上 下
73 / 424
第3章 この猫、魔法使いで探索者!

第73話 猫のやるべきこと

しおりを挟む
「うーん……皆さんの言っていることはよくわからないですけど……皆さんを見て、自分がやるべきことが見えてきた気がします!」
「……やるべきこと? それって何?」

 私が質問をすると、アリスさんは元気一杯に答えた。

「はい! ダンジョン探索です!」

 ダンジョン探索……そっか。

「……それは確かに、アリスさんにしかできないことかもね」
「はい! 私、これからどうなるかわからないですけど……とりあえず、日本には存在しなかったダンジョンを駆逐して、日本の皆さんを安心させたいです!」
「日本人を安心させたい?」
「はい! 食べ物を恵んでくださった優しい人たちのためにも、頑張りたいんです! ダンジョンを潰していけば、皆さんが安心してくれる……そうすれば、優しいが沢山広がると思いませんか?」
「優しいが広がる……か」

 確かに、ダンジョンを潰していけば、日本国民も、ダンジョンから守ってくれるサンルート人を認めてくれるかもしれない。
 現にあのチャラい集団だって、最初はからかっていたけど、守られたら何も言わなくなったし。

「私、決めました! ダンジョンから出たら、探索者の仲間を集めて、冒険に出かけようと思います!」
「冒険か、いいかもね。私、応援するよ……ただ、本当に気を付けてね、いつどこで犯罪に巻き込まれるかわからないから」
「ありがとうございます、瑠璃さん!」

 私とアリスさんは、笑顔で握手をした。

「アタシも応援しちゃうよ! リスリス!」
「ウチも応援するで」
「まぁ、気を付けて行けよ!」
「私も……応援……する」
「皆さん! ありがとうございます!」

 アリスさんは感謝の念を述べ、頭を下げた。
 うん、きっとアリスさんならいける、私はそう信じてる。

「……みんな! あれ!」
「あはは、話してるとすぐやなぁ」

 リンが指を差す先……そこには巨大な魔石があった。
 私たちは足早にそこに近づいた。

「それじゃ、リスリス! 貴方の新しい第一歩を祝して、破壊しちゃって!」
「はい! でやぁ!」

 アリスさんは魔石に向かって思いっきりパンチし、それを粉々にした。
 そしてしばらくして……光が私たちを覆った。
しおりを挟む
1 / 5

この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!

魔物のお嫁さん

BL / 完結 24h.ポイント:873pt お気に入り:752

悪役令息になんかなりません!僕は兄様と幸せになります!

BL / 連載中 24h.ポイント:4,764pt お気に入り:10,289

この結婚、ケリつけさせて頂きます

恋愛 / 完結 24h.ポイント:6,127pt お気に入り:2,909

ほっといて下さい 従魔とチートライフ楽しみたい!

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:3,223pt お気に入り:22,202

浮気の認識の違いが結婚式当日に判明しました。

恋愛 / 完結 24h.ポイント:4,792pt お気に入り:1,219

サラリーマン符術士~試験課の慌ただしい日々~

ファンタジー / 連載中 24h.ポイント:7pt お気に入り:12

処理中です...