その物語は、悲劇から始まった

ろくさん

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第三章 第一異世界人発見

三話 初異世界人発見

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たぶんこっちだと、あやふやな感覚ながらも、そんな感覚頼りに歩き続けてきてあと僅か。それまでよりも水の流れる音がはっきりと耳に届く。

背丈ほどの茎の太いススキのような植物をかき分け、義弘は水の音を頼りにどんどんと進む。


「コンヤノ、リョウリトウバ…」

「アリエルガ、マカセテッ……」

「ソリャ、タノシミ…」


あと僅かで水場に到着かと思われた時、水の音とともに人の声が…。


「テントノイチハ、イツモノ…」


「ソッチテツダオウ…」


義弘の感覚(気配察知発動)からは、水場のそばには少なくとも、四人の人のような存在が感じられた。


『おっ、第一、異世界人発見かぁ』


それは、危険察知が無反応ゆえか?それとももとから持った本人の能天気な性格のせいなのか?
義弘は、異世界人との遭遇を何の忌避も恐れも感じず、楽しみにさえしながら歩みを早めた。


そして、水場のあるその場所へと至る、最後の障害となる現地版ススキをゆっくり両手で掻き分けた。


「こんにちは??」


義弘の視界に入ったその風景は、湧き水でできたであろ大きな泉と開けた場所であり、その泉のそばには二つのテントが展開されていて、四人の天使(女性)たちが、食事や夜警の用意をしているところである。


突然に湧き出た胡散げなおっさん。

天使たちのその八つの目は、一瞬にして胡散げなおっさんをとらえ、近くにあった各々の武器を手にして警戒していた。


「!!!」


声もなくおっさんを睨みつける四人。


「あのぉ、やっぱり、怪しいですよねぇ…」


天使たちは、一斉に肯いた。


「ははっ‥、ですよねぇ…」


アラフォー無職のおっさんには、自分の胡散臭さは十二分に理解できていた。

しかし、初異世界でであった異世界人から一斉に肯定、指摘されるなど、流石に冷静で居られる程タフでもなかった。

天使とも間違う程の美しい女性から完全否定されたおっさんは、流石に落ち込んだ。自分のその胡散臭さは、当然として知りながらも。

落ち込むおっさんとは対象に、その悲哀の姿を目の当たりにしてから、若干ながらも緊張を緩める四人の天使。


「あなた、何者なの?」

「な、な、な、何のようニャ、わ、わ、私は美味しくないニャ…」

「そんな格好でこの森に入るなんて…」

「武器なし、防具なし。あなた…もしかして魔物……」

「ほ、ほ、本当に、美味しくないニャ‥」


四人の天使達は矢継ぎ早に義弘に声をかける。

義弘は、四人の警戒心を解くため両手をかたの辺りまであげて、無抵抗を表しながらゆっくりと語りかけた。


「おれ‥、私は‥、アラフォー無職、佐伯義弘。趣味はレンタルDVD鑑賞。えっと、それから…」


「ちょっと待って…」


義弘の言葉を遮ったのは、四人の中でも一番大柄な女性である。
おっさんの身長が172センチ、そのおっさんから見て、自分の身長よりもかなり大きい。

おっさん義弘は、その女性の余りにもスタイルのよさに、顔を赤らめ視線を外すのだった。
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