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24.寂しいを共有
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「オレは寂しかったよ。逢いたくてたまらなかった。でも、冷却期間も必要だと思ってわざと離れてた。パスカルもいろいろ思う事はあるだろうし、なんだかあの時、避けられている気がしたから」
「あ……」
たしかに避けていた。ただ、恥ずかしくて顔を見れなくなっていただけに過ぎないのだが、友達の事を邪な目で見てしまう負い目もあって余計に会いづらかった。
「だから……しばらく離れてて、逢いたくなった時にオレと同じ気持ちだといいなって思ってた」
「メル……」
「だけど、こんなにも泣いちゃうほどオレが恋しかったんだね。寂しい思いさせちゃってごめんね」
そのまま引き寄せられ、メルの懐に閉じ込められて抱き締められた。恥ずかしくてパニックになって逃れようとするも、メルは嬉しそうに微笑むだけで離してはくれない。
「っ……は、恥ずかしいから」
「誰もいないよ。見られても見せつけるだけだし」
二か月ぶりだからか、メルの態度がいつもより優しくて、熱を帯びているように思える。それにとても距離が近くて、手も握り絡められる。
抱き寄せられている自分はどう見ても、どう考えても、もう友達同士とは思えない程至近距離だ。
「ねえ、オレがいない間はヒート期間中はどうしていたの?」
「っ……それは、一回目の時みたいに服とかの匂いで……」
「じゃあ、オレの事考えて凌いでたんだね?」
「そ、そうなるね……」
「オレの事考えてオナニーした?」
「お、おなっ……!?そんなの言えないよっ!」
なぜそんな事まで言わなければならないのかと呆気にとられた。
「パスカルの事いっぱい知りたいんだからしょうがないじゃん」
「さすがにそんな事言わないしっ」
「でも、その反応はオレの事をいっぱい考えてオナニーしたんだね」
「っ~~~」
たしかに思い返せばどのヒート中もメルの事を考えて致していた。恥ずかしいので肯定はしづらい。
「それだけで赤くなっちゃってパスカルは純情だね」
「反対に今日のメルはなんか変態で意地悪だ」
「パスカル限定で意地悪になっちゃうんだよね。パスカルが可愛いから」
「か、可愛いくないしっ。俺、男だからね」
「男でも可愛いよ。そういう否定するところが可愛いのに。ねえ、オレのどんな姿を想像してイッたの?いっぱい出した?きっとエッチで可愛かったんだろうなぁ。ねえねえ」
「もう言わないからっ!メルの変態っ!すけべっ!」
もうただの友達には戻れないと思った。メルの事を友達として頑張ってみようと思ったけれど、こうして話しているだけでやっぱり嬉しくて、心が満たされて、やっぱり無理だと思った。
レアオメガとしての本能なんかじゃない。
確実にメルに対して特別な感情を抱いていた――。
「明日から数日は多忙だから逢いに行けないんだ」
急にしんみりした空気になって、パスカル自身も急に切なくなった。明日から数日はサミット開催なので、王都も町中もバタバタと忙しくて騒がしいはずだから仕方がない。実家のパン屋もきっとたくさんのお客であふれるだろうから、数日前から仕込みの準備をしていた。
「オレに逢えなくて寂しい?」
「……別に」
気恥ずかしさにぷいと顔を背けると、メルはそんなパスカルの様子をくすくす笑っている。
「なんか一瞬だけ寂しそうに見えたけど」
「寂しくないし」
「オレは寂しい。パスカルに一日でも逢えないの、辛いよ」
「っ……」
本当は自分だって同じ気持ちだ。
「だから……今はこのまま抱き締めさせて」
「っ……う、うん……」
メルにぎゅっと抱き締められて匂いまですんすんと嗅がれる。そんなに自分はいい匂いでもないはずなのだが、やたらとメルは鼻を擦り付けてくるので犬のようだ。
「ね、パスカル……」
「ん……」
「どんなオレでも……もう避けないでね……」
「メル……避けるなんてもう……」
「いい子でいるから……避けないでね」
「ぅ、うん」
前回、メルを意識しすぎて避けていた事を根に持っているのかもしれない。
「それとね、一週間後の今の時間に公園に来てほしい」
「一週間後に?」
「うん。自分の事とか伝えたい事があるから」
一週間後ならある意味丁度いい日かもしれない。メルへお礼の手編みのマフラーとセーターが完成する頃だ。数か月かけてなんとか完成間近までこぎつける事が出来たので、その日に渡そうと決めた。
「あ……」
たしかに避けていた。ただ、恥ずかしくて顔を見れなくなっていただけに過ぎないのだが、友達の事を邪な目で見てしまう負い目もあって余計に会いづらかった。
「だから……しばらく離れてて、逢いたくなった時にオレと同じ気持ちだといいなって思ってた」
「メル……」
「だけど、こんなにも泣いちゃうほどオレが恋しかったんだね。寂しい思いさせちゃってごめんね」
そのまま引き寄せられ、メルの懐に閉じ込められて抱き締められた。恥ずかしくてパニックになって逃れようとするも、メルは嬉しそうに微笑むだけで離してはくれない。
「っ……は、恥ずかしいから」
「誰もいないよ。見られても見せつけるだけだし」
二か月ぶりだからか、メルの態度がいつもより優しくて、熱を帯びているように思える。それにとても距離が近くて、手も握り絡められる。
抱き寄せられている自分はどう見ても、どう考えても、もう友達同士とは思えない程至近距離だ。
「ねえ、オレがいない間はヒート期間中はどうしていたの?」
「っ……それは、一回目の時みたいに服とかの匂いで……」
「じゃあ、オレの事考えて凌いでたんだね?」
「そ、そうなるね……」
「オレの事考えてオナニーした?」
「お、おなっ……!?そんなの言えないよっ!」
なぜそんな事まで言わなければならないのかと呆気にとられた。
「パスカルの事いっぱい知りたいんだからしょうがないじゃん」
「さすがにそんな事言わないしっ」
「でも、その反応はオレの事をいっぱい考えてオナニーしたんだね」
「っ~~~」
たしかに思い返せばどのヒート中もメルの事を考えて致していた。恥ずかしいので肯定はしづらい。
「それだけで赤くなっちゃってパスカルは純情だね」
「反対に今日のメルはなんか変態で意地悪だ」
「パスカル限定で意地悪になっちゃうんだよね。パスカルが可愛いから」
「か、可愛いくないしっ。俺、男だからね」
「男でも可愛いよ。そういう否定するところが可愛いのに。ねえ、オレのどんな姿を想像してイッたの?いっぱい出した?きっとエッチで可愛かったんだろうなぁ。ねえねえ」
「もう言わないからっ!メルの変態っ!すけべっ!」
もうただの友達には戻れないと思った。メルの事を友達として頑張ってみようと思ったけれど、こうして話しているだけでやっぱり嬉しくて、心が満たされて、やっぱり無理だと思った。
レアオメガとしての本能なんかじゃない。
確実にメルに対して特別な感情を抱いていた――。
「明日から数日は多忙だから逢いに行けないんだ」
急にしんみりした空気になって、パスカル自身も急に切なくなった。明日から数日はサミット開催なので、王都も町中もバタバタと忙しくて騒がしいはずだから仕方がない。実家のパン屋もきっとたくさんのお客であふれるだろうから、数日前から仕込みの準備をしていた。
「オレに逢えなくて寂しい?」
「……別に」
気恥ずかしさにぷいと顔を背けると、メルはそんなパスカルの様子をくすくす笑っている。
「なんか一瞬だけ寂しそうに見えたけど」
「寂しくないし」
「オレは寂しい。パスカルに一日でも逢えないの、辛いよ」
「っ……」
本当は自分だって同じ気持ちだ。
「だから……今はこのまま抱き締めさせて」
「っ……う、うん……」
メルにぎゅっと抱き締められて匂いまですんすんと嗅がれる。そんなに自分はいい匂いでもないはずなのだが、やたらとメルは鼻を擦り付けてくるので犬のようだ。
「ね、パスカル……」
「ん……」
「どんなオレでも……もう避けないでね……」
「メル……避けるなんてもう……」
「いい子でいるから……避けないでね」
「ぅ、うん」
前回、メルを意識しすぎて避けていた事を根に持っているのかもしれない。
「それとね、一週間後の今の時間に公園に来てほしい」
「一週間後に?」
「うん。自分の事とか伝えたい事があるから」
一週間後ならある意味丁度いい日かもしれない。メルへお礼の手編みのマフラーとセーターが完成する頃だ。数か月かけてなんとか完成間近までこぎつける事が出来たので、その日に渡そうと決めた。
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