短編集

灯埜

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窓際の席

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きっかけは、授業中に窓の外を覗いたときに見える隣のクラスの窓からよく出ている片手だった。
いつも、誰の手だろうって思う。

隣のクラスなのはわかってる。

その席に座ってる人がわからない。

クラスによっては移動教室で使われてたりするから、誰が座るかわからない。

私は試しにその席に座ると、机に歌詞が書いてあった。


窓際の席に座った彼も隣のクラスの窓から覗くの彼女に気づいていて…。



移動教室の度に書かれる返事。
交換日記みたいに続いていく。









  🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱










ある暑い日。

授業中に窓の外をチラッと見ると隣のクラスの窓からよく片手が出てるのが見える。
いつも、誰の手だろうって思う。

隣のクラスなのはわかってる。

その席に座ってる人がわからない。

クラスによっては移動教室で使われてたりするから、誰が座るかわからないってのもある。
そのクラスに移動教室でよく行くが、名前が書かれてはいないので、誰の席かもわからなかった。

試しにその席に座ると机に歌詞が書いてあった。


  できれば横にいて欲しくて 
  どこにも行って欲しくなくて
  僕のことだけをずっと考えていて欲しい
  でもこんな事を伝えたら格好悪いし
  長くなるだけだからまとめるよ
  君が好きだ

  聞こえるまで何度だって言うよ
  君が好きだ


あ、これ知ってます。
back number のクリスマスソングだ。
私も好きでよくプレイリストにいれて聞いている。

"backnumber の歌詞素敵ですよね"
歌詞の近くで少し書いてると、チャイムが鳴り、授業が始まった。

授業が終わり、自分の組に戻り、窓から少し覗くと隣のクラスから窓際近くから二人の声が聞こえてくる。
「おぉっ、同士が俺の席に座ったらしいぞ」
「同士て(笑)」
それを聞いてふふ、と笑ってしまった。
やっぱり消しに行こうかなと思っていたが、相手が不快に思ってなくてホッとした。

移動教室の度にその席に座った。

机には毎回違う歌詞が書いてあった。

backnumber だったり、柴咲コウさんの曲の歌詞だったり、YUIさんの曲の歌詞だったりなど一部分を抜き取って書かれていた。
歌詞の近くに 

"これ知ってる?俺の好きな曲で、よく聞くんだよね"

 とメッセージ付きで。

私もそれに対しての返事を書く。

"知ってます😃私も歌と歌詞好きで聞いてます。歌詞のこことここが共感できて言葉にすると確かに!ってさらに共感しましたもの。奥が深いですよね。"

私も知っているお気に入りの曲の歌詞を書いたりして次また移動教室で来たときの楽しみになっていった。


 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱


席替えをして窓際になった。
教室にいると何故か息しづらくて、窓際になったとき少しほっとした。少しでも風を感じたくて寒いとき以外は毎日窓を開けた。
窓から片手だけ出して肌で風を感じる。
心地いいな、ずっと感じていたい風だな
そう思っていたら、出していた手に付けていた腕時計のガラスに、後ろの窓からちょこっと覗く人の顔が映る。
「!?」
ビックリして腕時計のガラスを見つめて観察した。ノートだけとって授業そっちのけで。

俺の動く手をじっと見て、時に小さく笑う。
手以外にも周りの声とか聞いて笑ってるのかなとも思った。嬉しそうに笑う顔が見える。
「どんな子なんだろうか…」
そんな姿を見て俺もつられて小さく笑う。

机によく好きな歌詞を書く。心に刺さった歌詞や共感した歌詞などを書き出すのが好きだ。
文字に起こしても声に出しても素敵な言葉だからだ。
今回は back number のクリスマスソング。

移動教室から帰ると、歌詞の近くに俺のじゃない筆跡で書かれていたきれいな字。

"backnumber の歌詞素敵ですよね"

「おぉっ、同士が俺の席に座ったらしいぞ」
「同士て(笑)」
後ろの席の友達が「何でわかんの」と言いなから笑う。
歌詞に刺さった子がこの席に座ったのか。なんか嬉しい。

移動教室の度に返事や新たな歌詞が書かれていたり、俺の知らない曲を知ったり、曲以外にも好き/苦手な教科や休みの日何してる?など、顔の知らない誰かさんと机の上で会話をした。毎回同じ席に座ってくれている同士の事が気になって、移動教室からの帰りが楽しみになった。

窓から覗く隣のクラスの彼女のことと机の上で会話をする誰かさんこと同士。
楽しみがダブルになった。

今度ライブに行きませんかと誘ってみようかな。大胆な考えだけど、同士の顔が見たいし気になる。ちょっと欲がでた。
思いきって誘うことにした。
机に "一緒に back number のライブに行きませんか?" と書いた。
なんて返事がくるかドキドキするけど、断られてもいい。でももし、いいよって返事がきたら嬉しいな(´ω`)


 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱


廊下を歩いていると前に聞いた彼の声が近くで聞こえた気がして、振り向いて声の主を探す。けど、顔を見たことがないからわからず…。
でも聞こえたら嬉しくなる。心がほわほわする。
彼はどんな人なんだろう。
顔の知らない彼を声で探すのが私の楽しみになった。


窓際の彼とのやり取りが続いたある日。

"一緒に back number のライブに行きませんか?"

え!行きたい!!けど… 未だに誰なのかまだわかっていない人物と行くのもちょっと怖い。

「返事どうしよ…」



迷ったけど、授業の終わり際に返事を書いた。


"行きたいです、よろしくお願いいたします"


返事を書いた次の日。

国語の授業を受けながら窓の外を眺めていると、また隣のクラスの窓から手が出ていた。
くるくると軽快にペンを回している。

大丈夫かな、落ちちゃうんじゃ…と思ってたら、「あ。」の声と共にペンが指からスルリと抜けてそのまま落下していった。
「やべっ!落ちた!」男子の声が聞こえた後すぐに「どうした?何かあったか?」と先生の声も聞こえてきた。
「いえ!なにもありません!」
「そうか?」
「はい!」
教室から笑う声が少し聞こえてくる賑やかな授業の様子が聞こえてくる。

「楽しそう」つられて私もくすっと笑ってしまった。

授業が終わり、落ちたペンどうなったかなと思って窓の外を覗いていると、落ちたところに向かって一人誰か走ってきて、草むらの中を探し始めた。
「お、あった。よかったー」
隣のクラスから聞いたことのある声。

様子を眺めていると隣のクラスからひょこっと男子が顔を出して、「見つかったか?」と下にいる男子に声をかけた。ビックリした私は慌てて顔を引っ込めた。
「おー、あったぁ!」
「おぅ、よかったなぁ。あ、予鈴」
キーンコーンカーンコーンと予鈴が鳴り響く。
「やべ、戻ろ」
ガサガサと急ぎ足で元来た道を戻っていった。

3分くらいしてから「いやー間に合った間に合ったぁ」隣のクラスから聞こえてきた。
「賑やかな人」とまたくすっと笑ってしまった。
声が聞こえた後、すぐに本鈴が鳴った。

お昼を挟み、次の授業は移動教室の科目だ。
窓際の席を確保、机の上を確認する。
机の端の方に書いてある字を発見。

"机の中見てみて。チケットいれてあります"

机の中に手を入れると教科書の上に長方形の紙が一枚置いてあった。

隠しながら手にとって、少し封を開けてチラッと見るとback numberと書かれたチケットが二枚入っていた。

「チケット、ある」
ぽそりと呟いてそぅっと閉まって戻した。
両ひざを少し擦り合わせて、溢れ出そうになった嬉しい気持ちもそっと隠した。


 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱


返事が来ていた。

"行きたいです、よろしくお願いいたします"

(ぃよっしゃぁぁあ!) ガッツポーズを天に掲げた。俺はやりましたよ!OKいただきましたぁ!
「静かなのに行動が煩いんだけど、なしたの?」
後ろの席の友達がノートで俺の頭をペシンと軽く叩く。
「同士から返事がきた!一緒にライブに行ってくれるって!」
「おー、やったな。それでそんな煩いんだ」
「この嬉しさを皆に布教したい。まずはお前から」
「いいって、自分の中に留めときな」
「当日が楽しみだなぁ」
「聞いてないなこいつ」
友達の声は耳に入ってはいたが、会えると思うと頭がいっぱいになった。ごめんよ、でも聞いてほしい!(´ω`)✨️と友達に早速布教活動。
よし、まずはチケット二枚分購入しなきゃだな。

いつも窓から少し覗いている隣のクラスの彼女。
声はまだ聞いたことはないけど、どんな子なんだろと気になって姿を見たら目で追うようになってしまった。しかも彼女だけを見つけるのがうまくなってしまうくらいには。廊下、校庭、階段、玄関、校門、帰り道とか。これって重傷なのかな…。ストーカーとかじゃないからね!偶然見かけてるんだからね!(念押し)

数学の授業中、問題が解けなくてくるくると軽快にペンを回して弄んでいると「あ。」
ペンが俺の指をスルリとすり抜けてそのまま落下していった。
「やべっ!落ちた!」窓の方を見て、窓の下を覗くため乗り出そうと少し立ち上がると、先生に見つかってしまった。
「どうした?何かあったか?」
「いえ!なにもありません!」
「そうか?」
「はい!」
元気よく答えると俺の席の周りから笑う声が少し聞こえてくる。見られてた、恥ずい…///
授業が終わり、落ちたペンを拾いに急いで外に出る。
(俺の座ってる席、たしかあの辺だったよな。)
落ちたと思われる場所の草むらの中を探す。
「お、あった。よかったー」
お気に入りのペンだから、失くしたら結構ショック。
「見つかったか?」と頭の上から友人の声が聞こえて、顔を上げると友人が顔を出していた。
「おー、あったぁ!」
「おぅ、よかったなぁ。あ、予鈴」
キーンコーンカーンコーンと予鈴が鳴り響く。
「やべ、戻ろ」
ガサガサと急ぎ足で元来た道を戻る。

ダッシュで階段を駆け上がり、息を切らして教室に入る。「いやー間に合った間に合ったぁ」
自分の席に座って、かいた汗を冷ますため上ボタンを外したYシャツを掴んで前後にパタパタと扇ぎ、冷たい風をYシャツ内に送り込む。窓も開いているので、心地のいい風が教室内に入り込む。
(あー 涼しいなぁ)
目を閉じて風を感じているとすぐに本鈴が鳴った。


 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱


約束した当日になった。
もらったチケットを持って待ち合わせ場所に向かう。
お互いを見つけやすいように身に付けてくるものを一つ決めて、机に書いた。

彼は黒い帽子につばの部分に赤い柄の絵がパンダのラバークリップを付けてくるらしい。なんか中華っぽいやつとかも書いてた。

私は緑色のリボンを髪に結んできます書いた。


キョロキョロと周りを見回し彼を探す。
待ち合わせ場所に着いたはいいが、彼を見つけらずにいた。
「中華っぽいパンダのラバークリップ… どこだろう💦」

何かのイベントがあるのか、今日は人が多い。気をつけて歩かなければ、人の波に流されそうになるくらいには多い。
「ちょっ、と …と、通して、くだ、さ…っ、 あっ!」
一所懸命人波から抜け出そうとかき分けていたら、人にぶつかってしまい、私は人波の外に弾き飛ばされてしまった。
このときばかりは身長の低さを少しだけ呪う。
もう少し身長が高かったら、人波かき分けられたのかな…
とか、なんで158cmから伸び悩んでるんだろう
とか、何を伸び悩むことがあるのだろうか  Ⅲ ○| ̄|_ Ⅲ 
とか 後ろに転びそうになりながらいろいろ思った。

「わ!あぶなっ!大丈夫!?」
「あ……… ハイ」
ドサッと後ろから抱き止められてなんとか転ばずにすんだ。 が、 抱き止められたというか抱っこされているというか…とにかく私の両足は宙ぶらりんの状態だった。

誰だろう?と思って受け止めてくれた人を見上げると、すぐにわかった。
黒の帽子につばの部分に中華っぽい赤い柄の絵がパンダのラバークリップ…

「見つけました」
「うん?」
ん?何が?という顔をした人物こそ、探していた彼だった。

「抱き止めていただき、ありがとうございます」
「危なかったですね💦間に合ってよかったです」
ハンカチで首や額の汗を拭きながら彼は笑顔で答えた。
走ってきてくれたのかな。
「すみません、もう行きますね💦今人を探していまして、緑色のリボンをつけた方なんですが… 緑色の…リボンですね」
私の姿を見て、気づく。
「初めまして、幌宮 穂乃(ほろみや ほの)です。今日はよろしくお願いいたします」
「え、あ!はい!俺は穂白 遼(ほじろ りょう)と言います!今日はよろしくお願いします!」
お互い自己紹介してから、二人でふふと笑う。

最初は窓から見える手と聞こえる声を知って

気になって座った席で知っている歌詞を見つけて、ふと書いた返事から色々会話が続くようになって

今までは机の上で沢山会話をしているのに、今日実際会って自己紹介して初めて名前も顔も知ったなんて、なんだか可笑しくなってしまい、自然と笑みがこぼれる。


そこから私たちはライブ会場に入り、ライブを目一杯楽しんだ。
彼の優しさも知った。
「こっちの方が見えやすいから、こっち移りなよ」
「え、いいの?」
「うん」
「ありがとう」
「どういたしまして」
にっこりと笑って席を交換してくれた。お陰で見えやすくて楽しく過ごすことができた。

「楽しかったね」
「そうですね、すごい盛り上りでしたね」
「まだ余韻がじんわり残ってる」
「私もです」
両手で胸を押さえて目を閉じて笑顔でふぅ…と幸せのため息を溢す。二人同じに。

二人で喫茶店に入り、ライブの感想やあの歌詞が、あの歌が、という話を沢山してまだ胸に残っている余韻を楽しんだ。


 🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱


ライブ当日がきた!
緑色のリボンを髪に結んでくるらしい。……ということは髪が長い(?)のかな?

緑色のリボンを頼りに行き交う人の中をキョロキョロと目で追う。
人混みを避けながら人の波の側を歩いていると急に人混みから弾き出されたかのように一人の人が後ろ向きで倒れてきた。
あ!と思い急いで駆けよってその人のもとに行く。
「わ!あぶなっ!大丈夫!?」
(間に合ってよかった!危なかったー!!(  ̄□ ̄;) ふぅ…💨)
「あ……… ハイ」
勢いよくドサッと抱き止める。………というか抱っこしているというか……その人の両足は宙ぶらりんの状態で俺に抱き抱えられている状態だった。

ひょいと顔を上に見上げられる。よく見るとくりくりとした目に小さい顔、わっ💦わわわ、女の子だ💦💦
俺の顔を見るなり興味津々な瞳に変わる。

「見つけました」
「うん?」
ん?何が??
訳もわからず、そのままの状態で固まった。

「抱き止めていただき、ありがとうございます」
「危なかったですね💦間に合ってよかったです」
彼女を降ろすと、彼女は深々と頭を下げてお辞儀をし、お礼を言った。
俺より一回りくらい?いや、1.5くらい小さい。
俺も頭を下げつつ、急いだ時にかいた汗をハンカチで首や額を拭く。
「すみません、もう行きますね💦今人を探していまして、緑色のリボンをつけた方なんですが… 緑色の…リボンですね」
彼女の姿を見て気づく。
「初めまして、幌宮 穂乃(ほろみや ほの)です。今日はよろしくお願いいたします」
彼女も俺を見て気づいていたのか自己紹介を始めた。
「え、あ!はい!俺は穂白 遼(ほじろ りょう)と言います!今日はよろしくお願いします!」
改めてまじまじと彼女を見る。あの隣のクラスの彼女だと気づく。
そして、お互い自己紹介してから、二人でふふと笑う。

最初は窓から片手だけを出して時計に映った隣のクラスの彼女の姿を知って

机に書いた知っている歌詞に気づいてくれて、話も合うし、同士✨️と思っていた人が彼女だと気づいたことにビックリした。

今までは机の上で沢山会話をしているのに、今日実際会って自己紹介して初めて名前も声も知ったなんて、なんだか可笑しくなってしまう。かわいい子だな。


そこから俺たちはライブ会場に入り、ライブを目一杯楽しんだ。
彼女の優しさも知る。
「これ、飲んでください」
汗を拭く俺に水を鞄から出して差し出す。
「え!?ありがとう」
「こまめに水分補給しないと倒れてしまいますよ」
「あ!お金出すよ!」
「大丈夫ですよ、気にしないでください」
笑顔で俺の首に巻いたタオルで垂れてくる汗を優しく拭いてくれた。恥ずかしい……///


「楽しかったね」
(すごかった…✨)
「そうですね、すごい盛り上りでしたね」
ほんのり赤い頬をした彼女は、外の風を受けて涼しそうに目を細める。ほわほわした顔をしてる気もする。可愛い。
風で緑色のリボンが髪と一緒になびいている。
「まだ余韻がじんわり残ってる」
「私もです」
両手で胸を押さえて目を閉じて笑顔でふぅ…と幸せのため息を溢す。二人同じに。

二人で喫茶店に入り、ライブの感想やあの歌詞が、あの歌が、という話を沢山してまだ胸に残っている余韻を楽しんだ。


🌱🌱🌱🌱🌱🌱🌱


朝、教室に入り席に着くと机の中に封筒が入っていた。

「名前が、ない」
名前がなくて誰かはわからなかったが、開けて見てみるとすぐに誰からなのかがわかった。

"ライブ、楽しかったですね。誘っていただきありがとうございます。  幌宮"

もっと彼女のことを知りたいと思った。

1日の少ししか一緒にいられなかった(夜も遅かったし)けど、彼女の隣は居心地がよくてずっと側にいたいと思った。

「まずは連絡先を交換からかなぁ」
とも思うけど、まだ先でもいいかもしれないとも思う。

机の上での会話がなんだか交換日記みたいで楽しいっていう気持ちもある。


「どうしたものかなぁー………」
この気持ちをどう表現したらいいのか…… 迷う。

とりあえず、机に自分の気持ちを多分これかなという表現がされている歌詞を書く。

"会いたいと毎日思っていて
それを君に知ってほしくて
すれ違う人混みに君を探していた
こんな日は他の誰かと笑ってるのかな
胸の奥の奥が苦しくなる"

彼女、気づいてくれるだろうか。


移動教室から帰ってきたとき、彼女の返事が書いてあった。歌詞の続きが書かれていた。

歌詞の近くにメッセージも書いてあった。
"会って話がしたいです。今日の放課後、お時間ありますか?"

その言葉を見て、気持ちが溢れだした俺は走って隣のクラスに行き、「幌宮さんいますか!?」と彼女の名前を呼んでいた。


この後、俺の思いを彼女にうまく伝えられたのかはご想像にお任せしますが、彼女に「放課後にって伝えたじゃないですか」とほんのり赤く染まった頬を小さく膨らませてちょっとだけ拗ねてしまったのには申し訳なく思いつつ、可愛いなとも思ってしまった。




彼女とこれからもずっと一緒にいられますように🌱
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