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第3章 この猫、魔法使いで探索者!

第70話 応援と吸血鬼の考え

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『瑠璃はん!』

 ……この声は。

「……ラピス!」
『お待たせしたなぁ! くらえや!』

 蝶になっていたラピスが応援に駆け付けに来てくれていた。
 ラピスはその大きな翼を羽ばたかせ、風の力で津波を押し返した。

『……瑠璃ちゃん……助ける』
「……キセノン!」

 ラピスの後ろからコウモリになったキセノンが現れ、大きな口を開け、超音波を放った。
 すると、津波は爆散し、雨のようになった。

『ルリルリ! お待たせ!』
『瑠璃、待たせたな……ふぅ、やっと地面につける……』
「リン! ゴルド!」

 リンとゴルドも巨大化して駆けつけてくれた。
 目の前にいる黒いスライムは、再び元の姿に戻っていた。

「あいつを倒すにはどうしたらいいんだろう?」
『普通のスライムやったら、燃やして蒸発させるか、凍らせて粉々にさせるか、電気で分解させるかやな』
「なんか、エグいね……」

 まぁ、刀でモンスターを切ったり、矢で射抜いたりしてる時点でエグいけど……。

「どうやって倒そう……あんなバカでかいのを一気に燃やしたり凍らせるのも至難の業じゃあ……」
『考え……あるよ』

 キセノンには考えがあるのか、私たちの前に進む。

『お、おい、キセノン……まさか』
『ノンノン……それはやめた方が……』
『う、ウチ……ちょっと離れとくわ……』
「え? みんなどうしたの?」

 リン達3人は、キセノンが進む方向とは真逆に進んでいた。
 な、なにが始まるんだろう?
 スライムは向かってくるキセノンを挑戦と受け取ったのか、またも津波のような姿になる。

『一度……見た技……通じない! ……絶氷の恐怖を……かの者に……与えよ……「カラミティ・フリーズ」!』

 キセノンが何やら呪文を唱えると……突然、何やら寒気がしてきた。
 強風が吹き、その風がキセノンに集まっているような……そんな気がした。

『ルリルリ! 離れて!』
『こっちや!』
「え? うお!?」

 リンとラピスが私を掴み……まるで獲物を捕まえた猛禽類のように私を運ぶ。
 2人はキセノンから離れた位置に私を運んでいるようだった、視線の先にいるキセノンがどんどん小さくなっていくのが分かる。
 遠目で見たキセノン……彼女の周りに青い閃光が集まっているように見えた。
 ……そこから何が起こるかはすぐに分かった。

『……凍れ』
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