電車で苦くて甘いヒミツの関係

水瀬かずか

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電車で苦くて甘いヒミツの関係

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 指先が布越しの先端をかする。疼くようなしびれが、さざなみのように頭のてっぺんから足のつま先まで響く。

 先日から、彼は私の胸をいじるのにはまっているようで、胸ばかり責める時間がやたらと増えた。
 以前は夏場だったせいか、触ると一目でわいせつ行為と分かる胸元を、彼が責めてくることはなかった。でも秋口になり、一枚羽織るようになってから、胸元を探る手の動きが隠れるようになった。

 こんなに、胸が感じる場所だなんて、知らなかった。小さな動きで、ブラジャーとブラウス越しのもどかしいぐらいちいさな刺激が絶え間なく与えられて、その刺激の小ささとは裏腹に、頭は沸騰しそうになる。

 あそこが、疼く。

 触られているのは胸なのに、あそこを触って欲しくて、こぽっと蜜が溢れるのを感じて、こらえきれない疼きに身をよじって、快感を求めて揺れそうな腰の動きを押さえつける。

 胸の先端に与えられる小さな刺激は、延々と続いていて、でも、他の動きは全然なくって。なのに、私は呆れるほどに興奮していて、頭の中は「ちゃんと触って」だとか「乳首をつまんでぐりぐりして」だとか「あそこに指を入れてかき回してだとか」「クリトリスをいっぱいこすって」だとか、そんな事ばかり考えている。

 いっそのこと自分であそこを触ってしまおうかとか、彼の体に腰を押しつけてねだってしまおうかとか、彼の手を取ってあそこに導いてしまおうかとか、「触って」って懇願してしまおうかとか、そんな事を考えて。なのに結局何も行動に移すことも出来ず小さな刺激を甘受して、でも訴えたくて、心臓は信じられないほど高く打って、息づかいも知らない内に浅く早くなっていて。

「もしかして、すごい興奮してる?」

 クスッと笑う声と共に小さく囁かれて、体がびくびくっと震える。
 唇を噛み締めて小さく首を振れば、私の耳元で彼は更に吐息が漏れるような笑いを漏らす。
 彼の右手が胸から離れ、私の太ももをなぞるようにしてスカートをめくり上げる。そして、ようやく待ちわびていた刺激が与えられた。
 ぬるっと布越しにあそこがなぞられ、突き抜ける快感に体が硬直する。わずかに震えた口元から漏れた自分の吐息は、恥ずかしいほどに性的な物に聞こえた。

「嘘つき」

 楽しげな彼の声が、ぐしょぐしょに濡れた私の興奮を指摘する。
 恥ずかしくて、首を振ってそれを否定する。

「へぇ?」

 彼は小さなつぶやきの後、一度だけ局所をこすった指を離し、また私の胸元へと移動する。
 ヤダ、もっと触って欲しいのにっ
 思わず腰をよじり、唇を噛み締める。

「嘘つきには、お仕置きをしようか?」

 彼は再び胸をいじりだした。でもさっきより刺激は強くなっている。ブラジャーが少しずらされ、乳首がブラジャーの外に出てきてしまっていたから。さっきまでより直接的な先端への刺激が快感となって、びりびりと体中にひびく。
 気持ちよくって体中が疼く。もっともっとっておもう反面、もうやめてって思う。そこじゃなくって、こっちを触ってと、太ももをすりあわせながら思う。
 その時、彼の膝が私の太ももに触れた。そこに、あそこをこすりつけたい衝動に襲われる。何でも良いから刺激が欲しくて、それを彼から与えられたくて。

 思わず足を開いて、祖彼に身をあずけるように少し腰を落とすと、「こらえ性のない子だな」と笑って、膝を私のまたに差し込んできて、ぐりっと股間を刺激してきた。
 口は閉じていたけれど、くふっと鼻から快感の息が漏れた。

 電車のアナウンスが、駅が近いことを知らせる。
 やっと、イけると思った時、悪魔のような囁きが耳元でした。

「お仕置きだから、今日はこれでおしまい」

 そんなっと、信じられないぐらいショックを受ける。こんなに身体が熱いのに、こんなにイきたくて溜まらないのに。イかせて、と首を横に振って伝えようとするけど、彼は、ゆるゆると胸元を刺激して、ときどきつまんで快感を与えるだけで、決定的な快感をくれる様子はない。あそこに押しつけられた彼の膝に、わずかに腰を振ってなすりつけて、彼を求めても、膝の圧迫感以上のものはくれなくて。

「明日、イかせてあげるよ。自分で触ってイったりしちゃ、ダメだよ」

 私だけに聞こえる小さな囁きはひどく残酷で、ひどく甘くて、与えられない快感と、明日くれるという快感への期待とに、胸が焦がれてしまう。
 止まりかける電車の中、彼は、私の身を本来の状態へと直して行く。
 イってない身体は、いつものような脱力感はないけれど、もどかしさと熱さでとても正常とは言えなかった。

 ドアが開いて、彼の温もりが離れて、私はふらふらとトイレへと向かう。
 それはいつも通り、ぐしょぐしょのショーツを片付けてあそこを綺麗にするための一連の流れ。
 個室でショーツを脱いでから、震える手で濡れたあそこへと自分の指を持っていく。ぬるりとした濡れたクリトリスの感触、ぐしょぐしょの秘所は、自分の指にさえひどく甘い快感を覚えていた。こらえきれずぐりぐりと指を滑らせたところで、彼の囁きが耳元によみがえる。

『自分で触ってイったりしちゃ、ダメだよ』

 ぴくんと体が震える。

『明日、イかせてあげるよ』

 思い出した声に操られるように、私は指をあそこから離していた。
 自分の蜜で濡れた指が震えている。それをぼんやりと見つめながら、私は理性の欠片もないろくでもないことを考えていた。

 我慢してたら、もっと、気持ちよく、してくれる……?

 イくことが出来なかった熱い身体は、正常な頭の働きをすることなく、私はいつものように痴漢に触られた自己嫌悪もなく、明日彼に触られることばかりを考えていた。


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