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74.処罰とは
「レミーア様ともう一度向き合ってもらえませんか?」
「は?」
「レミーア様と陛下は、理解が足りていなかったように思います。
一度でも娶ったなら、きちんと向き合うことが大事だったのではないですか?
それを怠って、次の妃を探していた陛下が悪いのです。
今回のことはレミーア様のせいだけではありません。
もちろん、連玉草の栽培や魔獣の飼育などはきちんと処罰するべきだと思います。
ですが、レミーア様を幽閉するだけでは陛下の罰がありません。
レミーア様を幽閉した上で、陛下だけはレミーア様を訪ねて話し合うべきです。」
誰が悪い、処罰すればいい、ではきっとまた同じようなことがおこる。
陛下がきちんと妃たちと向き合わない限り、魔女の呪いは続く。
呪いは運命の相手と巡り合えればいいというのではなく、
妃を大事にしろとそう言っている気がする。
「それには私も賛成だな。」
「ユキ姉様…。」
「会ってすぐに国王であるお前自身を愛する者など、どこを探してもいないだろう。
いたとすればお前の外見だけ気に入ってるという話だ。
子をなすということはそれなりに長い間一緒に過ごすということだ。
その間に理解しよう、わかりあおうとしないものを、どうやって好きになれというんだ。
お前が大事にしなければ、妃からも大事にされん。
…ルーラの言うとおりだ。処罰の前に、きちんとレミーアと向き合ってみろ。
侯爵家のほうの処罰は騎士団に任せればいいだろう。」
「…わかりました。」
結果として、寵妃レミーア様は王城内の離宮に幽閉され、
陛下は毎週訪ねていくことになる。
侯爵家領は辺境伯に組み込まれ、侯爵家の者は身分をはく奪された。
何も知らされていなかった侯爵家の養子だった嫡男は辺境伯の養子とされた。
跡取りがいなかった白の騎士の後継として育てられ、
辺境の森を含む領地を継いでいくことになる。
連玉草の群生地は辺境伯のもとで管理され、
魔獣の血で穢れぬように騎士が見張りにつくことになった。
全てを焼き払うには連玉草の効能が惜しかったからである。
もし別の原因で眠り病が発生することになれば役に立つことだろう。
「あれで良かったのか?」
「うん…怒りが無いわけじゃない。だけど、ハンスさんの時に思ったんだ。
処刑されて終わりじゃ違う気がする。
母様もそんな終わりは望んでいないと思うから…。」
「そうか…。」
寝台の上で髪をなでられながら、ノエルさんと話をする時間が好きだ。
後ろから抱きしめられているとほっとするし、耳元で聞こえる声が低く響いて心地いい。
「ノエルさんを傷つけた原因でもあるのに、ごめんね。」
「いや、俺は別に恨んでない。
あれが無かったら、今こうしてルーラの隣にはいないだろうし。」
「そしたらノエルさんは公爵になっていたんだね。」
「そうだな。リリアンが16歳になる頃には結婚していただろう。
そうならなくて良かったよ。
…まぁ、痛かったし、つらかったからお礼を言う気にはならないけどな。」
「…それはそうだよ。」
あの傷がひどかったのも、ずっと痛がっていたのも知ってる。
今幸せだからと言って許せというのは違う。
「ノエルさんは怒っていいんだよ?」
「ああ。ルーラは、悲しんで良いんだぞ?」
「え?」
「多分、気が付いていないだろうけど、
辺境の森から帰ってきて、ずっと泣くの我慢しているだろう。
もう終わったんだ。好きなだけ泣いていいんだよ。
こっち向いて、ルーラ。」
ころんと向きを変えられて、ノエルさんの腕の中に閉じ込められた。
暖かい腕の中で顔を隠されるように包みこまれて、
涙腺が緩んだと思ったら止まらなかった。
涙も嗚咽もすべて隠してくれるようなノエルさんの腕の中で、いつまでも泣き続けた。
ノエルさんはそんな私に何も言わないで、ただずっと強く抱きしめてくれていた。
「は?」
「レミーア様と陛下は、理解が足りていなかったように思います。
一度でも娶ったなら、きちんと向き合うことが大事だったのではないですか?
それを怠って、次の妃を探していた陛下が悪いのです。
今回のことはレミーア様のせいだけではありません。
もちろん、連玉草の栽培や魔獣の飼育などはきちんと処罰するべきだと思います。
ですが、レミーア様を幽閉するだけでは陛下の罰がありません。
レミーア様を幽閉した上で、陛下だけはレミーア様を訪ねて話し合うべきです。」
誰が悪い、処罰すればいい、ではきっとまた同じようなことがおこる。
陛下がきちんと妃たちと向き合わない限り、魔女の呪いは続く。
呪いは運命の相手と巡り合えればいいというのではなく、
妃を大事にしろとそう言っている気がする。
「それには私も賛成だな。」
「ユキ姉様…。」
「会ってすぐに国王であるお前自身を愛する者など、どこを探してもいないだろう。
いたとすればお前の外見だけ気に入ってるという話だ。
子をなすということはそれなりに長い間一緒に過ごすということだ。
その間に理解しよう、わかりあおうとしないものを、どうやって好きになれというんだ。
お前が大事にしなければ、妃からも大事にされん。
…ルーラの言うとおりだ。処罰の前に、きちんとレミーアと向き合ってみろ。
侯爵家のほうの処罰は騎士団に任せればいいだろう。」
「…わかりました。」
結果として、寵妃レミーア様は王城内の離宮に幽閉され、
陛下は毎週訪ねていくことになる。
侯爵家領は辺境伯に組み込まれ、侯爵家の者は身分をはく奪された。
何も知らされていなかった侯爵家の養子だった嫡男は辺境伯の養子とされた。
跡取りがいなかった白の騎士の後継として育てられ、
辺境の森を含む領地を継いでいくことになる。
連玉草の群生地は辺境伯のもとで管理され、
魔獣の血で穢れぬように騎士が見張りにつくことになった。
全てを焼き払うには連玉草の効能が惜しかったからである。
もし別の原因で眠り病が発生することになれば役に立つことだろう。
「あれで良かったのか?」
「うん…怒りが無いわけじゃない。だけど、ハンスさんの時に思ったんだ。
処刑されて終わりじゃ違う気がする。
母様もそんな終わりは望んでいないと思うから…。」
「そうか…。」
寝台の上で髪をなでられながら、ノエルさんと話をする時間が好きだ。
後ろから抱きしめられているとほっとするし、耳元で聞こえる声が低く響いて心地いい。
「ノエルさんを傷つけた原因でもあるのに、ごめんね。」
「いや、俺は別に恨んでない。
あれが無かったら、今こうしてルーラの隣にはいないだろうし。」
「そしたらノエルさんは公爵になっていたんだね。」
「そうだな。リリアンが16歳になる頃には結婚していただろう。
そうならなくて良かったよ。
…まぁ、痛かったし、つらかったからお礼を言う気にはならないけどな。」
「…それはそうだよ。」
あの傷がひどかったのも、ずっと痛がっていたのも知ってる。
今幸せだからと言って許せというのは違う。
「ノエルさんは怒っていいんだよ?」
「ああ。ルーラは、悲しんで良いんだぞ?」
「え?」
「多分、気が付いていないだろうけど、
辺境の森から帰ってきて、ずっと泣くの我慢しているだろう。
もう終わったんだ。好きなだけ泣いていいんだよ。
こっち向いて、ルーラ。」
ころんと向きを変えられて、ノエルさんの腕の中に閉じ込められた。
暖かい腕の中で顔を隠されるように包みこまれて、
涙腺が緩んだと思ったら止まらなかった。
涙も嗚咽もすべて隠してくれるようなノエルさんの腕の中で、いつまでも泣き続けた。
ノエルさんはそんな私に何も言わないで、ただずっと強く抱きしめてくれていた。
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