのだった。
そこで待ち構えていたのはロードと受付の人。俺は荷物を降ろしやすい様に車を止めて
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「いや、アヤトが急に来たいと言うから何があったか心配したぞ」
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そう言って笑うロードからはレモンの甘い香りが漂っていた。
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「また貴重な本を。どこで見つけてきたんだ?」
背表紙の文字をそっとなぞる当たり心当たりがあるのだろう。
「それを踏まえて少しお時間も欲しいのですか?」
この城に相応しくスーツとネクタイ、そしてスーツに合わせた革靴をここに来る前に着替えて髪型もセットし直した姿でお願いすれば
「お茶を用意しよう。そうだな、こんな時間はアールグレーが良い」
言えばロビーの人は頭を下げて去って行ってしまった。
その後ロードは鍵の束を取り出して
「図書館の方に向かう前に私の書斎へと向おう」
ひょこひょこと進む足取りを追いかける様にずっしりと重くなったコロ車を押しながら追いかける。だいぶ熟知したとはいえバックヤードに作られた搬入用のエレベータに乗って二階にあるロードの書斎へとたどり着いた。
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うっとりとした視線でそのタイトルに指を滑らせるロード。
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「ああ、私がまだ若い頃友人の家で見た本だ。その時は読む事が出来なかったな……
そいつは娘が結婚して二人目の孫がかつて私と出会った大学に進む事が決まった所で旅立った。いつか暖炉の前で一緒にこの本を読んでくれる子供に譲りたいと言っていたが家の処分と共に本も処分すると言うから譲ってもらったが、本当に価値ある本だけは手元に残していた。何年か前にそいつの娘に譲っていたが、私は独り身を貫いてきたが世代の交代は早い物だな」
「ロードもまだまだ若々しいですよ」
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ふんと花を生らしてソファにふんぞり返るも
「これからドラマを見る時間なのは知ってますよ」
夜更かしさんなのは知ってますよと言えばロードは楽しそうな声を上げて笑い
「さて、どういった経緯か聞いてもいいかな?」
少しだけ白濁した青色の瞳が俺を睨みつけたが、俺はロードに隠し事はしたくなかったのでケリーの家の事、そして体調不良になった事、報酬として譲ってもらった事を包み隠さず話し終えるまでに紅茶を二度おかわりするのだった。
ロードは長いともいえない俺の説明に「そうか」と一つ頷いただけでそれ以上は聞かずただ頷いて
「あいつの店を守ってくれてありがとう」
ただ静かに頭を下げる姿に死別してもなお続く友情を見た。
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