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第五章 エンドの街にて
九話 異変?!薬草の森
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薬草の森を前にしたおっさんは、やたらに首を傾ける。
「ねえ、リルア、普通こういった森林は、魔物の生息圏内なんだよね?」
「はいニャ、魔素の濃度によっては魔物の種類や強弱は変わるがニャ、森林が生息圏内なのは間違いないニャ」
「…ですよねぇ」
リルアの言葉で確認した上で、またもおっさん首を傾げる。
「どうしたニャ?なんか問題ニャ?もしかして大量発生ニャ?」
「いやいやいや、逆です…魔物の姿がないんです」
それは、現在二人のたつ場所。薬草の森の入り口でおっさんが探索の魔法を展開してみた時にわかったことである。
周囲45キロに及ぶ薬草の森も能力を成長させ続けているおっさんにかかると、たった一度の索敵魔法で、森の隅から隅まで網羅させてしまう。
そんなおっさんの強力な索敵魔法で一匹の魔物も探知しない。一昨日との状況の違いに不思議に思ったおっさんは、再度の索敵魔法と危険察知の魔法を重複させて展開する。
結果はもちろんこれまでの話しの通り。魔物の姿はまるでなく小動物の生息の息吹が感じ取れるだけであった。
「いないものは仕方ありません。もともと魔物に用はありませんから都合良いです。ギルドへの報告はするとして、ちゃちゃとクエスト済ましましょうか?」
「はいニャ♪」
森の危険がないことを確認した二人は、目の前の森の中へと続く木々の間の道を手を繋いで歩き始めた。
「何でニャ~、それでは、あまりにも理不尽ニャ~」
リルアは絶望を言葉に、只絶叫するしかなかった。
ことの始まりは、最初の薬草をリルアが発見した時のこと。
「旦那様♪どちらが多く薬草を集められるか勝負するニャ♪」
「勝負?勝負ですか、いいですよ♪では、負けた方が勝った方のいうことを何でも一つ聞くということでどうでしょうか?」
「勝負ニャ!」
お昼までの数勝負。
ニヤリと笑ったリルアは、瞬き一つの間におっさんの前から姿を消した。
勝負だと宣言したもののおっさんとしては、勝つ気は毛頭ない。
愛する嫁の勝利の笑顔が見たい。只それだけである。
しかし、スキルという奴は主人に逆らい無粋極まりない。
探す気もない上回復草が、気がつけば辺り一面群生しているのだ。
『その一本が一つの命を』人の良いおっさんは、嫁の笑顔よりも大事なもののため、目の前の薬草を1本1本丁寧に摘み取っていくのである。
時は昼時、運命の決着を迎える二人。
そこに並べられた薬草は、明らかに山の高さに差があり過ぎる。
「何でニャ~、それは余りにも理不尽ニャ~」
「お手々繋いで、デートして‥、あんまりニャ~~」
「ごめんねリルア、でもこの薬草だけは見逃せないから‥」
「いいのニャ、それぐらいわかってるニャ」
上薬草のポテンシャルは、薬草のそれとはものが違う。
普通の薬草1000本集めても凝縮しても、1本の上薬草の生成成分に及ばない。だからこそ1本1本に高値が付くのだが採取率は一向に上がることのないレアな薬草なのである。
そんなレアな薬草が、目の前、普通の薬草の山の数倍の高さを誇って存在しているのだ。
「やっぱり、旦那様は素敵ニャ♪♪♪♪」
負けて凹んだリルアの表情もとても可愛い。しかし、優しく微笑む天使の顔は、この世界でたった一人の異世界人のおっさんを暖かく包み込む幸せの笑顔であった。
「!!!んっ!」
ホンワカとした長閑な時が一瞬にして破られる。
お昼の支度と弁当を広げ準備のリルアを眺めていたおっさんの危険察知が警報を告げた。
「ねえ、リルア、普通こういった森林は、魔物の生息圏内なんだよね?」
「はいニャ、魔素の濃度によっては魔物の種類や強弱は変わるがニャ、森林が生息圏内なのは間違いないニャ」
「…ですよねぇ」
リルアの言葉で確認した上で、またもおっさん首を傾げる。
「どうしたニャ?なんか問題ニャ?もしかして大量発生ニャ?」
「いやいやいや、逆です…魔物の姿がないんです」
それは、現在二人のたつ場所。薬草の森の入り口でおっさんが探索の魔法を展開してみた時にわかったことである。
周囲45キロに及ぶ薬草の森も能力を成長させ続けているおっさんにかかると、たった一度の索敵魔法で、森の隅から隅まで網羅させてしまう。
そんなおっさんの強力な索敵魔法で一匹の魔物も探知しない。一昨日との状況の違いに不思議に思ったおっさんは、再度の索敵魔法と危険察知の魔法を重複させて展開する。
結果はもちろんこれまでの話しの通り。魔物の姿はまるでなく小動物の生息の息吹が感じ取れるだけであった。
「いないものは仕方ありません。もともと魔物に用はありませんから都合良いです。ギルドへの報告はするとして、ちゃちゃとクエスト済ましましょうか?」
「はいニャ♪」
森の危険がないことを確認した二人は、目の前の森の中へと続く木々の間の道を手を繋いで歩き始めた。
「何でニャ~、それでは、あまりにも理不尽ニャ~」
リルアは絶望を言葉に、只絶叫するしかなかった。
ことの始まりは、最初の薬草をリルアが発見した時のこと。
「旦那様♪どちらが多く薬草を集められるか勝負するニャ♪」
「勝負?勝負ですか、いいですよ♪では、負けた方が勝った方のいうことを何でも一つ聞くということでどうでしょうか?」
「勝負ニャ!」
お昼までの数勝負。
ニヤリと笑ったリルアは、瞬き一つの間におっさんの前から姿を消した。
勝負だと宣言したもののおっさんとしては、勝つ気は毛頭ない。
愛する嫁の勝利の笑顔が見たい。只それだけである。
しかし、スキルという奴は主人に逆らい無粋極まりない。
探す気もない上回復草が、気がつけば辺り一面群生しているのだ。
『その一本が一つの命を』人の良いおっさんは、嫁の笑顔よりも大事なもののため、目の前の薬草を1本1本丁寧に摘み取っていくのである。
時は昼時、運命の決着を迎える二人。
そこに並べられた薬草は、明らかに山の高さに差があり過ぎる。
「何でニャ~、それは余りにも理不尽ニャ~」
「お手々繋いで、デートして‥、あんまりニャ~~」
「ごめんねリルア、でもこの薬草だけは見逃せないから‥」
「いいのニャ、それぐらいわかってるニャ」
上薬草のポテンシャルは、薬草のそれとはものが違う。
普通の薬草1000本集めても凝縮しても、1本の上薬草の生成成分に及ばない。だからこそ1本1本に高値が付くのだが採取率は一向に上がることのないレアな薬草なのである。
そんなレアな薬草が、目の前、普通の薬草の山の数倍の高さを誇って存在しているのだ。
「やっぱり、旦那様は素敵ニャ♪♪♪♪」
負けて凹んだリルアの表情もとても可愛い。しかし、優しく微笑む天使の顔は、この世界でたった一人の異世界人のおっさんを暖かく包み込む幸せの笑顔であった。
「!!!んっ!」
ホンワカとした長閑な時が一瞬にして破られる。
お昼の支度と弁当を広げ準備のリルアを眺めていたおっさんの危険察知が警報を告げた。
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