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第十三話(リーンハルト視点)
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なんだ、なんだ、何なんだよ!? 隣国の王太子って、意味が分からん!?
だって、ちょっと前までシャルロットは僕の婚約者だったじゃないか! それが、別れてからまだ間もないというのに、王太子のアルフレートと婚約だって!?
いくらなんでも節操なさすぎだろう! 僕という人間と別れたのにも関わらず全く未練もなく次の男に行くなんて、薄情過ぎる……。
僕のプライドはどうなる? アルフレートの奴も勝ち誇った顔しやがって、いけ好かない奴だ。
こっちが大人の対応をして引き下がってやったんだ。この前会ったときはカタコトで田舎者丸出しだったクセに気に食わない。
だが、気に食わないが……隣国の王太子に逆らうと一気に国際問題だ。
公爵家の者として、それだけは許されない。下手すると父上の爵位が弟のモノになるかもしれんのだから。
はぁ~~、誠に遺憾だがミリムで我慢するか。
顔は可愛いし、バカ女って所にさえ目を瞑れば妻として申し分ない。
うーん。バカってところさえ無ければなぁ……。
本当にバカって所さえなければ――。
本来ならミリムと別れて、今日はシャルロットと会食をする予定だったのに……。
つい、アルフレートの奴にもミリムの婚約者だと名乗ってしまったからコイツと簡単に別れることも出来なくなったじゃないか。
あー、顔は良いんだよなぁ。もう、見飽きちゃったけど。
アレだな。美人のバカって、よりムカつくってことが分かったよ。
最初は「ドジだな、でも可愛いから許す」みたいな生温かい目で見ることが出来たのに、段々イライラが勝つようになったんだよな……。
だが、我慢するしかない。こいつの良いところを見出すしか――。
「で、アルフレート様ってとぉっても素敵な王子様でしたのぉ。ミリム、あんなに格好いい殿方、初めて見ましたわぁ」
こいつ、正気か? 僕という男がいる前でアルフレートのことを格好いいとか素敵だとか、まるで自分の恋人みたいに語ってるぞ。
ていうか、いい歳して一人称が自分の名前ってイラッとするな。
普段は「わたくし」って言ってるのに、「ミリムは~」とか急にぶっ込んでくるから、本当に油断ならん奴だ。
「それに、アルフレート様ったら、ミリムのことを可愛いって言ってくれましたのよぉ。もう、わたくし、それが嬉しくて~~」
ほら、また「ミリムのこと」とか言ってる。
遠くから眺めているくらいで丁度いい女っているんだな。今さら気付いても遅い教訓だが……。
んっ? 待て、待て、待て、待て、ちょっと待って!
今、こいつはアルフレートがミリムのことを可愛いって言ったとか抜かしたな。
これはもしやチャンスか? もしかして、このバカ女をあのいけ好かない王太子に押し付けるチャンスなのでは!?
「み、ミリム、もしかして君は……、アルフレート殿下のことを好きになったのか!?」
「えっ? リーンハルト様、いきなり何を……? わたくしがアルフレート様をお慕いしていることをどうして見抜かれたのですか?」
見てりゃバレバレだよ。ちょっとは隠す努力をしろ。隠す努力を……。
だが、これは利用できるかもしれんぞ。僕がババ抜きの勝者になるために。
「じゃあ、例えばアルフレート殿下がシャルロットとの婚約を止めてミリムと結婚したいなんて言い出す可能性もあるのかな……? 例えば、だけど」
「……これ、変な匂いがしますわぁ。腐ってます。……あれれ? なんのお話をしていましたっけぇ?」
この女、十分とまともに会話が出来ないじゃないか。
僕の話をまたいい加減に聞きやがって――。
それにこれは腐ってるんじゃない! 発酵しているんだ、発酵!
さっき、シェフが説明していたのを聞いていないのか!? 聞いていないよな。そりゃそうだ。ミリムだもの。
「だから、さぁ。アルフレート殿下がミリムに惚れている可能性について聞いているんだよ」
「アルフレート殿下はミリムのこと好きですよぉ。だって、この前もわたくしのことずぅーっときれいな瞳で見つめていましたもの」
ヨッシャーーーーー!
キタキタキタキターーーー!
逆転の時間がやってキターーーーーーーー!
絶対にあのいけ好かないアルフレートの野郎にこのジョーカーを押し付けてやる!
だって、ちょっと前までシャルロットは僕の婚約者だったじゃないか! それが、別れてからまだ間もないというのに、王太子のアルフレートと婚約だって!?
いくらなんでも節操なさすぎだろう! 僕という人間と別れたのにも関わらず全く未練もなく次の男に行くなんて、薄情過ぎる……。
僕のプライドはどうなる? アルフレートの奴も勝ち誇った顔しやがって、いけ好かない奴だ。
こっちが大人の対応をして引き下がってやったんだ。この前会ったときはカタコトで田舎者丸出しだったクセに気に食わない。
だが、気に食わないが……隣国の王太子に逆らうと一気に国際問題だ。
公爵家の者として、それだけは許されない。下手すると父上の爵位が弟のモノになるかもしれんのだから。
はぁ~~、誠に遺憾だがミリムで我慢するか。
顔は可愛いし、バカ女って所にさえ目を瞑れば妻として申し分ない。
うーん。バカってところさえ無ければなぁ……。
本当にバカって所さえなければ――。
本来ならミリムと別れて、今日はシャルロットと会食をする予定だったのに……。
つい、アルフレートの奴にもミリムの婚約者だと名乗ってしまったからコイツと簡単に別れることも出来なくなったじゃないか。
あー、顔は良いんだよなぁ。もう、見飽きちゃったけど。
アレだな。美人のバカって、よりムカつくってことが分かったよ。
最初は「ドジだな、でも可愛いから許す」みたいな生温かい目で見ることが出来たのに、段々イライラが勝つようになったんだよな……。
だが、我慢するしかない。こいつの良いところを見出すしか――。
「で、アルフレート様ってとぉっても素敵な王子様でしたのぉ。ミリム、あんなに格好いい殿方、初めて見ましたわぁ」
こいつ、正気か? 僕という男がいる前でアルフレートのことを格好いいとか素敵だとか、まるで自分の恋人みたいに語ってるぞ。
ていうか、いい歳して一人称が自分の名前ってイラッとするな。
普段は「わたくし」って言ってるのに、「ミリムは~」とか急にぶっ込んでくるから、本当に油断ならん奴だ。
「それに、アルフレート様ったら、ミリムのことを可愛いって言ってくれましたのよぉ。もう、わたくし、それが嬉しくて~~」
ほら、また「ミリムのこと」とか言ってる。
遠くから眺めているくらいで丁度いい女っているんだな。今さら気付いても遅い教訓だが……。
んっ? 待て、待て、待て、待て、ちょっと待って!
今、こいつはアルフレートがミリムのことを可愛いって言ったとか抜かしたな。
これはもしやチャンスか? もしかして、このバカ女をあのいけ好かない王太子に押し付けるチャンスなのでは!?
「み、ミリム、もしかして君は……、アルフレート殿下のことを好きになったのか!?」
「えっ? リーンハルト様、いきなり何を……? わたくしがアルフレート様をお慕いしていることをどうして見抜かれたのですか?」
見てりゃバレバレだよ。ちょっとは隠す努力をしろ。隠す努力を……。
だが、これは利用できるかもしれんぞ。僕がババ抜きの勝者になるために。
「じゃあ、例えばアルフレート殿下がシャルロットとの婚約を止めてミリムと結婚したいなんて言い出す可能性もあるのかな……? 例えば、だけど」
「……これ、変な匂いがしますわぁ。腐ってます。……あれれ? なんのお話をしていましたっけぇ?」
この女、十分とまともに会話が出来ないじゃないか。
僕の話をまたいい加減に聞きやがって――。
それにこれは腐ってるんじゃない! 発酵しているんだ、発酵!
さっき、シェフが説明していたのを聞いていないのか!? 聞いていないよな。そりゃそうだ。ミリムだもの。
「だから、さぁ。アルフレート殿下がミリムに惚れている可能性について聞いているんだよ」
「アルフレート殿下はミリムのこと好きですよぉ。だって、この前もわたくしのことずぅーっときれいな瞳で見つめていましたもの」
ヨッシャーーーーー!
キタキタキタキターーーー!
逆転の時間がやってキターーーーーーーー!
絶対にあのいけ好かないアルフレートの野郎にこのジョーカーを押し付けてやる!
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