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八話
大切なものは一つだけ
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***
翌朝、というか昼過ぎ。
「ライ~ごめんってばー」
「…」
「寝込み襲ってごめん~もうしないから~!」
目が覚めた俺の前には正座して謝罪するユウキがいた。それを睨み付けてから上体を起こす。長く寝れたことで体の違和感や疲労は消えていたが、寝る直前にやられたあれやこれやのせいで特大の頭痛が追加された。添い寝まではわかるが、何がどうなったらユウキのをフェラする事になるんだ。意味わかんねえし普通に強姦未遂だろ。
(はあ…結局どこにいても変わらねえって事か…)
「ライ、聞いてるー?気分悪いの?」
「触んな」
どさくさに紛れて抱きついてこようとしたユウキの顔面に枕をめり込ませた。
「うぶっ」
「半径1メートル以内に近付くんじゃねえ」
「ええ!接近禁止命令って事?!死刑レベルに辛いんだけど!!」
「死んだら辛いも何もないだろ。はあ…もういい、俺は店に帰るからな」
「ええーーー?!昨日の会食の内容忘れたの?!今あそこには近寄らない方がいいって!表面上は龍神組と協力することになったけどさ…いつ抗争が起きてもおかしくない状況なんだから!」
「表面上って…どういう意味だよ」
一晩寝て考えたがやはり本人たちに会って確かめたいと思った。悪事を企てているのかはさておき、直接聞いてはっきりさせないと俺は…納得できない。ユウキは廊下に誰もいないのを確認した後、声をひそめて言った。
「時雨の爺は何か隠してる。薬なんて高級品、まんまと盗まれてさ…あえて“謝罪"してアピール…いや時間稼ぎか、したのもアイツらしくない。親父もそれがわかってるから泳がしたんだよ。下手な動きを見せたらそのまま消せるように見張れる距離に置いた。それが今回の会食の、本当の狙いだよ」
龍神組は狐ヶ崎のシマで行動する権利を手に入れて、狐ヶ崎組は時雨をいつでも殺せる立場を得たと。終始穏やかに見えた会食だったが裏では黒く濁った何かが行き交っていたのだと思うと恐ろしかった。それと同時に、こんな会食を日々見させられていたらそりゃ達観する(歪む)わなとユウキに同情する。
「とにかく!お店に行きたいなら俺と一緒に!そうじゃなきゃこの部屋から出してあげられないよ、わかった?」
「ああ、もうそれでいい。だから早く――」
ブーブー
そこでユウキのスマホが鳴った。顔を見合わせた後、ユウキは面倒くさそうに取り出して「もしもし」と応答する。
<ユウキ!助けてくれ!!>
「うるさっ…叫ばなくても聞こえるって。で、どうしたの?」
<学校の至る所で乱闘が起きてるんだ!一般生徒にも被害が出てて…俺らの手に負えねえんだ!今すぐ来てくれっ>
「あらら~大変だね~」
<笑い事じゃねえんだって…ぐあっ何す…おいっ……ゴトン………>
「おーい、おーい??聞こえてるー?」
不穏な声と共に通話先が静かになる。一度切ってかけ直すが今度は繋がらなかった。ユウキが振り返ってくる。
「…繋がらないや、あはは」
「あははじゃねえよ。今のって例の不良達か?」
「そうそう、メデューサで巻き込まれた奴らで俺のトモダチ~」
あの感じ絶対面倒事に巻き込まれてるよな。正義感があるのは素晴らしいが登場する度に毎回救出イベントを発生させるのはどうしたものかと頭を抱えた。
「はあ…」
「えっと、じゃあどうする?お店行くんだっけ?」
「馬鹿いうな。あんな電話があったんだぞ…学校が先だろが」
「へへ、そうこなくっちゃね」
ユウキが楽しそうに笑う。すでに俺の答えを予想していたのか羽織を手に持っていた。
「はいどうぞ。注意事項はもういいね?」
「…ああ」
こうして学生(変化)生活の二日目が開始したのであった。
***
柴沢の車で学校に向かい、念の為裏門から中に入る事にした。なるべく目立たない方がいいとの判断だったがあまり意味はなかった。すでに通学路や裏門の付近にも不良達が立っていてあっという間にエンカウントしてしまう。
「はは、ゾンビみたいだね」
ユウキが他人事のように笑ってる。前方には目を血走らせた不良達が校内をフラフラと行き交っていた。奴らは目が合うと笑いながら襲い掛かってくる。
「ぎゃははは!!」
「っとと!」
避けつつ、背中側から襟を掴んで地面へと押し付けた。鈍い悲鳴の後ゾンビ学生は大人しくなる。反応が遅い分対応は楽だが数が多いのが厄介だった。
「こいつら、ヘブン特有の禁断症状が出てるね。薬が切れかかると夢遊病みたいになるらしいから」
「禁断症状…殴っちまって大丈夫だったかな」
「大丈夫大丈夫。逆に目が覚めて調度いいんじゃない?でも、ちょっと重症っぽい奴いたから念の為柴沢に連絡しとこうかな」
そういってユウキが柴沢に電話をかけ始めた時だった。
バタバタ!!
複数の足音と共に数え切れない程の不良が俺達を囲んできた。皆目が血走ってて恐ろしい形相だ。まるで睡眠不足で我を失いかけていたソルのように、追い詰められた表情をしてる。
「狐ヶ崎いぃ!!」
不良の一人が前に出て怒鳴ってくる。
「おい!お前、ヤクザの息子なんだろ!今すぐヘブンを寄越せぇ!!!」
「えー?なんか言ったー?」
ユウキの呑気な反応に、不良は血管が切れそうなほど顔を真っ赤にして怒りを露わにした。
「てんめええ!!あんま舐めた態度とってると痛い目見るぞっ!!」
「そう言われても、ヘブンの事は六島に聞いてよ。俺が知るわけないじゃん」
「六島は無断欠勤で来てねえんだよ!!電話も繋がらねえし、家にもいやがらねえ!!今日まとめて渡される予定だったのに…あのカマ野郎どこ行きやがった!!」
六島が無断欠勤。その言葉を聞いた瞬間、ユウキと顔を見合わせた。このタイミングで姿を消したということはつまりそういう事だろう。ヤクザの動きに気付いて飛んだか、消されたか。
「なるほどね、それで学校中が禁断症状のゾンビまみれなわけね、理解理解」
「わかったらさっさと薬を出せ!!…コイツらがどうなってもいいのか?!」
不良が合図すると殴られて顔を腫らした学生四人が引きずられてくる。彼らの顔には見覚えがある。メデューサの時の不良だ。つまり今回の救出対象である。なのにユウキは欠伸でもしそうなのんびりとした様子でそれを眺めていた。
「どうなってもって…どうせお前ら殴るぐらいしかできないでしょ。殴りたいなら殴れば?ソイツらも慣れてると思うし別に俺は構わないよ」
「は、はあ??てめえコイツらとつるんでるんじゃねえのかよ!?」
「つるんでるけど、俺の返答は変わらないよ。いくら殴っても俺は首を縦には振らない。俺は誰相手にも下るつもりはないからね。ま、そもそもお前らの求める回答を俺は持ってないし、応えようがないんだけどさ」
「ううっ!うるせえ!!強がっても無駄だ!仲間の悲鳴を聞いてもその強がりが続けられるか見ててやる!!」
「――強がりじゃないよ」
ユウキの短い言葉に場がシィンと静まり返る。俺もその横顔をみてハッとした。
「俺にとって大切なものは一つだけ。それに比べれば、友達や家族…自分の命だって安いものさ。いつでも、切り捨てられるよ」
そういって笑みを浮かべるユウキ。暗い光を宿したその瞳に気圧され、不良達は本能的に後退る。またこの目だ。昨日から何度も見せられて少しずつわかってきたが、この状態のユウキは“良い子モードの終了”を意味してるらしい。本来のユウキが顔を出しているのか、単に悪い子モードの悪化版なのかは知らないが、いつもよりずっと強い感情の動きが見て取れるのは確かだった。何も知らないはずの不良達もユウキの異変に勘付いて震え上がっている。
パンパン
おもむろにユウキが手を鳴らして元の表情に戻った。
「てのは冗談だけどさ!とにかく落ち着こうよ。俺らがいがみ合う理由なんてないじゃん??仲良くしようー?」
「…っ」
不良はユウキに怯えるようにそそくさと人質を解放した。周囲は取り囲んであるし俺達が逃げられない状況のままであっちの優位は変わってない。なのに不良はユウキの顔色を窺うようにおどおどしていた。
「…こ、これでいいのか」
「ありがとねー。じゃ、友好の証として、俺の知ってる情報を少しだけ話してあげる。まず、俺らはヘブンを管理してない。だからどんなに頑張ってもお前らに引き渡すことはできない」
「なっ!!はあ?!どういうことだよ…!六島はヤクザから流された薬だって…!」
「ヤクザなんてごまんといるし、手近にいる俺らがやってると決めつけないでくれる?責任転嫁されても困るから」
「…な、ならその別のヤクザから薬をもらってきてくれよ!」
「馬鹿なの?組同士でそんなことするわけないじゃん。しかも学生のために?無料で?はあ~あ。ヤクザを慈善事業か何かと勘違いしてないかな~」
「…っっ!か、金なら少し用意できる…!!」
「どうせカツアゲとかで集めた金でしょ?金に色目はないって言うけど、俺は違うと思うんだよね。誠意の差が出てくると思うわけ」
「は、はあ??何が言いたいんだよ!!ハッキリ言え!」
「だーかーら、その程度のはした金で俺が動くわけないだろっつってんの。お前ら全員体切り売りしてきてやっと話を聞く気になるレベルなんだって、お分かりー?」
「!!!」
ユウキの言葉に、不良達は酷く取り乱した。ユウキと掛け合えば薬を得られると思っていたらしい。やがて驚きは焦りとなり、焦りは怒りへと変わった。殺気立った不良達が少しずつ距離を詰めてくる。
「もういい!!てめえを人質にして薬を用意させてやる!!」
「そんな事したらお前らが殺されるだけなのに、どいつもこいつも馬鹿なんだから」
「黙れええええっ!!」
拳を振りかざしユウキに殴りかかる。それをひらりと避けてからユウキが振り返ってきた。どうしようか、という顔だが、どうもこうもない。腕まくりをしながらユウキの横に並ぶのだった。
それから十五分ほど。俺たちの周りには大の字になった不良が大量に倒れていた。ユウキの連れも加勢してくれたが今は四人とも座り込んで必死に息を整えている。満身創痍といった様子だ。
(とりあえずアイツらを保健室に連れてって、店に向かうのはそれからか…)
そんな事を考えてるとユウキが肩をとんとんと叩いてきた。
「ねえ、あれ見て」
ユウキの視線の先を追いかける。俺達の10メートル程後方に位置する裏門の所に、背の高い男が立っているのが見えた。曇り空の下でもキラキラと輝いて見える白金の髪に、長い手足と抜群のスタイル、オレンジ色の瞳は何かを確かめるように細められていて…
(フィン…!!?)
フィンは山田とユウキに気付かれたと知ると、背を向けて学校から離れようとする。まさかの人物すぎて一瞬幻覚かと思ったが体は即座に反応した。
たたっ
裏門へと走る。早く、早く会いたい、あの腕に抱かれたい、と体が急いてどうしようもなかった。その大きな背中に手を伸ばし、口を開く。
「待っ…!!」
「フィンさーん~!」
ギクリと足が止まった。その甘ったるい声に、心の奥底に眠っていた傷がチクりと痛むのが分かる。
(え…?)
信じられない気持ちで声のした方を見た。フィンを呼び止めた男は同じく学校の外、通学路から現れ、軽快な足取りで駆け寄る。学生服ではなくスーツを着た若い男だった。フィンはその姿を見た瞬間足を止める。
「シュウか」
「もー!先に行かないでくださいー!心細くて泣いちゃいますよ~」
シュウと呼ばれた男はぷくっと頬を膨らませてフィンを見上げた。そのあざとく甘える仕草はとても既視感のあるものだった。俺の動揺を嘲笑うように視覚情報はどんどん更新されていく。
するり
フィンが男の腰に腕を回したのだ。俺以外の男にフィンが自ら触れるなんてとギョッとする。
「申し訳ない。シュウを泣かせるつもりはなかったのだ」
「とか言って浮気してたんじゃないですか?」
「そんな訳ないだろう」
「じゃあ、うーん。ほっぺにキスしてくれたら許してあげますよ」
フィンと男の会話の内容が脳内でするすると滑っていく。浮気?ほっぺにキス?何を言ってるんだコイツラは。信じられない気持ちで二人の方を見ていると、フィンがこちらを一瞥して、目を合わせぬまま男の方へ視線を戻した。
「…学生が見ているぞ」
「そんなのどうでもいいから、早く~」
男は見せつけるようにフィンに抱きつき、視線だけこちらに向けてきた。フィンと違って、逸らす事なくまっすぐ俺に向けられ…ガッツリ視線がぶつかった。
びくり
俺が身構えるのと同時に男は口角を上げて笑みの形を作った。
くすくす
悪魔のように意地悪く笑うその姿をみて…確信する。
(やっぱり、あいつだ…)
俺よりも一回り小柄でアイドルをやれそうな程整った顔。それは前職の、会社員として働いていた時の“後輩”だった。つまり、真人を奪った男だ。
(あいつがどうしてここに…??)
一気にトラウマが蘇る。真人の横で笑う姿。真人と絡み合う姿。そしてそれに酔いしれて俺に見向きもしなくなった真人の事を、鮮明に思い出した。裏切り、孤独、悲しみ…その権化のような存在が今また目の前に現れ血の気が引く。
「ね?早くちょうだい?」
後輩は真人を奪った時と全く同じ顔で、甘ったるく見上げて誘った。
「…まったく、悪い子だな、シュウは」
フィンもまんざらでもないのか、腰を抱いたまま後輩の頬へ優しく口付けた。頬の後は当たり前のように唇に移動して…二人は舌を絡ませ吐息を漏らす。
「んんっ…フィン、さん、もっと…」
後輩がねだれば、フィンも求められるまま応えた。もしかしたらあれはフィンの偽物なんじゃないかとも思ったが、そのオレンジの瞳を見てるだけで体の奥が熱くなって、喉が渇いて…どうしようもなく欲しくなるのだ。
(あれは一昨日甘く溶け合ったものだ)
まごう事なき本物だと体が証明している。でも、だからこそ、意味が分からなかった。本物ならどうして後輩といるんだ。キスまでして…一体何が起きてるんだと目の前の状況を理解できずにいた。
ぽん
肩を叩かれて我に返る。横を見ると、いつの間にか追いついたユウキが立っていた。意味ありげにフィン達を見た後くすりと笑う。
「ほらね、俺が言った通り、あの人もライの事騙してるんだよ。あんなにライ一筋だって言っといて、ちょっと裏の顔を覗いてみたらこれだよ。ほんと人って怖いよね」
「…っ」
「その羽織を脱いで責め立ててきたら?このままじゃ本当に取られちゃうかもよ?まあ、いつから二人が親しくしてたのかわからないし…ライとあの人、どっちが本命かわからないんだけどさー」
そう、今の俺には信じられるものがない。山田の姿をやめて俺の姿でフィンを問い詰めたとしても、懇切丁寧に今の状況が当然なものだと釈明されたとしても、俺はその言葉を何一つ信じられない自信がある。何故なら「俺以外と愛し合ってる」その事実は変わらないのだから。目の前でそれを証明されては無視しようがない。
(嘘だと言ってくれ…)
今までフィンが俺に言ってくれた言葉も、見せてくれた行動も、全て茶番だったのかと怖くなる。
(いつから後輩と…?そもそも最初から…?)
俺と出会う前から二人が付き合っていたのなら…俺はなんて滑稽な男だったんだろう。フィンはずっと俺を見ながら笑っていたのだろうか。可哀想な男だと。なんて落としやすい男だと嗤っていたのか。
「愛してる」
ハッと弾かれたように顔を上げる。ずっと待ち望んでいたその台詞は俺に向けられたものではなく…後輩へと注がれていた。
「もう一回言って?」
「愛してる…誰よりも」
「あは、もう一回」
後輩がそれはそれは嬉しそうに目を細めてねだる。フィンの首に腕を回して「もう一回」と催促した。愛してる、愛してると。聞きたくもない他者への甘い愛の囁きを繰り返し聞かされる。
「ハッ、ハアッ、ハア…」
過呼吸のような浅い呼吸になっていく。脳内ではずっと「どうして」という言葉が連なっていた。後輩の顔を見てると、真人と絡み合う姿がフラッシュバックして、キーンと耳鳴りが酷くなる。思い出したくない光景が目の裏に張り付いて離れない。
「はあ、はあ…っ」
フィンはそんな俺に見向きもせず、オレンジの瞳を甘く蕩けさせて後輩とのキスを堪能していた。その溶けたオレンジは俺にだけ向けてくれていると思ったのに、俺以外の誰かにちゃんと溶けていて――
「うっ…ッ」
限界だった。顔を背け、近くの茂みに走った。込み上げた吐き気に逆らわず胃液を吐き出す。
「はっ、げほっ、ゲホッ…うっ…ゲホッ、っ」
「ありゃ…ライ?大丈夫?」
ユウキが背中をさすってきた。俺はそれに答える余裕もなくゼエゼエと浅い呼吸を繰り返した。朝から何も食べてないから吐くものがない。なのに吐き気だけはずっとあって消えてくれない。
(おかしい…)
息をしてるはずなのに一向に息苦しさが変わらない。それどころか強まっていくのだ。視界が段々と白く染まってきた。
(ダメだ、)
俺の脳が酸欠で焼ききれたのか、そこでプツリと意識が途絶えた。
“あんたこそ、誰にも…余所見、すんなよ…”
暗闇に落ちる瞬間、一昨日言った自分の言葉が虚しく反響した。まさかこんなに早く裏切られるなんて。
くすくす
後輩の笑い声が聞こえた気がした。
翌朝、というか昼過ぎ。
「ライ~ごめんってばー」
「…」
「寝込み襲ってごめん~もうしないから~!」
目が覚めた俺の前には正座して謝罪するユウキがいた。それを睨み付けてから上体を起こす。長く寝れたことで体の違和感や疲労は消えていたが、寝る直前にやられたあれやこれやのせいで特大の頭痛が追加された。添い寝まではわかるが、何がどうなったらユウキのをフェラする事になるんだ。意味わかんねえし普通に強姦未遂だろ。
(はあ…結局どこにいても変わらねえって事か…)
「ライ、聞いてるー?気分悪いの?」
「触んな」
どさくさに紛れて抱きついてこようとしたユウキの顔面に枕をめり込ませた。
「うぶっ」
「半径1メートル以内に近付くんじゃねえ」
「ええ!接近禁止命令って事?!死刑レベルに辛いんだけど!!」
「死んだら辛いも何もないだろ。はあ…もういい、俺は店に帰るからな」
「ええーーー?!昨日の会食の内容忘れたの?!今あそこには近寄らない方がいいって!表面上は龍神組と協力することになったけどさ…いつ抗争が起きてもおかしくない状況なんだから!」
「表面上って…どういう意味だよ」
一晩寝て考えたがやはり本人たちに会って確かめたいと思った。悪事を企てているのかはさておき、直接聞いてはっきりさせないと俺は…納得できない。ユウキは廊下に誰もいないのを確認した後、声をひそめて言った。
「時雨の爺は何か隠してる。薬なんて高級品、まんまと盗まれてさ…あえて“謝罪"してアピール…いや時間稼ぎか、したのもアイツらしくない。親父もそれがわかってるから泳がしたんだよ。下手な動きを見せたらそのまま消せるように見張れる距離に置いた。それが今回の会食の、本当の狙いだよ」
龍神組は狐ヶ崎のシマで行動する権利を手に入れて、狐ヶ崎組は時雨をいつでも殺せる立場を得たと。終始穏やかに見えた会食だったが裏では黒く濁った何かが行き交っていたのだと思うと恐ろしかった。それと同時に、こんな会食を日々見させられていたらそりゃ達観する(歪む)わなとユウキに同情する。
「とにかく!お店に行きたいなら俺と一緒に!そうじゃなきゃこの部屋から出してあげられないよ、わかった?」
「ああ、もうそれでいい。だから早く――」
ブーブー
そこでユウキのスマホが鳴った。顔を見合わせた後、ユウキは面倒くさそうに取り出して「もしもし」と応答する。
<ユウキ!助けてくれ!!>
「うるさっ…叫ばなくても聞こえるって。で、どうしたの?」
<学校の至る所で乱闘が起きてるんだ!一般生徒にも被害が出てて…俺らの手に負えねえんだ!今すぐ来てくれっ>
「あらら~大変だね~」
<笑い事じゃねえんだって…ぐあっ何す…おいっ……ゴトン………>
「おーい、おーい??聞こえてるー?」
不穏な声と共に通話先が静かになる。一度切ってかけ直すが今度は繋がらなかった。ユウキが振り返ってくる。
「…繋がらないや、あはは」
「あははじゃねえよ。今のって例の不良達か?」
「そうそう、メデューサで巻き込まれた奴らで俺のトモダチ~」
あの感じ絶対面倒事に巻き込まれてるよな。正義感があるのは素晴らしいが登場する度に毎回救出イベントを発生させるのはどうしたものかと頭を抱えた。
「はあ…」
「えっと、じゃあどうする?お店行くんだっけ?」
「馬鹿いうな。あんな電話があったんだぞ…学校が先だろが」
「へへ、そうこなくっちゃね」
ユウキが楽しそうに笑う。すでに俺の答えを予想していたのか羽織を手に持っていた。
「はいどうぞ。注意事項はもういいね?」
「…ああ」
こうして学生(変化)生活の二日目が開始したのであった。
***
柴沢の車で学校に向かい、念の為裏門から中に入る事にした。なるべく目立たない方がいいとの判断だったがあまり意味はなかった。すでに通学路や裏門の付近にも不良達が立っていてあっという間にエンカウントしてしまう。
「はは、ゾンビみたいだね」
ユウキが他人事のように笑ってる。前方には目を血走らせた不良達が校内をフラフラと行き交っていた。奴らは目が合うと笑いながら襲い掛かってくる。
「ぎゃははは!!」
「っとと!」
避けつつ、背中側から襟を掴んで地面へと押し付けた。鈍い悲鳴の後ゾンビ学生は大人しくなる。反応が遅い分対応は楽だが数が多いのが厄介だった。
「こいつら、ヘブン特有の禁断症状が出てるね。薬が切れかかると夢遊病みたいになるらしいから」
「禁断症状…殴っちまって大丈夫だったかな」
「大丈夫大丈夫。逆に目が覚めて調度いいんじゃない?でも、ちょっと重症っぽい奴いたから念の為柴沢に連絡しとこうかな」
そういってユウキが柴沢に電話をかけ始めた時だった。
バタバタ!!
複数の足音と共に数え切れない程の不良が俺達を囲んできた。皆目が血走ってて恐ろしい形相だ。まるで睡眠不足で我を失いかけていたソルのように、追い詰められた表情をしてる。
「狐ヶ崎いぃ!!」
不良の一人が前に出て怒鳴ってくる。
「おい!お前、ヤクザの息子なんだろ!今すぐヘブンを寄越せぇ!!!」
「えー?なんか言ったー?」
ユウキの呑気な反応に、不良は血管が切れそうなほど顔を真っ赤にして怒りを露わにした。
「てんめええ!!あんま舐めた態度とってると痛い目見るぞっ!!」
「そう言われても、ヘブンの事は六島に聞いてよ。俺が知るわけないじゃん」
「六島は無断欠勤で来てねえんだよ!!電話も繋がらねえし、家にもいやがらねえ!!今日まとめて渡される予定だったのに…あのカマ野郎どこ行きやがった!!」
六島が無断欠勤。その言葉を聞いた瞬間、ユウキと顔を見合わせた。このタイミングで姿を消したということはつまりそういう事だろう。ヤクザの動きに気付いて飛んだか、消されたか。
「なるほどね、それで学校中が禁断症状のゾンビまみれなわけね、理解理解」
「わかったらさっさと薬を出せ!!…コイツらがどうなってもいいのか?!」
不良が合図すると殴られて顔を腫らした学生四人が引きずられてくる。彼らの顔には見覚えがある。メデューサの時の不良だ。つまり今回の救出対象である。なのにユウキは欠伸でもしそうなのんびりとした様子でそれを眺めていた。
「どうなってもって…どうせお前ら殴るぐらいしかできないでしょ。殴りたいなら殴れば?ソイツらも慣れてると思うし別に俺は構わないよ」
「は、はあ??てめえコイツらとつるんでるんじゃねえのかよ!?」
「つるんでるけど、俺の返答は変わらないよ。いくら殴っても俺は首を縦には振らない。俺は誰相手にも下るつもりはないからね。ま、そもそもお前らの求める回答を俺は持ってないし、応えようがないんだけどさ」
「ううっ!うるせえ!!強がっても無駄だ!仲間の悲鳴を聞いてもその強がりが続けられるか見ててやる!!」
「――強がりじゃないよ」
ユウキの短い言葉に場がシィンと静まり返る。俺もその横顔をみてハッとした。
「俺にとって大切なものは一つだけ。それに比べれば、友達や家族…自分の命だって安いものさ。いつでも、切り捨てられるよ」
そういって笑みを浮かべるユウキ。暗い光を宿したその瞳に気圧され、不良達は本能的に後退る。またこの目だ。昨日から何度も見せられて少しずつわかってきたが、この状態のユウキは“良い子モードの終了”を意味してるらしい。本来のユウキが顔を出しているのか、単に悪い子モードの悪化版なのかは知らないが、いつもよりずっと強い感情の動きが見て取れるのは確かだった。何も知らないはずの不良達もユウキの異変に勘付いて震え上がっている。
パンパン
おもむろにユウキが手を鳴らして元の表情に戻った。
「てのは冗談だけどさ!とにかく落ち着こうよ。俺らがいがみ合う理由なんてないじゃん??仲良くしようー?」
「…っ」
不良はユウキに怯えるようにそそくさと人質を解放した。周囲は取り囲んであるし俺達が逃げられない状況のままであっちの優位は変わってない。なのに不良はユウキの顔色を窺うようにおどおどしていた。
「…こ、これでいいのか」
「ありがとねー。じゃ、友好の証として、俺の知ってる情報を少しだけ話してあげる。まず、俺らはヘブンを管理してない。だからどんなに頑張ってもお前らに引き渡すことはできない」
「なっ!!はあ?!どういうことだよ…!六島はヤクザから流された薬だって…!」
「ヤクザなんてごまんといるし、手近にいる俺らがやってると決めつけないでくれる?責任転嫁されても困るから」
「…な、ならその別のヤクザから薬をもらってきてくれよ!」
「馬鹿なの?組同士でそんなことするわけないじゃん。しかも学生のために?無料で?はあ~あ。ヤクザを慈善事業か何かと勘違いしてないかな~」
「…っっ!か、金なら少し用意できる…!!」
「どうせカツアゲとかで集めた金でしょ?金に色目はないって言うけど、俺は違うと思うんだよね。誠意の差が出てくると思うわけ」
「は、はあ??何が言いたいんだよ!!ハッキリ言え!」
「だーかーら、その程度のはした金で俺が動くわけないだろっつってんの。お前ら全員体切り売りしてきてやっと話を聞く気になるレベルなんだって、お分かりー?」
「!!!」
ユウキの言葉に、不良達は酷く取り乱した。ユウキと掛け合えば薬を得られると思っていたらしい。やがて驚きは焦りとなり、焦りは怒りへと変わった。殺気立った不良達が少しずつ距離を詰めてくる。
「もういい!!てめえを人質にして薬を用意させてやる!!」
「そんな事したらお前らが殺されるだけなのに、どいつもこいつも馬鹿なんだから」
「黙れええええっ!!」
拳を振りかざしユウキに殴りかかる。それをひらりと避けてからユウキが振り返ってきた。どうしようか、という顔だが、どうもこうもない。腕まくりをしながらユウキの横に並ぶのだった。
それから十五分ほど。俺たちの周りには大の字になった不良が大量に倒れていた。ユウキの連れも加勢してくれたが今は四人とも座り込んで必死に息を整えている。満身創痍といった様子だ。
(とりあえずアイツらを保健室に連れてって、店に向かうのはそれからか…)
そんな事を考えてるとユウキが肩をとんとんと叩いてきた。
「ねえ、あれ見て」
ユウキの視線の先を追いかける。俺達の10メートル程後方に位置する裏門の所に、背の高い男が立っているのが見えた。曇り空の下でもキラキラと輝いて見える白金の髪に、長い手足と抜群のスタイル、オレンジ色の瞳は何かを確かめるように細められていて…
(フィン…!!?)
フィンは山田とユウキに気付かれたと知ると、背を向けて学校から離れようとする。まさかの人物すぎて一瞬幻覚かと思ったが体は即座に反応した。
たたっ
裏門へと走る。早く、早く会いたい、あの腕に抱かれたい、と体が急いてどうしようもなかった。その大きな背中に手を伸ばし、口を開く。
「待っ…!!」
「フィンさーん~!」
ギクリと足が止まった。その甘ったるい声に、心の奥底に眠っていた傷がチクりと痛むのが分かる。
(え…?)
信じられない気持ちで声のした方を見た。フィンを呼び止めた男は同じく学校の外、通学路から現れ、軽快な足取りで駆け寄る。学生服ではなくスーツを着た若い男だった。フィンはその姿を見た瞬間足を止める。
「シュウか」
「もー!先に行かないでくださいー!心細くて泣いちゃいますよ~」
シュウと呼ばれた男はぷくっと頬を膨らませてフィンを見上げた。そのあざとく甘える仕草はとても既視感のあるものだった。俺の動揺を嘲笑うように視覚情報はどんどん更新されていく。
するり
フィンが男の腰に腕を回したのだ。俺以外の男にフィンが自ら触れるなんてとギョッとする。
「申し訳ない。シュウを泣かせるつもりはなかったのだ」
「とか言って浮気してたんじゃないですか?」
「そんな訳ないだろう」
「じゃあ、うーん。ほっぺにキスしてくれたら許してあげますよ」
フィンと男の会話の内容が脳内でするすると滑っていく。浮気?ほっぺにキス?何を言ってるんだコイツラは。信じられない気持ちで二人の方を見ていると、フィンがこちらを一瞥して、目を合わせぬまま男の方へ視線を戻した。
「…学生が見ているぞ」
「そんなのどうでもいいから、早く~」
男は見せつけるようにフィンに抱きつき、視線だけこちらに向けてきた。フィンと違って、逸らす事なくまっすぐ俺に向けられ…ガッツリ視線がぶつかった。
びくり
俺が身構えるのと同時に男は口角を上げて笑みの形を作った。
くすくす
悪魔のように意地悪く笑うその姿をみて…確信する。
(やっぱり、あいつだ…)
俺よりも一回り小柄でアイドルをやれそうな程整った顔。それは前職の、会社員として働いていた時の“後輩”だった。つまり、真人を奪った男だ。
(あいつがどうしてここに…??)
一気にトラウマが蘇る。真人の横で笑う姿。真人と絡み合う姿。そしてそれに酔いしれて俺に見向きもしなくなった真人の事を、鮮明に思い出した。裏切り、孤独、悲しみ…その権化のような存在が今また目の前に現れ血の気が引く。
「ね?早くちょうだい?」
後輩は真人を奪った時と全く同じ顔で、甘ったるく見上げて誘った。
「…まったく、悪い子だな、シュウは」
フィンもまんざらでもないのか、腰を抱いたまま後輩の頬へ優しく口付けた。頬の後は当たり前のように唇に移動して…二人は舌を絡ませ吐息を漏らす。
「んんっ…フィン、さん、もっと…」
後輩がねだれば、フィンも求められるまま応えた。もしかしたらあれはフィンの偽物なんじゃないかとも思ったが、そのオレンジの瞳を見てるだけで体の奥が熱くなって、喉が渇いて…どうしようもなく欲しくなるのだ。
(あれは一昨日甘く溶け合ったものだ)
まごう事なき本物だと体が証明している。でも、だからこそ、意味が分からなかった。本物ならどうして後輩といるんだ。キスまでして…一体何が起きてるんだと目の前の状況を理解できずにいた。
ぽん
肩を叩かれて我に返る。横を見ると、いつの間にか追いついたユウキが立っていた。意味ありげにフィン達を見た後くすりと笑う。
「ほらね、俺が言った通り、あの人もライの事騙してるんだよ。あんなにライ一筋だって言っといて、ちょっと裏の顔を覗いてみたらこれだよ。ほんと人って怖いよね」
「…っ」
「その羽織を脱いで責め立ててきたら?このままじゃ本当に取られちゃうかもよ?まあ、いつから二人が親しくしてたのかわからないし…ライとあの人、どっちが本命かわからないんだけどさー」
そう、今の俺には信じられるものがない。山田の姿をやめて俺の姿でフィンを問い詰めたとしても、懇切丁寧に今の状況が当然なものだと釈明されたとしても、俺はその言葉を何一つ信じられない自信がある。何故なら「俺以外と愛し合ってる」その事実は変わらないのだから。目の前でそれを証明されては無視しようがない。
(嘘だと言ってくれ…)
今までフィンが俺に言ってくれた言葉も、見せてくれた行動も、全て茶番だったのかと怖くなる。
(いつから後輩と…?そもそも最初から…?)
俺と出会う前から二人が付き合っていたのなら…俺はなんて滑稽な男だったんだろう。フィンはずっと俺を見ながら笑っていたのだろうか。可哀想な男だと。なんて落としやすい男だと嗤っていたのか。
「愛してる」
ハッと弾かれたように顔を上げる。ずっと待ち望んでいたその台詞は俺に向けられたものではなく…後輩へと注がれていた。
「もう一回言って?」
「愛してる…誰よりも」
「あは、もう一回」
後輩がそれはそれは嬉しそうに目を細めてねだる。フィンの首に腕を回して「もう一回」と催促した。愛してる、愛してると。聞きたくもない他者への甘い愛の囁きを繰り返し聞かされる。
「ハッ、ハアッ、ハア…」
過呼吸のような浅い呼吸になっていく。脳内ではずっと「どうして」という言葉が連なっていた。後輩の顔を見てると、真人と絡み合う姿がフラッシュバックして、キーンと耳鳴りが酷くなる。思い出したくない光景が目の裏に張り付いて離れない。
「はあ、はあ…っ」
フィンはそんな俺に見向きもせず、オレンジの瞳を甘く蕩けさせて後輩とのキスを堪能していた。その溶けたオレンジは俺にだけ向けてくれていると思ったのに、俺以外の誰かにちゃんと溶けていて――
「うっ…ッ」
限界だった。顔を背け、近くの茂みに走った。込み上げた吐き気に逆らわず胃液を吐き出す。
「はっ、げほっ、ゲホッ…うっ…ゲホッ、っ」
「ありゃ…ライ?大丈夫?」
ユウキが背中をさすってきた。俺はそれに答える余裕もなくゼエゼエと浅い呼吸を繰り返した。朝から何も食べてないから吐くものがない。なのに吐き気だけはずっとあって消えてくれない。
(おかしい…)
息をしてるはずなのに一向に息苦しさが変わらない。それどころか強まっていくのだ。視界が段々と白く染まってきた。
(ダメだ、)
俺の脳が酸欠で焼ききれたのか、そこでプツリと意識が途絶えた。
“あんたこそ、誰にも…余所見、すんなよ…”
暗闇に落ちる瞬間、一昨日言った自分の言葉が虚しく反響した。まさかこんなに早く裏切られるなんて。
くすくす
後輩の笑い声が聞こえた気がした。
10
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