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6.聖女様、バレる ◇
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「あぁ……はぁ……ふわぁ……」
「いい声ですねぇ……そそられる」
どうしましょう……バレたらいけないのもそうですが、彼の指の動きが……すごく気持ちがいい……。
「や、やめ……これ以上したら……貴方を……破門にしますよ?」
「……破門?」
破門、即ち、教会の信徒ではなくなるという事。
教会の影響が強いこの国において、破門されるという事は、死刑の次に重い罪だ。
王子のやっている行動は即ち、その罪に該当する……。
破門の言葉をチラつかせれば、解放してくれる筈、私は秘密を守ることができて、王子も破門をされずに済み、尚且ついい思いを少しだけだがすることができた。
これでお互いに損はない……と考えたのだ。
「破門は……貴方も嫌でしょう? だからこれ以上は……」
「うーん……確かに、聖女様の仰ることはもっともだ、俺だって破門は嫌だねぇ」
「そうでしょう? だから……」
私を解放しなさい。
そう言おうとした……その時だった。
「……だが、どうせお前は解放されたところで神殿にチクるつもりだろう?」
「そ、そんなことは……」
「どうせ破門にされるなら、犯してからにしないとなぁ!!」
「や、やめて……やめてください!!」
私は欲求を抑えながら、スタッグ王子に制止を訴えた。
しかし、スタッグ王子は服に掛けた手を止めることは無く……遂に、私の下半身が露となってしまった。
それまで土に埋もれていた塔が芽を吹き、天高くそびえたつ。
「もう……だめ……」
私の身体がこれまで以上に熱くなった。
もう死んだ方がマシだと考え、両手で顔を覆った。
「なっ……馬鹿な……嘘だ……」
スタッグ王子も、まさか私が男だとは思わず、驚愕の声を上げていた。
「おええええええぇぇぇ……この俺が……男の身体で発情してたなんて……気持ち悪い……気持ち悪い!!」
王子は私の身体に嫌悪感を覚え始めたのか、その場で嘔吐をしたようだった。
「なんと汚らわしい! お前は男の癖にそんな恰好を……ましてや聖女だなんて……気持ち悪い……今すぐここから出て行け!!」
王子は私に対してそんなことを叫んだ。
……その時、私の中で何かが切れた。
元はといえば、王子が媚薬を私の飲み物の中に混ぜたのが発端だったのに、今は気持ちが悪いから出て行けだって?
「……ふざけないでください」
「なんだと?」
……吹っ切れた私は、王子の身体を掴み、ベッドへと押し倒した。
「男の癖に? 気持ちが悪い? 私だって、やりたくてやっているわけじゃないんですよ!!」
「……なんだって?」
「あっ……」
……私はつい、日頃思っている事を口にしてしまった。
そうだ、私はやりたくて聖女をやっているのではない、ここまで育ててくれた教会の恩返しのような形で聖女をやっているのだ。
女として生きることを決め、ここまで聖女をやってきたのに……。
それを馬鹿にされたことに、腹が立ってしまった。
「……とにかく、私は男です。それに何の問題があるのでしょうか? 男がこんな格好をして何かおかしいですか? 男が聖女をやって、何か問題でもあるのですか!? 答えてくださいよ!!」
「あ、いや……その……」
先ほどまでの威勢が消え、スタッグ王子は困惑の表情を浮かべていた。
だが、私の興奮は収まらない。
性的なものも、怒りによるものも。
「私をこんなことにしておいて、出て行けですって? こんなことをしておいて、ここで終わりなんてないですよね? 責任……取ってくださいよ!!」
「いい声ですねぇ……そそられる」
どうしましょう……バレたらいけないのもそうですが、彼の指の動きが……すごく気持ちがいい……。
「や、やめ……これ以上したら……貴方を……破門にしますよ?」
「……破門?」
破門、即ち、教会の信徒ではなくなるという事。
教会の影響が強いこの国において、破門されるという事は、死刑の次に重い罪だ。
王子のやっている行動は即ち、その罪に該当する……。
破門の言葉をチラつかせれば、解放してくれる筈、私は秘密を守ることができて、王子も破門をされずに済み、尚且ついい思いを少しだけだがすることができた。
これでお互いに損はない……と考えたのだ。
「破門は……貴方も嫌でしょう? だからこれ以上は……」
「うーん……確かに、聖女様の仰ることはもっともだ、俺だって破門は嫌だねぇ」
「そうでしょう? だから……」
私を解放しなさい。
そう言おうとした……その時だった。
「……だが、どうせお前は解放されたところで神殿にチクるつもりだろう?」
「そ、そんなことは……」
「どうせ破門にされるなら、犯してからにしないとなぁ!!」
「や、やめて……やめてください!!」
私は欲求を抑えながら、スタッグ王子に制止を訴えた。
しかし、スタッグ王子は服に掛けた手を止めることは無く……遂に、私の下半身が露となってしまった。
それまで土に埋もれていた塔が芽を吹き、天高くそびえたつ。
「もう……だめ……」
私の身体がこれまで以上に熱くなった。
もう死んだ方がマシだと考え、両手で顔を覆った。
「なっ……馬鹿な……嘘だ……」
スタッグ王子も、まさか私が男だとは思わず、驚愕の声を上げていた。
「おええええええぇぇぇ……この俺が……男の身体で発情してたなんて……気持ち悪い……気持ち悪い!!」
王子は私の身体に嫌悪感を覚え始めたのか、その場で嘔吐をしたようだった。
「なんと汚らわしい! お前は男の癖にそんな恰好を……ましてや聖女だなんて……気持ち悪い……今すぐここから出て行け!!」
王子は私に対してそんなことを叫んだ。
……その時、私の中で何かが切れた。
元はといえば、王子が媚薬を私の飲み物の中に混ぜたのが発端だったのに、今は気持ちが悪いから出て行けだって?
「……ふざけないでください」
「なんだと?」
……吹っ切れた私は、王子の身体を掴み、ベッドへと押し倒した。
「男の癖に? 気持ちが悪い? 私だって、やりたくてやっているわけじゃないんですよ!!」
「……なんだって?」
「あっ……」
……私はつい、日頃思っている事を口にしてしまった。
そうだ、私はやりたくて聖女をやっているのではない、ここまで育ててくれた教会の恩返しのような形で聖女をやっているのだ。
女として生きることを決め、ここまで聖女をやってきたのに……。
それを馬鹿にされたことに、腹が立ってしまった。
「……とにかく、私は男です。それに何の問題があるのでしょうか? 男がこんな格好をして何かおかしいですか? 男が聖女をやって、何か問題でもあるのですか!? 答えてくださいよ!!」
「あ、いや……その……」
先ほどまでの威勢が消え、スタッグ王子は困惑の表情を浮かべていた。
だが、私の興奮は収まらない。
性的なものも、怒りによるものも。
「私をこんなことにしておいて、出て行けですって? こんなことをしておいて、ここで終わりなんてないですよね? 責任……取ってくださいよ!!」
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