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番外編:バレンタインの楽しみかた
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バレンタインのシーズンになると店の中は甘いチョコレートの香りで溢れかえるのが風物詩。
狭いキッチンでは匂いで嗅覚を押しつぶしに来る圧倒的カカオの香りは嫌いではないが少々辟易気味になる。
だけど飯田薫は圧倒的カカオの香りに耐えながらも粉をふるい続けていた。
ランチの時間を終え、夜の仕込みも終えた合間のわずかな休憩時間。
本日は就業後に向かう海なし県の山のさらに奥。
今日も気難し屋の家主のご機嫌を取るために、そして竈オーブンで何を作ろうかとウキウキしながらも室温に合わせたバターを手間ひまかけてポマード状に仕上げていく。
決してレンジでチンなんて手抜きを許すはずのない本職の小沢が背後で目を光らせて見学している環境だからではない。ましてや俺にやらせろという視線に気づかないふりを全力で知らないふりをする為だとは思ってないとアピールする為に海に縁のない子供の為に夕食は牡蠣鍋がいいだろうかエビのビスクにしようか、夕食の仕入れの時についでに購入してもらったものに思いを馳せるのだった。
子供の頃から海に縁がなかった飯田だけに海に対する憧れはそこまで無いが、あるとしたら海の幸の魚介類と言う食材ぐらい。
「私も人の事言えないけど薫も大概だね」
笑う叔父の青山に言われるも
「まあ俺も海に対する思いなんて食材が泳いでいるぐらいしか思ってないから海水浴やサーフィンよりも釣りと市場ぐらいしか思い入れないからね」
これでもサーフィンのメッカと言われている町の出身の高遠の海に対する残念な思い入れは海沿いの街の食堂屋というご実家事情だからだろうか。
「釣ってきた魚を捌いて食べる、今思えば贅沢だよな」
思い出してはじゅるりと涎を垂らしながら
「地元にいた時漁業権なんて関係なかったし、小さな窪みに溜まった潮溜まりに焚き火で焼いた石を魚と一緒に放り込んで食べたやつも美味かったなあ」
「高遠、その時代には立派に漁業権は売っていたよ」
ため息と共に吐き出す青山の真実に
「そうだったね。確かうちの実家でも売っていたはずだから」
子供ゆえの確信犯。
親公認となるとタチが悪いなんて思うもその地域なら誰もがよくある話だろうと少し羨ましく思うのは海あり県に住んでいても海から遠い場所で育った同じ血筋の青山と供に羨ましく思う。
隣で咲き出した海産物談義を無視してバターに卵黄と砂糖を混ぜて小麦粉を合わせたチョコレート色の粉を混ぜていく。
グルテンが発生しないように、そして手を出したくてうずうずしていたパティシエを大人しくさせる為に泡立てさせた作りたてのメレンゲをざっくり三回に分けて混ぜ合わせて型に流した。
途中本職の舌打ちが何度か耳に届いて自分の作業を思い返せばこれでも手際が悪いのか、混ぜすぎなのかと今にも刺殺さんと言わんばかりの視線に冷汗を流しながらも既に作り終えていたチョコクッキーと一緒にオーブンへと入れるのだった。
「後は焼き上がるのを待つだけ」
言いながら借りた店の調理器を洗おうとした所でガチャンとオーブンの開く音。
ギョッとして振り向けばパティシエの小沢が
「見ていたらやっぱり作りたくなっかたら綾人君に持っていって」
いつの間に作ったのか天板に流し込まれたチョコレートの
「ブラウニーですか?」
「ああ、メレンゲ作るならついでにって」
青山と高遠ですらいつの間にと思うもその後ろで桧山が粉まみれになっている所を見ると巻き込まれた以外考えられなかったのを軽く見ないふりをしておいた。
感謝はあれど言葉にはしない。
何故なら今ここで使われているチョコレートは今年いち早く綾人の教え子達が届けたかつて綾人がリクエストしたデパートのバレンタイン特設会場で購入した高級製菓食材のチョコレートばかりなのだから。
何年か前に作ったバター入りホットチョコレートがバレンタインの翌日公開だった事で大層なブーイングを見ての対策。
そして翌年より動画を見ただろう対策は綾人の生徒なら当然できて当たり前。笑うしかない調教だと関心をする。
そして立派に餌付けした俺の所にも今も時々教え子達が裏の出入り口から生存報告に顔を出してくる理由の半分は懐かしさと恩もあるだろうが、今年は
「早めに綾っちに届けるから。絶対飯田さんに丸投げするから思いっきり作ってください」
そんな警告。いや注意?リクエスト?まあいい。
そういう挑戦なら受けて立とう。
綾っちという呼び名に懐かしさを覚えるかつて人見知りだった訪問者は今では近くのビルに入る会社勤め。綾人の教子達の優秀さにはどの時代の子も舌を巻く立派な姿だった。だけどどこか抜けているのも学んだようでチョコレートをどれぐらい必要かわからないからと予算で買えるだけ買ったと言う宣言には聞けば納得のものだったし、綾人がチョコレートを受け取った時の顔も想像も容易いので
「動画での結果報告楽しみにしていてください」
にっこりとまかしておけと言えば近くの弁当屋で手に入れた昼食を片手に楽しみにしてますと去っていく後ろ姿。
今年は大変だなと思っていればしばらくもしないうちに店に届けられた高級製菓材料のチョコレートの山。
箱を開けて青山達と見た時はそのネームバリューもさることながら
「これはすごい……」
綾人の半分嫌がらせのリクエストにはかなり嫌がらせ混じりのプレゼント。作業台に並べればソムリエの桧山が
「俺も動画やろうかな?こんなにも一杯貰えるようになれるかな?」
壊れた様に笑いだす様子にはこの中身は100%男性からのプレゼントでもよければと言った所でそれでもかまわない!どんと来い!と言いだしそうなのでそっと視界からシャットアウト。
「薫、綾人さんからの手紙もあるよ」
封じられず誰にでも見えるようにポンと置かれたようなカードにはただ一言。
『一人で食べきれるわけないので皆さんでお楽しみください』
何処か殴り書きにも見える筆跡に苦笑しながら
「せっかくだから美味しくいただこうか」
素直に好意に甘える青山の言葉に普段チョコレートなんて使わない高遠もチョコレート菓子を作り出したり、お裾分けではないがお客様にも食後のコーヒーにおまけがつくというサービスにも発展した。
今年もだけど飯田さんはとっておきと言わんばかりの赤い箱をどんと出して
「綾人さんご所望のガトーショコラです」
「ふっふっふ……
知ってる、これ絶対美味いやつ!
あいつら今年は製菓材料ばかり大量に送ってきやがって俺に対する嫌がらせが年々本格的になってきてるな!」
ちらりと仏壇に視線を向ければそちらにもバレンタインチョコが並べられている。製菓材料と僅かながらのチョコレート菓子もちゃんと添えてあるようで気遣いができる子達になったなとヤンチャ時代を知るだけに感心していればガラリと開いた玄関から現れた姿がひょいとテーブルの上のケーキを見て
「あー、あのチョコちゃんと食べられるようになったんだ」
「はい。圭斗君達の分は来る時に置いてきたので蓮司君も是非食べてってください。
こう言ったスイーツも好きでしょ?」
「うわ!俺までいいんですか?!
綾人ゴチになりまっす!!!」
「久しぶりに来た記念だ。しっかりとそのケーキを心して食せよ?その舌に記憶させるように味わえよ?」
「綾人にそう言われると期待しかないんだけど!」
「何を言ってる!飯田さんのケーキだから当然期待しかないだろ!」
ウェーイ!なんて盛り上がる二人に微笑みながら
「はいどうぞ」
飯田さんはいつのまにか豆から挽いてくれたコーヒーまで差し出してくれた。
「完璧だ!」
蓮司は我慢ができないようにと期待に胸を膨らまし頂きますと吠えて食べたその濃厚なまでのどっしりとした、でもどこかしっとりと舌に纏わりつくガトーショコラに感動してコーヒーを一口。ほろ苦さが押し寄せる甘さと混じり合ってゆったりと蕩けて行く至福に褒め称える言葉はどれも陳腐な装飾にしかならなくても言わずにはいられない。
「最高!」
「当然!小沢さん監修、飯田さんからもらうチョコレートを食べるともう他のチョコレートが美味しいって食べられなくなるから覚悟しろよ!!!」
真剣な目で訴える綾人の言葉を当然のように間に受けない蓮司だが、綾人は忠告したから後悔するなよとそう言ってやっとケーキにフォークを入れて至福の時間と言う様にうっとりと天に召される顔で堪能するのを飯田は満足げに眺めるのだった。
***************************
本篇が終わったので再復活です。
番外編まだまだ続きます。
狭いキッチンでは匂いで嗅覚を押しつぶしに来る圧倒的カカオの香りは嫌いではないが少々辟易気味になる。
だけど飯田薫は圧倒的カカオの香りに耐えながらも粉をふるい続けていた。
ランチの時間を終え、夜の仕込みも終えた合間のわずかな休憩時間。
本日は就業後に向かう海なし県の山のさらに奥。
今日も気難し屋の家主のご機嫌を取るために、そして竈オーブンで何を作ろうかとウキウキしながらも室温に合わせたバターを手間ひまかけてポマード状に仕上げていく。
決してレンジでチンなんて手抜きを許すはずのない本職の小沢が背後で目を光らせて見学している環境だからではない。ましてや俺にやらせろという視線に気づかないふりを全力で知らないふりをする為だとは思ってないとアピールする為に海に縁のない子供の為に夕食は牡蠣鍋がいいだろうかエビのビスクにしようか、夕食の仕入れの時についでに購入してもらったものに思いを馳せるのだった。
子供の頃から海に縁がなかった飯田だけに海に対する憧れはそこまで無いが、あるとしたら海の幸の魚介類と言う食材ぐらい。
「私も人の事言えないけど薫も大概だね」
笑う叔父の青山に言われるも
「まあ俺も海に対する思いなんて食材が泳いでいるぐらいしか思ってないから海水浴やサーフィンよりも釣りと市場ぐらいしか思い入れないからね」
これでもサーフィンのメッカと言われている町の出身の高遠の海に対する残念な思い入れは海沿いの街の食堂屋というご実家事情だからだろうか。
「釣ってきた魚を捌いて食べる、今思えば贅沢だよな」
思い出してはじゅるりと涎を垂らしながら
「地元にいた時漁業権なんて関係なかったし、小さな窪みに溜まった潮溜まりに焚き火で焼いた石を魚と一緒に放り込んで食べたやつも美味かったなあ」
「高遠、その時代には立派に漁業権は売っていたよ」
ため息と共に吐き出す青山の真実に
「そうだったね。確かうちの実家でも売っていたはずだから」
子供ゆえの確信犯。
親公認となるとタチが悪いなんて思うもその地域なら誰もがよくある話だろうと少し羨ましく思うのは海あり県に住んでいても海から遠い場所で育った同じ血筋の青山と供に羨ましく思う。
隣で咲き出した海産物談義を無視してバターに卵黄と砂糖を混ぜて小麦粉を合わせたチョコレート色の粉を混ぜていく。
グルテンが発生しないように、そして手を出したくてうずうずしていたパティシエを大人しくさせる為に泡立てさせた作りたてのメレンゲをざっくり三回に分けて混ぜ合わせて型に流した。
途中本職の舌打ちが何度か耳に届いて自分の作業を思い返せばこれでも手際が悪いのか、混ぜすぎなのかと今にも刺殺さんと言わんばかりの視線に冷汗を流しながらも既に作り終えていたチョコクッキーと一緒にオーブンへと入れるのだった。
「後は焼き上がるのを待つだけ」
言いながら借りた店の調理器を洗おうとした所でガチャンとオーブンの開く音。
ギョッとして振り向けばパティシエの小沢が
「見ていたらやっぱり作りたくなっかたら綾人君に持っていって」
いつの間に作ったのか天板に流し込まれたチョコレートの
「ブラウニーですか?」
「ああ、メレンゲ作るならついでにって」
青山と高遠ですらいつの間にと思うもその後ろで桧山が粉まみれになっている所を見ると巻き込まれた以外考えられなかったのを軽く見ないふりをしておいた。
感謝はあれど言葉にはしない。
何故なら今ここで使われているチョコレートは今年いち早く綾人の教え子達が届けたかつて綾人がリクエストしたデパートのバレンタイン特設会場で購入した高級製菓食材のチョコレートばかりなのだから。
何年か前に作ったバター入りホットチョコレートがバレンタインの翌日公開だった事で大層なブーイングを見ての対策。
そして翌年より動画を見ただろう対策は綾人の生徒なら当然できて当たり前。笑うしかない調教だと関心をする。
そして立派に餌付けした俺の所にも今も時々教え子達が裏の出入り口から生存報告に顔を出してくる理由の半分は懐かしさと恩もあるだろうが、今年は
「早めに綾っちに届けるから。絶対飯田さんに丸投げするから思いっきり作ってください」
そんな警告。いや注意?リクエスト?まあいい。
そういう挑戦なら受けて立とう。
綾っちという呼び名に懐かしさを覚えるかつて人見知りだった訪問者は今では近くのビルに入る会社勤め。綾人の教子達の優秀さにはどの時代の子も舌を巻く立派な姿だった。だけどどこか抜けているのも学んだようでチョコレートをどれぐらい必要かわからないからと予算で買えるだけ買ったと言う宣言には聞けば納得のものだったし、綾人がチョコレートを受け取った時の顔も想像も容易いので
「動画での結果報告楽しみにしていてください」
にっこりとまかしておけと言えば近くの弁当屋で手に入れた昼食を片手に楽しみにしてますと去っていく後ろ姿。
今年は大変だなと思っていればしばらくもしないうちに店に届けられた高級製菓材料のチョコレートの山。
箱を開けて青山達と見た時はそのネームバリューもさることながら
「これはすごい……」
綾人の半分嫌がらせのリクエストにはかなり嫌がらせ混じりのプレゼント。作業台に並べればソムリエの桧山が
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壊れた様に笑いだす様子にはこの中身は100%男性からのプレゼントでもよければと言った所でそれでもかまわない!どんと来い!と言いだしそうなのでそっと視界からシャットアウト。
「薫、綾人さんからの手紙もあるよ」
封じられず誰にでも見えるようにポンと置かれたようなカードにはただ一言。
『一人で食べきれるわけないので皆さんでお楽しみください』
何処か殴り書きにも見える筆跡に苦笑しながら
「せっかくだから美味しくいただこうか」
素直に好意に甘える青山の言葉に普段チョコレートなんて使わない高遠もチョコレート菓子を作り出したり、お裾分けではないがお客様にも食後のコーヒーにおまけがつくというサービスにも発展した。
今年もだけど飯田さんはとっておきと言わんばかりの赤い箱をどんと出して
「綾人さんご所望のガトーショコラです」
「ふっふっふ……
知ってる、これ絶対美味いやつ!
あいつら今年は製菓材料ばかり大量に送ってきやがって俺に対する嫌がらせが年々本格的になってきてるな!」
ちらりと仏壇に視線を向ければそちらにもバレンタインチョコが並べられている。製菓材料と僅かながらのチョコレート菓子もちゃんと添えてあるようで気遣いができる子達になったなとヤンチャ時代を知るだけに感心していればガラリと開いた玄関から現れた姿がひょいとテーブルの上のケーキを見て
「あー、あのチョコちゃんと食べられるようになったんだ」
「はい。圭斗君達の分は来る時に置いてきたので蓮司君も是非食べてってください。
こう言ったスイーツも好きでしょ?」
「うわ!俺までいいんですか?!
綾人ゴチになりまっす!!!」
「久しぶりに来た記念だ。しっかりとそのケーキを心して食せよ?その舌に記憶させるように味わえよ?」
「綾人にそう言われると期待しかないんだけど!」
「何を言ってる!飯田さんのケーキだから当然期待しかないだろ!」
ウェーイ!なんて盛り上がる二人に微笑みながら
「はいどうぞ」
飯田さんはいつのまにか豆から挽いてくれたコーヒーまで差し出してくれた。
「完璧だ!」
蓮司は我慢ができないようにと期待に胸を膨らまし頂きますと吠えて食べたその濃厚なまでのどっしりとした、でもどこかしっとりと舌に纏わりつくガトーショコラに感動してコーヒーを一口。ほろ苦さが押し寄せる甘さと混じり合ってゆったりと蕩けて行く至福に褒め称える言葉はどれも陳腐な装飾にしかならなくても言わずにはいられない。
「最高!」
「当然!小沢さん監修、飯田さんからもらうチョコレートを食べるともう他のチョコレートが美味しいって食べられなくなるから覚悟しろよ!!!」
真剣な目で訴える綾人の言葉を当然のように間に受けない蓮司だが、綾人は忠告したから後悔するなよとそう言ってやっとケーキにフォークを入れて至福の時間と言う様にうっとりと天に召される顔で堪能するのを飯田は満足げに眺めるのだった。
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本篇が終わったので再復活です。
番外編まだまだ続きます。
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