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第6章 さぁ、ファッションショータイムだ!

サキュバスの過去 その9 ~武器選び~

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「すみません……」
「なんで謝るんだい?」
「いや、ウチの特技……使えまへんやろ?」
「そんなこと無いさ! 踊りが得意という事は、相手を魅了することが得意ってことだろ? つまりだな……踊りで相手を惑わすとか……そういうのに使えそうかなって考えたのさ!」
「あ、相手を魅了……ですか」

 それって使えるんかいな? そんなことをしている暇があるなら、さっさと攻撃した方がええ気がするんやけど……。

「よし、ここが武器屋だ!」
「……ここが」

 厳つい防具や剣が目印の店……一目で武器屋だとわかった。
 ウチはアンはんと共に、店の中へと入った。

「らっしゃーい……あぁアンタか」

 入店すると、店主の人間の女性が出迎えた。
 口ぶりからすると、アンはんと顔馴染みのようやった。

「よっ! 今日新人が入所したもんでな、こいつの特技が行かせる武器が無いかと思って……」
「ほう……この辺で新人の探索者とは珍しいじゃないの」
「そうなんだ! 全く、みんな私たちの事を野蛮な奴らだの何だの……」
「そりゃ、アンタはそう言われても仕方が無いよ」
「私はそうだが、誠実な奴だっているぞ?」
「まぁ、そりゃ分かるけどさ……」

 2人はそのまま世間話を始めてもうた。
 ウチの武器選びに来たとちゃうんかいな! なんやねん、2人で楽しそうに……。

「おおっと、つい話が長くなってしまったね、そうそう、この子の武器を選んでくれよ」
「はいはい、んー、どれどれ……」

 店主はんはウチの体を触り……体をまじまじとチェックしはった。
 ……なんか、ドキドキするわ。

「君はサキュバスかい?」
「は、はい!」
「ほぉ……随分いい肉体してるじゃない、何か運動でもやっていたのかい?」
「と、特には……」

 店主はんはウチの腕や腰を触り感想を述べる……なんか、恥ずかしいわ。

「あぁ、その子、踊りが得意らしいぞ」
「踊りかぁ、まぁサキュバスならそうだろうね、男を魅了するのに踊りを使うって言うし……っと、ではなぜ探索者なんかに?」
「それは私も気になるな、サキュバスはあまり金に困るイメージが無いのだがね」

 2人はウチが何故探索者をやりたいのか疑問に思っとるようやった。
 まぁ……世間様から見たらそうやろなぁ、サキュバスとインキュバスは必ず固定の顧客が数人いるわけやし、金に困るなんてないやろなぁ。
 どないしょう……「男が苦手やからです」なんて恥ずかしい理由、言えるわけない。
 あかんなぁ……なんて言い訳しょうかなぁ……。
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