オメガで腐男子の僕がBL展開期待して女装風俗店に勤務したら何故かノンケドライバーに惚れていた件

リナ

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二話

★やっぱり望さん好きかもしれない

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「…知り合いがいるのか?」

 低い声で耳打ちされ、僕はコクリと頷いた。望は面倒くさそうな顔をして僕を抱く腕とは逆の手で酒を頼む用のパッドを引き寄せる。

「ビールでも飲むか」

 キャストが酒を飲まないのはおかしいし、飲んでしまえば「トイレに行きたくなった」という逃げる口実も得られる。僕は飛び付く勢いでパッドを操作した。望も、残していた酒を一気飲みして空にしたのでビールを二つ注文した。

「…」
「…」

 前は速攻届いたがブルームタイムじゃない今は裏も忙しいのか全然酒が届く気配がなかった。僕は手持ち無沙汰になってもじもじとショーパンを引っ張る。今日に限ってこんなに足が出る服にしてしまったのを悔いた。セーラー服の時ほどではないが、僕がいつもこんなに肌を晒してる奴と思われたら恥ずかしいな…なんてしょうもない事で一人赤面してると望がポツリと言った。

「…この前は悪かった」
「!」
発情期ヒートのフェロモンにあてられて、襲っちまって…ごめんな」
「…あ、ぃえ、そんな…」

 うまく返せずもにょもにょと俯いていると望が目を細めて「にしても」と続けた。

「どうしてオメガのお前がにいるんだ?」

 危ないだろう、という意味だろうが少し責める感じの言い方で、僕は俯きながら「すみません…」とだけ言った。今の風潮として“オメガは性風俗に関わるべきではない”という意見が主流になっている。今までの性搾取の反動なのだろうが、望もそういう意見を持っているのだろう。

 (オメガを風俗店に勤めさせているだけで非難されるご時世だもんね…)

 僕の存在が望を不快にさせてしまった…と落ち込む。望はそれに静かに首を振ってきた。

「違う。別に謝らせたいわけじゃねえんだ。二週間前の事を俺なりに整理してて、気になったから聞いてみただけだ」
「二週間前の…?」
「ああ。あの時、甘口が回収しに来たって事はウ…お前はキャストではなく間違って連れ込まれた部外者なんだろ?」
「は、はぃ、あの時は…人違いで、連れてこられて、」
「やっぱりそうだよな」

 コトン

 遅くなったがやっと酒が届いた。僕と望は少し気まずげに乾杯した。味見くらいにしようと思ったけど、最後に水分摂取したのが家を出る前なので結構喉も乾いていて、一気に三分の一くらい飲んでしまった。

「ゴクゴクッ…ぷはぁ!」
「…はは、相変わらず良い飲みっぷり」

 望が小さく笑った。

「さっきの…問い詰める感じになってごめんな。俺は、う…お前と会えて嬉しいんだ。でも、店にいるのが嬉しくないっつーか……いや、キャストじゃないならもうここにも来ないだろうし、いいんだ」

 忘れてくれ、と望は言い直してビールをぐびっと煽る。僕も一緒に飲んで「ぷはぁ」と二人でジョッキを空にした。

「…せっかくだし、記念にもう一杯飲むか」
「はいっ!」

 笑い合い、追加のビールを頼んだ。

 それから僕たちは二杯ほど飲み、途中で望が追加で日本酒を頼んで、それを一口飲まされた辺りから意識が朦朧としてくる。

 (だめだ、また、酔ってきちゃった…)

 コクコクと頭を揺らしながら、それも嫌になって望にこてんと寄りかかれば、喉で笑う声がした。

「これが計算じゃねえんだもんなぁ…」

 しみじみと溢す声はもはや僕の頭には届いておらず、ただなんとなく胸の奥に焦りが燻っていた。早く、早く、とかすかに残る理性が警鐘を鳴らす。

 (何が、早く…だっけ)

 ふにゃふにゃのまま、口寂しくなってテーブルの酒に手を伸ばせば、斜め向かいにいた兄貴と目が合った。ドクンと脈打つような感覚がして、蕩けかけていた思考が戻ってくる。だが、素面の時よりは大分感覚が麻痺してきていて、兄貴と見つめ合ってもそんなに怖いとは思わなかった。あっちもキャストに相当飲まされたのか赤い顔をしているし、もしかしたら明日になったら記憶も飛んでるかもしれない。

 スウ…

 ふと、机の上を照らしていたライトがゆっくりと弱まっていく。


「お!そろそろブルームか!」


 ブルームという言葉に、うつらうつらしながら周囲を見回す。確かに店内はさっきまでの雰囲気と変わり怪しげなライトアップがされていた。

 (ぶ、ブルームタイムが始まる…ど、うしよう…)

 このままここにいたらまたあの乱交に巻き込まれてしまう。しかも今回は兄貴付きという鬼えげつない状況で。ぶっちゃけ兄貴が喘ぐ所なんて考えたくもなかった。兄弟のそういうシーンに寒気がしてブルブルっと身を震わせてると望が「寒いか?」と足にジャケットをかけてくる。

 (そんな事したら…皺になっちゃう…!)

 慌てて僕がジャケットをとろうとすると手首を掴まれた。

「いいから、使え」
「!」
「キャストじゃねえんだし、それじゃ寒いだろ」

 ぶっきらぼうだが、優しい望に僕はドキドキと胸を高鳴らせ、カアアッと顔を赤くした。

「ありがとうございます…望さん…」
「…その顔、誘ってんのか?…それとも素?」

 望が耳元で囁いてくる。見れば、他の客やキャストも絡み始めている(兄貴の方は怖すぎて見れなかった)。まだ本格的なのは始まっていないが、数分もすれば皆ぐっちゃぐちゃになっているのだろう。僕はそれを見た後、望に目を戻した。望はあの時と同じ欲情した目を向けてくる。アルファの本能に染まった顔じゃない。僕を抱こうとした時の、雄の顔だ。


 ゾクリ


 奥底に眠るオメガとしての欲求が擽られる。条件反射のように僕は、望の首に腕を回していた。

 

 体がそう訴えている気がして…

 (望さん…)

 望の顔が近づき、目を瞑ると唇が重なった。

「ん、…ふ、…んぅ」

 熱い唇と触れ合い、ゾクゾクと背筋が震える。BLで唯一満たせない、体の接触でのみ得られる充足感。

 (やっぱり…僕、キス、好きだなぁ…)

 僕は酒の力も借りて、もっと、とねだるように自分から舌を絡ませた。

 スル…

 望がジャケットの下の僕の足に触れる。ほとんど露出された両足を膝から太ももの付け根までゆっくりと撫でてはその先にいかず焦らしてくる。僕はキスの合間に上目遣いで見つめ、早くちゃんと触って…と訴えた。目が合った望は息を呑み小さく舌打ちする。

「あークソ…少し酔わせたら介抱を理由に離脱するつもりだったのに…」

 ぐいっ

 そう言って望は僕を持ち上げて、望の両足を跨ぐように座り直させた。兄貴と顔を合わせずに済むようにこっち向きにしてくれたのだろう。酒とキスでふやけた頭なりに望の気遣いを感じとる。

 (やっぱり望さん、優しい…)

 望とならこの先に進んでもいいかも…なんて思ってると、望の掌が太股に触れてきた。酒によって熱せられた掌は部屋の温度で冷えていた太股には熱いぐらいで、その温度差が酷くソワソワする。ゴツゴツとした節ばった指が、今まで触れてこなかった敏感な太ももの内側を辿っていき、やがてショーパンにたどり着く。

 ジジ…

 その前を開けて、望が目を見開いた。

「…! お前、Tバック…なのか」
「あ、え!え、っと、!」

 ショーパンに影響しないようにはいていただけなのだが…望は別の意味で捉えたようで、やけに興奮した顔でショーパンを僕の足から抜き取っていく。

「ゃっ、あっ」

 上はそのままに下だけTバックのみ=ほぼ裸になる。望の方が服に乱れがない分余計僕の露出が際立つ。

 (うう…恥ずかしい…)

 インナーも丈は余ってないし下半身(※裸)を隠せる布がない。望は、僕が恥じらう姿を視姦しながら、Tバックではみ出た、前以外全て脱毛してる…ツルツルのお尻に触れてくる。軽く揉みこみ、指先を滑らせて、谷間に指を添わせた。

 くちゅ

 さっきアマネにトイレで弄られた名残で穴の付近がぬるついてる。それを感じ取った望は「ん?」と眉をひそめた。
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