【第1部完結】勇者参上!!~東方一の武芸の名門から破門された俺は西方で勇者になって究極奥義無双する!~

Bonzaebon

文字の大きさ
286 / 401
第5章 完成!究極の超次元殺法!!

第286話 雷光が閃くとき

しおりを挟む
「勝ったようだな。……いや、そうでなくては困る。拙者がこの大会に参加した意義がなくなってしまう。」


 闘技場中央へ向かう侍と端の壁際まで向かおうとする途中ですれ違った。この言葉はそのときに発せられたものだ。


「明日の対戦を楽しみにしてる。アンタも勝てよ。」


 侍が負けるとは思ってないが、挨拶代わりにエールを送る。


「先程は面白い物を見せてもらった。礼代わりに拙者も切り札を披露させてもらう。とくと見るがよい。」


 侍は意味深なことを言った。それは誰のどの技のことを言っているのかはわからなかったが、とにかく技を見せるということなのだろう。フェアプレー精神の現れだろうか?それとも自分の技に対して絶対の自信を持っているからなのか?見てみるまではわからない。


「続きまして第二試合!謎多き東洋の戦士、チーム地雷也の登場です!」

「グロロロローッ!!」


 侍は闘技場に登場済みだが、巨体の鎧男が後で遅れて出てきた。ヤツの相棒、ブドーマスターだ。相変わらず鳴き声なのかよくわからない、奇声を上げながらズンズンと足音を響かせる。


「一回戦はブドーマスター選手の怪力によって相手を瞬く間に瞬殺!その恐るべき実力の片鱗が垣間見えました!果たして今試合では二人の実力の全貌は明かされるのでしょうか?」


 一回戦は侍自身が戦う価値なしと判断したのか、相棒の砂人形に処理させていた。侍自身が「人形とはいえ実力は同程度」と言っていたので、相当に強いのは間違いない。


「侍チームの相手を務めるのは、フルメタル・マジシャンズです。魔術師でありながら、鉄壁の守りを持つ異色の魔術師コンビなのです!」


 相手の二人はいつの間にか登場していた。ブドーの速度がゆっくりだったので、痺れを切らして出てきていたのかもしれない。小柄な全身鎧の男と大きな盾を持つ大男の二人組だった。マジシャンズというコンビ名だが全然魔術師っぽくなかった。盾の男はガンツと比べても遜色ない体格だ。違うのは鎧を着てないところぐらいか?


「アイツらアストラル・アーマーとシールドの使い手のようだな。だから魔術師でも重装備が平気で出来るんだ。」


 ファルちゃんの解説が入った。魔力で作った防具だから軽いのか。体の一部みたいなモンなのだろう。


「オイ、司会!さっさと試合を始めろ!あっちのウスノロのせいでイライラしっぱなしなんだよ、こっちは!」

「すまんな、司会の人。うちの弟者はせっかちなんだ。」


 小さな鎧男がまくし立てるように文句を言う。弟者と言っているのでもしかしたら二人は兄弟なのかもしれない。


「良かろう。拙者も貴殿らの希望にお応えしよう。司会殿、頼めるか?」


 一触即発!試合開始、待ったなしの模様!早くも両者は戦闘準備に入った。侍も刀を出している。今回はヤツ自身も手を出すようだ。宣言もあったしな。


「し、試合開始!!」


 開始直後、侍とブドーは相手を挟む様な位置取りをした。ブドーは片腕を掲げ、侍は刀を上段に構えている。今気付いたけど、両者とも腕には鎖が巻かれている。前にダンジョンにいたときはこんなものは付けてなかったはずだ。小手の代わりか?それにしては妙だった。


「雷光引力波!」


 そのかけ声と共に両者の間、対戦相手を巻き込んで電光の帯が発生した。何をするつもりなんだ?


「ま、まさか!あれはマグネット・エナジー!」

「な、なんそれ!?」


 ファルちゃんが驚きの声を上げている。専門用語で言われても、俺にはわからんのだが。ちゃんと説明してよ!


「兄者!み、身動きがとれんぞ!」

「お、落ち着け、弟者!魔力を集中して逃れるんだ!」


 魔術師兄弟は電光から逃れようと必死にもがこうとしている。しかし、もがくことすらできないようだ。わずかにしか体を動かせていない。


「無駄だ。我が術中に嵌まった以上、逃れることは出来ぬ。心せよ!」

「ヤバイ!アイツら一撃で決めるつもりらしいぞ!」


 ファルちゃんの驚きはさらに増す一方だった。何が起きるというのか?


「雷光一刀閃!!!」


 その瞬間、おびただしい閃光が闘技場を埋め尽くした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜

平明神
ファンタジー
 ユーゴ・タカトー。  それは、女神の「推し」になった男。  見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。  彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。  彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。  その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!  女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!  さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?  英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───  なんでもありの異世界アベンジャーズ!  女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕! ※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。 ※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。

黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。 この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。

裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね

竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。 元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、 王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。 代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。 父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。 カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。 その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。 ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。 「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」 そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。 もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。 

妖精族を統べる者

暇野無学
ファンタジー
目覚めた時は死の寸前であり、二人の意識が混ざり合う。母親の死後村を捨てて森に入るが、そこで出会ったのが小さな友人達。

最難関ダンジョンをクリアした成功報酬は勇者パーティーの裏切りでした

新緑あらた
ファンタジー
最難関であるS級ダンジョン最深部の隠し部屋。金銀財宝を前に告げられた言葉は労いでも喜びでもなく、解雇通告だった。 「もうオマエはいらん」 勇者アレクサンダー、癒し手エリーゼ、赤魔道士フェルノに、自身の黒髪黒目を忌避しないことから期待していた俺は大きなショックを受ける。 ヤツらは俺の外見を受け入れていたわけじゃない。ただ仲間と思っていなかっただけ、眼中になかっただけなのだ。 転生者は曾祖父だけどチートは隔世遺伝した「俺」にも受け継がれています。 勇者達は大富豪スタートで貧民窟の住人がゴールです(笑)

エリクサーは不老不死の薬ではありません。~完成したエリクサーのせいで追放されましたが、隣国で色々助けてたら聖人に……ただの草使いですよ~

シロ鼬
ファンタジー
エリクサー……それは生命あるものすべてを癒し、治す薬――そう、それだけだ。 主人公、リッツはスキル『草』と持ち前の知識でついにエリクサーを完成させるが、なぜか王様に偽物と判断されてしまう。 追放され行く当てもなくなったリッツは、とりあえず大好きな草を集めていると怪我をした神獣の子に出会う。 さらには倒れた少女と出会い、疫病が発生したという隣国へ向かった。 疫病? これ飲めば治りますよ? これは自前の薬とエリクサーを使い、聖人と呼ばれてしまった男の物語。

転落貴族〜千年に1人の逸材と言われた男が最底辺から成り上がる〜

ぽいづん
ファンタジー
ガレオン帝国の名門貴族ノーベル家の長男にして、容姿端麗、眉目秀麗、剣術は向かうところ敵なし。 アレクシア・ノーベル、人は彼のことを千年に1人の逸材と評し、第3皇女クレアとの婚約も決まり、順風満帆な日々だった 騎士学校の最後の剣術大会、彼は賭けに負け、1年間の期限付きで、辺境の国、ザナビル王国の最底辺ギルドのヘブンズワークスに入らざるおえなくなる。 今までの貴族の生活と正反対の日々を過ごし1年が経った。 しかし、この賭けは罠であった。 アレクシアは、生涯をこのギルドで過ごさなければいけないということを知る。 賭けが罠であり、仕組まれたものと知ったアレクシアは黒幕が誰か確信を得る。 アレクシアは最底辺からの成り上がりを決意し、復讐を誓うのであった。 小説家になろうにも投稿しています。 なろう版改稿中です。改稿終了後こちらも改稿します。

処理中です...