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2章 次代へ
5.叔父上の説教
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早朝からたたき起こされ、執務室に連れてこられていた。
久しぶりに叔父上が怖い。
ここ数年は自分でも頑張ってきたと思う。
それを認めてくれるように、叔父上は俺を陛下と呼ぶようになった。
…でも、今日は無理かもしれない、かな。
「というわけで、アンジェリカ王女にケガをさせたわけだ。
一方的に怒鳴って、挨拶もせず、謝罪もせず、帰ったと。
これが一国の王女のすることか?」
「いや、ホント、どうしようもない。
エリーゼがなぜああも我がままに育っているのか…。
王女教育も進んでいない、女官の言葉も聞かない。
侍従たちを言いなりにして、好き勝手に外出する。
マーガレットも限界のようなんだ。」
「マーガレット王妃では無理だな。
フラン王子のほうで手一杯だろう。」
「フランが生まれたことで拗ねているんだと思ってたんだ。最初は。
王子が生まれたことで、母親を取られたと思ったんじゃないかと。
でも違う。あの我がままは直りそうにない。」
「…今はまだ7歳だ。
だが、これから他の貴族たちと関わるようになったら、
間違いなく言われるだろう。
デイジー王妃にそっくりだと。」
「母上か…確かにそうだ。」
「お前たちが頑張って評価を高めた王家だが、
一瞬で評価は落ちるだろう。
やっぱり王家はダメだと。
また、繰り返すつもりか?」
「厳しい教師や夫人に指導させても無理だった。
優しい教師や夫人はなめられて、話すら聞かない。」
教師や夫人、女官や文官も、今まで何人に断られただろう。
皆疲れ切って最後には必ず、自分には無理だと言われてしまう。
王女教育どころか令嬢としての教育さえままならなかった。
「実は、王女に婚約の話が来ている。」
「婚約?どこから?」
「レガール国の第一王子。ギレン王子だ。アンジェリカ王女の兄だな。」
「次期王太子だろう?今、9歳くらい?」
「そうだ。他国からの婚約話がうるさいから、仮の婚約者になってほしいと。」
「仮って。本当に結婚はしないってこと?」
「できるわけないだろう?魔力無いんだぞ。」
「あぁ、そうか。そうだった。」
「打診されたときは、断った方がいいと思ったが、
今回アンジェリカ王女にケガさせたことで、断りにくくなった。」
「あぁ…なるほど。」
「それに、無理やり婚約させるってことが、どういうことなのか。
身をもって知るのもいい経験になるんじゃないかと思ってな。」
「このままだとジークハルトとの婚約、あきらめなさそうだしね。
エリーゼ自身が婚約してしまえば、言い出せなくなるか。」
「では、この話進めるぞ。
それでも、これで謝罪したことになるわけじゃないから、
早めに言い聞かせて、アンジェリカ王女に謝罪させろよ。
国として問題になる前に。わかったな?」
「わかった。俺からエリーゼに話す。」
自分の娘が可愛くないわけがない。
だからこそ、今のうちに王女の立場を理解してもらわないと。
王として、最悪の決断だけはしたくない。
エリーゼ、わかってくれ。
久しぶりに叔父上が怖い。
ここ数年は自分でも頑張ってきたと思う。
それを認めてくれるように、叔父上は俺を陛下と呼ぶようになった。
…でも、今日は無理かもしれない、かな。
「というわけで、アンジェリカ王女にケガをさせたわけだ。
一方的に怒鳴って、挨拶もせず、謝罪もせず、帰ったと。
これが一国の王女のすることか?」
「いや、ホント、どうしようもない。
エリーゼがなぜああも我がままに育っているのか…。
王女教育も進んでいない、女官の言葉も聞かない。
侍従たちを言いなりにして、好き勝手に外出する。
マーガレットも限界のようなんだ。」
「マーガレット王妃では無理だな。
フラン王子のほうで手一杯だろう。」
「フランが生まれたことで拗ねているんだと思ってたんだ。最初は。
王子が生まれたことで、母親を取られたと思ったんじゃないかと。
でも違う。あの我がままは直りそうにない。」
「…今はまだ7歳だ。
だが、これから他の貴族たちと関わるようになったら、
間違いなく言われるだろう。
デイジー王妃にそっくりだと。」
「母上か…確かにそうだ。」
「お前たちが頑張って評価を高めた王家だが、
一瞬で評価は落ちるだろう。
やっぱり王家はダメだと。
また、繰り返すつもりか?」
「厳しい教師や夫人に指導させても無理だった。
優しい教師や夫人はなめられて、話すら聞かない。」
教師や夫人、女官や文官も、今まで何人に断られただろう。
皆疲れ切って最後には必ず、自分には無理だと言われてしまう。
王女教育どころか令嬢としての教育さえままならなかった。
「実は、王女に婚約の話が来ている。」
「婚約?どこから?」
「レガール国の第一王子。ギレン王子だ。アンジェリカ王女の兄だな。」
「次期王太子だろう?今、9歳くらい?」
「そうだ。他国からの婚約話がうるさいから、仮の婚約者になってほしいと。」
「仮って。本当に結婚はしないってこと?」
「できるわけないだろう?魔力無いんだぞ。」
「あぁ、そうか。そうだった。」
「打診されたときは、断った方がいいと思ったが、
今回アンジェリカ王女にケガさせたことで、断りにくくなった。」
「あぁ…なるほど。」
「それに、無理やり婚約させるってことが、どういうことなのか。
身をもって知るのもいい経験になるんじゃないかと思ってな。」
「このままだとジークハルトとの婚約、あきらめなさそうだしね。
エリーゼ自身が婚約してしまえば、言い出せなくなるか。」
「では、この話進めるぞ。
それでも、これで謝罪したことになるわけじゃないから、
早めに言い聞かせて、アンジェリカ王女に謝罪させろよ。
国として問題になる前に。わかったな?」
「わかった。俺からエリーゼに話す。」
自分の娘が可愛くないわけがない。
だからこそ、今のうちに王女の立場を理解してもらわないと。
王として、最悪の決断だけはしたくない。
エリーゼ、わかってくれ。
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