908 / 976
大変恐縮ではございますがお集まりいただきたく思います 6
しおりを挟む
「ついに旅館営業にまで手を出すことにしたのかい?」
森下さんは口はぞんざいに、でも視線はキラキラと良い家だなーと目を輝かす横で山川さんがただの良い家なわけがないだろうと山下さんの事を説明して驚くような皆様の視線が俺にホントなのかと何度も伺っていた。いやあ、さすがにこれだけ見つめられると照れるよと顔を赤らめてしまうも
「俺が営業するわけじゃなく例によって丸投げです。
諸事情がありまして直接会ったときにお話ししますが、知り合いのホテルマンが独立しようとしていましてちょっとこの家をお預かりする事になったタイミングも重なり、偶然にもお二方共お知り合いのようで思い切って第二の人生の為にとこの家の持ち主の方が手放した後始めようかと思いまして」
眉間にしわを寄せて意味わからんと言う圭斗に
「この家を手放す事情があって、手っ取り早く俺に買い取ってくれと言う流れになり、だったら管理人を置こうと引退予定のホテルマンに管理させようという流れになったんだ」
なるほどと圭斗と宮下と園芸部が納得してくれていた。背後では青さんをはじめとした若手もそれなら俺も分かったというあたり俺の説明ってそんなにも悪いのかと不安になるも苦笑している森下さんがいるのでそうじゃないと信じていたい。
「一応地図を送っておくので……」
「だったら来週の週末に伺わせてもらおう。
それまでにここを仕上げられるだろうし、打ち上げを予定していたからそれをちーっと足を延ばして見学と手が入れられる所は手直しすればすぐに終わるだろ」
長沢さんがやれやれというように簡単な予定を立ててくれた。
こういう時だれも反対できない発言権ある人がいると助かるな。
どれだけ助けられているのかと思いつつも感謝して
「今から予定決められる人からホテル取りますが……」
「ああ、そこはあいつらの所に行くから気にするな。あいつらの家の進行具合も見に行きたいから吉野の、気遣いばかりしないでたまには甘えておけ」
俺に気づかいするなと言いつつあいつらにはいいんだと浮かんだ疑問はすぐ背後で宮下がさっそくと言うように交渉してくれていた。
仕事早いなと感心しつつも何やらものすごい笑顔でOKサインをもらうことが出来た。
「水野あわれ……」
去年の秋に衝動的に家を買った勇者・水野は偶然にも薪風呂、土間台所付きの古民家を手に入れた。職場まで電車で一本、それなりに通勤時間はかかるもののそこはリモートOKの職場。家を少しずつ直しながら住んでいるという。
当然ながら相棒の植田が週末遊びに来るし、当然のように上島兄弟はもちろん園田や陸斗達まで休日は転がり込んでいるという。
まあ、あいつらのたまり場がうちから水野の所に変わっただけの話し。
家づくりも陸斗主体でどんどん進めているし、難しい所はすでに手に入れた時に襲撃して直しているので問題もない。こつこつと直していて陸斗はいつの間にか自分の部屋もゲットしていたのが対価だったという。
植田も陸斗も週末は職場に近いワンルームアパート暮らしで週末は田舎暮らしと言う理想的な環境を手に入れてよかったなと言うところ。逆に水野も職場に顔を出した時は植田のアパートに転がり込むという。ほんと仲良いなと感心する。
そんな水野ハウスはもともと山の家にあこがれて購入した家なので皆さんも心地よく過ごすことができ、高速からそれなりに遠くない場所。交通の便も悪くないし、今回の依頼先までそこまで遠くない。
まあ、水野もすっかり皆さんと仲良くなっているし、圭斗がいれば大丈夫だし、カオスになるだろう人数には宮下がいれば問題がない。
有能になったなと感心していればスマホにはどんどん参加表明の連絡が入ってきた。食事代ぐらいは持たないとなと後で水野に食べたいものを聞いておこうと思う。
「それよりも綾人、この話飯田さんにちゃんとした?」
宮下が東京の事ならちゃんと相談してよと言うような言葉に冷や汗がタラリ。こじらせると面倒くさい人をすっかり忘れていた。
ねちねちと地味に俺が得意としない料理のオンパレードになるんだよな。
胃袋をつかまれた側からでは地味に堪える制裁はほんとメンタルをやられる。そして逆らえないという認識が植え付けられて行って、世のお父さん方はこうやって家を支配されていくのねと謎の納得をしてしまう。
それよりもだ。こんなところで考えている間にすぐに連絡しないとと意識を変えて
「まだしてない。みんなの様子を聞いてからお願いするつもりだったから……」
「とりあえずあとの事はLIMEに入れておくからすぐに連絡すること」
「報連相だね。とりあえず飯田さんとは現地集合、現地解散で行くから。そっちの方が家からも近いしね」
「なんかいい所に家を構えているな……」
森下さんのボヤキに山川さんがものすごく便利なところだよと頷いていた。
蒼さんたちはすぐにスマホのマップで位置を確認してすげーすげーなんて言っているようにほんとすごい所に住んでいるんだよ。土地代にびっくりだよと言うのは墓までもって行きたい土地のお代だろうか。沢村さんにこんな金額を軽々しく動かすなと言われてしまったけど、たぶん人生の中でこれ以上のものを買うつもりはないからと平謝りしたのは昨日の話しなのに懐かしくて涙が出そうだ。
「じゃあ、とりあえずまたお世話になります。よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げてお願いをして通話を終了。
そしてすぐに飯田さんに連絡をして……
「つまり、また家を買ったと。そして今度は東京で……
俺が言うのもあれですが綾人さん、バカでしょう。あんな土地代だけの場所の家を買うなんて……」
言葉とは裏腹にもう信じられないと頭を抱える御犬様は次の日の朝さっそくと言うように内見希望と言うように遊びに来てくれた時の唖然とした反応はさすがに少し笑えた。
森下さんは口はぞんざいに、でも視線はキラキラと良い家だなーと目を輝かす横で山川さんがただの良い家なわけがないだろうと山下さんの事を説明して驚くような皆様の視線が俺にホントなのかと何度も伺っていた。いやあ、さすがにこれだけ見つめられると照れるよと顔を赤らめてしまうも
「俺が営業するわけじゃなく例によって丸投げです。
諸事情がありまして直接会ったときにお話ししますが、知り合いのホテルマンが独立しようとしていましてちょっとこの家をお預かりする事になったタイミングも重なり、偶然にもお二方共お知り合いのようで思い切って第二の人生の為にとこの家の持ち主の方が手放した後始めようかと思いまして」
眉間にしわを寄せて意味わからんと言う圭斗に
「この家を手放す事情があって、手っ取り早く俺に買い取ってくれと言う流れになり、だったら管理人を置こうと引退予定のホテルマンに管理させようという流れになったんだ」
なるほどと圭斗と宮下と園芸部が納得してくれていた。背後では青さんをはじめとした若手もそれなら俺も分かったというあたり俺の説明ってそんなにも悪いのかと不安になるも苦笑している森下さんがいるのでそうじゃないと信じていたい。
「一応地図を送っておくので……」
「だったら来週の週末に伺わせてもらおう。
それまでにここを仕上げられるだろうし、打ち上げを予定していたからそれをちーっと足を延ばして見学と手が入れられる所は手直しすればすぐに終わるだろ」
長沢さんがやれやれというように簡単な予定を立ててくれた。
こういう時だれも反対できない発言権ある人がいると助かるな。
どれだけ助けられているのかと思いつつも感謝して
「今から予定決められる人からホテル取りますが……」
「ああ、そこはあいつらの所に行くから気にするな。あいつらの家の進行具合も見に行きたいから吉野の、気遣いばかりしないでたまには甘えておけ」
俺に気づかいするなと言いつつあいつらにはいいんだと浮かんだ疑問はすぐ背後で宮下がさっそくと言うように交渉してくれていた。
仕事早いなと感心しつつも何やらものすごい笑顔でOKサインをもらうことが出来た。
「水野あわれ……」
去年の秋に衝動的に家を買った勇者・水野は偶然にも薪風呂、土間台所付きの古民家を手に入れた。職場まで電車で一本、それなりに通勤時間はかかるもののそこはリモートOKの職場。家を少しずつ直しながら住んでいるという。
当然ながら相棒の植田が週末遊びに来るし、当然のように上島兄弟はもちろん園田や陸斗達まで休日は転がり込んでいるという。
まあ、あいつらのたまり場がうちから水野の所に変わっただけの話し。
家づくりも陸斗主体でどんどん進めているし、難しい所はすでに手に入れた時に襲撃して直しているので問題もない。こつこつと直していて陸斗はいつの間にか自分の部屋もゲットしていたのが対価だったという。
植田も陸斗も週末は職場に近いワンルームアパート暮らしで週末は田舎暮らしと言う理想的な環境を手に入れてよかったなと言うところ。逆に水野も職場に顔を出した時は植田のアパートに転がり込むという。ほんと仲良いなと感心する。
そんな水野ハウスはもともと山の家にあこがれて購入した家なので皆さんも心地よく過ごすことができ、高速からそれなりに遠くない場所。交通の便も悪くないし、今回の依頼先までそこまで遠くない。
まあ、水野もすっかり皆さんと仲良くなっているし、圭斗がいれば大丈夫だし、カオスになるだろう人数には宮下がいれば問題がない。
有能になったなと感心していればスマホにはどんどん参加表明の連絡が入ってきた。食事代ぐらいは持たないとなと後で水野に食べたいものを聞いておこうと思う。
「それよりも綾人、この話飯田さんにちゃんとした?」
宮下が東京の事ならちゃんと相談してよと言うような言葉に冷や汗がタラリ。こじらせると面倒くさい人をすっかり忘れていた。
ねちねちと地味に俺が得意としない料理のオンパレードになるんだよな。
胃袋をつかまれた側からでは地味に堪える制裁はほんとメンタルをやられる。そして逆らえないという認識が植え付けられて行って、世のお父さん方はこうやって家を支配されていくのねと謎の納得をしてしまう。
それよりもだ。こんなところで考えている間にすぐに連絡しないとと意識を変えて
「まだしてない。みんなの様子を聞いてからお願いするつもりだったから……」
「とりあえずあとの事はLIMEに入れておくからすぐに連絡すること」
「報連相だね。とりあえず飯田さんとは現地集合、現地解散で行くから。そっちの方が家からも近いしね」
「なんかいい所に家を構えているな……」
森下さんのボヤキに山川さんがものすごく便利なところだよと頷いていた。
蒼さんたちはすぐにスマホのマップで位置を確認してすげーすげーなんて言っているようにほんとすごい所に住んでいるんだよ。土地代にびっくりだよと言うのは墓までもって行きたい土地のお代だろうか。沢村さんにこんな金額を軽々しく動かすなと言われてしまったけど、たぶん人生の中でこれ以上のものを買うつもりはないからと平謝りしたのは昨日の話しなのに懐かしくて涙が出そうだ。
「じゃあ、とりあえずまたお世話になります。よろしくお願いします」
ぺこりと頭を下げてお願いをして通話を終了。
そしてすぐに飯田さんに連絡をして……
「つまり、また家を買ったと。そして今度は東京で……
俺が言うのもあれですが綾人さん、バカでしょう。あんな土地代だけの場所の家を買うなんて……」
言葉とは裏腹にもう信じられないと頭を抱える御犬様は次の日の朝さっそくと言うように内見希望と言うように遊びに来てくれた時の唖然とした反応はさすがに少し笑えた。
222
あなたにおすすめの小説
異世界に転移したら、孤児院でごはん係になりました
雪月夜狐
ファンタジー
ある日突然、異世界に転移してしまったユウ。
気がつけば、そこは辺境にある小さな孤児院だった。
剣も魔法も使えないユウにできるのは、
子供たちのごはんを作り、洗濯をして、寝かしつけをすることだけ。
……のはずが、なぜか料理や家事といった
日常のことだけが、やたらとうまくいく。
無口な男の子、甘えん坊の女の子、元気いっぱいな年長組。
個性豊かな子供たちに囲まれて、
ユウは孤児院の「ごはん係」として、毎日を過ごしていく。
やがて、かつてこの孤児院で育った冒険者や商人たちも顔を出し、
孤児院は少しずつ、人が集まる場所になっていく。
戦わない、争わない。
ただ、ごはんを作って、今日をちゃんと暮らすだけ。
ほんわか天然な世話係と子供たちの日常を描く、
やさしい異世界孤児院ファンタジー。
家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜
奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。
パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。
健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。
『異世界庭付き一戸建て』を相続した仲良し兄妹は今までの不幸にサヨナラしてスローライフを満喫できる、はず?
釈 余白(しやく)
ファンタジー
毒親の父が不慮の事故で死亡したことで最後の肉親を失い、残された高校生の小村雷人(こむら らいと)と小学生の真琴(まこと)の兄妹が聞かされたのは、父が家を担保に金を借りていたという絶望の事実だった。慣れ親しんだ自宅から早々の退去が必要となった二人は家の中で金目の物を探す。
その結果見つかったのは、僅かな現金に空の預金通帳といくつかの宝飾品、そして家の権利書と見知らぬ文字で書かれた書類くらいだった。謎の書類には祖父のサインが記されていたが内容は読めず、頼みの綱は挟まれていた弁護士の名刺だけだ。
最後の希望とも言える名刺の電話番号へ連絡した二人は、やってきた弁護士から契約書の内容を聞かされ唖然とする。それは祖父が遺産として残した『異世界トラス』にある土地と建物を孫へ渡すというものだった。もちろん現地へ行かなければ遺産は受け取れないが。兄妹には他に頼れるものがなく、思い切って異世界へと赴き新生活をスタートさせるのだった。
連載時、HOT 1位ありがとうございました!
その他、多数投稿しています。
こちらもよろしくお願いします!
https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/398438394
ここは異世界一丁目
雪那 由多
ライト文芸
ある日ふと気づいてしまった虚しい日々に思い浮かぶは楽しかったあの青春。
思い出にもう一度触れたくて飛び込むも待っているのはいつもの日常。
なんてぼやく友人の想像つかない行動に頭を抱えるも気持ちは分からないでもない謎の行動力に仕方がないと付き合うのが親友としての役目。
悪魔に魂を売るのも当然な俺達のそんな友情にみんな巻き込まれてくれ!
※この作品は人生負け組のスローライフの811話・山の日常、これぞ日常あたりの頃の話になります。
人生負け組を読んでなくても問題ないように、そして読んでいただければより一層楽しめるようになってます。たぶん。
************************************
第8回ライト文芸大賞・読者賞をいただきました!
投票をしていただいた皆様、そして立ち止まっていただきました皆様ありがとうございました!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
底辺から始まった俺の異世界冒険物語!
ちかっぱ雪比呂
ファンタジー
40歳の真島光流(ましまみつる)は、ある日突然、他数人とともに異世界に召喚された。
しかし、彼自身は勇者召喚に巻き込まれた一般人にすぎず、ステータスも低かったため、利用価値がないと判断され、追放されてしまう。
おまけに、道を歩いているとチンピラに身ぐるみを剥がされる始末。いきなり異世界で路頭に迷う彼だったが、路上生活をしているらしき男、シオンと出会ったことで、少しだけ道が開けた。
漁れる残飯、眠れる舗道、そして裏ギルドで受けられる雑用仕事など――生きていく方法を、教えてくれたのだ。
この世界では『ミーツ』と名乗ることにし、安い賃金ながらも洗濯などの雑用をこなしていくうちに、金が貯まり余裕も生まれてきた。その頃、ミーツは気付く。自分の使っている魔法が、非常識なほどチートなことに――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる