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二話
“保護者“の憂鬱
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***
「ライ、腕と膝が痣になってるぞ…痛そうだ」
フィンがまるで自分事のように心配してくる。先ほど帰ってきたフィンは店内の状態を見て、驚きのあまり買い出し袋を落としそうになっていた。
(まあ、巨人を投げてこの程度で済んでるなら軽い方か)
投げた方の腕は少し動かしただけでも激痛だったし肩もパンパンだ。だが俺よりも投げられた巨人の方が重症で、帰る寸前までずっとガクリと肩を落とした。長年信じていた「デカイとすごいぞ教」が覆されたのだから仕方ない。同情するつもりはもないが、しばらくは人様に迷惑をかけずおとなしく過ごしてくれと願うのだった。
「まったく」
フィンが呆れたように呟く。
「ライもそうだが店もボロボロじゃないか。一体何があったんだ?」
「まあ、色々」
「だから色々とは何なんだ!教えてくれライ!」
「うーん…」
(素直に話したら面倒くさそうだしな…)
言いあぐねてると、巨人達を外まで送っていたグレイが戻ってきた。店内の惨状を見て「ああ、現実思い出しちゃったワ」と頭を抱える。
「…グレイ、大事なテーブルを壊しちまって、ごめん…」
「終わったことだしもういいワ。巨人に備品壊されるなんて毎度の事だし。あたしの方こそ助けにいけなくてゴメンナサイ。途中からは気付いてたノニ…。大丈夫とか言っておいて自分が不甲斐ないワ」
「グレイには十分助け船を出してもらった。俺がガキだっただけであんたは何も悪くない…」
いくら女扱いされたとはいえ、グレイだったらうまく聞き流せただろう。そもそもグレイなら見下されなかったはずだ。全ては、俺の未熟さが招いた事だ。俺の反省する姿にグレイは困ったように笑みを浮かべ、ぱんぱんと手を鳴らした。
「反省タイムは終わり。これを教訓にしてこの後の営業も頑張りまショ」
「ああ…」
「ふふ、少しでも反省してるなら次に来たお客さんにはもう少し愛想よくしてチョーダイ?」
「…わかった」
ちょうどのタイミングで客がきた。グレイが挨拶しにいく。俺も自分の仕事をしよう、と頬を叩いて気合いを入れ直した。頑張って作った笑顔は下手すぎて、すぐにグレイに「あんたその顔やめなさい」と止められたのだが。
そんなこんなで無事に(?)一日目を終えた俺は、翌日以降はなんとか平和に過ごす事ができた。巨人との衝突のおかげで俺の中でも「客商売」とはなんたるか理解できた気がする。心構えと言うのだろうか。どちらにしろそれなりにうまくやっていたのだ。なのにだ。
「ほらパーティにいくぞ!人間!」
まさかまたあの「デカいとすごいぞ教」の巨人と再会するとは思わなかった。
「嫌だって、帰ってくれ」
「お前の都合は知らねえ!いいからついてこい!」
「はあ?」
目の前の巨人は、最後に見せていた落ち込む様子と打って変わり、相も変わらず横柄な態度だった。
(コイツ、寝たら忘れるタイプなのか?)
十分にあり得る。だとしたら俺の一週間ほど後を引いた全身の筋肉痛は無駄となってしまったわけだが。本当に迷惑なやつだ。しかも不躾な視線も相変わらずで、腰のあたりを舐めるように見たと思えばニヤニヤと口説いてくる。
「人間、相変わらず良いカラダしてんなあ」
「あんたも相変わらず気持ち悪いな」
「ハッハ!」
巨人が大笑いしているとフィンが警戒しながら俺の横に並んできた。
「ライ、この失礼な男とはどんな関係だ?」
「えっと、巨人の…」
「ヴォルドだ。俺たちゃ男同士の深い関係を築いた仲だよな?つーかライって言うのかお前、可愛い名前じゃねえか」
「うるせえ」
毎度毎度口説かないと会話ができないのかこの巨人は。
「それで、ヴォルド…だったか。あんたはパーティーのためにこの国に来たんだろ?どうして俺を連れていく必要がある」
「パーティーにパートナー同席は常識だろうが。今夜のパーティーにお前を連れていく。あの日そう決めていたんだ」
「決めていたって…」
投げ飛ばされたのに懲りない奴だ。げんなりしているとフィンがヴォルドと俺の間に入ってきた。俺に近づけるべきでないと判断したらしい。
「ライ、この男についていくのは危険だ」
「おいおい美形の炎人さんよお。今俺たちが話してるんだ、邪魔しねえでくれよ。それともなにか?お前はライの保護者か何かか??」
「ああそうだ!私はライの"保護者"だ」
保護者と言われて頷きたくはなかったが、字面としては間違っていないのが悔しいところである。
「こんな、見るからに怪しい男にライを貸せるわけがない!さっさと帰ってくれ」
「だからお前と話してねえんだよ!それにこのパーティーが成功すりゃ大金が入る。そうすりゃライにも少し分けてやってもいいぜ。金がありゃ、もっと立派なテーブルが買えるかもしれねえだろ?なあ?」
大金という言葉に、グレイの耳がぐぐっと大きくなる。まだ一週間経ってないのでテーブルは仮のものを置いている。大金があれば今から良いものを買い直せるだろう。
(やばい)
一気に不利になった気がする。
「それはいい話を聞いたワネ~」
グレイが乗り気になってしまった。これはもう俺に拒否権がなくなったのと同然だ。先日の失敗(テーブル破壊)で俺はグレイに頭が上がらなくなっている。そもそも居候させてもらってる立場なので何も文句は言えないのだ。おずおずとグレイに視線を送れば
「ライ、頑張ってきてネ?」
「……」
思った通り残酷なエールが待っていた。どうやら行くしかないらしい。
***
「さあ!ついたぜ、ライ」
送迎車の窓から建物を確認する。ここは港の先端にあり、少しだけ高台になっていた。屋敷の庭からは海が見えていてなかなかの絶景だ。
「でけえ…」
「どっかの地主が建てた別荘らしいぜ。その金がありゃ一生遊んで暮らせるだろうによくやるぜ」
「金持ちがやる事は理解できないな」
「まったくだぜ」
そんな豪華な屋敷が今回のパーティー会場らしい。入口の所にはもうすでにたくさんの人が集っていて混雑していた。まだ一時間前だというのに気が早い事だ。少し待機してから向かうことにする。
「ライ、本気なのか?あんなよくわからない集いに入り込んで、無事に戻れるとは思えない…今からでも引き返すのは遅くない!帰ろう!」
「フィン落ち着けって」
遠目で見る限り、参加者のほとんどは人間に見えた。ここは商談の場であり、人間の世界なのだから当たり前だろう。
(ちょっとアングラな雰囲気の奴もいるけど)
巨人族が浮かない程度には人外っぽいのもいるが、人の形からはさほど離れてない。この程度なら俺でも対処は可能だと思った。いや思いたかった。俺たちの様子をヴォルドがあくび交じりに笑っている。
「お前の保護者は心配性だなあ、ライ。ついてくる許可をだしただけでもありがたいと思えってんだ」
「それはこちらの台詞だ、野蛮な巨人め。私はライの意思を尊重したい。だからこの計画も止めはしないが…これはライの優しさで成り立ってる交渉だという事を忘れるな」
「へいへい、口うるさい保護者だなあ…」
キッとヴォルドを睨みつける。珍しくフィンが怒っているらしい。表情が固い。いつもならグレイがこの辺りで茶化して空気を変えてくれるのだが、あいにくグレイは店番のためスナックに残っていた。「後始末なら任せて~」と言っていたので何かトラブルが起きたら霧で誤魔化してもらえるはずだ。
「いいか、ライを貸し出すのは一時間だ。それ以上はこの屋敷を燃やしてでも連れ帰る!」
「ああん??一時間で何ができるってんだ」
「同伴して入場するだけでライの仕事は十分だろう!!」
「んなわけあるか!商談だっつてんだろ!」
一触即発の二人に頭が痛くなる。頼むから静かにしてほしい。
「なあ、それよりこの服、やっぱりやめねえ?絶対浮くって」
俺は今、ヴォルドのパートナーとしてふさわしい格好…として巨人族用のドレスを着ていた。上着を羽織り、顔には布を被っている(下にいくにつれてすけていく布で口元は見える)。肌の露出が少ないドレスではあるがやはり俺は男なわけで。成人済み男性(28歳)としては泣きそうである。
「絶対コレ合ってねえよ…似合っても困るけど。とにかく、今からでもフィンが着てるスーツと交換し…」
「「似合ってないだって?」」
フィンとヴォルドが俺の台詞にキョトンとしている。珍しく息が揃っていた。
「なんだ、ライ、お前自信がねえのか。似合ってるぞ?逆にもっと胸を張れ!ああ、胸はないんだったか!ハッハッハッ!」
「ライ、悔しいが私も同意する。ライは何を着ても綺麗だ。願うなら誰にも見せたくない」
「…フィンまで目が腐っちまったのか」
「そうではない、私は正気だ。自信を持ってくれ」
「……」
とりあえずこいつらの感性がいかれている事はわかった。そして味方がいないという事も。もう…このままパーティー会場が燃えてなくなってくれないだろうか。…まあ、ないわな。
「お、そろそろ時間だな」
人が少し減ってきた。俺達もそろそろ向かう頃合いだろう。ヴォルドが先に外に出た。一瞬、フィンと二人きりになる。フィンが顔を寄せてきた。
「いいか、ライ。命に危険を感じたらこれを使うんだ」
巾着のような小袋を手渡される。金の刺繍が入ってるが中身はわからない。開けようとすると止められた。
「開けるのは危険が訪れた時だけだ」
「?…わかった」
「すぐに駆けつけられるよう屋敷の外で待機しているから、必ず使うように」
何か声をかけようとしたが、その前に横の扉が開いた。俺が出る番だ。フィンと顔を見合わせ頷く。もらった小袋は胸の膨らみに隠しておいた。
(できればこれを使わず終わらせたいが…)
俺の願いだ、大体外れるのが最近の流れなのである。
「こちらがメイン会場でございます」
案内の者に連れられ中を進んでいく。俺とヴォルドは何も怪しまれることなく屋敷の中に入ることができた。メイン会場につくと先に来ていた初老の巨人(頭脳としてのトップ)が妻らしき女性と待っていた。彼は俺を見て目を丸くしている。
「お、あの時の兄ちゃんじゃないか。ヴォルドに拐われちまったか」
「…頼まれて来ただけです」
「ガハハハッ!ほとんど一緒だろう?ヴォルドとの喧嘩といいパーティといい、兄ちゃん肝が据わってるなあ!」
気に入ったぜ!と肩を叩かれる。
「おい俺の女に触るな、ガバルド」
ヴォルドがその手を払いつつ初老の巨人に問いかけた。
「で、様子はどうなんだよ」
「会場の様子か?ふむ」
ガバルドと呼ばれた初老の巨人は辺りを確認して腕を組んだ。メイン会場はすでに人でいっぱいで、皆立ち話に花が咲かせているようだった。
「どうもこうもない。すでに話し合いが始まってるところがあるようだ。相当取られたくない相手なのだろうな、必死に唾を付け合ってるぞ」
ガハハハッと豪快に笑う。
「とられちまっていいのか?」
「ここで焦って取り合わないといけないような、小さい会社に用はない。今回狙っているのは“一文”と“龍の尻尾”だ。その二つは海外展開もしていて最近かなり儲けてるらしい。という事は人手も足りてないはずだ」
「“一文”と“龍の尻尾”か…よっし!それっぽい奴を探せばいいんだな」
「ヴォルドと兄ちゃん、あまり目立つことはするなよ」
「わかってらあ!」
ヴォルドが俺を引っ張ってメイン会場の中心へ向かっていく。離せ、とヴォルドの腕を振りほどき自分で歩いた。
「ヴォルド、会社名を知った所でどうするんだよ。ネームプレートがあるわけでもあるまいし、探すあてはあるのか?」
「そりゃ片っ端から声かけてく…ってのはめんどいからな。こういう時はやけにモテてる男を探すんだ」
「モテてる男?」
ヴォルドの足が止まる。視線の先に女性の群れをひきつれる仮面の男がいた。高貴さを滲ませる美しい所作。値段のつけられなさそうなスーツに装飾品。見につける全てがオーダーメイドの一級品だろう。その覇気に押し負けない本人の自信に満ちた笑顔。後方にいる女性陣が男の動き一つ一つに感嘆の声をあげている。
「あいつが今回の主役っぽいぜ、ライ」
「確かに…」
「よし、あの群れに入ってこい!女どもに聞き込みしてどんな男なのか調べてこい!」
「はあ?!」
どんっと背中を押される。信じられない、と顔をしかめるがヴォルドは行けと顎で指示してくる。
(こんの…あとで覚えておけ)
早足で女性たちに紛れ込む。まるでアイドルの追っかけ集団に入り込んだ気分でそわそわする。一番後ろだしほとんど男の姿は見えないが、流石に頭一つ出てる男の俺には仮面だけは見えた。ふと仮面の男がこちらに視線を移動させた。
(やっべ…!)
なんとなく視線を合わせたくなくてとっさに避ける。俺の近くにいた女性たちが“自分を見てくれた”と悲鳴をあげて騒いでくれたので紛れる事ができた。ほっと胸を撫で下ろす。
「はあ~今日も美しいわねえ…龍矢様…」
ふと、隣のお喋りそうな女性が独り言のように呟いた。
(ん?龍矢…?どこかで聞いたような…)
その名前に、俺は喉に魚の骨がささったようななんとも不快な違和感を感じた。俺が悩んでいると「そう思うでしょ?」と女性が声をかけてきた。うんうんと頷いておくと、女性は上機嫌で喋りだした。
「龍矢様に任された今年から一気に会社が飛躍されてね、今回のパーティー出席者の中でも一番の売上を出してるって聞いたわ」
「…すごいですね」
「ええ、とても素晴らしい才能をお持ちの方なのよ。でもまだお若くて、その上婚約者もいない。だから多くの女性がパートナー立候補の為に寄ってきてる。あ、私は見てるだけで十分なタイプよ。今風に言うと推しって言えばいいのかしら、うふふ」
上品に笑う女性は確かに妙齢のマダムという感じで綺麗だと思った。俺としてはこれぐらいの女性の方が一瞬にいて安心するし、若さというフィルターが抜け、本人の魅力を磨くことで輝く…根元的な美しさが追及されると思うのだ。
(こんなマダムも虜にする男か)
金も名誉も持っていればそりゃ誰だって近づきたくなるというもの。この男とヴォルドたちが商談できれば良い結果を得られそうだが。どうやって糸口を見つけるかだ。普通に近づけば警戒されるだけだろう。甘い汁をすすりたい者はたくさんいる。
「そういえばあなた、知ってる?龍矢様には特別好きなものがあるのよ」
「!」
教えてほしい、と目で訴えると
「ここだけの秘密よ」
まるで悪巧みしているかのようにいたずらっぽく笑う。おしゃべりな女性は自分の知識を生かせるのが楽しいのか、目を輝かせてヒソヒソと耳打ちしてきた。
「会場の皆様、大変お待たせしました。只今からパーティーを開始いたします。乾杯ドリンクはお持ちになりましたでしょうか」
案内の声が響き、皆がドリンクを手に取った。俺は女性の群れから脱出してヴォルドの元に戻ってきていた(情報を共有済み)。近くのスタッフからドリンクを受け取る。
「では“龍の尻尾"の代表取締役、龍矢様に乾杯の挨拶をお願いします」
龍矢と呼ばれた仮面の男が前に出る。マイクを渡され、口を開いた。
「ご紹介にあずかりました、龍矢と申します。今年は先代に代わり自分が会社を任され、何もかも新鮮な経験をさせていただきました。この場での挨拶もその一つです。華やかなこの場で皆様と今夜共にいられる事を光栄に思います。挨拶が長くなってしまいますので、このまま乾杯の音頭とさせていただきます。今日の出会いに…乾杯!」
「「乾杯!」」
グラスを掲げ、隣り合う人と交わす。静かだった会場が乾杯を区切りにまた賑やかなものになった。会場の奥では生のオーケストラ演奏がされていてつくづく金がかかっているなと驚く。
「で、ライ、結局あの男の好きなものってのは何なんだ?」
「それが…ここには無いもので」
一応スタッフにも確認したが取り扱ってないとのことだった。
「じゃあ仕方ねえか。まあいい、ガバルドが今一文の奴らと話してる。どっちにしろ今は動けねえ」
「そうか…」
待機ということでどっと疲れが溢れてきた。すでに帰りたい。
「どうするよ、ライ。暇だし俺らで踊るか?」
「勘弁しろ。こんなデカイ二人のダンスなんて誰が見たいんだ」
「デカいってのは、見応えがあっていいじゃねえか」
「はあ…」
デカイとすごいぞ教のこいつはもう無視しておこう。先ほど乾杯ドリンクで空きっ腹に酒をいれてしまったため胃がキリキリと痛んでいる。何か食べ物を入れて中和させたかった。キョロキョロと辺りを確認する。壁側に料理が並んでるテーブルを発見した。
「ちょっと何か食ってくるわ」
「おいおい、花より団子か」
ヴォルドのからかう声を無視してテーブルに移動した。スイーツからメインの肉料理までズラリと並べられている。
(豪華だなあ…この肉も絶対高い奴だし)
皆話すのに夢中で食事に手をつけてないようだ。ほとんどが残っている。
「えっと、これとこれでいいか」
胃に優しそうなフルーツとスープを手に取り、壁側に移動する。料理はどれも一口サイズで、立ったままパクりと食べられるようになっていた。
「はあ」
きらびやかな会場を眺めながらスープをちまちま飲みすすめる。
(家を追い出されたときは、こんな事になるなんて思ってもみなかったな)
真人と別れ…仕事も家も失って路頭に迷いかけたが、一週間もせずこんな豪華なパーティーに出席するとは思わなかった。人生わからないものである。感慨深い思いでいるとふと横から声がかかった。
「やあ、パーティーはつまらないかい?」
横をみれば仮面の男、龍矢が立っていた。
「ライ、腕と膝が痣になってるぞ…痛そうだ」
フィンがまるで自分事のように心配してくる。先ほど帰ってきたフィンは店内の状態を見て、驚きのあまり買い出し袋を落としそうになっていた。
(まあ、巨人を投げてこの程度で済んでるなら軽い方か)
投げた方の腕は少し動かしただけでも激痛だったし肩もパンパンだ。だが俺よりも投げられた巨人の方が重症で、帰る寸前までずっとガクリと肩を落とした。長年信じていた「デカイとすごいぞ教」が覆されたのだから仕方ない。同情するつもりはもないが、しばらくは人様に迷惑をかけずおとなしく過ごしてくれと願うのだった。
「まったく」
フィンが呆れたように呟く。
「ライもそうだが店もボロボロじゃないか。一体何があったんだ?」
「まあ、色々」
「だから色々とは何なんだ!教えてくれライ!」
「うーん…」
(素直に話したら面倒くさそうだしな…)
言いあぐねてると、巨人達を外まで送っていたグレイが戻ってきた。店内の惨状を見て「ああ、現実思い出しちゃったワ」と頭を抱える。
「…グレイ、大事なテーブルを壊しちまって、ごめん…」
「終わったことだしもういいワ。巨人に備品壊されるなんて毎度の事だし。あたしの方こそ助けにいけなくてゴメンナサイ。途中からは気付いてたノニ…。大丈夫とか言っておいて自分が不甲斐ないワ」
「グレイには十分助け船を出してもらった。俺がガキだっただけであんたは何も悪くない…」
いくら女扱いされたとはいえ、グレイだったらうまく聞き流せただろう。そもそもグレイなら見下されなかったはずだ。全ては、俺の未熟さが招いた事だ。俺の反省する姿にグレイは困ったように笑みを浮かべ、ぱんぱんと手を鳴らした。
「反省タイムは終わり。これを教訓にしてこの後の営業も頑張りまショ」
「ああ…」
「ふふ、少しでも反省してるなら次に来たお客さんにはもう少し愛想よくしてチョーダイ?」
「…わかった」
ちょうどのタイミングで客がきた。グレイが挨拶しにいく。俺も自分の仕事をしよう、と頬を叩いて気合いを入れ直した。頑張って作った笑顔は下手すぎて、すぐにグレイに「あんたその顔やめなさい」と止められたのだが。
そんなこんなで無事に(?)一日目を終えた俺は、翌日以降はなんとか平和に過ごす事ができた。巨人との衝突のおかげで俺の中でも「客商売」とはなんたるか理解できた気がする。心構えと言うのだろうか。どちらにしろそれなりにうまくやっていたのだ。なのにだ。
「ほらパーティにいくぞ!人間!」
まさかまたあの「デカいとすごいぞ教」の巨人と再会するとは思わなかった。
「嫌だって、帰ってくれ」
「お前の都合は知らねえ!いいからついてこい!」
「はあ?」
目の前の巨人は、最後に見せていた落ち込む様子と打って変わり、相も変わらず横柄な態度だった。
(コイツ、寝たら忘れるタイプなのか?)
十分にあり得る。だとしたら俺の一週間ほど後を引いた全身の筋肉痛は無駄となってしまったわけだが。本当に迷惑なやつだ。しかも不躾な視線も相変わらずで、腰のあたりを舐めるように見たと思えばニヤニヤと口説いてくる。
「人間、相変わらず良いカラダしてんなあ」
「あんたも相変わらず気持ち悪いな」
「ハッハ!」
巨人が大笑いしているとフィンが警戒しながら俺の横に並んできた。
「ライ、この失礼な男とはどんな関係だ?」
「えっと、巨人の…」
「ヴォルドだ。俺たちゃ男同士の深い関係を築いた仲だよな?つーかライって言うのかお前、可愛い名前じゃねえか」
「うるせえ」
毎度毎度口説かないと会話ができないのかこの巨人は。
「それで、ヴォルド…だったか。あんたはパーティーのためにこの国に来たんだろ?どうして俺を連れていく必要がある」
「パーティーにパートナー同席は常識だろうが。今夜のパーティーにお前を連れていく。あの日そう決めていたんだ」
「決めていたって…」
投げ飛ばされたのに懲りない奴だ。げんなりしているとフィンがヴォルドと俺の間に入ってきた。俺に近づけるべきでないと判断したらしい。
「ライ、この男についていくのは危険だ」
「おいおい美形の炎人さんよお。今俺たちが話してるんだ、邪魔しねえでくれよ。それともなにか?お前はライの保護者か何かか??」
「ああそうだ!私はライの"保護者"だ」
保護者と言われて頷きたくはなかったが、字面としては間違っていないのが悔しいところである。
「こんな、見るからに怪しい男にライを貸せるわけがない!さっさと帰ってくれ」
「だからお前と話してねえんだよ!それにこのパーティーが成功すりゃ大金が入る。そうすりゃライにも少し分けてやってもいいぜ。金がありゃ、もっと立派なテーブルが買えるかもしれねえだろ?なあ?」
大金という言葉に、グレイの耳がぐぐっと大きくなる。まだ一週間経ってないのでテーブルは仮のものを置いている。大金があれば今から良いものを買い直せるだろう。
(やばい)
一気に不利になった気がする。
「それはいい話を聞いたワネ~」
グレイが乗り気になってしまった。これはもう俺に拒否権がなくなったのと同然だ。先日の失敗(テーブル破壊)で俺はグレイに頭が上がらなくなっている。そもそも居候させてもらってる立場なので何も文句は言えないのだ。おずおずとグレイに視線を送れば
「ライ、頑張ってきてネ?」
「……」
思った通り残酷なエールが待っていた。どうやら行くしかないらしい。
***
「さあ!ついたぜ、ライ」
送迎車の窓から建物を確認する。ここは港の先端にあり、少しだけ高台になっていた。屋敷の庭からは海が見えていてなかなかの絶景だ。
「でけえ…」
「どっかの地主が建てた別荘らしいぜ。その金がありゃ一生遊んで暮らせるだろうによくやるぜ」
「金持ちがやる事は理解できないな」
「まったくだぜ」
そんな豪華な屋敷が今回のパーティー会場らしい。入口の所にはもうすでにたくさんの人が集っていて混雑していた。まだ一時間前だというのに気が早い事だ。少し待機してから向かうことにする。
「ライ、本気なのか?あんなよくわからない集いに入り込んで、無事に戻れるとは思えない…今からでも引き返すのは遅くない!帰ろう!」
「フィン落ち着けって」
遠目で見る限り、参加者のほとんどは人間に見えた。ここは商談の場であり、人間の世界なのだから当たり前だろう。
(ちょっとアングラな雰囲気の奴もいるけど)
巨人族が浮かない程度には人外っぽいのもいるが、人の形からはさほど離れてない。この程度なら俺でも対処は可能だと思った。いや思いたかった。俺たちの様子をヴォルドがあくび交じりに笑っている。
「お前の保護者は心配性だなあ、ライ。ついてくる許可をだしただけでもありがたいと思えってんだ」
「それはこちらの台詞だ、野蛮な巨人め。私はライの意思を尊重したい。だからこの計画も止めはしないが…これはライの優しさで成り立ってる交渉だという事を忘れるな」
「へいへい、口うるさい保護者だなあ…」
キッとヴォルドを睨みつける。珍しくフィンが怒っているらしい。表情が固い。いつもならグレイがこの辺りで茶化して空気を変えてくれるのだが、あいにくグレイは店番のためスナックに残っていた。「後始末なら任せて~」と言っていたので何かトラブルが起きたら霧で誤魔化してもらえるはずだ。
「いいか、ライを貸し出すのは一時間だ。それ以上はこの屋敷を燃やしてでも連れ帰る!」
「ああん??一時間で何ができるってんだ」
「同伴して入場するだけでライの仕事は十分だろう!!」
「んなわけあるか!商談だっつてんだろ!」
一触即発の二人に頭が痛くなる。頼むから静かにしてほしい。
「なあ、それよりこの服、やっぱりやめねえ?絶対浮くって」
俺は今、ヴォルドのパートナーとしてふさわしい格好…として巨人族用のドレスを着ていた。上着を羽織り、顔には布を被っている(下にいくにつれてすけていく布で口元は見える)。肌の露出が少ないドレスではあるがやはり俺は男なわけで。成人済み男性(28歳)としては泣きそうである。
「絶対コレ合ってねえよ…似合っても困るけど。とにかく、今からでもフィンが着てるスーツと交換し…」
「「似合ってないだって?」」
フィンとヴォルドが俺の台詞にキョトンとしている。珍しく息が揃っていた。
「なんだ、ライ、お前自信がねえのか。似合ってるぞ?逆にもっと胸を張れ!ああ、胸はないんだったか!ハッハッハッ!」
「ライ、悔しいが私も同意する。ライは何を着ても綺麗だ。願うなら誰にも見せたくない」
「…フィンまで目が腐っちまったのか」
「そうではない、私は正気だ。自信を持ってくれ」
「……」
とりあえずこいつらの感性がいかれている事はわかった。そして味方がいないという事も。もう…このままパーティー会場が燃えてなくなってくれないだろうか。…まあ、ないわな。
「お、そろそろ時間だな」
人が少し減ってきた。俺達もそろそろ向かう頃合いだろう。ヴォルドが先に外に出た。一瞬、フィンと二人きりになる。フィンが顔を寄せてきた。
「いいか、ライ。命に危険を感じたらこれを使うんだ」
巾着のような小袋を手渡される。金の刺繍が入ってるが中身はわからない。開けようとすると止められた。
「開けるのは危険が訪れた時だけだ」
「?…わかった」
「すぐに駆けつけられるよう屋敷の外で待機しているから、必ず使うように」
何か声をかけようとしたが、その前に横の扉が開いた。俺が出る番だ。フィンと顔を見合わせ頷く。もらった小袋は胸の膨らみに隠しておいた。
(できればこれを使わず終わらせたいが…)
俺の願いだ、大体外れるのが最近の流れなのである。
「こちらがメイン会場でございます」
案内の者に連れられ中を進んでいく。俺とヴォルドは何も怪しまれることなく屋敷の中に入ることができた。メイン会場につくと先に来ていた初老の巨人(頭脳としてのトップ)が妻らしき女性と待っていた。彼は俺を見て目を丸くしている。
「お、あの時の兄ちゃんじゃないか。ヴォルドに拐われちまったか」
「…頼まれて来ただけです」
「ガハハハッ!ほとんど一緒だろう?ヴォルドとの喧嘩といいパーティといい、兄ちゃん肝が据わってるなあ!」
気に入ったぜ!と肩を叩かれる。
「おい俺の女に触るな、ガバルド」
ヴォルドがその手を払いつつ初老の巨人に問いかけた。
「で、様子はどうなんだよ」
「会場の様子か?ふむ」
ガバルドと呼ばれた初老の巨人は辺りを確認して腕を組んだ。メイン会場はすでに人でいっぱいで、皆立ち話に花が咲かせているようだった。
「どうもこうもない。すでに話し合いが始まってるところがあるようだ。相当取られたくない相手なのだろうな、必死に唾を付け合ってるぞ」
ガハハハッと豪快に笑う。
「とられちまっていいのか?」
「ここで焦って取り合わないといけないような、小さい会社に用はない。今回狙っているのは“一文”と“龍の尻尾”だ。その二つは海外展開もしていて最近かなり儲けてるらしい。という事は人手も足りてないはずだ」
「“一文”と“龍の尻尾”か…よっし!それっぽい奴を探せばいいんだな」
「ヴォルドと兄ちゃん、あまり目立つことはするなよ」
「わかってらあ!」
ヴォルドが俺を引っ張ってメイン会場の中心へ向かっていく。離せ、とヴォルドの腕を振りほどき自分で歩いた。
「ヴォルド、会社名を知った所でどうするんだよ。ネームプレートがあるわけでもあるまいし、探すあてはあるのか?」
「そりゃ片っ端から声かけてく…ってのはめんどいからな。こういう時はやけにモテてる男を探すんだ」
「モテてる男?」
ヴォルドの足が止まる。視線の先に女性の群れをひきつれる仮面の男がいた。高貴さを滲ませる美しい所作。値段のつけられなさそうなスーツに装飾品。見につける全てがオーダーメイドの一級品だろう。その覇気に押し負けない本人の自信に満ちた笑顔。後方にいる女性陣が男の動き一つ一つに感嘆の声をあげている。
「あいつが今回の主役っぽいぜ、ライ」
「確かに…」
「よし、あの群れに入ってこい!女どもに聞き込みしてどんな男なのか調べてこい!」
「はあ?!」
どんっと背中を押される。信じられない、と顔をしかめるがヴォルドは行けと顎で指示してくる。
(こんの…あとで覚えておけ)
早足で女性たちに紛れ込む。まるでアイドルの追っかけ集団に入り込んだ気分でそわそわする。一番後ろだしほとんど男の姿は見えないが、流石に頭一つ出てる男の俺には仮面だけは見えた。ふと仮面の男がこちらに視線を移動させた。
(やっべ…!)
なんとなく視線を合わせたくなくてとっさに避ける。俺の近くにいた女性たちが“自分を見てくれた”と悲鳴をあげて騒いでくれたので紛れる事ができた。ほっと胸を撫で下ろす。
「はあ~今日も美しいわねえ…龍矢様…」
ふと、隣のお喋りそうな女性が独り言のように呟いた。
(ん?龍矢…?どこかで聞いたような…)
その名前に、俺は喉に魚の骨がささったようななんとも不快な違和感を感じた。俺が悩んでいると「そう思うでしょ?」と女性が声をかけてきた。うんうんと頷いておくと、女性は上機嫌で喋りだした。
「龍矢様に任された今年から一気に会社が飛躍されてね、今回のパーティー出席者の中でも一番の売上を出してるって聞いたわ」
「…すごいですね」
「ええ、とても素晴らしい才能をお持ちの方なのよ。でもまだお若くて、その上婚約者もいない。だから多くの女性がパートナー立候補の為に寄ってきてる。あ、私は見てるだけで十分なタイプよ。今風に言うと推しって言えばいいのかしら、うふふ」
上品に笑う女性は確かに妙齢のマダムという感じで綺麗だと思った。俺としてはこれぐらいの女性の方が一瞬にいて安心するし、若さというフィルターが抜け、本人の魅力を磨くことで輝く…根元的な美しさが追及されると思うのだ。
(こんなマダムも虜にする男か)
金も名誉も持っていればそりゃ誰だって近づきたくなるというもの。この男とヴォルドたちが商談できれば良い結果を得られそうだが。どうやって糸口を見つけるかだ。普通に近づけば警戒されるだけだろう。甘い汁をすすりたい者はたくさんいる。
「そういえばあなた、知ってる?龍矢様には特別好きなものがあるのよ」
「!」
教えてほしい、と目で訴えると
「ここだけの秘密よ」
まるで悪巧みしているかのようにいたずらっぽく笑う。おしゃべりな女性は自分の知識を生かせるのが楽しいのか、目を輝かせてヒソヒソと耳打ちしてきた。
「会場の皆様、大変お待たせしました。只今からパーティーを開始いたします。乾杯ドリンクはお持ちになりましたでしょうか」
案内の声が響き、皆がドリンクを手に取った。俺は女性の群れから脱出してヴォルドの元に戻ってきていた(情報を共有済み)。近くのスタッフからドリンクを受け取る。
「では“龍の尻尾"の代表取締役、龍矢様に乾杯の挨拶をお願いします」
龍矢と呼ばれた仮面の男が前に出る。マイクを渡され、口を開いた。
「ご紹介にあずかりました、龍矢と申します。今年は先代に代わり自分が会社を任され、何もかも新鮮な経験をさせていただきました。この場での挨拶もその一つです。華やかなこの場で皆様と今夜共にいられる事を光栄に思います。挨拶が長くなってしまいますので、このまま乾杯の音頭とさせていただきます。今日の出会いに…乾杯!」
「「乾杯!」」
グラスを掲げ、隣り合う人と交わす。静かだった会場が乾杯を区切りにまた賑やかなものになった。会場の奥では生のオーケストラ演奏がされていてつくづく金がかかっているなと驚く。
「で、ライ、結局あの男の好きなものってのは何なんだ?」
「それが…ここには無いもので」
一応スタッフにも確認したが取り扱ってないとのことだった。
「じゃあ仕方ねえか。まあいい、ガバルドが今一文の奴らと話してる。どっちにしろ今は動けねえ」
「そうか…」
待機ということでどっと疲れが溢れてきた。すでに帰りたい。
「どうするよ、ライ。暇だし俺らで踊るか?」
「勘弁しろ。こんなデカイ二人のダンスなんて誰が見たいんだ」
「デカいってのは、見応えがあっていいじゃねえか」
「はあ…」
デカイとすごいぞ教のこいつはもう無視しておこう。先ほど乾杯ドリンクで空きっ腹に酒をいれてしまったため胃がキリキリと痛んでいる。何か食べ物を入れて中和させたかった。キョロキョロと辺りを確認する。壁側に料理が並んでるテーブルを発見した。
「ちょっと何か食ってくるわ」
「おいおい、花より団子か」
ヴォルドのからかう声を無視してテーブルに移動した。スイーツからメインの肉料理までズラリと並べられている。
(豪華だなあ…この肉も絶対高い奴だし)
皆話すのに夢中で食事に手をつけてないようだ。ほとんどが残っている。
「えっと、これとこれでいいか」
胃に優しそうなフルーツとスープを手に取り、壁側に移動する。料理はどれも一口サイズで、立ったままパクりと食べられるようになっていた。
「はあ」
きらびやかな会場を眺めながらスープをちまちま飲みすすめる。
(家を追い出されたときは、こんな事になるなんて思ってもみなかったな)
真人と別れ…仕事も家も失って路頭に迷いかけたが、一週間もせずこんな豪華なパーティーに出席するとは思わなかった。人生わからないものである。感慨深い思いでいるとふと横から声がかかった。
「やあ、パーティーはつまらないかい?」
横をみれば仮面の男、龍矢が立っていた。
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