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第4章 勇者の剣と剣の巫女
第214話 魔王の一撃!
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「今から本物のアクセレイションを見せてやるよ!」
右拳を顔の前に出し、ググッと力を込め始めた。また、暗黒弾的な技を使うつもりなんだろうか?それにしては黒いモヤが出ていない。ただ力んでいるだけの様にも見える。何が来るんだ?
「タイガー・カノン・ボンバー!」
拳が飛んできた。奴自身がこちらに殴りかかってきたわけじゃない!拳が、というより腕が伸びてこちらに向かってきた。
「くそっ、マジかよ!」
攻撃自体は難なく躱せた。当たっていれば、致命的なダメージになりそうだが……、分析している内にもう一発来た。
「そらよっ!次々行くぜ!」
二発目を躱したが、その次が迫っていることに気付き回避を続ける。左右交互に拳を飛ばして来るつもりのようだ。まさか、連打できるとは!避けるだけで精一杯だ。反撃が出来ない!
「シャープネス・ダーク・インパクト!」
俺が回避に専念する中、黒く大きな棘状のエネルギーが魔王目掛けて飛んでいった。おそらくエルちゃんの援護攻撃だ。
「おっと、いけねえ、もう一人いるんだった!」
魔王は俺への攻撃を一旦止めて、魔法弾を掴んだ。
「闇魔法か。そのままじゃ効かねえのは承知の上で、槍みてえに尖らせたエネルギーにしたってわけか!これじゃあ、俺でもダメージはうけるぜ。……ただし、当たればの話だがよ!」
魔王は掴んだ魔法エネルギーの槍を両手で握りつぶした。実体のないものまで力尽くかよ!とにかく、エルちゃんの魔法は魔王と同じ闇属性だから効果が薄いのかもしれない。
「しょうがねえな。二人同時に相手にしてやるか。ちょっとだけ魔王の本気を見せてやるよ!特別サービスだ!」
この期に及んでまだ本気を出していないのか?遊ばれているのか、俺達は。
「魔王の一撃……、」
魔王にも奥義みたいな物があるっていうのか?両手を広げ、力を貯めている。ヤツの全身からどす黒いオーラが立ち上り始める!
「猛虎斬鉄撃!!!」
両手の指の爪を刀ぐらいの長さに伸ばし、交差させるように爪を振るってきた!このままではまずい!受けきれるのか?こんなとんでもない攻撃を?
「ごふあっ!?」
爪が振るわれる瞬間、魔王は前のめりに倒れ込んだ。倒れつつも魔王の爪は石床を抉り、そこら中に破片をまき散らした。一体、何が起きた?
「誰だぁ?俺のとっておきの技を邪魔しやがるヤツはぁ!後ろから俺様の頭を足蹴にするたぁ、卑怯にも程があるぞ!」
起き上がりながら、邪魔をした何者かに怒りをぶつけている。後ろから誰かが妨害したのか?細かい破片が煙のようになっていて誰がいるかわからない。
「なんとか間に合って良かったニャ。間一髪とはこのことニャ。」
声が聞こえてきたあたりで姿が見えてきた。
「ジェイ!?」
猫の人が後ろから蹴りで妨害したのか!ナイス・キック!助けてくれなかったら、俺とエルちゃんが石床のように粉々になっていたかもしれない。
「なんでここへ来たんだ?子供と一緒に避難してくれてもよかったのに。」
「アールが見に行くって聞かなかったのニャ。子供の好奇心を抑えるのは、デーモンを倒すよりも難しいのニャ。」
「この子、走り出したら、止められないでヤンス!元気が有り余っているでヤンス!」
ジェイの更に後ろを見ると、タニシと一緒に子猫もいた。よりにもよって、こんなとんでもない状況で好奇心が発動してしまったのか?
「何だテメエは?勇者の仲間か?しかも猫かよ!俺様にまもなくブチ殺されたいバカが一人増えたって事だ。」
魔王は怒りに身を震わせながら、ジェイにも殺意を向け始めた。そして、後ろにいる子猫たちにも視線を移す。何故かそこで視線を止め、沈黙した。
「そうだ。いいことを思いついちまったぜ。こいつぁ名案かもしれないぜ!やっぱり今日の俺様は冴えてる!」
沈黙の後、邪悪な笑みを浮かべ妙なことを言い始めた。何か良からぬ事を企んでいるのは間違いない。
「オラァ!そこをどけぇ!」
「ニャアッ!?」
魔王は突然、猛然とした勢いで突進し、ジェイを跳ね飛ばした。ジェイもなすがままに吹き飛ばされてしまう。そのまま、タニシと子猫の元へ向かっていく!
「おうあああ!?あっしは食べてもおいしくないでヤンスよぉ!」
タニシは子猫を後ろへ隠しつつもビビリ上がっていた。アイツでは魔王には対処のしようがない!
「犬は引っ込んでろ!どけぇ!」
「おーまいがっ!?……キュウっ!?」
タニシはいとも容易く撥ね除けられ、壁に激突しグッタリしたまま動かなくなった。魔王は子猫と対峙している。まさか、狙いが子猫だったとは……。
「さあて、お楽しみはこれからだぜ!」
「やだやだ!やめて、や~め~て~!」
魔王は子猫の頭を強引に鷲掴み、前に掲げて見せた。
「その子を放せ!何をするつもりだ!」
「何って?決まってんじゃねえか?このガキを人質にするんだよ!」
「卑怯な!」
「何言ってんだよ?俺様を誰だと思ってる?誰もが恐れる天下の魔王様だぜ?無慈悲・無軌道・無秩序こそ、我ら魔族の真骨頂よ!」
ヤバイ!子猫が捕まってしまった。これじゃ手の出しようがない。こんな古典的な方法を使ってくるなんて……。
右拳を顔の前に出し、ググッと力を込め始めた。また、暗黒弾的な技を使うつもりなんだろうか?それにしては黒いモヤが出ていない。ただ力んでいるだけの様にも見える。何が来るんだ?
「タイガー・カノン・ボンバー!」
拳が飛んできた。奴自身がこちらに殴りかかってきたわけじゃない!拳が、というより腕が伸びてこちらに向かってきた。
「くそっ、マジかよ!」
攻撃自体は難なく躱せた。当たっていれば、致命的なダメージになりそうだが……、分析している内にもう一発来た。
「そらよっ!次々行くぜ!」
二発目を躱したが、その次が迫っていることに気付き回避を続ける。左右交互に拳を飛ばして来るつもりのようだ。まさか、連打できるとは!避けるだけで精一杯だ。反撃が出来ない!
「シャープネス・ダーク・インパクト!」
俺が回避に専念する中、黒く大きな棘状のエネルギーが魔王目掛けて飛んでいった。おそらくエルちゃんの援護攻撃だ。
「おっと、いけねえ、もう一人いるんだった!」
魔王は俺への攻撃を一旦止めて、魔法弾を掴んだ。
「闇魔法か。そのままじゃ効かねえのは承知の上で、槍みてえに尖らせたエネルギーにしたってわけか!これじゃあ、俺でもダメージはうけるぜ。……ただし、当たればの話だがよ!」
魔王は掴んだ魔法エネルギーの槍を両手で握りつぶした。実体のないものまで力尽くかよ!とにかく、エルちゃんの魔法は魔王と同じ闇属性だから効果が薄いのかもしれない。
「しょうがねえな。二人同時に相手にしてやるか。ちょっとだけ魔王の本気を見せてやるよ!特別サービスだ!」
この期に及んでまだ本気を出していないのか?遊ばれているのか、俺達は。
「魔王の一撃……、」
魔王にも奥義みたいな物があるっていうのか?両手を広げ、力を貯めている。ヤツの全身からどす黒いオーラが立ち上り始める!
「猛虎斬鉄撃!!!」
両手の指の爪を刀ぐらいの長さに伸ばし、交差させるように爪を振るってきた!このままではまずい!受けきれるのか?こんなとんでもない攻撃を?
「ごふあっ!?」
爪が振るわれる瞬間、魔王は前のめりに倒れ込んだ。倒れつつも魔王の爪は石床を抉り、そこら中に破片をまき散らした。一体、何が起きた?
「誰だぁ?俺のとっておきの技を邪魔しやがるヤツはぁ!後ろから俺様の頭を足蹴にするたぁ、卑怯にも程があるぞ!」
起き上がりながら、邪魔をした何者かに怒りをぶつけている。後ろから誰かが妨害したのか?細かい破片が煙のようになっていて誰がいるかわからない。
「なんとか間に合って良かったニャ。間一髪とはこのことニャ。」
声が聞こえてきたあたりで姿が見えてきた。
「ジェイ!?」
猫の人が後ろから蹴りで妨害したのか!ナイス・キック!助けてくれなかったら、俺とエルちゃんが石床のように粉々になっていたかもしれない。
「なんでここへ来たんだ?子供と一緒に避難してくれてもよかったのに。」
「アールが見に行くって聞かなかったのニャ。子供の好奇心を抑えるのは、デーモンを倒すよりも難しいのニャ。」
「この子、走り出したら、止められないでヤンス!元気が有り余っているでヤンス!」
ジェイの更に後ろを見ると、タニシと一緒に子猫もいた。よりにもよって、こんなとんでもない状況で好奇心が発動してしまったのか?
「何だテメエは?勇者の仲間か?しかも猫かよ!俺様にまもなくブチ殺されたいバカが一人増えたって事だ。」
魔王は怒りに身を震わせながら、ジェイにも殺意を向け始めた。そして、後ろにいる子猫たちにも視線を移す。何故かそこで視線を止め、沈黙した。
「そうだ。いいことを思いついちまったぜ。こいつぁ名案かもしれないぜ!やっぱり今日の俺様は冴えてる!」
沈黙の後、邪悪な笑みを浮かべ妙なことを言い始めた。何か良からぬ事を企んでいるのは間違いない。
「オラァ!そこをどけぇ!」
「ニャアッ!?」
魔王は突然、猛然とした勢いで突進し、ジェイを跳ね飛ばした。ジェイもなすがままに吹き飛ばされてしまう。そのまま、タニシと子猫の元へ向かっていく!
「おうあああ!?あっしは食べてもおいしくないでヤンスよぉ!」
タニシは子猫を後ろへ隠しつつもビビリ上がっていた。アイツでは魔王には対処のしようがない!
「犬は引っ込んでろ!どけぇ!」
「おーまいがっ!?……キュウっ!?」
タニシはいとも容易く撥ね除けられ、壁に激突しグッタリしたまま動かなくなった。魔王は子猫と対峙している。まさか、狙いが子猫だったとは……。
「さあて、お楽しみはこれからだぜ!」
「やだやだ!やめて、や~め~て~!」
魔王は子猫の頭を強引に鷲掴み、前に掲げて見せた。
「その子を放せ!何をするつもりだ!」
「何って?決まってんじゃねえか?このガキを人質にするんだよ!」
「卑怯な!」
「何言ってんだよ?俺様を誰だと思ってる?誰もが恐れる天下の魔王様だぜ?無慈悲・無軌道・無秩序こそ、我ら魔族の真骨頂よ!」
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