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2章 次代へ
2.隣国からのお客様
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ノックされて、入ってきたのはケヴィン兄様だった。
王妃の私室にまでくるのはめずらしい。
まだ迎えに来る時間でもないのに…。
「あら、宰相、迎えの時間には早いんじゃない?」
「迎えに来たわけじゃない。ちょっと急ぎで話があって来た。」
「ミレーヌに?」
「いや、両方。レガール国の王女は知ってるよな。
エリーゼ王女と同じ7歳。
王宮で魔力暴走起こしたそうだ。
俺の時と同じくらい危険な魔力量だ。
それで、うちで預かってほしいと申し出があった。」
「コンコード公爵家で?」
「そう。ルールニー王国に来た時点で、魔力量は抑えられる。
その上、うちは魔力の扱いには慣れてる。
同じくらいの年の子どももいるから、一緒に魔力訓練もできる。
王族同士だから、身分差の問題もない。」
「そうね…確かにぴったりだわ。
いつから預かるの?」
「すぐにと言ってる。
1週間もすればこちらに着くだろう。」
「本当に急ね。
でも、またいつ魔力暴走が起きるかわからないんじゃ仕方ないか。
わかったわ。準備する。」
「王妃に伝えたかったのは、そのことで。
しばらくうちにエリーゼ王女をよこさないでほしい。」
「どうして?」
「ジークハルトやジョルノと一緒に魔力訓練させるんだぞ?
ジークハルトの近くに侍女が近寄るのでさえ嫌がるんだ。
同じ年の王女が一緒にいるなんて知ったら、どうなるかわかるだろ?
だけど、今までのように癇癪おこされると困るんだ。
向こうも王女だからな。身分差もない。何かあってからじゃ遅い。」
「…そうね。なんとか説得するわ。」
「マーガレット…頑張って…。」
「なんだか、エリーゼを見てると妹みたいで、理解できない時があるのよ。
フランのほうも気にしなきゃいけないし、困ったわ。」
「それも含めて言ってるんだ。いいかげん王女の教育をなんとかしろ。」
「それは、わかっているんだけど…。」
マーガレットのため息もわかるけど、兄様の言っていることもわかる。
あのままでは王女として受け入れられないだろう。
だけど教育であの我がままを直すことなんてできるんだろうか?
それでも何とかしてもらわないと、王族としてやっていけないだろう。
ジークハルトへの強い執着も心配ではある。
このままだとジークハルトが婚約した時に、暴れだしてしまいかねなかった。
王家への不信が薄れたのか、陛下とマーガレットの評価が高かったのか、
エリーゼ王女の学年は高位貴族の子息令嬢が多く生まれた。
エリーゼ王女と同じ学年の高位貴族の令嬢は、ジークハルトの婚約者候補となる。
学園内でもめるようなことになれば問題だ。
ジークハルトのことも含め、悩まなければいけないことは多かった。
王妃の私室にまでくるのはめずらしい。
まだ迎えに来る時間でもないのに…。
「あら、宰相、迎えの時間には早いんじゃない?」
「迎えに来たわけじゃない。ちょっと急ぎで話があって来た。」
「ミレーヌに?」
「いや、両方。レガール国の王女は知ってるよな。
エリーゼ王女と同じ7歳。
王宮で魔力暴走起こしたそうだ。
俺の時と同じくらい危険な魔力量だ。
それで、うちで預かってほしいと申し出があった。」
「コンコード公爵家で?」
「そう。ルールニー王国に来た時点で、魔力量は抑えられる。
その上、うちは魔力の扱いには慣れてる。
同じくらいの年の子どももいるから、一緒に魔力訓練もできる。
王族同士だから、身分差の問題もない。」
「そうね…確かにぴったりだわ。
いつから預かるの?」
「すぐにと言ってる。
1週間もすればこちらに着くだろう。」
「本当に急ね。
でも、またいつ魔力暴走が起きるかわからないんじゃ仕方ないか。
わかったわ。準備する。」
「王妃に伝えたかったのは、そのことで。
しばらくうちにエリーゼ王女をよこさないでほしい。」
「どうして?」
「ジークハルトやジョルノと一緒に魔力訓練させるんだぞ?
ジークハルトの近くに侍女が近寄るのでさえ嫌がるんだ。
同じ年の王女が一緒にいるなんて知ったら、どうなるかわかるだろ?
だけど、今までのように癇癪おこされると困るんだ。
向こうも王女だからな。身分差もない。何かあってからじゃ遅い。」
「…そうね。なんとか説得するわ。」
「マーガレット…頑張って…。」
「なんだか、エリーゼを見てると妹みたいで、理解できない時があるのよ。
フランのほうも気にしなきゃいけないし、困ったわ。」
「それも含めて言ってるんだ。いいかげん王女の教育をなんとかしろ。」
「それは、わかっているんだけど…。」
マーガレットのため息もわかるけど、兄様の言っていることもわかる。
あのままでは王女として受け入れられないだろう。
だけど教育であの我がままを直すことなんてできるんだろうか?
それでも何とかしてもらわないと、王族としてやっていけないだろう。
ジークハルトへの強い執着も心配ではある。
このままだとジークハルトが婚約した時に、暴れだしてしまいかねなかった。
王家への不信が薄れたのか、陛下とマーガレットの評価が高かったのか、
エリーゼ王女の学年は高位貴族の子息令嬢が多く生まれた。
エリーゼ王女と同じ学年の高位貴族の令嬢は、ジークハルトの婚約者候補となる。
学園内でもめるようなことになれば問題だ。
ジークハルトのことも含め、悩まなければいけないことは多かった。
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