その物語は、悲劇から始まった

ろくさん

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第五章 エンドの街にて

十話 遭遇

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エンドの街側から森に入って南西へ8キロ。
森の中心からは少し離れてはいても真ん中と表現するに何の問題もない。そんな場所で、おっさんと美女の二人は森の異変に気がついた。

察知した異変は、森の中心ど真ん中。魔物とは違う、それでも凄く大きな力を感じるもの。今いる場所から数百メートル。ほんの目と鼻の先に未確認生物?が存在している。

おっさんは、何度もの索敵をかけ相手の実態を探るべくチャレンジしていた。


「うむ?わからん??」


それは何度繰り返そうとも謎であり、どういうものかがわからない。



森に入ってからは、定期的に索敵を書き続けていて一度の探査にも引っ掛からなかった。それが突然大きな力として森の中心に現れたのである。

獣は、魔素を多量に取り込むことにより魔物へと変わる。しかし、今索敵にかかるものは魔物のそれとはまるで違い、魔物を邪として精霊を聖とするならば、現在索敵にかかるそいつはニュートラル。聖でも邪でもない魔物擬きである。


「やっぱり、確認するしかないか…」


「大丈夫かニャ?旦那様…」


「うーん、たぶん?悪意みたいなものは感じないから、こちらから手を出さなければ、大丈夫?かな?」


そかし、そんな二人の決断は少し遅かった。


「少し、ヤバイかも」


それまでとは違うおっさんの緊張した言葉尻。

探知していた謎生物が、おっさん達に向かって接近を始めたのである。


そいつとの遭遇は、それから僅か10分後のこと。
そいつのことを言葉で表すならば、丸くてころころ?つまりそいつは誰がどう視ようとも『たまご』と表するより仕方ない。


「なんニャ、あれは?初めて見るニャ」

 
「何なんでしょう?」


おっさんと美女の二人は近づくたまごを前にゆっくりと後退る。
真っ直ぐ下がればたまごは真っ直ぐに、左斜めに下がれば右斜めに転がる。
そう、たまごが、現れてからたまごとおっさん達との距離が変わらないのだ。


「リルア…」


「は、はい?」


「リルアは右に下がってもらえますか?」


「はい…」


「では、私は左に下がります。ゆっくりと一緒にいいですか‥はい」


接近するではなく決して離れるでない。
二人の前に現れたたまごの行動は、二人の後をついてくるである。
二人の後を?
ではそれが右と左に別れたならば?

おっさんは、計画通り左斜めに、リルア指示通り右斜め後方へとゆっくりゆっくりと後退る。


『コロ、コロコロ』

たまごは、ゆっくりと動き出す。
おっさんの下がる、右斜めに向かって転がり始める。


「旦那様!!」


「だ、大丈夫‥。悪意は‥まったく感じません…」


おっさんが止まればたまごも止まる。

そのたまご、大きさならば小柄なリルアでも胸に抱えられ程のものではあるが、敵対すれば全力を持ってしても勝てそうにない。
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