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【第1章】突然の婚約破棄! 波乱の歓迎会
突然の婚約破棄されるアレクシス嬢
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「──よってここにアレクシス・バトレとの婚約を破棄する」
この世で何よりも愛する人、カルロスの言葉がまるで耳に入ってこなかった。
「……はあ……なんてことでしょう」
真夏の太陽のような日差しを浴び思わずよろめいてしまう。
「弁明があるなら聞こう。破棄したとはいえ一度は結婚の契りは結んだよしみだ」
カルロスの見たこともない侮蔑した怒りの顔に胸が苦しくなる。
婚約破棄された旧新婦アレクシス・バトレはかろうじて言葉を紡ぐ。
「……私の旦那様、怒った顔も素敵すぎません?」
「たった今、婚約破棄したんだが!? 人の話を聞いていなかったのか!?」
「え、婚約破棄? なんのことです? 私たち永遠の仲を誓ったではありませんか? 聞こえませんあーあー」
「まさかしらばっくれるつもりか!? どこまで図々しい女なんだ君は!?」
「まあ図々しいなんて……お上手なんですから、もう」
「褒めたつもり一切ないんだが!? 図々しいを誉め言葉として受け取る人間初めて見たよ……」
「ええ、そうでしょう。誉め言葉として受け取るのは私くらいでしょうね。図々しい。よいではありませんか。図々しくなければ庶民生まれの私が王族であるカルロス様とは結婚できるはずがありませんのよ! おーっほっほっほ!」
お決まりの高笑いを決めるとカルロスの頭に激痛が走る。苦痛に素敵な顔を歪める。
「まあ、苦痛に顔が歪むお顔も素敵ですわね……じゃなかったですわ! 大丈夫ですか、カルロス様!」
「く、突然頭痛が……いったいどうして……」
「決まっています! アレクシス様の高笑いが耳障りだからです!」
アレクシスよりも先にカルロスの脇に一人の可憐な少女が駆け寄る。
「お水です。これを飲めば落ち着くと思います」
コップ一杯の水を手渡す。
彼はそれをぐいっと飲み干すと途端に汗が引き始めた。
「ありがとう、マリア……おかげで助かったよ」
「お礼なんていりません、カルロス様。当然のことをしたまでです」
手を取り合い微笑みあう二人。仲睦まじいとはまさにこのこと。
そよ風に揺らぐ小花のようにずっと眺めていたい光景だったが異を唱える者が一人。
「誰ですかあああああその女はああああああああああ!!?」
ほかでもない、アレクシス。紙に穴が開きそうなほどの大音量で叫んだ。
「誰って、僕の幼馴染のマリアなんだが?」
「おさおさお幼馴染とおっしゃいましたか!? カルロス様と幼馴染!? なんてうらやまけしからん! いやそうじゃくて幼馴染ですか!?」
「そうだ、何度か紹介したはずだが、君は人の顔も覚えられないのか?」
信じられない顔でアレクシスを見るカルロス。
マリアは残念そうに首を横に振る。
「仕方ありません。アレクシス様はカルロス様しか眼中になかったご様子でしたので」
これについてアレクシスは否定はしなかった。
「カルロス様に近寄る女はたかるハエ程度にしか認識していませんでしたが……そんな……幼馴染がいたなんて……ありえませんわ……っていうか、さっきからなにやら親しげなんですけど!? 近すぎじゃありませんこと!?」
肩をくっつけて離さない。恋人繋ぎまでして人目憚らずイチャイチャし始める。
「別にこれくらい普通では?」
「なにせ私たち、夫婦になりますので」
「へえ、夫婦に………………………………夫婦!!!???」
婚約破棄の次は新たな婚約発表。
「ああ、そうさ……僕は真の愛に気づいたんだ」
二人は同時に手の甲を見せる。
どちらの左薬指にも宝石がはめ込まれた指輪がきらりと輝いていた。
この世で何よりも愛する人、カルロスの言葉がまるで耳に入ってこなかった。
「……はあ……なんてことでしょう」
真夏の太陽のような日差しを浴び思わずよろめいてしまう。
「弁明があるなら聞こう。破棄したとはいえ一度は結婚の契りは結んだよしみだ」
カルロスの見たこともない侮蔑した怒りの顔に胸が苦しくなる。
婚約破棄された旧新婦アレクシス・バトレはかろうじて言葉を紡ぐ。
「……私の旦那様、怒った顔も素敵すぎません?」
「たった今、婚約破棄したんだが!? 人の話を聞いていなかったのか!?」
「え、婚約破棄? なんのことです? 私たち永遠の仲を誓ったではありませんか? 聞こえませんあーあー」
「まさかしらばっくれるつもりか!? どこまで図々しい女なんだ君は!?」
「まあ図々しいなんて……お上手なんですから、もう」
「褒めたつもり一切ないんだが!? 図々しいを誉め言葉として受け取る人間初めて見たよ……」
「ええ、そうでしょう。誉め言葉として受け取るのは私くらいでしょうね。図々しい。よいではありませんか。図々しくなければ庶民生まれの私が王族であるカルロス様とは結婚できるはずがありませんのよ! おーっほっほっほ!」
お決まりの高笑いを決めるとカルロスの頭に激痛が走る。苦痛に素敵な顔を歪める。
「まあ、苦痛に顔が歪むお顔も素敵ですわね……じゃなかったですわ! 大丈夫ですか、カルロス様!」
「く、突然頭痛が……いったいどうして……」
「決まっています! アレクシス様の高笑いが耳障りだからです!」
アレクシスよりも先にカルロスの脇に一人の可憐な少女が駆け寄る。
「お水です。これを飲めば落ち着くと思います」
コップ一杯の水を手渡す。
彼はそれをぐいっと飲み干すと途端に汗が引き始めた。
「ありがとう、マリア……おかげで助かったよ」
「お礼なんていりません、カルロス様。当然のことをしたまでです」
手を取り合い微笑みあう二人。仲睦まじいとはまさにこのこと。
そよ風に揺らぐ小花のようにずっと眺めていたい光景だったが異を唱える者が一人。
「誰ですかあああああその女はああああああああああ!!?」
ほかでもない、アレクシス。紙に穴が開きそうなほどの大音量で叫んだ。
「誰って、僕の幼馴染のマリアなんだが?」
「おさおさお幼馴染とおっしゃいましたか!? カルロス様と幼馴染!? なんてうらやまけしからん! いやそうじゃくて幼馴染ですか!?」
「そうだ、何度か紹介したはずだが、君は人の顔も覚えられないのか?」
信じられない顔でアレクシスを見るカルロス。
マリアは残念そうに首を横に振る。
「仕方ありません。アレクシス様はカルロス様しか眼中になかったご様子でしたので」
これについてアレクシスは否定はしなかった。
「カルロス様に近寄る女はたかるハエ程度にしか認識していませんでしたが……そんな……幼馴染がいたなんて……ありえませんわ……っていうか、さっきからなにやら親しげなんですけど!? 近すぎじゃありませんこと!?」
肩をくっつけて離さない。恋人繋ぎまでして人目憚らずイチャイチャし始める。
「別にこれくらい普通では?」
「なにせ私たち、夫婦になりますので」
「へえ、夫婦に………………………………夫婦!!!???」
婚約破棄の次は新たな婚約発表。
「ああ、そうさ……僕は真の愛に気づいたんだ」
二人は同時に手の甲を見せる。
どちらの左薬指にも宝石がはめ込まれた指輪がきらりと輝いていた。
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