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おばちゃん二人……
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慌ててコップに水を汲んでルヴィ様に差し出した。
ヒーヒー言いながらも何とか体を起こしてコップの水を一気に飲み干し
「クイン、お前の店の前を通ったから灯りがついてないからまさかとは思ったが……」
床の上に座ってマダムを睨みつけている。
多分ピロンと掲げている下着をガン見しているとは思わないようにしている。
「ルヴィちゃんが気に入った子だもの。私だって仲良くしたいし、それにこの子かーなーりー素材としても良いじゃない。
ファッションセンスは最悪を極めてたけどね」
「仕方ないわよメルちゃんのおうちの事情を考えれば……」
「メルちゃん?なにそれ可愛いい!!
私もメルちゃんって呼んじゃお!」
キャーって騒ぎながらもルヴィ様をテーブルまで連れてきて座らせる。
というかだ。可愛いの基準って何だろうと思いながらも椅子を引き寄せられて頬をすり寄らされてしまう。辛うじて手で押し返す事に成功したけど
「お二人は仲がよろしいのですね?」
「そりゃもちろんよ。
学生時代からの仲良しなのよ~。
あとルノワールのホークと仲良し三人組なのよ~」
「へ、へえ……
それはまた個性的な三人組で」
っていうか知り合いなら一言教えて欲しかった。
「そおなの~!
剣を扱わせれば学校一番のホークちゃんでしょ?そして魔法の天才ルヴィちゃん。そして究極の癒しのワタシ!
究極の回復魔法の使い手として私が二人を支えてきたの~」
「……」
懐かしいわあと思い出にふけるその隣のルヴィ様は全身鳥肌をたててそっぽを向いていた。
まあ、言われなくても想像できるなと思う私達の前に執事の方が紅茶を出してくれた。
「ああ、アンディ悪いな」
執事さんはアンディというらしい。
若いいかにもマダムの好きそうな美青年はハシバミ色の髪が彩る頭を横に振り
「マダムのご要望ですので」
「クインも助かるわぁ。こうやって料理まで持ってきてくれて……」
「だってどう考えてもルヴィちゃんいつもまともにご飯食べないじゃない。
私がこうやって食べさせてあげないとまともにパンも食べないじゃないの」
「城でちゃんとした食事が出る。一日一回まともに食事を食べていれば十分だ」
「それじゃ駄目よお!
一日三食とは言わないから、せめて二食はちゃんと食べなさい。あとはおやつでごまかしてもいいんだから。
もう若いころの無茶はできないのよ!」
心配からの小言は優しさに満ちていて、アンディさんが次々に並べていく料理を疑問なく食べていたが、隣の炊事場を行き来する彼に私は目を点にしていた。
ふつう勝手に人の家の施設を使うものなの?
唖然としていればアンディさんは私を見てふんと鼻で笑った。
……なんだろう。私の城(?)に勝手に侵入して自分の居場所のようにふるまうその態度……
せわしなく働く彼を見ていればやっとそれに気づいたマダムが私の手を引っ張って私の顔を強制的に見つめ合うように頬に手をそえて
「メルちゃんごめんね。その顔じゃあ気に障っちゃったね」
許してねというように頬に添えていた手で私の手を両手でがっちりとホールドする。
何気にごつい手と指先は切り傷が目立っていた。
その手をじっと見ていてからか視線に気づいたマダムは
「この手が気になる?」
「ええと、回復魔法の使い手と聞いたので」
いえばマダムは嬉しそうに目を細めて
「これはね染色で汚れた手をごしごし洗ったり水で荒れて痛めたものなの。
魔法で治すのは簡単だけど、私はプライドを持って仕事をしているし、大事な染色の具合をほかの子に任せるなんてできないわ。
だから私の手でもって染めて洗い流してを繰り返す事でできるこの手は私の武勲なの。勲章だから気に留めなくてもいいのよ」
「働き者の手ですね」
「そうなの!そう言ってくれると嬉しいわあ!」
キャーっと悲鳴を上げて私の手に頬ずりする。
ちょっとおひげがじょりっとするけどそれはまあ割愛だ。
「だけどルヴィも変わったわねぇ」
何が?というようにサラダをフォークで口に運ぶ顔が不思議そうな顔をして
「掃除嫌いのあなたが門からちゃんと家の前まで馬車が通れるようにするなんて、やっぱりお家に女の子がいると変わるものねぇ」
草むらをかき分けなくちゃって思ってたのにと感心するマダムにルヴィ様は真顔で顔を横に振り
「んなの俺様がするわけないだろ」
ひどく真剣な顔で私を見た。
ヒーヒー言いながらも何とか体を起こしてコップの水を一気に飲み干し
「クイン、お前の店の前を通ったから灯りがついてないからまさかとは思ったが……」
床の上に座ってマダムを睨みつけている。
多分ピロンと掲げている下着をガン見しているとは思わないようにしている。
「ルヴィちゃんが気に入った子だもの。私だって仲良くしたいし、それにこの子かーなーりー素材としても良いじゃない。
ファッションセンスは最悪を極めてたけどね」
「仕方ないわよメルちゃんのおうちの事情を考えれば……」
「メルちゃん?なにそれ可愛いい!!
私もメルちゃんって呼んじゃお!」
キャーって騒ぎながらもルヴィ様をテーブルまで連れてきて座らせる。
というかだ。可愛いの基準って何だろうと思いながらも椅子を引き寄せられて頬をすり寄らされてしまう。辛うじて手で押し返す事に成功したけど
「お二人は仲がよろしいのですね?」
「そりゃもちろんよ。
学生時代からの仲良しなのよ~。
あとルノワールのホークと仲良し三人組なのよ~」
「へ、へえ……
それはまた個性的な三人組で」
っていうか知り合いなら一言教えて欲しかった。
「そおなの~!
剣を扱わせれば学校一番のホークちゃんでしょ?そして魔法の天才ルヴィちゃん。そして究極の癒しのワタシ!
究極の回復魔法の使い手として私が二人を支えてきたの~」
「……」
懐かしいわあと思い出にふけるその隣のルヴィ様は全身鳥肌をたててそっぽを向いていた。
まあ、言われなくても想像できるなと思う私達の前に執事の方が紅茶を出してくれた。
「ああ、アンディ悪いな」
執事さんはアンディというらしい。
若いいかにもマダムの好きそうな美青年はハシバミ色の髪が彩る頭を横に振り
「マダムのご要望ですので」
「クインも助かるわぁ。こうやって料理まで持ってきてくれて……」
「だってどう考えてもルヴィちゃんいつもまともにご飯食べないじゃない。
私がこうやって食べさせてあげないとまともにパンも食べないじゃないの」
「城でちゃんとした食事が出る。一日一回まともに食事を食べていれば十分だ」
「それじゃ駄目よお!
一日三食とは言わないから、せめて二食はちゃんと食べなさい。あとはおやつでごまかしてもいいんだから。
もう若いころの無茶はできないのよ!」
心配からの小言は優しさに満ちていて、アンディさんが次々に並べていく料理を疑問なく食べていたが、隣の炊事場を行き来する彼に私は目を点にしていた。
ふつう勝手に人の家の施設を使うものなの?
唖然としていればアンディさんは私を見てふんと鼻で笑った。
……なんだろう。私の城(?)に勝手に侵入して自分の居場所のようにふるまうその態度……
せわしなく働く彼を見ていればやっとそれに気づいたマダムが私の手を引っ張って私の顔を強制的に見つめ合うように頬に手をそえて
「メルちゃんごめんね。その顔じゃあ気に障っちゃったね」
許してねというように頬に添えていた手で私の手を両手でがっちりとホールドする。
何気にごつい手と指先は切り傷が目立っていた。
その手をじっと見ていてからか視線に気づいたマダムは
「この手が気になる?」
「ええと、回復魔法の使い手と聞いたので」
いえばマダムは嬉しそうに目を細めて
「これはね染色で汚れた手をごしごし洗ったり水で荒れて痛めたものなの。
魔法で治すのは簡単だけど、私はプライドを持って仕事をしているし、大事な染色の具合をほかの子に任せるなんてできないわ。
だから私の手でもって染めて洗い流してを繰り返す事でできるこの手は私の武勲なの。勲章だから気に留めなくてもいいのよ」
「働き者の手ですね」
「そうなの!そう言ってくれると嬉しいわあ!」
キャーっと悲鳴を上げて私の手に頬ずりする。
ちょっとおひげがじょりっとするけどそれはまあ割愛だ。
「だけどルヴィも変わったわねぇ」
何が?というようにサラダをフォークで口に運ぶ顔が不思議そうな顔をして
「掃除嫌いのあなたが門からちゃんと家の前まで馬車が通れるようにするなんて、やっぱりお家に女の子がいると変わるものねぇ」
草むらをかき分けなくちゃって思ってたのにと感心するマダムにルヴィ様は真顔で顔を横に振り
「んなの俺様がするわけないだろ」
ひどく真剣な顔で私を見た。
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